異世界で僕…。

ゆうやま

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一章 9話

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天界の中央に主神の聖域を15の大神の聖域が取り囲むような形で存在し、その一つ、創造の女神の聖域のなかで一人の女性が半透明のホログラムのような3人と話しを交わしていた。

[どうしよう…ヤバイよ!アレが帰って来たよ!まじヤバイよ(芸の神)]

[いやぁーー!!うちが苦労して手に入れた神獣を千切って殺したよ!!あの怪力女!なんて事するの!!(美の神]

[ふっ…うちら撲殺決定…ね(虚無の神)]

「狼狽えるでない!貴様らそれでも大神か!(創造の女神)」

アルケーミュスの創造の女神ラグレシア。

ブロンドの髪にスレンダーで女神らしい凛々しく美しい美貌をしている。

だが…胸が残念過ぎると天下で知らないものはないほどだった…。

それに破壊の女神と正反対の属性の持つ二人は揉め事が絶えなくて仲が悪い。

[主神の無限光まで耐えてるって…我々大神でもあれを食らったら完全消滅だよ(芸)]

[あ…胃が痛くなって来たわ…怖く眠れない!いけない!シワが出来たらどうしよう(美)]

[へへ、シワシワババァーふふ…(虚)]

[んだとこらぁー(美)]

「案ずるな!奴は無限光を食らって器に戻ってると聞いておる」

[でも…復活は時間の問題じゃない?(美)]

「朗報がある…」

[なになに?(三馬鹿神)]

「その器は現在、人の子の手にあるらしい…」

[はぁ?神の器を? 間違いじゃないの?(美)]

「この情報の出所は信用できる」

[まじか?なら!あの女…自分の聖域に一生戻れないではないか!復活は無理だがね!!はははは!(芸)]

神の器はその神の使徒しか触れる事が出来ないが特別に縁がある者は人間でも触れられる。

しかし、人間が生きて天界に足を踏み入れた事例などなく、余程の偉業を成し遂げないと門番に摘み出される。

「しかし、何が起きるかわからないからな…確実に始末しなくてはな」

[無理…幽廃中…(虚)]

[また禁忌を犯したら今度は代替えの刑だよ…主神は容赦なくやるよ!私は無理無理…(美)]

[だな…(芸、虚)]

代替えの刑…それは神としては最大の罰。

全ての力と権限を剥奪、ただの人として下界に追放され、二度と復帰など出来ない。

そのようなリスクを負ってまで幽閉中の身でありながら下界に手を出す禁忌を犯す事はやりたくないのが同然だった。

「なぁに…誰が禁忌を犯せと言ったか?少し駒を動かせば良い事ではないか」

[へぇ…何企んでますか?(芸)]

「まぁ!企んでるなんて神聞きが悪い事、そうね…今は情報が足りないからまず情報ね…得意でしょ?芸術の神グランデ」

[情報取集程度なら禁忌にはならないからな…いいぞラグレシア]

「頼みましたよ?」

[へいへい]

また…懲りなく企みを図る四神であった。

.
.
.
.

ナズーラ村の人々は皆んな朝が早いようで、まだ日が登ってもないのに外から騒がしい声で目が覚めた。

「う、うるさくて寝れない…」

この宿の壁は防音性が全くなくて隣の宿泊客のイビキ声でほとんど眠れなかった。

「はっ!ルル姉…!」

目バッチリ覚めた僕は慌てて首にかけてい神の器の在り処を確認した。

失くしたらあの目つきの悪いレイラさんに殺される!

「夢じゃなかったな…ルル姉」

昨日の出来事は全て夢であって欲しかったが…この器と外の景色を見ると認めざる終えない。

現実を直視して覚悟を決めた僕は出掛ける準備をした。

行くか!冒険者ギルド。

街は早朝から一気に賑わって益々人が増えた。

「痛た!」

「小僧!余所見すんな!」

「す、すみません!」

ちょっと余所見するとすぐ人に打つかる。

しかし…冒険者ギルドがとこにあるかすらわからない。

気合い入れて出たがここは日本でもなく何があるか場所もわからないし…交番もない。

道に溢れてるほど沢山の人がいるので誰かに聞けばいいと思うが…みんな顔がこぇーよ!

チキンと自負している僕には彼らに声をかけることなど無理だった。

それで…宿屋に戻って優しいそうな従業員に聞く事にした。

「すみません…!」

「あら?どうしました?忘れ物ですか?」

宿屋の主人の娘が厨房から出て来た。

「いいえ、あの……冒険者ギルドが何処にあるか教えて下さい…」

「冒険者ギルド? そこならうちから出て右から4番目の建物だよ!大きい建物だからすぐ分かるよ」

「ありがとうございます!」

礼を言って宿から出るとガラスに映る自分の顔は何故かいい笑顔だ。

グッドチョイス!

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