異世界で僕…。

ゆうやま

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13話 その2

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血の色でで見間違いじゃないかと思って綺麗に拭いてもう一度確認した。

「本当…赤いですね!」

「………」

いつもなら一番燥ぐイリヤが黙り込み僕をじっと見た。

「ん?…どうしたんだろ?嬉しくないのか?金貨20枚ゲットだけど」

「う、嬉しいに決まってるじゃん…ちょっとびっくりしただけよ」

「よぉし!さあ!気を取り直して頑張ろ!行ってくるよ!」

「はいはい…いってらー」

「あまり無理はしないで下さいね」

リリヤは本当にいい子や…双子なのになんでこんなに違うんだ?

レア魔核が出て我がパーティーは元気を取り戻したようで、僕ははどんどん集めて運んだ。

「よぉし!回収するか!ふっん!」

イリヤはナイフを手にしてトロールの胸を思い切り刺した。

「おっ!気合い入ってますな」

「オホホ…お前の魔核は何色だ?真っ赤なのか?赤だろ!赤と言ってよ!きゃははは~♪」

イリヤは欲深い顔で僕の真似をした。

「お、お姉ちゃん…」

リリヤは見てられなくまた顔を逸らしていた。

「ねぇ…赤、赤だよ!」

「本当に赤だ!」

「えーーー!!」

連続でレア獲得し僕達は思わず歓声を上げていた。

「ハルトぉ!これ運が上がる魔法の儀式か何かなの?ちょっと楽しくて癖になりそう!」

「でーしょー?何気に楽しくなるよね!」

イリヤはいつもように元気に燥ぐとリリヤも嬉しくて拍手を送った。

「今度、リリヤもやって見てよ!」

「お、お姉ちゃん?」

リリヤも姉の嬉しいそうな顔で勧められてやるハメになった。

姉に弱い妹で不憫だな…。

「イヒ……ヒ 貴、貴様の魔咳は…なに色…もうだめ恥ずかしくて無理だよー!!」

恥ずかしくて続けられなかったリリヤはそのまま魔核を取り出した。

「リリヤ……赤だよ…」

「えっ?」

まさかの3連続レアゲット!

「ハルトぉ!」

「イェス!マム!」

僕と双子は頑張った!尽きるまで狩り続けた!

楽しく笑いながら魔核を取り出し続けた!

一人除く…。

それで…ついに赤い核5個を手に入れた!

「はぁはぁ…やったわ!リリヤ…ハルトぉ」

「お姉ちゃん…ハルトさん…」

二人は僕に抱きついて泣きながらありがとう…と感謝の言葉を言い続けた。

これで二人は奴隷にならずに済む…彼女達は自由の身になったと思うと僕も嬉しくて胸が熱くなった。

「皆んな帰ろう…」

「うん!」

「はい!」

僕達は見事に目標を達成してギルドに戻った。

次の日…彼女達の村に行って義父の借金を全額返済した双子は自由の身となった。

養子を売り払った自称親は街の衛兵と一緒に王都に連行された。

核を集めてギルドに戻ったあと、おじさんにその事を話したら凄い勢いでどこか走って行って…しばらくあと戻ってきた。

おじさんが何かやってくれたようだった。

双子もトロールの魔核の件で実力を認められて正式に冒険者に認定されて彼女達もこれから冒険者を続けるらしい。

一件落着か…柄にもない人助けをしてしまった。

「ハルト!!」

「ハルトさん!」

「ああ…イリヤ、リリヤ 」

荷物をまとめて村から出た双子とナーズラ村に向かう馬車を乗った。

「ハルト…」

「何?」

「……あんたとのパーティー楽しかったよ」

「ああ…僕も楽しかったよ」

「あのね、それでね……これからも一緒にパーティーを組んであけても…いいわよ?」

この異世界でもツンデレか存在するとは!

イリヤはまた一緒にパーティーを組んで欲しいようで、その典型的なツンデレの姿に僕は感動してちょっと意地悪したくなった。

「えーー?どうしよかなぁー?」

わざとらしく悩むフリをしてみた。

「ほう?リリヤから聞いたわよ…」

「ん?何を?」

「初めて会った時の事!私に何かしたでしょ?」

あっ!!あれか…医療行為!

「リリヤにやらせば良かったのに…ねぇ?」

「あの…リリヤさん?」

僕は助けを求めてリリヤに激しく救助の視線を送った。

「ごめんなさい!つい口が滑ってしまって…」

リリヤはちょっと可愛く笑って顔を逸らした。

いやはや…この子!絶対策士だ!

「すみませんでした!是非パーティー組ませ下さい」

僕は土下座してイリヤに謝った。

「よろしい…」

「これから宜しくお願いします!ハルトさん」

「あはは…うん」

これで…僕は双子とパーティーを継続する事になった。

まあ…正直、またボッチにならずに済んで僕も嬉しかった。

ナーズラ村に戻ってギルドに依頼を見に行くと冒険者たちがある噂で騒いでいた。

「聞いたか?イビルゲートの噂」

「ああ…本当ならどんでもない事だな」

「噂は本当だ!お俺と俺の仲間も見たんだ!考えるだけでゾックとする」

「マジかよ…」

僕達も気になってその噂を聞いた。

12階層で恐ろしい悪魔三体が闇の儀式をしていたらしく、通りすがり冒険者がその影を目撃した。

「12階層?うちがレア核を集めた場所じゃん!」

「危うく遭遇する所だったね」

「よかったです…」

ギルド内はその話で持ち切るでみんなその先輩の話しで騒ついていた。

「怖くて姿までは確認出来なかったが…心臓がどうだら…赤いなんたら鳥肌立つほど邪悪に笑って喋ってたよ!!影も凄まじい形だった」

先輩冒険者はそれを思い出して恐怖に震えていた…。

待てよ?12階層で赤と笑い?

「あっ!」

「けっ…」

「……」

僕達はそれに思い当たりがある。

「おい!先発調査団は支度終わったらささっと出発しろ!遠征団は後を続け!」

おじさんは緊迫な表情で完全武装して調査団と一緒にイビルゲートに向かった。

その事の真実を言えず僕達は黙って宿に戻った。

その後…僕とイリヤはリリヤに大変お叱りを受けた後、二度とその儀式をしないよう誓約書まで書かされた。
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