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37話 その2
しおりを挟む使徒トルゥーガが連れて来た神獣ラーダとフロトスは倒して、あとはラズリックさんとレイラさんの勝利を待つのみだった。
しーゅんーーーードォーン!
「うわっ!なんだ?」
レイラさんが向かった方向の空から何か降って来た。
「アイタタタ……」
「痛いわね…」
「あのむっつりにボコられるとは…ね」
ラズリックさんとレイラさんがドルゥーガにやられてこっちに飛ばされてきた。
僕の頭の上から使徒トルゥーガが見下ろしていた。
「我が主の望みである!少年よ…その命貰い受ける…」
凄い殺気と気迫だった。
でも…正直、バルちゃんより弱そうに感じてあまり怖くない。
僕の神経はもう麻痺しているようだ。
「ドルゥーガ…私達を上から見下ろすとはいい度胸ね…」
「全くだ…」
ラズリックさんとレイラさんが立ち上がるとドルゥーガは無数の剣と槍や鉄槌など様々な形の武器を作り出して僕にも撃ち放った。
「ハルトちゃん!避けなさい!まだ君はあれを防げない!きゃーっ!」
「集中しろ!ラズリッ…くぇ!」
二人はギリギリ攻撃を耐えながら僕を守ってくれた
「下界では主の許可なしでは力の解放出来ない、そのようなお主らは我の敵ではない!それ以上無様な姿を晒すな…」
トルゥーガは数千の武器を作り出して僕達に向けた。
[[オホホホ!我々の神獣達を倒したと調子に乗って!ざまあー見ろ!怪力バカ女の下僕よ!]]
[[ドルゥーガ!やってしまいな!]]
[[速戦速殺!追善!]]
[[な、なに勝手に出しゃ張る!]]
[[まぁいいじゃん~聖地から出た訳でも無いし]]
[[そうだそうだ!一言でも言わせろ!]]
[[鬱憤発散中!権利有り!]]
[[まあ良い!ドルゥーガよ、茶番は終わりだ!我らに歯向かう奴らは全員始末しろ!]]
上空から広範囲の念話で誰かの声が聞こえた。
あの者達が言っている怪力バカ女…それはきっとルル姉の事をだと気付いてかなり不愉快になかった。
ラズリックさんとレイラさんは何故か余裕のある表情で、まるでこの時を待っていたように笑っていた。
「いい残す事はそれだけですか?遺書を残す時間ぐらいはありますのでお忘れずにね!」
[[はっ!ラズリックよ強がるな…主があんな状態じゃ…お主なんぞ一捻りだぞ?あはは!バカ女め帰って早々哀れじゃ]]
ルル姉をまた侮辱して頭に血が昇った。
相手が神であってもこれ以上我慢できない、我慢したくもない
「言わせておけば!神か何だか知らんが!誰をバカとか哀れな女だと?!神の片隅にも置けないボンクラどもがぁぁ!」
カッとなって言っちゃったけど、一応神だ…ちょっと言い過ぎかなと思った。
[[に、に、人間風情が!神を冒涜するとは!はっ!さすがに野蛮なあの女の手下じゃ…]]
あっ…前言撤回!
それたけじゃ足りないようで僕は北海道の雪だるまを思い出してそれを言ってみた。
「あぁ?なりふり構わず必死ですね!そんなビビリな女神…多分胸もペタンコでしょーね?膨らみ0.5成長終了…乙です!お気持ちお察しします!…あっ!でも、貧乳も悪くないですよ?」
[[な、な、な、貴様ああああぁぁぁ!貴様、貴様、ら、ら、楽に死ねると思うな!!]]
[[へぇ…それ言われちゃったよ]]
[[人間の子にまで言われるとは…ラグレシア哀れだね]]
[[パット4枚追加…善意忠告]]
[[お前ら黙ってろや!この馬鹿共が!]]
この予想以上の反応で神ラグレシアの胸がどれほどかちょっと見てみたくなった。
僕の挑発によって創造の女神は怒り狂って、ちょっと怖くなったけど、既にこぼした味噌汁だ…。
やってしまったにはもいどうでも良くなった。
[[と、と、ドルゥーガよ、今すぐやつの口を閉ざせ!そして生きたまま妾の前に連れて来い!地獄が生温いと思うほどの苦痛を与えてやる]]
胸の事を僕に突かれて怒り狂っている声を聞いたラズリックさんが僕を見ながら笑い出した。
「ぷっ…ぷっはははは…!聞きました?ルナ様?神相手にあんな事言って!あははは!ハルトちゃん、凄い!」
[[あははは!うん、聞いたぞ!さすが私のハルト君だ!ククク…面白かった]]
聞き覚えがあるその綺麗で力強くて元気な声。
間違いない…僕が聴き間違える訳がないルル姉の声だった。
その時、胸の中のルル姉の器が眩しく光った後、人の姿に変わった。
「よう!久しいな…三馬鹿とまな板よ!」
その人の姿はルナファナリールッカ、破壊を司る女神、ルル姉だった。
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