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7話 その2
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無限光による被害が完全修復されてレイラさんと僕は急いでルル姉がいる場所に戻るとまるで痺れたカエルの足のようにビックビック痙攣しているルル姉を発見した。
「うう…た、たえ切ったぞ……」
仰向けのままぶつぶつ呟くルル姉を見て無事とは言えないが生きているのを確認して一安心した。
レイラさんも安心した表情で僕を投げ捨ててルル姉の前に跪いた。
「ご無事で何よりです!ルナ様!」
「あっ?貴様の目にはこれが無事に見えるのか?」
「も、申し訳ございません、お許しを…」
僕はルル姉の前まで走ってそのボロボロになっている姿に涙が出てしまった。
「ルル姉…よかった、うぅ」
「良し良し、もう大丈夫だ…男の子がそう易々泣くでない…本当に涙脆いのう…」
ルル姉は僕を優しく抱き締めて優し声で囁くと後ろから痛い視線を感じた。
「あの…この扱いの差はなんですかね」
「あ?今何か言ったか?」
「いいえ、何も…」
自分の使徒であるレイラさんに対して何故か冷たい態度を取る理由がわからなくて戸惑う中、レイラさんの顔は血の涙と鬼のような表情で僕を睨み付けていた。
「ハルト君…私はあの鬼のせいで力尽きてこれから眠りに付かないといけなくなったんだ…」
「どれ…ぐらい?」
その話しだと普通の睡眠とは違うとすぐ気付いて
僕は涙をぽとぽと落としながらルル姉の手を握った。
「賢い子じゃな、現状正確には分からない…もうダメだな…レイラよ」
「はっ!」
「後の事とこの子を頼んだぞ…」
「拝命!承りました」
レイラさんの返事を聞いてすぐルル姉の体が光って姿が消えるとその場所から一つの剣の形のペンダントが残っていた。
「これは…一体?」
「それは神の器だ、神が力が弱体した時、その器に入って精と体を癒すと聞いている…」
「これが神の器…これでルル姉は大丈夫ですか?」
「それだけではだめだ…ルナ様の聖域の玉座の間に神の器を置かないと回復できない」
「では早く聖地へ…」
「無論…人と子の君は聖地に足を踏み入れるのは出来ない…さあ、その神の器を…」
僕はこの神器を渡す事を躊躇した…。
中にはルルが眠っている…ルル姉の使徒といえよく知らない者にぽいっと渡すのは抵抗があった。
「一緒に聖地に行けないんですか?」
「その方が主様も喜ぶと思うが…」
「では一緒に!!」
「人の子である貴様は聖地に入る前に、天界の門番が君をミンチにするぞ?」
「そこはなんとか話しして入れてもらえないですか?」
「話し?君を見た瞬間狂ったように襲いかかるし、奴は主神様以外の命令や頼みは一切聞かない」
「へ、へぇ…門番としては中々優秀な方ですね」
うちに毎日来るうっとしい訪問セールス達の防止の為に雇いたいぐらいだ。
「他の方法はないんですか?」
「ない事はない…主神に認められて資格を頂ければ無事に通れる」
「その資格とは?」
「人間の身であれば…そうだな……数々の偉業を成し遂げて名誉と財の頂点に立てば、謁見程度は?いや、その程度じゃ足らないな」
……詰んだ。
「はい、分かりました!ルル姉を頼みます」
「うむ…物分かりが良くて助かる」
その資格を取る為にどれ程時間がかかるか、出来るかどうか分からない。
そんな無理ゲーのような条件を聞き、無理だと判断して僕のワガママより…早くルル姉を回復させたいと思って器をレイラさんに渡す事にした。
その時…落雷が落てレイラさんの前に叩き込まれた。
「きゃー!!」
「だ、大丈夫ですか!」
「これは一体?こ、これは!主神の勅命!」
落雷した場所には見たことない文字が書かれてあってレイラさんはそれの前に跪いて読み始めた。
「拝見いたしました…」
読み終わったレイラさんは歯を食いしばって険しい表情をしていて嫌な予感がした。
「な、なんと書いてありますか?」
「主神様の勅令である…主様の器を君の自力で、君の手で玉座の間に届けるようにとな…正式な手段で…それに手助け厳禁だ!そうだ…」
「えっ…えーーー!!」
予感は的中した。
僕はその無理ゲーに挑む事になった。
「ついて来なさい、まず君に色々話しが聞きたい…それから君が天界に行ける方法を考えよう」
「そんな…マジな話しですか?」
「何故貴様に冗談を言う必要がある?」
「す、すいません」
「もう日が暮れるな、近くに人族の村があるからそこで貴様の話しを聞こう…付いてきなさい」
