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一章 15話
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20階層での変種オーガーを倒してから十日後、僕は中級冒険者にまで登り上がって、双子もそのうちに上級できるとおじさんから聞いた。
あのバカみたいに強かった変種オーガーを倒した事より、初心者冒険者達のピンチに力を貸したり、積極的に救助活動した実績がで認められたようだ。
うちのギルドは能力優先の他ギルドと昇級基準が違うらしく、このような人度的な事が実績に多く影響する。
正直、僕は出来るだけ早く最深部に辿り着きたいと思って探索進行しか興味がなかった。
全て双子が助けたいと言われて仕方なく手を貸しただけたが…そのおかげで上級出来て、最近気難しいギルドメンバー達が僕達を友達のように接してくれている。
本当に二人には頭が上がらない。
それに双子の新しい武器がかなり役立ち、僕達のパーティーは止まらない勢いで明後日…31階層に挑む予定だ。
それで今日は休みにして探索道具の補充がてら双子と村を散策している。
散策中、知らない人や村の人、商人さんから声かけられるほど名が売れたようで嬉しいがちょっとこそばゆい。
「ここじゃ、もうあんたを知らない冒険者は居ないんじゃない?」
「あはは…それもイリヤとリリヤのおかげだよ」
「あら?謙虚な事言って…心の中は嬉しくて笑ってるでしょ?」
「あはは…まぁ、ちょっとだけね」
イリヤは自分の事のように嬉しそうににやけて後ろから抱きついている。
それに背中に何か当たる不思議な感覚を感じる。
だが…嬉しいから拒まない!もっと来い!
「そ、そうですよ!他所から来た冒険者さんもハルトさんを凄いと言ってましたよ!」
リリヤも僕を褒めながら照れ臭い顔で腕を組んでいる。
またそれが当たってる…イリヤよりちょっとだけ小さいがいい弾力を感じる…。
最近この二人は僕にスキンシップをしてくる。
生死を共にしてる仲間だからこいうスキンシップも自然と出来るものかと思った。
しかし、嬉しいから拒まない!もっと来い!
「ねぇ、リリヤ…最近ちょっと大胆になったんじゃない?」
「お、お、お姉ちゃんこそ、くっ付き過ぎだよ!」
「何言ってるの?私は普段通りだよ…」
確かにイリヤはこの村に住むようになってから頻繁に僕に抱きついていた。
「あ、あ、私も自分を変えようと…」
「ほう!その為のハルトか!人を練習台にするとは中々やるね…ふふふ」
「お、お姉ちゃん!!」
何故か二人から火花が散る雰囲気で僕は口を挟んだ。
「な、なに?揉め事?」
「違うよ ~ねぇ?リリヤ」
「うん!お姉ちゃん!」
「オホホ……」
「フフフ……」
「お、おう……」
お二人さん、笑ってるが目は怖いんですけど…。
最近この二人は喧嘩ほどまでではないが細々と口喧嘩ような事が増えている。
独子の僕はよくわからないが、姉妹ってそんなものかと…それにイビルゲートの中では一度も細々した口喧嘩すらなかったから心配する事でもないと思った。
「しかし、こんなに早く中級冒険者に上がるなんて…しかもギルドからも凄いあだ名をつけてもらって…ぷふふ、あはは!ごめん!クク…」
「ちょっと、笑うなよ…ちょっと酷くない?ティモルフラムバンプュア…って…僕、こんなに無害で平和主義だよ?」
その意味は…恐怖を導く少年、つまり僕はやばいやつって意味だ。
中級冒険者になった者にはギルドの上級者達からあだ名をつけてもらうのが昔からの習わしらしい。
イリヤは爆笑してリリヤすら笑いを我慢するのに必死だった。
そして上級者になったらギルドマスターが新しくあだ名をつけてくれるらしい。
「クク…はぁはぁ…早く上級になって新しいあだ名を…あははは」
「くそ…いいぜいいぜ!今後イリヤが上級したら面白くなお、恥ずかしいあだ名を付けてやる!」
「あんたが上級になるより私が中級に上級するのが早いからね」
「その為に頑張って上級まで上がる!見てろよ!」
僕は新たな目標が出来て気合が入った。
「あの時、不満を言ってた中級の人達…帰ってから様子がおかしいというかこの世の終わりのような顔してたけと?一体なにしたの?」
「いつもの事やっただけだよ…30階層で…」
「あっ!……なるほど」
「あの人達…大変だったでしょうね……」
僕が中級冒険者に昇級した時…あまりも早い昇級で回向贔屓と不満の声もあった。
それで僕は実力を納得させる為に不満を言ってたベテラン中級冒険者パーティーと一緒にイビルゲートに潜った。
「うちらパーティーのやり方をやってもいいですか?」
「いいぜ」
「どんなやり方をするのか見てみようじゃないか」
「あははは」
そして、いつも通り…30階層で中級魔物を山盛り釣って来た。
イリヤとリリヤが居ないから遠慮などいらない。
「はい…どうぞ」
「はい…どうぞじゃねぇよバカヤローー!」
「何をしてやがる!逃げろー!」
「うわー!ヤバイ!囲まれた!」
結果、捌き切れないほどの大量の魔物に囲まれて逃げ場もない状態…パーティー壊滅瞬前まで落ちた。
それを僕一人で易々全滅させた事から皆んなは昇級に文句言わなくなった。
その事もあって付いたあだ名がこれだ…いわゆる自業自得ってやつだ…ちぇ。
あのバカみたいに強かった変種オーガーを倒した事より、初心者冒険者達のピンチに力を貸したり、積極的に救助活動した実績がで認められたようだ。
うちのギルドは能力優先の他ギルドと昇級基準が違うらしく、このような人度的な事が実績に多く影響する。
正直、僕は出来るだけ早く最深部に辿り着きたいと思って探索進行しか興味がなかった。
全て双子が助けたいと言われて仕方なく手を貸しただけたが…そのおかげで上級出来て、最近気難しいギルドメンバー達が僕達を友達のように接してくれている。
本当に二人には頭が上がらない。
それに双子の新しい武器がかなり役立ち、僕達のパーティーは止まらない勢いで明後日…31階層に挑む予定だ。
それで今日は休みにして探索道具の補充がてら双子と村を散策している。
散策中、知らない人や村の人、商人さんから声かけられるほど名が売れたようで嬉しいがちょっとこそばゆい。
「ここじゃ、もうあんたを知らない冒険者は居ないんじゃない?」
「あはは…それもイリヤとリリヤのおかげだよ」
「あら?謙虚な事言って…心の中は嬉しくて笑ってるでしょ?」
「あはは…まぁ、ちょっとだけね」
イリヤは自分の事のように嬉しそうににやけて後ろから抱きついている。
それに背中に何か当たる不思議な感覚を感じる。
だが…嬉しいから拒まない!もっと来い!
