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16話 その2
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僕達が上級エリアで探索を始めて5日目になった。
33層から苦戦して行き詰まっている。
ここからは冒険者も少なくて、緊急事態になっても手を借りる事も難しい。
下手したら乱戦に巻き込んで双方全滅する恐れもあって何があっても自分達のみで解決しないといけない訳だ。
「中々しんどいわね」
「魔物達も段々強くなって中々倒れてくれないです」
イリヤとリリヤは上級エリアから休憩の回数も多くなった。
何故か僕はピンピンしている。
日に日に体力がついて力も増している。
腕立てと腹筋の数を1回増やしたのがこんなに効果があるのか!?
そんな馬鹿な事はない…きっと加護の効果だ。
しかし…僕も一日でも早く最深部に行かないといけない…。
でも…双子をこれ以上危険に晒すのはしたくない。
「今日はここで切り上げようか?魔核も大分溜まったし…無理する必要はないからな」
「う、うん」
「はい……」
双子は落ち込んでいる表情だった。
理由はなんとなくわかっている…。
僕の足を引っ張っていると思っているからだ。
確かに双子がついて来られないのが原因で探索が遅れているのは事実だだが、まだ、二人はもっと強くなると確信している。
しかし、それまで僕は悠長に待っていられるだろうか…。
「二人とも…そんな暗い顔するなよ、最初の時より二人は凄く強くなっているよ?」
「うん…」
「はい…ありがとうございます」
双子は完全に落ち込んでいて、早めにイビルゲートから出て各自の宿に戻った。
ベットの上で…ルル姉の器を見ながら僕は悩んでいる。
僕の目的はあくまでルル姉を一日でも早く回復させる事である。
一番いいのはパーティーを解散して、名のある凄い冒険者とパーティーを組む事だが…。
でも…そんな凄い冒険者などどこにいるか知らないし、僕は今まで双子には感謝しきれないほど世話になっている。
それに初めてできた仲間であり、大切な友達だ。
たとえ一人で最深部に向かう事になろうとも今のパーティーを解散したくない。
ごめん…ルル姉、僕はどうしようもない欲張りなやつだよ…許して。
ルル姉に謝って僕は眠りについた。
、
、
次の朝…。
まだ日の登ってない早い朝に僕の部屋に双子が来た。
「おはよう!ハルト!」
「ハルトさん…おはようございます…」
「おはよう…どうしたの?こんな朝早く」
僕はまだ目が覚めず目を半分閉じたままなにを言っているかもはっきりわからないまま双子と話した。
「それがね…女の子のみのパーティーから臨時の依頼があってね」
「そうなんだ…」
「ハルトも一緒にと言ってみたが、みんな男が苦手でね…」
「うん……」
「目的地が遠くてしばらくパーティーが出来なさそうです」
「そうなの……」
「しばらく別の人達と一緒組んでくれるかな?」
「うん……」
「早く、戻るから、うちらがいない間無茶しない!わかった?」
「それじゃ行ってきますね」
「うん……」
話が終わると双子は素早く部屋から去って僕はベットに戻った。
全く真面目すぎる…そんな事の為にわざわざ来るとは……。
はああぁぁああああ???
「待って!イリヤ!リリヤ!」
僕は目がバッチリ覚めて双子を追いかけたが、もうどこにもいなくて宿に戻った。
あははは……どいう事?
まさかのパーティー解散?そんな事はないはずで双子の事だ、きっと何が事情があるはずと思った。
しかし、僕が朝に弱い事知ってこんな手を使うとは…きっとこれはリリヤの策だな。
はぁ…やられた!しばらく一人で潜るか…。
僕はまた…ボッチ!になってしまった。
33層から苦戦して行き詰まっている。
ここからは冒険者も少なくて、緊急事態になっても手を借りる事も難しい。
下手したら乱戦に巻き込んで双方全滅する恐れもあって何があっても自分達のみで解決しないといけない訳だ。
「中々しんどいわね」
「魔物達も段々強くなって中々倒れてくれないです」
イリヤとリリヤは上級エリアから休憩の回数も多くなった。
何故か僕はピンピンしている。
日に日に体力がついて力も増している。
腕立てと腹筋の数を1回増やしたのがこんなに効果があるのか!?
そんな馬鹿な事はない…きっと加護の効果だ。
しかし…僕も一日でも早く最深部に行かないといけない…。
でも…双子をこれ以上危険に晒すのはしたくない。
「今日はここで切り上げようか?魔核も大分溜まったし…無理する必要はないからな」
「う、うん」
「はい……」
双子は落ち込んでいる表情だった。
理由はなんとなくわかっている…。
僕の足を引っ張っていると思っているからだ。
確かに双子がついて来られないのが原因で探索が遅れているのは事実だだが、まだ、二人はもっと強くなると確信している。
しかし、それまで僕は悠長に待っていられるだろうか…。
「二人とも…そんな暗い顔するなよ、最初の時より二人は凄く強くなっているよ?」
「うん…」
「はい…ありがとうございます」
双子は完全に落ち込んでいて、早めにイビルゲートから出て各自の宿に戻った。
ベットの上で…ルル姉の器を見ながら僕は悩んでいる。
僕の目的はあくまでルル姉を一日でも早く回復させる事である。
一番いいのはパーティーを解散して、名のある凄い冒険者とパーティーを組む事だが…。
でも…そんな凄い冒険者などどこにいるか知らないし、僕は今まで双子には感謝しきれないほど世話になっている。
それに初めてできた仲間であり、大切な友達だ。
たとえ一人で最深部に向かう事になろうとも今のパーティーを解散したくない。
ごめん…ルル姉、僕はどうしようもない欲張りなやつだよ…許して。
ルル姉に謝って僕は眠りについた。
、
、
次の朝…。
まだ日の登ってない早い朝に僕の部屋に双子が来た。
「おはよう!ハルト!」
「ハルトさん…おはようございます…」
「おはよう…どうしたの?こんな朝早く」
僕はまだ目が覚めず目を半分閉じたままなにを言っているかもはっきりわからないまま双子と話した。
「それがね…女の子のみのパーティーから臨時の依頼があってね」
「そうなんだ…」
「ハルトも一緒にと言ってみたが、みんな男が苦手でね…」
「うん……」
「目的地が遠くてしばらくパーティーが出来なさそうです」
「そうなの……」
「しばらく別の人達と一緒組んでくれるかな?」
「うん……」
「早く、戻るから、うちらがいない間無茶しない!わかった?」
「それじゃ行ってきますね」
「うん……」
話が終わると双子は素早く部屋から去って僕はベットに戻った。
全く真面目すぎる…そんな事の為にわざわざ来るとは……。
はああぁぁああああ???
「待って!イリヤ!リリヤ!」
僕は目がバッチリ覚めて双子を追いかけたが、もうどこにもいなくて宿に戻った。
あははは……どいう事?
まさかのパーティー解散?そんな事はないはずで双子の事だ、きっと何が事情があるはずと思った。
しかし、僕が朝に弱い事知ってこんな手を使うとは…きっとこれはリリヤの策だな。
はぁ…やられた!しばらく一人で潜るか…。
僕はまた…ボッチ!になってしまった。
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