「はい…」
僕はルル姉を主と呼ぶレイラさんを信用していいと判断して彼女について行った。
これからルルを救う為にハルトの異世界の生活が始まる。
「うう…た、たえ切ったぞ……」
仰向けのままぶつぶつ呟くルル姉を見て無事とは言えないが生きているのを確認して一安心した。
レイラさんも安心した表情で僕を投げ捨ててルル姉の前に跪いた。
「ご無事で何よりです!ルナ様!」
「あっ?貴様の目にはこれが無事に見えるのか?」
「も、申し訳ございません、お許しを…」
僕はルル姉の前まで走ってそのボロボロになっている姿に涙が出てしまった。
「ルル姉…よかった、うぅ」
「良し良し、もう大丈夫だ…男の子がそう易々泣くでない…本当に涙脆いのう…」
ルル姉は僕を優しく抱き締めて優し声で囁くと後ろから痛い視線を感じた。
「あの…この扱いの差はなんですかね」
「あ?今何か言ったか?」
「いいえ、何も…」
自分の使徒であるレイラさんに対して何故か冷たい態度を取る理由がわからなくて戸惑う中、レイラさんの顔は血の涙と鬼のような表情で僕を睨み付けていた。
「ハルト君…私はあの鬼のせいで力尽きてこれから眠りに付かないといけなくなったんだ…」
「どれ…ぐらい?」
その話しだと普通の睡眠とは違うとすぐ気付いて
僕は涙をぽとぽと落としながらルル姉の手を握った。
「賢い子じゃな、現状正確には分からない…もうダメだな…レイラよ」
「はっ!」
「後の事とこの子を頼んだぞ…」
「拝命!承りました」
レイラさんの返事を聞いてすぐルル姉の体が光って姿が消えるとその場所から一つの剣の形のペンダントが残っていた。
「これは…一体?」
「それは神の器だ、神が力が弱体した時、その器に入って精と体を癒すと聞いている…」
「これが神の器…これでルル姉は大丈夫ですか?」
「それだけではだめだ…ルナ様の聖域の玉座の間に神の器を置かないと回復できない」
「では早く聖地へ…」
「無論…人と子の君は聖地に足を踏み入れるのは出来ない…さあ、その神の器を…」
僕はこの神器を渡す事を躊躇した…。
中にはルルが眠っている…ルル姉の使徒といえよく知らない者にぽいっと渡すのは抵抗があった。
「一緒に聖地に行けないんですか?」
「その方が主様も喜ぶと思うが…」
「では一緒に!!」
「人の子である貴様は聖地に入る前に、天界の門番が君をミンチにするぞ?」
「そこはなんとか話しして入れてもらえないですか?」
「話し?君を見た瞬間狂ったように襲いかかるし、奴は主神様以外の命令や頼みは一切聞かない」
「へ、へぇ…門番としては中々優秀な方ですね」
うちに毎日来るうっとしい訪問セールス達の防止の為に雇いたいぐらいだ。
「他の方法はないんですか?」
「ない事はない…主神に認められて資格を頂ければ無事に通れる」
「その資格とは?」
「人間の身であれば…そうだな……数々の偉業を成し遂げて名誉と財の頂点に立てば、謁見程度は?いや、その程度じゃ足らないな」
……詰んだ。
「はい、分かりました!ルル姉を頼みます」
「うむ…物分かりが良くて助かる」
その資格を取る為にどれ程時間がかかるか、出来るかどうか分からない。
そんな無理ゲーのような条件を聞き、無理だと判断して僕のワガママより…早くルル姉を回復させたいと思って器をレイラさんに渡す事にした。
その時…落雷が落てレイラさんの前に叩き込まれた。
「きゃー!!」
「だ、大丈夫ですか!」
「これは一体?こ、これは!主神の勅命!」
落雷した場所には見たことない文字が書かれてあってレイラさんはそれの前に跪いて読み始めた。
「拝見いたしました…」
読み終わったレイラさんは歯を食いしばって険しい表情をしていて嫌な予感がした。
「な、なんと書いてありますか?」
「主神様の勅令である…主様の器を君の自力で、君の手で玉座の間に届けるようにとな…正式な手段で…それに手助け厳禁だ!そうだ…」
「えっ…えーーー!!」
予感は的中した。
僕はその無理ゲーに挑む事になった。
「ついて来なさい、まず君に色々話しが聞きたい…それから君が天界に行ける方法を考えよう」
「そんな…マジな話しですか?」
「何故貴様に冗談を言う必要がある?」
「す、すいません」
「もう日が暮れるな、近くに人族の村があるからそこで貴様の話しを聞こう…付いてきなさい」
「はい…」
僕はルル姉を主と呼ぶレイラさんを信用していいと判断して彼女について行った。
これからルルを救う為にハルトの異世界の生活が始まる。
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