「そ、そうですよ!他所から来た冒険者さんもハルトさんを凄いと言ってましたよ!」
リリヤも僕を褒めながら照れ臭い顔で腕を組んでいる。
またそれが当たってる…イリヤよりちょっとだけ小さいがいい弾力を感じる…。
最近この二人は僕にスキンシップをしてくる。
生死を共にしてる仲間だからこいうスキンシップも自然と出来るものかと思った。
しかし、嬉しいから拒まない!もっと来い!
「ねぇ、リリヤ…最近ちょっと大胆になったんじゃない?」
「お、お、お姉ちゃんこそ、くっ付き過ぎだよ!」
「何言ってるの?私は普段通りだよ…」
確かにイリヤはこの村に住むようになってから頻繁に僕に抱きついていた。
「あ、あ、私も自分を変えようと…」
「ほう!その為のハルトか!人を練習台にするとは中々やるね…ふふふ」
「お、お姉ちゃん!!」
何故か二人から火花が散る雰囲気で僕は口を挟んだ。
「な、なに?揉め事?」
「違うよ ~ねぇ?リリヤ」
「うん!お姉ちゃん!」
「オホホ……」
「フフフ……」
「お、おう……」
お二人さん、笑ってるが目は怖いんですけど…。
最近この二人は喧嘩ほどまでではないが細々と口喧嘩ような事が増えている。
独子の僕はよくわからないが、姉妹ってそんなものかと…それにイビルゲートの中では一度も細々した口喧嘩すらなかったから心配する事でもないと思った。
「しかし、こんなに早く中級冒険者に上がるなんて…しかもギルドからも凄いあだ名をつけてもらって…ぷふふ、あはは!ごめん!クク…」
「ちょっと、笑うなよ…ちょっと酷くない?ティモルフラムバンプュア…って…僕、こんなに無害で平和主義だよ?」
その意味は…恐怖を導く少年、つまり僕はやばいやつって意味だ。
中級冒険者になった者にはギルドの上級者達からあだ名をつけてもらうのが昔からの習わしらしい。
イリヤは爆笑してリリヤすら笑いを我慢するのに必死だった。
そして上級者になったらギルドマスターが新しくあだ名をつけてくれるらしい。
「クク…はぁはぁ…早く上級になって新しいあだ名を…あははは」
「くそ…いいぜいいぜ!今後イリヤが上級したら面白くなお、恥ずかしいあだ名を付けてやる!」
「あんたが上級になるより私が中級に上級するのが早いからね」
「その為に頑張って上級まで上がる!見てろよ!」
僕は新たな目標が出来て気合が入った。
「あの時、不満を言ってた中級の人達…帰ってから様子がおかしいというかこの世の終わりのような顔してたけと?一体なにしたの?」
「いつもの事やっただけだよ…30階層で…」
「あっ!……なるほど」
「あの人達…大変だったでしょうね……」
僕が中級冒険者に昇級した時…あまりも早い昇級で回向贔屓と不満の声もあった。
それで僕は実力を納得させる為に不満を言ってたベテラン中級冒険者パーティーと一緒にイビルゲートに潜った。
「うちらパーティーのやり方をやってもいいですか?」
「いいぜ」
「どんなやり方をするのか見てみようじゃないか」
「あははは」
そして、いつも通り…30階層で中級魔物を山盛り釣って来た。
イリヤとリリヤが居ないから遠慮などいらない。
「はい…どうぞ」
「はい…どうぞじゃねぇよバカヤローー!」
「何をしてやがる!逃げろー!」
「うわー!ヤバイ!囲まれた!」
結果、捌き切れないほどの大量の魔物に囲まれて逃げ場もない状態…パーティー壊滅瞬前まで落ちた。
それを僕一人で易々全滅させた事から皆んなは昇級に文句言わなくなった。
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