58 / 250
一章 21話
しおりを挟む
一章21話
傭兵達はもはや戦う意思を失って解散…その傭兵達を雇った人を尋問してヘリトリ公爵の手の者を捉えた。
マリーヌが真相を知る為に尋問を始めたが僕に怯えたその使いはカランディアにそそ抜かれた事も洗いざらい吐き出した。
「なんと…黒幕はカランディアでしたか!」
「明らかな盟約違反です姫さま!」
「そうですが、確実な証拠がありません…ただ叔父様の反乱と言われたらお終いです」
このしつこい襲撃を命じた者がフィリア姉さんの叔父…さぞかして複雑な気持ちと見えたが、今は大事な事は聖都に向かう事と思いフィリア姉に急ぐように言った。
立て続きの襲撃の中で1人も犠牲を出さずに僕達は無事に聖都に入った。
一件落着!依頼終了!
自爆しそうでやばかったけど何とかなった。
「本当にありがとうございます…皆様のおかげさまで無事に聖都に着きました…私達たけでは間違いなくどこかの道端で骸になっていたでしょう…」
「ありがとうございました」
近衛達は僕達に剣を胸の前に立てて礼を言った。
「聖都に着いたのはいいですが…帰りは大丈夫ですか?」
「ええ…王位の儀を終えて王の帰還中に良からぬ事をすれば神々の誓約を破る事になって全大陸の国々の敵と見なされます、それにわたくしが聖都に着いた時点で女王になれましたので王都の軍はわたくしの指揮下に置かれて王家の騎士団が迎えに来るはずです」
「なら、安心ですね!」
それなら安心してゆっくりこの聖都やらの観光が出来そうだと思った。
「女王様…そろそろ…」
「時間ですか…ハルト様、クイル様、ネイビー様…またお会いしまたく存じます」
「いずれまたな…」
「はい…」
「フィリア姉さん頑張ってね!」
「はい!ハルト様!必ずまたお会いに参ります…みんな行きましょう…」
フィリア姉さん達は主神の大神殿に向かった。
フィリア姉さんの膝枕…気持ちよかったな…。
また会えるといいなと思った。
「ハルト…俺達はしばらくこの聖地に残るがお前は?」
「イリヤ達が待ってるからナズーラ村に帰るよ…僕はそこで頑張る」
「そうか…お前はこれ以上頑張らなくていいんじゃないのか?」
バカ言わないでほしい…イビルゲート最深部攻略する為にはまだまだだ。
クイル兄とネイビー姉は思う所があるらしく超高難易度で有名な聖地のイビルゲートで修業すると言った。
「ハルトぉ!寂しくなるな、あぁ…舌と胃袋が泣いてるよ…」
「お前が居なくなったら俺は…栄養失調になってしまう!やっぱ、残るのやめる!」
「どっか生えてる草でも食っとけ!」
「ひどっ!」
抱きついて離れてくれないクイル兄とネイビー姉の涙と口から出る透明な液が僕の頭にポタポタ落ちた。
ヨダレと胃液に塗れた別れって人生初…いや…人類初かもと思った。
「保存食と焼肉タレあけるから…離れて貰いません?」
「ハルト様!」
「大好き!」
料理は偉大なり…。
「そうだ…姫、いや女王様からだ…ほぃー」
重い袋…ちゃりちゃりと金属の音がした。
追加報酬ってところかな?流石女王様!
クイル兄とネイビー姉はこれから一杯飲みに行くと言って二人と別れた。
僕はせっかく来た聖都なのでちょっと観光してからナズーラ村に帰ると決めた。
クイル兄さん…ネイビー姉さん…また会えるかな…ちょっと寂しい…。
センチメンタルになっても何も得られないのて、気を取り直して帰りに双子とおじさんのお土産を買って帰る為に市場に向かった。
聖都エデールの市場に向かって行くとたくさんの光の柱が目について不思議と思った。
その光は神殿のような建物から空高く発していた。
「1、2、3……13、14、15…あっ!」
「痛っ!あっ!うわぁー、けっ!くっ!くぇぇ!………」
角から走ってきた人が僕に打つかって倒れた。
しかし、運悪く…打つかったところは階段で…相手はどんどん下に転がった。
その転がっている姿は目も当てられないほど痛そうに見えた。
そんな事を考えてる場合じゃないと倒れているその人に急いで走って行った。
「ごめんなさい!だ、大丈夫ですか?」
「オフフ……これしきの事…だ、だ、大丈夫…」
頭から血が大量に流れて鼻血から口周りは血だらけのゾンビのようだった。
「ひぃー!どこが大丈夫なんだよ!死亡寸前だよ!ちょっと目玉も飛び出てるよ!」
「ああ…それも神の御意思であらば…」
「そんな神いらねぇよ!」
僕は急ぎ緊急時のポーションをその人に飲ませた。
すると……パンパガパーン!
