異世界で僕…。

ゆうやま

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12話 その3

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約束の時間から3時間以上遅れた僕は全力でイビルゲートまで走った。

やばい…寝坊しちゃったよ…最悪だぁぁあ!ああ…これで、ボッチライブ再開かもな…。

イビルゲートの前に着くと僕を待っている双子が見えたてホッとした反面どういい訳していいか悩んだ

それに全身が隠れそうな凄く大きいバックを背負っていた。

僕の言う事を聞いてくれたのは嬉しいが、そこまでは大きいバックを買うと思わなかった。

いやいや…今はそれどころじゃない。

イリヤの顔が凄く怖くて一瞬…宿に戻ろうかなと悩んでしまったが勇気を出して双子に向かった。

「ごめん!待たせてしまって…怒って先にイビルゲートに入ったかと思ったよ」

「遅いよ!!来ないんじゃないかと思ったわ!」

「本当に来てくれて嬉しいです!」

イリヤは怒っていたがリリヤは凄く嬉しいように笑ってくれた。

うん…あの顔の前で寝坊したと言い辛い。

「まぁ…いいわ!ちゃんと来てくれたし、時間が勿体無いから早速行くわよ!」

イリヤは短気に見えるが後がない性格のようで本当に助かった。

早速僕達はイリヤゲートに潜り1~4階層までは素通りして5階層に着いた。

「ここでこれから腕慣らしと、下の階層で同じ事やるからしっかり覚えて欲しい」

「わかったわ」

「はい!」

「役割は昨日と同じだが、イリヤはリリヤの護衛に集中してリリヤが遠距離サポートに変わるだけだよ」

「うん」

「わかりました」

僕達は移動しながら役割を決めたあと腕鳴らしする場所を探した。

「よし!ここが良さそう」

「行き止まりだよ?これじゃ逃げられないよ?」

「そうですよ…」

「ここで丁度いい、リリヤは壁の方で待機!イリヤはリリヤの護衛!頼んだよ!」

行き止まりの隅っこに3、4人がギリギリ通れるほどの通路がある場所に二人を待機させた。

「んじゃ始めるか…」

「えー?ちょっと!なに?意味分からないわ」

「お姉ちゃん…ハルトさんを信じて待ちましょう」

僕は魔物の群れに走って飛び込んだあと引き回して5分ほど経つと金魚のフンのように後ろから猛烈に追いかけてきた。

そして、満足した僕は双子がいる場所に戻った。

「キタキタ!二人共!!構えて構えて!」

40体ほどのオークが僕を追って来る姿に双子は顔が青ざめていた。

「ひぃーー!あんた、なにしてんのよ!あ、あ、あれを信じた私が馬鹿だったわ!」

「は、ハルトさん!ああ!」

双子の前に到着した僕はオーク達に向かって戦い始めると予想通り狭い空間でオーク達は体が詰まって3体しか自由に動けなかった。

「なるほど!そいうことね!リリヤやるわよ!」

「うん!お姉ちゃん!」

それを見た双子はすぐ理解して応戦した。

双子は頭が良くて判断力もいい…言わなくても僕のやりたい事を読み取ってすぐサポートしてくれた。

僕が壁役とアタッカー、イリヤは抜け出たオークからリリヤを守ってリリヤは弓で数を減らした。

そして…あっという間に40体を殲滅した。

よくあるMMORPGのごく基本的なレベリングベースまとめ狩り法だ。

無職で引き篭もりだった時…僕はゲームに熱中して極めた時があった。

時間もお金も心配ないほどあったのでやりたい放題…。

一日でん十万の課金したり…様々なソフトを買ってそれなりの研究をしたお陰でダンジョン狩の基本や金策の知識は豊富になった。

お父さん、お母さん…ごめんなさい!でもそれのお陰で何とかこの世界で生きていけそうです。

だから、お母さん…許して下さい。

「凄い!こんなやり方もあるわね…あんた本当に昨日まで私達と同じ見習いだったの?信じられないわ…」

「それにハルトさん凄く強いから心強いです!」

「えへへ」

褒められて嬉しいが、人の並みより非力だった僕がこのような事が出来るはずもなく、これはルル姉の加護によるものだと実感してちょっと恥ずかしい。

僕が心配でルル姉が何かやってくれたと今や確信している…。

ルル姉…待ってて、必ずここを攻略して聖域にルル姉の器を持っていくから…。

「昨日の自信満々な物言いは伊達では無かった訳ね…」

「このやり方ならやれますよ!」

「それにイリヤとリリヤの腕もセンスも良くて楽に片付けられたよ」

「あら?嬉しい事言ってくれるじゃん、まあ、槍は小さい時から振り回していたから自信あるしね」

「私も弓はちょっと得意で…えへへ、」

二人も嬉しそうに照れて自信もついたようで本題に入ろうした。

「そかそか…目的地の12階層に行くか迷ったけど大丈夫そうだね」

「……」

「……」

双子は急に黙り込んだ。

「調子に乗ってごめん…」

「ご、ごめんなさい」

……それに何故か謝れた。

「いや…冗談何かじゃないよ?」

「はぁ?冗談じゃないの?12だよ!いきなり飛ばし過ぎじゃない?」

「私達…大丈夫でしょうか?足手纏いになりそうな気がしますが…」

二人は先のハイテンションが一気に下がって自信がなさそうな表情をした。
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