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一章 30話
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一章30話
僕達はイビルゲートの最深部に着いた。
僕達は行き止まりの広い部屋のような場所に出て下への道がないか探したが行き止まりだった。
「妙に静かで魔物すらいないね…」
「争った痕跡すらないです」
「それは当たり前だ…こんな恐ろしい気配がする場所には魔物も足を踏み入れたくないはずだよ」
「静か過ぎるです…」
「本当に最深部なの?…何もないよ」
「間違いないと思う…」
その時、最深部全体が揺れて割れた地面から薄い紫色の禍々しいオーラを纏った卵のような巨大な魔核が出て来た。
その魔核はまるで生きてるような心臓のような鼓動をし、中から何か動いているように見えた。
「これが…イビルゲートの主核?」
「なんだか…凄く気持ち悪い感じがするわね」
「なんて禍々しい……」
「中に何かいる…」
「どうする?様子みるの?」
「壊しちゃおう!お姉ちゃん」
「だな!」
「ちょ、ちょっと!二人共!指示があるまで手を出すなと先言ったのに…」
双子は躊躇なく弓を放って槍を投げた。
もう心の準備する時間もなくエンカウント
双子の判断が正しい、様子見などしていい相手ではない…少しでもダメージを与えたらこっちとしては得したもんだと思った。
「聞いてないな…アレをやるか!」
「うん!お姉ちゃん、爆風の矢よ!」
「貫け!ソニックピアシングスピア!」
リリヤの矢が核に当たる瞬間…矢が爆発して衝撃波が発生した。
その衝撃波は核とその周辺を押し潰すほど強力で、イリヤの槍は風を纒い高速スパイラル状態になって核の中央を閃光のように貫いた。
「すげ……」
「でしょー♪」
「えへへ」
イリヤはいつものあの憎たらしいドヤ顔で僕を挑発して、その顔を見ると先までのガチガチだった体も緊張感も解れた。
それに、二人は前と比較にならないように強くなっていて、これほど急速に強くなるにはまさかあの方の元で修行でもしたんじゃないかと思った。
「あの、二人共、ひょっとしてカイオウサマでも会えた?」
「カイオウサマ?なにそれ?」
「その方はわかりませんが…真相精霊様には会いました」
「しんそう?えーー!」
真相精霊…精霊王よりも格上の存在で神霊とも呼ばれ、精霊達の問題を神々に直接面談が出来る権限を持つ精霊の中で最高上位精霊である。
そのような存在を契約もなしでほいほい会える訳がないが双子に僕に嘘をつく理由もなく、こんな短時間で強くなったのも納得した。
「ごめん…あの時は嘘をついってたわ」
「実はですね」
双子は今まで僕の足手まといになってる感じて心苦しくて僕と横に並ぶような強さを求めたと話してくれた。
風の精霊の元に尋ねて試練を受けてそれを成し遂げると真相精霊から力を賜るとのおとぎ話しを聞いた事を思い出して精霊を探しに行ったと打ち明けた。
精霊すらも誰でも簡単に会える訳ないが…生まれ付きの強運と風の加護持ちの理由で精霊も興味半分で二人に会ってくれたらしい。
それと試練も無事に成し遂げて真相精霊から風使いの力を賜ったと明かしてくれた。
「イリヤ、リリヤ…よく頑張ったね!凄いよ」
「えへへ、意外とすんなり力を下さってちょっとびっくりしました」
「しかし…これで終わりにして欲しいが…」
「そんな簡単にはいかなさそうです…」
「やはりか…二人共本番はこれからのようだ」
双子の攻撃で発生したほこりの霞の中から人のような影が見えて、ここから逃げ出したくなるほど強いプレッシャーを感じた。
「本命お出ましだ…気をつけて!」
「いよいよだね」
「慎重にいきましょう…」
その影は霞を払って姿を見せた。
長い白髪に少し焼けたような麦肌色、赤い瞳に小さい手の指先には長くて鋭く見える爪した少女が姿を現した。
だが、その小さい体には周り全て飲み込むような禍々しい気配がこの最深部に埋め尽くされていた。
レイラさんから聞いたイビルゲートの攻略が未だに二つのみ…その理由がわかる気がした。
これ…マジ勝ち目あるの?
.
.
.
