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一章 23話
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一章23話
仲間が重傷を負って助けを求めて来た亜人冒険者達は全員獣人であった。
他の神殿に治療を頼んだが亜人との理由で全て断れて藁でも縋りたい気持ちでここを訪ねた。
しかし、このほどの重傷はこの神殿では治せないと聞き、彼等は絶望に満ちた雰囲気に変わった。
僕はお腹の中まで見えるほどの深い傷がこれ以上広がらないよう軽く押しながら持っていた包帯を巻いた。
「なんだてぇめー?触るな人間!ぶっ殺すぞ!」
「待て、彼は破壊の女神様の信徒よ、手荒な真似は許しません」
「そ、そうでしたか…」
獣人のリーダーは険悪な顔で僕を睨んで殴りかかろうとしたが、イッセリナ司祭長が止めてくれたおかげで殴られずに済んだ。
「これぐらいなら治るから安心して下さい」
僕は怪我人に笑顔で治ると言ってまず安心させて諦めないようにした。
「本当に…治るの?あたし…死なずの済むの?」
「はい…安心して下さい」
怪我した獣人は僕の言葉を聞いてまだ死にたくないと思うようになったようで歯を食いしばって痛みに耐えた。
「これぐらいって…いい加減な事を言うな!致命傷だ!てぇめーの目にあの飛び出ている艶々で綺麗な内臓が見えねぇのか?あん?」
こいつ。本当に仲間なの?死にかけてる仲間の前で何言ってる?飛び出ている内臓…ツヤツヤってこいつアホかなの?
「……………」
負傷してる獣人は両手で彼の事で恥ずかしいか顔を隠していた。
お気持ちお察しします……。
「さてさて…ちょっと痛みは有るけど我慢してね」
これほど生命力が強い獣人族なら、自然治癒力も半端なく高いはずと思いある魔法を試した。
「蠢く命の脈動、唸る生命の波動よ!促進せよ…生命の赤い綱!ヒスメディカ」
ヒスメディカーは新陳代謝を極限に高めて自然回復を早める無属性魔法である。
「きゃっ!ウ、ウギャーー!痛いし、くすぐったい!うはははは!痛たたた!きゃはは!もうダメ!イヒヒヒ!うんぎゃー!」
怪我した獣人はビッグビックっと痙攣して体が震えながら頑張って耐えていた。
「ハルトさん!何をなさったんですか?」
「治療魔法?のようなものだよ」
ラネースは大怪我が見る見る治っていくのを見て信じられない表情をした。
予想通り獣人の怪我は凄い勢いで傷口が塞がって大量に血を流して血色悪かった彼女の顔や肌も血色がよくなった。
「これは……生き物の自然治癒力操作魔法…ヒスメディカ!」
司祭長はこの魔法を知ってるようて驚いたように治っていく獣人の傷を見ていた。
「えっ?それってかなり高位の無属性魔法じゃないですか?人間族がこの魔法が使えるなんて…す、凄いです!本当に、本当に…ありがとう!」
ラネースさんは同じ亜人が助かった事で涙目で喜んでいた。
傷が完全に塞がった獣人は身体を動かしてみたりぴょんぴょん跳ねてみて体の状況を確かめていた。
「う、嘘みたい!何ともない…!」
「お姉さんの生命力が強いおかげでより早く治ったみたい」
「そう…?」
怪我が治った獣人はは僕をしばらくじっと見つめて不可解な顔でなにか考え込んでいた。
「よかった!ミレーナ!本当に…よかった」
「ミレーナ!よかった」
そのアホリーダーは怪我が治った獣人をそっと抱きしめてもう一人の仲間も涙目で喜んでいた。
「アニキ、よくも死にかけてる妹に致命傷だ内臓がどうだと吐かしてくれたわね…」
兄と聞いて妹の前でよくも内臓がツヤツヤとか言えたと…僕は怒りを感じた
この贅沢者め!許すまじ!
