異世界で僕…。

ゆうやま

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9話 その2

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それにしても…異世界なのに話し通じてるのが不思議だった。

僕が話している言葉は日本に間違いないがそれでも通じている。

向こうも喋ってる言葉も聞いた事ない言葉だが不思議と全て理解出来て意思疎通に全く支障がない。

神様的な何かの力が働いてるのかと思いながら目的地に向かった。

冒険者ギルドの前に着いた僕は深く深呼吸して中に入った。

ここから僕の異世界ライフが始まる…気合い入れて行こう!

中に入るとゲームから出て来たのような光景を目にしてとワクワクしたが、みんな顔が怖いからちょっとびびった。

剣、槍、斧を持った人や弓や短剣を点検する人…杖を持ってじっと座っている人…そんな人が沢山集まっていた。

戦士、スカウト、魔法使いって感じだ。

それよりまず登録しないと思って受け付けのようなカウンターに立っている女性に向かって話しかけた。

「あの…」

「はい!ご用件伺います!」

丁寧で笑顔の女性だったので僕は安心して登録を進めようとした。

「初めてですが…登録…」

「ギルド登録は隣にどうぞ!はい!次の方!」

「は、はい…」

営業スマイル…どこの世界にもあるんだな。

僕は渋々隣の受付けに行った。

「んだ坊主?登録か?」

典型的なオチだた。

モヒカンのマッチョー!こえーよ!

ムキムキな筋肉…針を刺したら破裂しそうな筋肉だった。

「ど、登録をしたいですが…」

「悪い事言わねー、帰りな」

「はいはい…帰れるなら帰りたいです!くそ!」

「お、おぅ…」

睡眠不足と疲れ…不安感などでたまったストレスを受け付けの人にぶつけてしまった。

しかし、怒られると思ったが意外と冷静で僕を見る彼の表情は面倒とかバカにしてるとかの目ではなかった。

心配してる目…優しそうなお爺さんの目だった。

「先はごめんなさい、昨日色々ありまして…それに心配してくれてありがとう…おじさん、でもこっちも事情があります」

宿の費用ところか食費さえない。

挙句にダンジョン最深部まで行かなかん…あー…また憂鬱になって来た。

「ふっ!中々いい目をしてる坊主だな…無茶するなよ…登録するぞ」

「はい…ありがとうございます!」

顔に似合わずいい人で安心した。

「名前と年齢は?」

「志村晴人…17歳です」

「シムラハルト… 坊主…17だったか!12程度と思ったわい」

「はい?それは些かいい過ぎでは?」

「いや…あの顔に傷がある奴見えるだろ…今年で16歳になったばかりだ」

僕は童顔ではあるが12はいい過ぎと思った。

しかし、受付けのおじさんが指差した僕より一つしたの子は…まるで20歳後半に見えた。

どれだけ苦労すれば16であんな顔になるか、それともこの世界の方々が老けるのが早過ぎるか…。

それはわからないが…みんな顔はアレと似たような雰囲気が漂った。

そう…北極神拳に出て来るひゃっはーと叫んで群れてる方々のような雰囲気だ。

「小僧、よし…出来た、冒険者見習いだ」

「早っ!」

「仮のギルドカードだからな…正式な冒険者と認めて貰えるようになればまた発行してやる」

「そうですか…」

次から次へと問題は山積みだがまず今日の宿代や食費を稼がないといけない。

「早速ですがなんか私が出来る仕事ってありますか?」

「うむ…」

おじさんは僕の左右を見てから依頼書を取り出した。

「武器も防具もないなら討伐仕事はやれんな…薬草や材料採取の依頼あったかな…どれどれ……あった」

確かに素手で魔物の討伐は無理があるし、素材採取と聞きちょっとホッとした。

「村を出てすぐ森が見える…そこで黄色葉の花を沢山取ってこい!この辺じゃ黄色葉の植物はそれしかないからな…すぐ分かる」

「おおー!まさか!回復薬の材料ですか??」

「は?いや……痔の薬だ」

「ん?今何と?……聞き間違いかな?」

「この街は事務仕事が多いでな…痔で悩む人も多い、買い取り額ははずむぞ!実は隣の彼女も痔のせいで機嫌が悪い、頼んだぞ!」

おじさんは彼女に聞こえないように僕の耳元でコソコソ喋った。

要らない情報、ありがとうございます。

「坊主、これ持って行け」

「ありがとうございます…行ってきます」

「おう!気をつけていってらっしゃい」
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