異世界で僕…。

ゆうやま

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一章 1話

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この世界は理不尽過ぎると思わないか?頑張っても報われない者達、能力を評価されずに悩み苦しむ者達、暴力に晒されても助けてもらえない者達、何の因果もない者に殺された者…。

僕も同じく居眠り運転手によって両親を失った。

その運転手は二人の命を奪ったにも関わらずあまりも軽い刑をうけて、その後、保険金が支払われ全て終わった。

それに事故現場を見に行くと事故の痕跡など殆ど残ってなくみんなそのような事がなかったように誰一人気にしない。

それがあまりも受け止め難くて僕はこの世界が嫌いになった。

お通夜の時、隣のヒロシ兄さんが僕を慰めてくれながらこんな事を言った。

法律を作った者も一部の既得権者で、法律を作った理由も自分達を守る為に作ったものであると…それは現代でも同じでそんな法律が公平な訳がないから自分の身は自分で守るしかないと言っていた。

それでヒロシ兄さんもせめてこんな世界の食い物にされない為に自分なりに抵抗していると聞いた。

難しい事はわからなかったが、当時はそんなヒロシ兄さんがカッコよく見えてぺったり付いていた。

働いたら負けと叫び30歳中半までニートを貫き、たまに家に追い出されてよくうちに住み着いていたけど…。

それで、僕も社会の食い物にされないように頑張って暗い部屋で引き篭もって最近ハマってるゲームをやっている。

「うーしゃ!やっと全部揃った!」

狙っていたキャラクターを全部引いた僕は嬉しいあまり思いっきり叫んだ。

しかし、その喜びも一瞬で、大のゴミ収集袋に入りきれないほどに散らかってるプリペイドカードの山を見てため息が出た。

あれほど社会の食い物にされないと誓ったのに…恐ろしい社会!

「くっそ…このゲーム会社、えげつないな」

出るまで回すガチャタイムが終わると急にお腹が空いて冷蔵庫を漁ると生野菜やお肉、冷凍食品が少しあった。

お料理は好きだが今は調理する気分ではなくて出前でも取ろうとしたが、生活必需品も切れてる物も多く、今日は何故か外に出たい気分だったので久しぶりに買い物に出た。

僕の名前は志村ハルト(シムラハルト)。

訳あって高校を入学してすぐ退学して、今は自宅警備に励んでいる。

つまり、今社会的に問題になっている無職引き篭もり達のメンバーの一人って訳だ。

好き好んでやって訳ではないが、今になってはこの生活に悪くないと思うようになって社会不適合者になりづつある。

日が暮れ始まった冬の冷たい風は引きこもりの僕には辛過ぎる。

それに、雪もかなり積もっていて寒い感じが急増した。

とにかく、今はお腹が空いてるのでお気に入りのマクストルネードバーがに向かった。

「ありがとうございました」

この名前通り、このバーガーはとにかく中身が半端なくて、食べるにはちょっとコツが必要な程度だ。

この複雑な味はいつ食べても飽きなくて、僕が珍しく外に出た時は必ず寄るほどおいしい。

「化学調味料は世の正義よ…ふふふ」

それで、種類こと買って次は生活必需品を買いに商店街に向かうとほとんど店が閉まってる…。

スマホの日付を見ると12月31日と表示されていた。

今日は大晦日、それに僕の誕生日でもある。

これではプリペイドカードを買い占めて店員さん達がドン引きしたあのコンビニの世話になるしかないようで仕方なく家に向かった。

しかし、空気読まない僕の胃袋は空腹感レッドゲージスクランブル警告音を鳴り出して、食欲を唆るバーガーの匂いに我慢が出来なかった僕はゆっくり食べれる場所を探した。

商店街の端っこに小さい公園を思い出した僕はそこに向かった。

その公園はベンチが一つしかない公園と言いにくい寂しい場所であまり人気がなく滅多に人が来ない知り合いに会いたくない僕としてはベストプレイスである。

急ぎそこに向かったが我がオアシスは誰かに占領されていた。

諦めて家に帰ろうとしたが我が胃袋はエマージェンシーサインとして大量の胃液を放出した。

公園の明かりが付くとそこには女の子が座っていた。
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