「あ…えと…」
「バカアニキ!!」
「くぇー!」
ミレーナという獣人はそのアホの腹部に理想的な60度で捻ったた強力な拳の突きで成敗した。
「まさか…人間の子に助けられると思わなかったわ…私はミレナ、冒険者やってる、まず礼を言おう…ありがとう」
獣人に出会ったのも初めてで、僕はミレーナさんをじーと観察した。
尖った耳、耳の中に柔らかそうな白毛、金色の瞳、長い尻尾、虎のような模様…。
やっぱ獣人族は最高だ!と感動してテンションが最大値まで上がった。
「なにそんなにジロジロ見てる…それより君は何者だ?」
「僕の名は志村晴人です…同じく冒険者をやってます!」
「へぇ…このあたりでは見かけない顔だな…まあそれより何かお返ししなくてはな…人間に借りは作らん!何か欲しい物や頼みたい事があれば言えよ…」
そう来たか…。
ミレーナは恩人に対して有るまじき態度であったがイッセリナ司祭長の話しを先に聞いていたので彼女の態度も納得してる。
なら…今一番やりたい事を頼んでみようと思った。
「では!一つお願いがあります…」
「ああ…私が出来る事なら」
「その耳!尻尾!無期限で触り放題を要求します!」
「はっ?ふざけてんの?」
ふざけてなとない…。
超本気だ!逆に大金を払う用意も出来ている!まじで…。
「いやいやいや!本気です!お願いしまーす!」
「はっ?それでいいなら……」
「よっしゃー♪」
ミレナの言葉が終わる前に僕は既に触り始めた。
「うわ!柔らかい!暖かい!耳も尻尾も本物だ!この感触!やめられない!クンガクンガ…いい香り!クンガクンガ!!」
「ひぃ!やめろ!匂い嗅ぐな!変態!!」
ミレーナは必死に抵抗したが…僕の力は加護のおかげで超人に近い。
逃がしません!
「なにこの子!力だけなら人間族の何倍もある私が…やめ!し、尻尾握るな!いやぁぁぁー!」
1時間後、満足した僕はミレーナさんを放してあげた。
あーー♪モフモフ最高!満足満足!
「しゃーしゃーきゃるる!!」
ミレナさんは怒って僕に威嚇していたが座り込んで諦めたような表情をした。
「一応、命を救ってくれた対価だから仕方ない…でも!匂いは嗅ぐなよ!絶対だぞ!」
「善処します、ミレナ姉さん」
「うん、ならいいよ」
ふふふ、僕は善処すると言っただけでやらないと言ってない…。
あれはもうヤミツキになったから辞める事は無理である。
仲間が重傷を負って助けを求めて来た亜人冒険者達は全員獣人であった。
他の神殿に治療を頼んだが亜人との理由で全て断れて藁でも縋りたい気持ちでここを訪ねた。
しかし、このほどの重傷はこの神殿では治せないと聞き、彼等は絶望に満ちた雰囲気に変わった。
僕はお腹の中まで見えるほどの深い傷がこれ以上広がらないよう軽く押しながら持っていた包帯を巻いた。
「なんだてぇめー?触るな人間!ぶっ殺すぞ!」
「待て、彼は破壊の女神様の信徒よ、手荒な真似は許しません」
「そ、そうでしたか…」
獣人のリーダーは険悪な顔で僕を睨んで殴りかかろうとしたが、イッセリナ司祭長が止めてくれたおかげで殴られずに済んだ。
「これぐらいなら治るから安心して下さい」
僕は怪我人に笑顔で治ると言ってまず安心させて諦めないようにした。
「本当に…治るの?あたし…死なずの済むの?」
「はい…安心して下さい」
怪我した獣人は僕の言葉を聞いてまだ死にたくないと思うようになったようで歯を食いしばって痛みに耐えた。
「これぐらいって…いい加減な事を言うな!致命傷だ!てぇめーの目にあの飛び出ている艶々で綺麗な内臓が見えねぇのか?あん?」
こいつ。本当に仲間なの?死にかけてる仲間の前で何言ってる?飛び出ている内臓…ツヤツヤってこいつアホかなの?