さすが高級回復薬!すぐ効果が出て血が止まって傷も塞がった。
「うぉ…死ぬかと思った!」
「ふぅ…もう大丈夫と思いますが安静にして下さい」
「はい…ありがとうございます」
人を傷つけたと焦って気付かなかったがその人は…真っ黒の羽が生えて司祭のような服装をしていた。
話しは聞いた事あるけどこれが亜人…見るのは初めて驚いた。
彼女を見て僕は異世界にいると改めて実感して…また興奮した。
「あの…ごめんなさい、高いポーションまで…」
「いいえ、僕が前をしっかり見てなかったので…あと、ごめんなさい、お荷物ダメになって…」
「あ……」
彼女が持っていた果物やパンなど食材らしきものが汚れて散らかった。
それを彼女は黙々と拾い始めた。
通りすがりの人々は無関心でただ見て見ないふり…わざと踏んで行く人もいた。
あんにゃろう!食べ物を踏みやがった!顔覚えたからな!夜道気をつけろや!
僕はその食材を拾っていた彼女を止めた。
「食材を大事に思うのは僕も同じですが…それはやめましょう…」
「はい、そうですね……」
僕は落ち込んで泣きそうな彼女にフィリア姉さんからもらった金銭袋を見せながらニコッと笑った。
「あの…僕、こう見えても冒険者です!かなり稼ぎはいい方だと自負してますよ!弁償ぐらいさせて下さい!」
「えっ?…いいんですか?」
「もちろん!ぜひお詫びをさせて下さい」
「本当にありがとう!助かります!」
許可も貰ったし…ここは男の甲斐を見せる番とみてその亜人さんを連れて市場に行った。
そして…食材や日用品をあれもこれも見当たり次第爆買いした。
「あの…これ以上、持ちきれません!」
そうだな…なら、配達だ!
持ち切れなかった分は後で彼女の元に届けるようにして更に爆買いを続けた。
「す、すみません!もういいです!本当にありがとうございます!だからやめて下さい、お願いします!」
亜人さんは僕にドン引きした。
逆効果だったらしい…ちっ!
傭兵達はもはや戦う意思を失って解散…その傭兵達を雇った人を尋問してヘリトリ公爵の手の者を捉えた。
マリーヌが真相を知る為に尋問を始めたが僕に怯えたその使いはカランディアにそそ抜かれた事も洗いざらい吐き出した。
「なんと…黒幕はカランディアでしたか!」
「明らかな盟約違反です姫さま!」
「そうですが、確実な証拠がありません…ただ叔父様の反乱と言われたらお終いです」
このしつこい襲撃を命じた者がフィリア姉さんの叔父…さぞかして複雑な気持ちと見えたが、今は大事な事は聖都に向かう事と思いフィリア姉に急ぐように言った。
立て続きの襲撃の中で1人も犠牲を出さずに僕達は無事に聖都に入った。
一件落着!依頼終了!
自爆しそうでやばかったけど何とかなった。
「本当にありがとうございます…皆様のおかげさまで無事に聖都に着きました…私達たけでは間違いなくどこかの道端で骸になっていたでしょう…」
「ありがとうございました」
近衛達は僕達に剣を胸の前に立てて礼を言った。
「聖都に着いたのはいいですが…帰りは大丈夫ですか?」
「ええ…王位の儀を終えて王の帰還中に良からぬ事をすれば神々の誓約を破る事になって全大陸の国々の敵と見なされます、それにわたくしが聖都に着いた時点で女王になれましたので王都の軍はわたくしの指揮下に置かれて王家の騎士団が迎えに来るはずです」
「なら、安心ですね!」
それなら安心してゆっくりこの聖都やらの観光が出来そうだと思った。
「女王様…そろそろ…」
「時間ですか…ハルト様、クイル様、ネイビー様…またお会いしまたく存じます」
「いずれまたな…」
「はい…」
「フィリア姉さん頑張ってね!」
「はい!ハルト様!必ずまたお会いに参ります…みんな行きましょう…」
フィリア姉さん達は主神の大神殿に向かった。
フィリア姉さんの膝枕…気持ちよかったな…。
また会えるといいなと思った。
「ハルト…俺達はしばらくこの聖地に残るがお前は?」
「イリヤ達が待ってるからナズーラ村に帰るよ…僕はそこで頑張る」
「そうか…お前はこれ以上頑張らなくていいんじゃないのか?」
バカ言わないでほしい…イビルゲート最深部攻略する為にはまだまだだ。
クイル兄とネイビー姉は思う所があるらしく超高難易度で有名な聖地のイビルゲートで修業すると言った。
「ハルトぉ!寂しくなるな、あぁ…舌と胃袋が泣いてるよ…」
「お前が居なくなったら俺は…栄養失調になってしまう!やっぱ、残るのやめる!」
「どっか生えてる草でも食っとけ!」
「ひどっ!」
抱きついて離れてくれないクイル兄とネイビー姉の涙と口から出る透明な液が僕の頭にポタポタ落ちた。
ヨダレと胃液に塗れた別れって人生初…いや…人類初かもと思った。
「保存食と焼肉タレあけるから…離れて貰いません?」
「ハルト様!」
「大好き!」
料理は偉大なり…。
「そうだ…姫、いや女王様からだ…ほぃー」
重い袋…ちゃりちゃりと金属の音がした。
追加報酬ってところかな?流石女王様!
クイル兄とネイビー姉はこれから一杯飲みに行くと言って二人と別れた。
僕はせっかく来た聖都なのでちょっと観光してからナズーラ村に帰ると決めた。
クイル兄さん…ネイビー姉さん…また会えるかな…ちょっと寂しい…。
センチメンタルになっても何も得られないのて、気を取り直して帰りに双子とおじさんのお土産を買って帰る為に市場に向かった。
聖都エデールの市場に向かって行くとたくさんの光の柱が目について不思議と思った。
その光は神殿のような建物から空高く発していた。
「1、2、3……13、14、15…あっ!」
「痛っ!あっ!うわぁー、けっ!くっ!くぇぇ!………」
角から走ってきた人が僕に打つかって倒れた。
しかし、運悪く…打つかったところは階段で…相手はどんどん下に転がった。
その転がっている姿は目も当てられないほど痛そうに見えた。
そんな事を考えてる場合じゃないと倒れているその人に急いで走って行った。
「ごめんなさい!だ、大丈夫ですか?」
「オフフ……これしきの事…だ、だ、大丈夫…」
頭から血が大量に流れて鼻血から口周りは血だらけのゾンビのようだった。
「ひぃー!どこが大丈夫なんだよ!死亡寸前だよ!ちょっと目玉も飛び出てるよ!」
「ああ…それも神の御意思であらば…」
「そんな神いらねぇよ!」
僕は急ぎ緊急時のポーションをその人に飲ませた。
すると……パンパガパーン!
さすが高級回復薬!すぐ効果が出て血が止まって傷も塞がった。
「うぉ…死ぬかと思った!」
「ふぅ…もう大丈夫と思いますが安静にして下さい」
「はい…ありがとうございます」
人を傷つけたと焦って気付かなかったがその人は…真っ黒の羽が生えて司祭のような服装をしていた。
話しは聞いた事あるけどこれが亜人…見るのは初めて驚いた。
彼女を見て僕は異世界にいると改めて実感して…また興奮した。
「あの…ごめんなさい、高いポーションまで…」
「いいえ、僕が前をしっかり見てなかったので…あと、ごめんなさい、お荷物ダメになって…」
「あ……」
彼女が持っていた果物やパンなど食材らしきものが汚れて散らかった。
それを彼女は黙々と拾い始めた。
通りすがりの人々は無関心でただ見て見ないふり…わざと踏んで行く人もいた。
あんにゃろう!食べ物を踏みやがった!顔覚えたからな!夜道気をつけろや!
僕はその食材を拾っていた彼女を止めた。
「食材を大事に思うのは僕も同じですが…それはやめましょう…」
「はい、そうですね……」
僕は落ち込んで泣きそうな彼女にフィリア姉さんからもらった金銭袋を見せながらニコッと笑った。
「あの…僕、こう見えても冒険者です!かなり稼ぎはいい方だと自負してますよ!弁償ぐらいさせて下さい!」
「えっ?…いいんですか?」
「もちろん!ぜひお詫びをさせて下さい」
「本当にありがとう!助かります!」
許可も貰ったし…ここは男の甲斐を見せる番とみてその亜人さんを連れて市場に行った。
そして…食材や日用品をあれもこれも見当たり次第爆買いした。
「あの…これ以上、持ちきれません!」
そうだな…なら、配達だ!
持ち切れなかった分は後で彼女の元に届けるようにして更に爆買いを続けた。
「す、すみません!もういいです!本当にありがとうございます!だからやめて下さい、お願いします!」
亜人さんは僕にドン引きした。
逆効果だったらしい…ちっ!
0
お気に入りに追加
22
あなたにおすすめの小説

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活
XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。

空間使いは暴虐の使徒
火魔人
ファンタジー
気が付くと異世界の森にいた。空間使いという異能(高性能です)。異能を成長させ、森を脱出し、異世界の人族と遭遇。不幸?な巡り合わせで、暴虐キャラに。俺の邪魔をする障害物は全て叩き壊す!
ただし、その暴虐には使徒としての役割があった。主人公はこの先どうなっていくのやら。暴虐の限りを尽くしつつも、スッキリ楽しく人生を謳歌します!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
約束の子
月夜野 すみれ
ファンタジー
幼い頃から特別扱いをされていた神官の少年カイル。
カイルが上級神官になったとき、神の化身と言われていた少女ミラが上級神官として同じ神殿にやってきた。
真面目な性格のカイルとわがままなミラは反発しあう。
しかしミラとカイルは「約束の子」、「破壊神の使い」などと呼ばれ命を狙われていたと知る事になる。
攻撃魔法が一切使えないカイルと強力な魔法が使える代わりにバリエーションが少ないミラが「約束の子」/「破壊神の使い」が施行するとされる「契約」を阻む事になる。
カタカナの名前が沢山出てきますが主人公二人の名前以外は覚えなくていいです(特に人名は途中で入れ替わったりしますので)。
名無しだと混乱するから名前が付いてるだけで1度しか出てこない名前も多いので覚える必要はありません。
カクヨム、小説家になろう、ノベマにも同じものを投稿しています。

日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる