異世界で僕…。

ゆうやま

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一章 12話

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帰りに軽い息を合わせてみると僕と双子達の相性はとても良かった。

即席パーティーとは思えないほど息が合って…前衛の僕が敵と戦って姉のイリヤが前衛とサポートと後衛の守りの役を確実にこなしてくれた。

イリヤは槍を使っていて突きと払いが半端なく早くて鋭く、力任せで戦っている僕より戦いに慣れている感じがした。

今にも折れそうなボロボロの槍でここまで来れたのが納得出来る程のいい腕だった。

また、後衛は弓が得意とするリリヤは遠距離で攻撃してくるうっとしいのコボルト達を牽制してくれて凄く助かった。

弓の腕も凄い…撃ち外れは見た事ない。

そのお陰で一人ではあれほど苦戦したコボルトの群れをあっさり倒しながら僕達はすぐ地上に出れた。

「ふはぁふはぁ!やっぱ!外の空気はうまいや!」

コボルトの群れに遭遇したおかげで魔核も沢山集まった…。

これがいくらになるかちょっと楽しみだ。

それはそれは喜ばしい事だが…倒した魔物から浴びた血のせいで匂いが鼻にこびり付いて気持ち悪い…おぇぇぇ…。

「もう日が暮れそうですね」

「ねぇ…あんた、ギルドに戻って換金してから一緒に食事しない?」

「うん…いいけど?」

イリヤからの誘いは以外でだったが…これから一緒に潜る仲間になった。

親睦を深めて損は無いと思い、その僕は誘いを受け入れた。

本当は初めて女子に誘われて……超!嬉しくて少し緊張した。

そして…僕達はギルドに戻ると僕を見ておじさんが嬉しそうに手を振ってくれた。

「おー!坊主、よく無事に帰って来たな!良かった良かった!あはは!とってきた魔核はあいつら疾風定時帰りする前に早く換金しておけよ!」

本当にいいおじさんだ。

でも…そのいいおじさんを…何故か双子は凄く睨んでいた。

アレか…回復薬!ごめんね…おじさん。

「ん?坊主、一人じゃなかったか?」

「はい!イビルゲートの中で会ってこれから一緒にパーティーを組む事になりました」

「そうか!一人で潜る坊主とこのお嬢さん達も心配だったがまさかその場でパーティーを組むとはもう安心だな」

「そんなに不安だったなら私達にも回復…うぷぷぷーっ!」

「お、お姉ちゃん…シーッ」

「ん?」

「あはは…なんでもないです」

不満気に喋っていたイリヤの口をリリヤが塞いでくれて助かった。

そして…魔核や素材を換金すると…凄い金額が出てきた。

「見てよ!おじさん!チャラーン!金貨7枚と銀貨3枚!」

「おいおい…坊主、どれだけ倒した?」

「ゴブリン10体ぐらいとコボルト50体?オークは沢山いったので30体ぐらいです」

「まじかよ…ならその金額は納得だな!初デビューの三人だけで良くその数倒せたな…」

「いいえ、ほぼシムラハルトさんが倒しましたよ…私達は助けられた挙句、サポートしかやってません」

妹のリリヤが自分の事のように嬉しそうに話してちょっと照れてしまった。

「なんだなんだ坊主…初めて潜って人助けまでしたのか!やるな!よし!そこまで出来るなら正式登録してやる」

「本当に?おじさん!ありがとう!」

「これで一人前の冒険者だ!はははは」

僕は人助けをした功績を認められて正式の冒険者と資格を得た。

その後…僕達は宿屋の食堂でお祝いをした。

「カンパーイ!」

水だけどな…。

「正式冒険者おめでとうシムラハルト!」

「おめでとうです!シムラハルトさん」

「ありがとう二人共!あとハルトと呼んでくれる?」

「ハルト?」

「ハルトさん?」

「うん、家名が志村で名前が晴人だよ!これから潜る仲間だから名前で呼んで欲しくってね…」

「わかったわ!ハルト」

「はい !ハルトさん」

双子に名前で読んでもらう事になって少し照れ臭いが本当に嬉しいと思って今僕はリア充の階段に一歩足を踏み入れた気がした。

そして…換金したお金袋を取り出した。

「そうだな…山分け山分け…僕は金貨2枚と銀貨3枚あと二人で金貨5枚分けてね」

「いや…分配おかしいよ…私達と組む前のもあるでじゃん!」

「ですです!」

「うーん…明日の為にだよ」

僕は双子のボロボロの武器と防具もないとは心配でこのままでは危険だと思った。
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