「……………」
負傷してる獣人は両手で彼の事で恥ずかしいか顔を隠していた。
お気持ちお察しします……。
「さてさて…ちょっと痛みは有るけど我慢してね」
これほど生命力が強い獣人族なら、自然治癒力も半端なく高いはずと思いある魔法を試した。
「蠢く命の脈動、唸る生命の波動よ!促進せよ…生命の赤い綱!ヒスメディカ」
ヒスメディカーは新陳代謝を極限に高めて自然回復を早める無属性魔法である。
「きゃっ!ウ、ウギャーー!痛いし、くすぐったい!うはははは!痛たたた!きゃはは!もうダメ!イヒヒヒ!うんぎゃー!」
怪我した獣人はビッグビックっと痙攣して体が震えながら頑張って耐えていた。
「ハルトさん!何をなさったんですか?」
「治療魔法?のようなものだよ」
ラネースは大怪我が見る見る治っていくのを見て信じられない表情をした。
予想通り獣人の怪我は凄い勢いで傷口が塞がって大量に血を流して血色悪かった彼女の顔や肌も血色がよくなった。
「これは……生き物の自然治癒力操作魔法…ヒスメディカ!」
司祭長はこの魔法を知ってるようて驚いたように治っていく獣人の傷を見ていた。
「えっ?それってかなり高位の無属性魔法じゃないですか?人間族がこの魔法が使えるなんて…す、凄いです!本当に、本当に…ありがとう!」
ラネースさんは同じ亜人が助かった事で涙目で喜んでいた。
傷が完全に塞がった獣人は身体を動かしてみたりぴょんぴょん跳ねてみて体の状況を確かめていた。
「う、嘘みたい!何ともない…!」
「お姉さんの生命力が強いおかげでより早く治ったみたい」
「そう…?」
怪我が治った獣人はは僕をしばらくじっと見つめて不可解な顔でなにか考え込んでいた。
「よかった!ミレーナ!本当に…よかった」
「ミレーナ!よかった」
そのアホリーダーは怪我が治った獣人をそっと抱きしめてもう一人の仲間も涙目で喜んでいた。
「アニキ、よくも死にかけてる妹に致命傷だ内臓がどうだと吐かしてくれたわね…」
兄と聞いて妹の前でよくも内臓がツヤツヤとか言えたと…僕は怒りを感じた
この贅沢者め!許すまじ!
「あ…えと…」
「バカアニキ!!」
「くぇー!」
ミレーナという獣人はそのアホの腹部に理想的な60度で捻ったた強力な拳の突きで成敗した。
「まさか…人間の子に助けられると思わなかったわ…私はミレナ、冒険者やってる、まず礼を言おう…ありがとう」
獣人に出会ったのも初めてで、僕はミレーナさんをじーと観察した。
尖った耳、耳の中に柔らかそうな白毛、金色の瞳、長い尻尾、虎のような模様…。
やっぱ獣人族は最高だ!と感動してテンションが最大値まで上がった。
「なにそんなにジロジロ見てる…それより君は何者だ?」
「僕の名は志村晴人です…同じく冒険者をやってます!」
「へぇ…このあたりでは見かけない顔だな…まあそれより何かお返ししなくてはな…人間に借りは作らん!何か欲しい物や頼みたい事があれば言えよ…」
そう来たか…。
ミレーナは恩人に対して有るまじき態度であったがイッセリナ司祭長の話しを先に聞いていたので彼女の態度も納得してる。
なら…今一番やりたい事を頼んでみようと思った。
「では!一つお願いがあります…」
「ああ…私が出来る事なら」
「その耳!尻尾!無期限で触り放題を要求します!」
「はっ?ふざけてんの?」
ふざけてなとない…。
超本気だ!逆に大金を払う用意も出来ている!まじで…。
「いやいやいや!本気です!お願いしまーす!」
「はっ?それでいいなら……」
「よっしゃー♪」
ミレナの言葉が終わる前に僕は既に触り始めた。
「うわ!柔らかい!暖かい!耳も尻尾も本物だ!この感触!やめられない!クンガクンガ…いい香り!クンガクンガ!!」
「ひぃ!やめろ!匂い嗅ぐな!変態!!」
ミレーナは必死に抵抗したが…僕の力は加護のおかげで超人に近い。
逃がしません!
「なにこの子!力だけなら人間族の何倍もある私が…やめ!し、尻尾握るな!いやぁぁぁー!」
1時間後、満足した僕はミレーナさんを放してあげた。
あーー♪モフモフ最高!満足満足!
「しゃーしゃーきゃるる!!」
ミレナさんは怒って僕に威嚇していたが座り込んで諦めたような表情をした。
「一応、命を救ってくれた対価だから仕方ない…でも!匂いは嗅ぐなよ!絶対だぞ!」
「善処します、ミレナ姉さん」
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