最深部を覗いたラズリックはいても立ってもいられないような様子で落ち着きがない。
意識を失っていたレイラも目を覚ますとその姿に疑問を感じた。
「どうした…?お前がそんなに慌てるなんて、そんな姿、ルナ様が異界に飛ばされた以来だぞ?」
「最深部にディシーポネーがいたのよ!」
「なに!あの惨殺の女神が!何故奴が最深部にいる?」
「噂では邪神君主に逆らって封印されたと聞いたが けど…まさかイビルゲートの主核にされたとは…」
「邪神らしいな…使え無くなったら味方すら消耗品か…穢らわらしい!」
「こんな事になるとはさすがに私でもこの状況は予想できない…ハルトちゃんはダメかも知れない」
ラズリックはこの想定外の事でショックを受けて座り込んでしまった…。
「今のアイツではあの装備でも敵わないだろう…相手は腐っても邪神だ」
「ハルトちゃん……」
「仕方ない、ルナ様だけでもなんとかしなくてはな…」
「……だね」
「奴が倒れだら主神様の怒りに触れる覚悟で私が行って来るとしよう…」
その言葉にラズリックは黙って頷いた。
僕達はイビルゲートの最深部に着いた。
僕達は行き止まりの広い部屋のような場所に出て下への道がないか探したが行き止まりだった。
「妙に静かで魔物すらいないね…」
「争った痕跡すらないです」
「それは当たり前だ…こんな恐ろしい気配がする場所には魔物も足を踏み入れたくないはずだよ」
「静か過ぎるです…」
「本当に最深部なの?…何もないよ」
「間違いないと思う…」
その時、最深部全体が揺れて割れた地面から薄い紫色の禍々しいオーラを纏った卵のような巨大な魔核が出て来た。
その魔核はまるで生きてるような心臓のような鼓動をし、中から何か動いているように見えた。
「これが…イビルゲートの主核?」
「なんだか…凄く気持ち悪い感じがするわね」
「なんて禍々しい……」
「中に何かいる…」
「どうする?様子みるの?」
「壊しちゃおう!お姉ちゃん」
「だな!」
「ちょ、ちょっと!二人共!指示があるまで手を出すなと先言ったのに…」
双子は躊躇なく弓を放って槍を投げた。
もう心の準備する時間もなくエンカウント
双子の判断が正しい、様子見などしていい相手ではない…少しでもダメージを与えたらこっちとしては得したもんだと思った。
「聞いてないな…アレをやるか!」
「うん!お姉ちゃん、爆風の矢よ!」
「貫け!ソニックピアシングスピア!」
リリヤの矢が核に当たる瞬間…矢が爆発して衝撃波が発生した。
その衝撃波は核とその周辺を押し潰すほど強力で、イリヤの槍は風を纒い高速スパイラル状態になって核の中央を閃光のように貫いた。
「すげ……」
「でしょー♪」
「えへへ」
イリヤはいつものあの憎たらしいドヤ顔で僕を挑発して、その顔を見ると先までのガチガチだった体も緊張感も解れた。
それに、二人は前と比較にならないように強くなっていて、これほど急速に強くなるにはまさかあの方の元で修行でもしたんじゃないかと思った。
「あの、二人共、ひょっとしてカイオウサマでも会えた?」
「カイオウサマ?なにそれ?」
「その方はわかりませんが…真相精霊様には会いました」
「しんそう?えーー!」
真相精霊…精霊王よりも格上の存在で神霊とも呼ばれ、精霊達の問題を神々に直接面談が出来る権限を持つ精霊の中で最高上位精霊である。
そのような存在を契約もなしでほいほい会える訳がないが双子に僕に嘘をつく理由もなく、こんな短時間で強くなったのも納得した。
「ごめん…あの時は嘘をついってたわ」
「実はですね」
双子は今まで僕の足手まといになってる感じて心苦しくて僕と横に並ぶような強さを求めたと話してくれた。
風の精霊の元に尋ねて試練を受けてそれを成し遂げると真相精霊から力を賜るとのおとぎ話しを聞いた事を思い出して精霊を探しに行ったと打ち明けた。
精霊すらも誰でも簡単に会える訳ないが…生まれ付きの強運と風の加護持ちの理由で精霊も興味半分で二人に会ってくれたらしい。
それと試練も無事に成し遂げて真相精霊から風使いの力を賜ったと明かしてくれた。
「イリヤ、リリヤ…よく頑張ったね!凄いよ」
「えへへ、意外とすんなり力を下さってちょっとびっくりしました」
「しかし…これで終わりにして欲しいが…」
「そんな簡単にはいかなさそうです…」
「やはりか…二人共本番はこれからのようだ」
双子の攻撃で発生したほこりの霞の中から人のような影が見えて、ここから逃げ出したくなるほど強いプレッシャーを感じた。
「本命お出ましだ…気をつけて!」
「いよいよだね」
「慎重にいきましょう…」
その影は霞を払って姿を見せた。
長い白髪に少し焼けたような麦肌色、赤い瞳に小さい手の指先には長くて鋭く見える爪した少女が姿を現した。
だが、その小さい体には周り全て飲み込むような禍々しい気配がこの最深部に埋め尽くされていた。
レイラさんから聞いたイビルゲートの攻略が未だに二つのみ…その理由がわかる気がした。
これ…マジ勝ち目あるの?
.
.
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最深部を覗いたラズリックはいても立ってもいられないような様子で落ち着きがない。
意識を失っていたレイラも目を覚ますとその姿に疑問を感じた。
「どうした…?お前がそんなに慌てるなんて、そんな姿、ルナ様が異界に飛ばされた以来だぞ?」
「最深部にディシーポネーがいたのよ!」
「なに!あの惨殺の女神が!何故奴が最深部にいる?」
「噂では邪神君主に逆らって封印されたと聞いたが けど…まさかイビルゲートの主核にされたとは…」
「邪神らしいな…使え無くなったら味方すら消耗品か…穢らわらしい!」
「こんな事になるとはさすがに私でもこの状況は予想できない…ハルトちゃんはダメかも知れない」
ラズリックはこの想定外の事でショックを受けて座り込んでしまった…。
「今のアイツではあの装備でも敵わないだろう…相手は腐っても邪神だ」
「ハルトちゃん……」
「仕方ない、ルナ様だけでもなんとかしなくてはな…」
「……だね」
「奴が倒れだら主神様の怒りに触れる覚悟で私が行って来るとしよう…」
その言葉にラズリックは黙って頷いた。
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