20 / 26
期末テスト 1
しおりを挟む
今日の朝は私が少しばかり寝坊したため、アキラとは会わなかった。
そしていつも通りのはずの授業はテスト前になったからか、少しだけ緊張感のあるものになってきた。
「ゆーりー」
急に背中が重くなる。
「うわあっ!」
抱きついてきたその人をなんとか支え、倒れることは免れる。
後ろを確認すると、さながいた。
さなとは去年知り合い、2年続けて同じクラスになった1番仲のいい女子だ。
チャラそうな雰囲気をしているけど、成績は学年でトップ10に入るくらい優秀。
そういえばここのところ私がゲームばかりであまり話していなかったかも。
「もー、寂しかったよー。だからその分今日は一緒に勉強しよ?」
今はテスト前でゲームはやらないし、勉強ならちょうどいい。
私達は近くのファストフード店で一緒に勉強をすることにした。
席はあえて隣同士になれるカウンター席を選ぶ。
私は軽くつまめるポテトと、いつもより大きいサイズのオレンジジュースをチョイス。
さなはアイスクリームと、私と同じように大きいサイズの飲み物を持っていた。
「やっぱり夏のアイスはいいねー!」
溶けないうちにと、早めにアイスを食べるさなを隣に、私は歴史の教科書を取り出した。
「斎藤とはどんな感じなのー?」
斎藤、あきらの名字だ。
下の名前でばかり呼んでいると、たまに名字を忘れてしまう。
「どんな感じって?」
「付き合ってるんでしょ?」
「つき…………ぇえ!?」
どうしたらそんな風に見えるんだ?
私とあきらは全くそんな関係ではないのに。
「えー、付き合ってないのー?」
「付き合ってないよ。私、あきらを恋愛対象になんて見たことないし……」
だって、あきらと手を繋いだりキスしたり……そんなこと考えられない。
「でも斎藤はゆりのこと、好きだと思うなー」
「え、あきらが?」
あきらが私のことを好き?
そんなそぶり、今まで見せたことないのに。
それよりも──
「なんでさなにはわかるの?」
そんなにわかりやすいものなのだろうか?
「わかるよー! 斎藤はゆり以外の女子とはほとんど話さないし、ゆりにばっかり優しいし」
「私ばっかりと話すのは幼馴染だからかもしれないし……優しいってのはどうだろうなぁ」
「もー。ゆりはわかってないなぁ」
なんて残念がりながら、さなは飲み物を飲む。
あきらが私を好き、かぁ。
想像ができない。
まさかいつか告白されちゃったりする?
でも私はあきらとはこのままの幼馴染でいいんだけどな。
そしていつも通りのはずの授業はテスト前になったからか、少しだけ緊張感のあるものになってきた。
「ゆーりー」
急に背中が重くなる。
「うわあっ!」
抱きついてきたその人をなんとか支え、倒れることは免れる。
後ろを確認すると、さながいた。
さなとは去年知り合い、2年続けて同じクラスになった1番仲のいい女子だ。
チャラそうな雰囲気をしているけど、成績は学年でトップ10に入るくらい優秀。
そういえばここのところ私がゲームばかりであまり話していなかったかも。
「もー、寂しかったよー。だからその分今日は一緒に勉強しよ?」
今はテスト前でゲームはやらないし、勉強ならちょうどいい。
私達は近くのファストフード店で一緒に勉強をすることにした。
席はあえて隣同士になれるカウンター席を選ぶ。
私は軽くつまめるポテトと、いつもより大きいサイズのオレンジジュースをチョイス。
さなはアイスクリームと、私と同じように大きいサイズの飲み物を持っていた。
「やっぱり夏のアイスはいいねー!」
溶けないうちにと、早めにアイスを食べるさなを隣に、私は歴史の教科書を取り出した。
「斎藤とはどんな感じなのー?」
斎藤、あきらの名字だ。
下の名前でばかり呼んでいると、たまに名字を忘れてしまう。
「どんな感じって?」
「付き合ってるんでしょ?」
「つき…………ぇえ!?」
どうしたらそんな風に見えるんだ?
私とあきらは全くそんな関係ではないのに。
「えー、付き合ってないのー?」
「付き合ってないよ。私、あきらを恋愛対象になんて見たことないし……」
だって、あきらと手を繋いだりキスしたり……そんなこと考えられない。
「でも斎藤はゆりのこと、好きだと思うなー」
「え、あきらが?」
あきらが私のことを好き?
そんなそぶり、今まで見せたことないのに。
それよりも──
「なんでさなにはわかるの?」
そんなにわかりやすいものなのだろうか?
「わかるよー! 斎藤はゆり以外の女子とはほとんど話さないし、ゆりにばっかり優しいし」
「私ばっかりと話すのは幼馴染だからかもしれないし……優しいってのはどうだろうなぁ」
「もー。ゆりはわかってないなぁ」
なんて残念がりながら、さなは飲み物を飲む。
あきらが私を好き、かぁ。
想像ができない。
まさかいつか告白されちゃったりする?
でも私はあきらとはこのままの幼馴染でいいんだけどな。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。

懐いてた年下の女の子が三年空けると口が悪くなってた話
六剣
恋愛
社会人の鳳健吾(おおとりけんご)と高校生の鮫島凛香(さめじまりんか)はアパートのお隣同士だった。
兄貴気質であるケンゴはシングルマザーで常に働きに出ているリンカの母親に代わってよく彼女の面倒を見ていた。
リンカが中学生になった頃、ケンゴは海外に転勤してしまい、三年の月日が流れる。
三年ぶりに日本のアパートに戻って来たケンゴに対してリンカは、
「なんだ。帰ってきたんだ」
と、嫌悪な様子で接するのだった。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる