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18話 その2
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邪魔が入ったが…もう一度、護衛達に照れながら笑顔で皿を渡した。
彼女は頬が緩んで嬉しそうに受け取ろうしが一瞬躊躇した。
くっ…手強いな。
その時、依頼主が笑顔で頷くと受け取ってくれた。
「なにこれ!!美味しい!」
作戦通り、ただ見ていた他の護衛も匂いに釣られて集まって全員に料理が渡った。
「不思議な味!!まろやか!手がとまらない!」
「これ本当にパンなの?柔らかく食べやすい」
みんな喜んで食べてくれて嬉しかった。
今度は依頼主とマリーヌにも持って行った。
「マリーヌさん達もどうですか?」
マリーヌは料理と護衛達を注視したあと皿を受け取ってくれた。
「うむ、毒は入ってないようだな…」
「なんって言った?バブ~バブ~♪♪」
「ひぃぃぃ!!ごめんなさいごめんなさい!」
マリーヌの細胞一つ一つはバブバブに対する恐怖が刻まれたようだった。
「いい匂い!頂いてもよろしいでしょうか?」
「お口に合うかわかりませんが…どうぞ、召し上がって下さい」
依頼主もお料理を受け取ってくれた。
「とても美味しいです!このシチューって料理も美味しいですが、こんなに柔らかくて、香ばしいパンは食べた事ありません…」
「まだまだあるから沢山食べて!」
皆んな喜んで食べてくれたお陰でシチューとパンは完食!
縛って放り出した猿(自称兄)とリス(自称姉)は量が足りなかったか…ウキーウキー、グイーグイ、エサのねだりでうるさかった。
馬達も体力を取り戻したようで元気になったのでまた出発し、日が暮れる前にラーズ王国の国境都市ヒューデンに着いた。
「よし!補給担当は商会に、残りは警備に当たれ!」
「はっ!」
マリーヌの命令で護衛達はテキパキ節度ある動きで各自の持ち場に戻った。
「今日は順調だったな…マリーヌ」
「何も無ければそれが一番いい…」
「だな…俺達はどうする?」
「ここは衛兵も多くて治安もいい、今は我々だけでも大丈夫だ…クイル達は補給済ませて少し休んでから夜になったら護衛と警備の交代を頼みたい」
「わかった」
マリーヌの指示通り僕とクイル兄達は街に補給の為に市場に向かった。
ここは辺境ではあるが、貿易の要地であるらしく品揃えも豊富で質も良かった。
ナーズラ村より値段は高いが経費まで負担するとの契約だったので遠慮なく買いまくった!
「弟よ…ここはいい肉が多いな」
「だね」
クイル兄さんは肉をがっつり食べたいような目をして精肉店の肉の前から全く動かない。
ちっ!明日は肉料理か…仕込み大変だな。
「あの…そのお肉丸ごと下さい」
「あいよ…まいど」
「弟君…女性は甘いものも必要なのよ」
「うん…皆んな女性だしね」
面倒だが、高熱が必要なく簡単に作れるロールケーキにでも作ろうと思った。
「あの…小麦粉と牛の乳…砂糖…卵下さい…あとあの果物も」
「あいよ…まいど」
「ハルト…あとこの先から3日ほど野営が続くぞ」
「そうなんだ…保存食も用意しなきゃ…ちょっと待って!何で貴方は何も買わない?まさか全部僕に作らせるつもり?」
クイル兄さんとネイビー姉さんは輝く笑顔で首を上下に振った。
まあ、一人分も10人分も同じく、そこまで手間はかからないから文句言わずに聞いてあげたら…日が暮れるまでクイル兄とネイビー姉の回りくどい欲望に塗れた要望が相次ぎ…。
買い物が終わったあと、仕込みや保存食の調理したら交代時間までかかって、僕は一睡も出来ずに朝まで警備をする羽目になった。
彼女は頬が緩んで嬉しそうに受け取ろうしが一瞬躊躇した。
くっ…手強いな。
その時、依頼主が笑顔で頷くと受け取ってくれた。
「なにこれ!!美味しい!」
作戦通り、ただ見ていた他の護衛も匂いに釣られて集まって全員に料理が渡った。
「不思議な味!!まろやか!手がとまらない!」
「これ本当にパンなの?柔らかく食べやすい」
みんな喜んで食べてくれて嬉しかった。
今度は依頼主とマリーヌにも持って行った。
「マリーヌさん達もどうですか?」
マリーヌは料理と護衛達を注視したあと皿を受け取ってくれた。
「うむ、毒は入ってないようだな…」
「なんって言った?バブ~バブ~♪♪」
「ひぃぃぃ!!ごめんなさいごめんなさい!」
マリーヌの細胞一つ一つはバブバブに対する恐怖が刻まれたようだった。
「いい匂い!頂いてもよろしいでしょうか?」
「お口に合うかわかりませんが…どうぞ、召し上がって下さい」
依頼主もお料理を受け取ってくれた。
「とても美味しいです!このシチューって料理も美味しいですが、こんなに柔らかくて、香ばしいパンは食べた事ありません…」
「まだまだあるから沢山食べて!」
皆んな喜んで食べてくれたお陰でシチューとパンは完食!
縛って放り出した猿(自称兄)とリス(自称姉)は量が足りなかったか…ウキーウキー、グイーグイ、エサのねだりでうるさかった。
馬達も体力を取り戻したようで元気になったのでまた出発し、日が暮れる前にラーズ王国の国境都市ヒューデンに着いた。
「よし!補給担当は商会に、残りは警備に当たれ!」
「はっ!」
マリーヌの命令で護衛達はテキパキ節度ある動きで各自の持ち場に戻った。
「今日は順調だったな…マリーヌ」
「何も無ければそれが一番いい…」
「だな…俺達はどうする?」
「ここは衛兵も多くて治安もいい、今は我々だけでも大丈夫だ…クイル達は補給済ませて少し休んでから夜になったら護衛と警備の交代を頼みたい」
「わかった」
マリーヌの指示通り僕とクイル兄達は街に補給の為に市場に向かった。
ここは辺境ではあるが、貿易の要地であるらしく品揃えも豊富で質も良かった。
ナーズラ村より値段は高いが経費まで負担するとの契約だったので遠慮なく買いまくった!
「弟よ…ここはいい肉が多いな」
「だね」
クイル兄さんは肉をがっつり食べたいような目をして精肉店の肉の前から全く動かない。
ちっ!明日は肉料理か…仕込み大変だな。
「あの…そのお肉丸ごと下さい」
「あいよ…まいど」
「弟君…女性は甘いものも必要なのよ」
「うん…皆んな女性だしね」
面倒だが、高熱が必要なく簡単に作れるロールケーキにでも作ろうと思った。
「あの…小麦粉と牛の乳…砂糖…卵下さい…あとあの果物も」
「あいよ…まいど」
「ハルト…あとこの先から3日ほど野営が続くぞ」
「そうなんだ…保存食も用意しなきゃ…ちょっと待って!何で貴方は何も買わない?まさか全部僕に作らせるつもり?」
クイル兄さんとネイビー姉さんは輝く笑顔で首を上下に振った。
まあ、一人分も10人分も同じく、そこまで手間はかからないから文句言わずに聞いてあげたら…日が暮れるまでクイル兄とネイビー姉の回りくどい欲望に塗れた要望が相次ぎ…。
買い物が終わったあと、仕込みや保存食の調理したら交代時間までかかって、僕は一睡も出来ずに朝まで警備をする羽目になった。
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