63 / 250
一章 26話
しおりを挟む
レイラさんの渾身的な犠牲によって正気に戻った。
ラズリックさんは身の嗜みを整ったあと今までの事をまるでなかったように振る舞った。
あの状態が一週間続いたらどうしようと思ったが、さすが神であって効果切れが早く、本当に助かった。
「ふむふむ!!そうね、ほんの6時間でも今は無駄にできない時だしね…ハルトちゃん!今からナズーラ村のイビルゲート攻略してくれる?この装備なら確実に攻略出来ると思うよ」
何とか貞操の危機は去ったが6時間と聞いてドン引きした。
一体全体6時間もかけて何をするのーー!
ラズリックさん…怖っ!怖っ!要注意人物決定!
僕は素早くその装備を受け取ってラズリックさんから距離を取った。
ああーー♪格好いいな♪
しかし、その装備に触るとあり得ない違和感を感じた。
まるで人の肌のような生暖かい。
「あれ?なんかこれ金属みたいですがとても温かいですね…」
「ああ!よく気付いた坊や!それは大昔…幼い我が主!愛しきルナ様が破壊の女神の座に着く前に作ったものだ!そうだな…その時天下の幼い神の子達の間に勇者ごっこが流行ってな…」
僕の質問にレイラさんがその装備の説明を嬉しいそうな表情でしてくれた。
「へぇ、ルル姉がそんな遊びを?想像がつかないです!」
「まあ、それでルナ様は自分に相応しい装備の素材を求めてだな…」
まさか!オリハルコンとか?ミスリルとかの伝説の金属か何かじゃないかと胸が躍った。
「精霊界で鋼の魔神を生け捕りにして…その血肉をぐっと絞り取って作ったものた…なんとダイナミックな発想であるか!さすがルナ様だ!」
「ほぇ?」
金属ではなかった…。
血肉だった。
「温かい理由は…まだ…それ、生きてるぞ」
……………怖っ!
生きてんのこれ!返品してもいいですか?
でも格好いいな…どうしよう?やっぱ貰いおう。
怖くても自ら自分のアイデンティティを否定する事は出来ない!
格好いいは正義なり!!
「それに今ちょうど過去の因縁を断ち切る好機でね…攻略お願いね?」
ラズリックさんが何かしら物騒な事を言った気がするがこの装備なら攻略可能だとお墨付きで、例え死んでもルル姉の為なら攻略すると思った。
「ルル姉の為ですし…ラズリック姉さんの頼みなら頑張って攻略して見せます」
「もう…ハルトちゃんたら!はぁはぁはぁ」
ラズリックさんは鼻息が荒くなって、あの清純に見える外見と中身は真逆だと知って怖くなった。
しかし、誰かさんのように嫌われるよりはいいと思った。
「逃げるなよ!逃げたら私が殺す…ぶっ殺す!八つ裂きにして…かはっ!」
僕が逃げないように脅すレイラさんにラズリックさんの空中踵落としが炸裂した。
なんと綺麗な足さばき!
この方ならきっと、格闘界の新たな神話も作れると僕は確信した。
「今すぐナズーラ村に向かいます…でも僕はまだ馬に乗れないので、まず馬車を手配しないと…」
「う、う、待て!その必要は無い……」
「え?でも先…時間が惜しいと…」
街に行って馬車の手配に行こうとした僕を血塗れで床に倒れているレイラさんが呼び止めたあと、一瞬で回復して立ち上がった…。
凄い再生力でびっくりした。
そのあとレイラさんは片隅でで縮こまっている方々に目を向けた。
「司祭長は誰だ?…200年ほど前、私が預けた物があるはずだが……」
「い、い、イッセリナと申します…はい!レイラ様のお気に入りの神物と聞き及んで大切に保管しております!」
「うむ!それをすぐ出せ…」
「承りました!直ちに!」
レイラさんの命令で全員はその神物を取りに行った。
「レイラさん?なにが移動手段でもありますか?」
「そう!一瞬でナズーラ村まで行ける凄いものがある」
僕はテレポートや移動魔法みたいな転送装置かと思ってワクワクした。
「へぇ?おバカのレイラがそんな物も持ってるとは…意外だわ!」
「失礼な!!」
ラズリックさんはレイラさんを弄るのが趣味のようにみえたが神であるラズリックさんは使徒のレイラさんを上から目線のような態度は一切見えなかった。
この二人を見ると何故ルル姉がこの世界に帰りたかったかわかる気がした。
「よいしょ!よいしょ!よいしょ!よいしょ!」
「えっ?こ、このデカブツは!」
ラズリックさんは皆さんが持って来たそのデカイ装置を見て驚いた表情をした。
「きゃっ!なにこれ?」
「よっし!邪魔者の排除成功!」
レイラさんはこの大きな装置に気を取られたラズリックさんに光の縄で縛った。
ラズリックさんは身の嗜みを整ったあと今までの事をまるでなかったように振る舞った。
あの状態が一週間続いたらどうしようと思ったが、さすが神であって効果切れが早く、本当に助かった。
「ふむふむ!!そうね、ほんの6時間でも今は無駄にできない時だしね…ハルトちゃん!今からナズーラ村のイビルゲート攻略してくれる?この装備なら確実に攻略出来ると思うよ」
何とか貞操の危機は去ったが6時間と聞いてドン引きした。
一体全体6時間もかけて何をするのーー!
ラズリックさん…怖っ!怖っ!要注意人物決定!
僕は素早くその装備を受け取ってラズリックさんから距離を取った。
ああーー♪格好いいな♪
しかし、その装備に触るとあり得ない違和感を感じた。
まるで人の肌のような生暖かい。
「あれ?なんかこれ金属みたいですがとても温かいですね…」
「ああ!よく気付いた坊や!それは大昔…幼い我が主!愛しきルナ様が破壊の女神の座に着く前に作ったものだ!そうだな…その時天下の幼い神の子達の間に勇者ごっこが流行ってな…」
僕の質問にレイラさんがその装備の説明を嬉しいそうな表情でしてくれた。
「へぇ、ルル姉がそんな遊びを?想像がつかないです!」
「まあ、それでルナ様は自分に相応しい装備の素材を求めてだな…」
まさか!オリハルコンとか?ミスリルとかの伝説の金属か何かじゃないかと胸が躍った。
「精霊界で鋼の魔神を生け捕りにして…その血肉をぐっと絞り取って作ったものた…なんとダイナミックな発想であるか!さすがルナ様だ!」
「ほぇ?」
金属ではなかった…。
血肉だった。
「温かい理由は…まだ…それ、生きてるぞ」
……………怖っ!
生きてんのこれ!返品してもいいですか?
でも格好いいな…どうしよう?やっぱ貰いおう。
怖くても自ら自分のアイデンティティを否定する事は出来ない!
格好いいは正義なり!!
「それに今ちょうど過去の因縁を断ち切る好機でね…攻略お願いね?」
ラズリックさんが何かしら物騒な事を言った気がするがこの装備なら攻略可能だとお墨付きで、例え死んでもルル姉の為なら攻略すると思った。
「ルル姉の為ですし…ラズリック姉さんの頼みなら頑張って攻略して見せます」
「もう…ハルトちゃんたら!はぁはぁはぁ」
ラズリックさんは鼻息が荒くなって、あの清純に見える外見と中身は真逆だと知って怖くなった。
しかし、誰かさんのように嫌われるよりはいいと思った。
「逃げるなよ!逃げたら私が殺す…ぶっ殺す!八つ裂きにして…かはっ!」
僕が逃げないように脅すレイラさんにラズリックさんの空中踵落としが炸裂した。
なんと綺麗な足さばき!
この方ならきっと、格闘界の新たな神話も作れると僕は確信した。
「今すぐナズーラ村に向かいます…でも僕はまだ馬に乗れないので、まず馬車を手配しないと…」
「う、う、待て!その必要は無い……」
「え?でも先…時間が惜しいと…」
街に行って馬車の手配に行こうとした僕を血塗れで床に倒れているレイラさんが呼び止めたあと、一瞬で回復して立ち上がった…。
凄い再生力でびっくりした。
そのあとレイラさんは片隅でで縮こまっている方々に目を向けた。
「司祭長は誰だ?…200年ほど前、私が預けた物があるはずだが……」
「い、い、イッセリナと申します…はい!レイラ様のお気に入りの神物と聞き及んで大切に保管しております!」
「うむ!それをすぐ出せ…」
「承りました!直ちに!」
レイラさんの命令で全員はその神物を取りに行った。
「レイラさん?なにが移動手段でもありますか?」
「そう!一瞬でナズーラ村まで行ける凄いものがある」
僕はテレポートや移動魔法みたいな転送装置かと思ってワクワクした。
「へぇ?おバカのレイラがそんな物も持ってるとは…意外だわ!」
「失礼な!!」
ラズリックさんはレイラさんを弄るのが趣味のようにみえたが神であるラズリックさんは使徒のレイラさんを上から目線のような態度は一切見えなかった。
この二人を見ると何故ルル姉がこの世界に帰りたかったかわかる気がした。
「よいしょ!よいしょ!よいしょ!よいしょ!」
「えっ?こ、このデカブツは!」
ラズリックさんは皆さんが持って来たそのデカイ装置を見て驚いた表情をした。
「きゃっ!なにこれ?」
「よっし!邪魔者の排除成功!」
レイラさんはこの大きな装置に気を取られたラズリックさんに光の縄で縛った。
0
お気に入りに追加
22
あなたにおすすめの小説

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活
XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
約束の子
月夜野 すみれ
ファンタジー
幼い頃から特別扱いをされていた神官の少年カイル。
カイルが上級神官になったとき、神の化身と言われていた少女ミラが上級神官として同じ神殿にやってきた。
真面目な性格のカイルとわがままなミラは反発しあう。
しかしミラとカイルは「約束の子」、「破壊神の使い」などと呼ばれ命を狙われていたと知る事になる。
攻撃魔法が一切使えないカイルと強力な魔法が使える代わりにバリエーションが少ないミラが「約束の子」/「破壊神の使い」が施行するとされる「契約」を阻む事になる。
カタカナの名前が沢山出てきますが主人公二人の名前以外は覚えなくていいです(特に人名は途中で入れ替わったりしますので)。
名無しだと混乱するから名前が付いてるだけで1度しか出てこない名前も多いので覚える必要はありません。
カクヨム、小説家になろう、ノベマにも同じものを投稿しています。

日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
[完結]異世界転生したら幼女になったが 速攻で村を追い出された件について ~そしていずれ最強になる幼女~
k33
ファンタジー
初めての小説です..!
ある日 主人公 マサヤがトラックに引かれ幼女で異世界転生するのだが その先には 転生者は嫌われていると知る そして別の転生者と出会い この世界はゲームの世界と知る そして、そこから 魔法専門学校に入り Aまで目指すが 果たして上がれるのか!? そして 魔王城には立ち寄った者は一人もいないと別の転生者は言うが 果たして マサヤは 魔王城に入り 魔王を倒し無事に日本に帰れるのか!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる