13 / 26
ひとりの時間 2
しおりを挟む
近くに持ち物として持つことのできる地図も置いてあった。
なんだかショッピングモールの地図に似ている。
その地図を手に取ると手に持ったはずの地図が消え、代わりにウィンドウが表示された。
『シルベットの街とその周辺の地図を手に入れました』
持ち物に入れられたのかなと思い、メニューウィンドウを開き、持ち物を選択した。
上からアイテム、大事なもの、そして最後に地図という項目があった。
地図という項目を開くと、オブジェの地図と同じものが手元に表示された。
「これならなんの建物がどこにあるかすぐわかる! あとでアキラにも教えなきゃ」
私はその地図を頼りに道具を売っているお店を探した。
地図を頼りに歩くと、さっきの広場より少し狭いところに着いた。
真ん中には憩いの場のような噴水とベンチが置いてあり、それを囲むようにして様々なお店が並んでいる。
なんだか、野外ショッピングモール、という言葉が似合いそう。
全部のお店が同じような作りになっていて、統一感がある。
それと、密度のせいか、なんとなくこっちの方が人が多くいるようにも感じた。
「さあ! 道具屋道具屋!」
このまま真ん中のベンチに行ってのんびりしたい気持ちが出てきたのを抑えて、再び道具屋を探しに歩き出した。
並んでいるお店の右から2番目のところが道具屋だった。
外からこのシルベットの街に戻るよりも、道具屋を探す方がすっかり時間がかかってしまった。
茶色のドアをゆっくりと開ける。
すると目の前にウィンドウが表示された。
『いらっしゃいませ』
と、それだけが表示されている。
ふと前を見ると女の人が立っていた。
「いらっしゃいませ!」
一瞬プレイヤーだと思って固まってしまったが、NPCだと分かるとホッとした。
この女の人が店員さんなのかな?
私は昨日のメインクエストを進める時のことを思い出した。
こういう時は、話しかければ……
「あの、回復のアイテムが、欲しいんです」
「それならこちらになります!」
私の途切れ途切れの言葉に明るく返してくれた店員さんは、私をその場所まで案内してくれた。
「こちらが回復ポーション《小》になります!」
「あ、ありがとうございます!」
店員さんの明るさにつられて、少しだけ声が上ずった。
「それでは、失礼します!」
そう言って一礼すると、ゆっくりと私の前から離れていった。
なんだかショッピングモールの地図に似ている。
その地図を手に取ると手に持ったはずの地図が消え、代わりにウィンドウが表示された。
『シルベットの街とその周辺の地図を手に入れました』
持ち物に入れられたのかなと思い、メニューウィンドウを開き、持ち物を選択した。
上からアイテム、大事なもの、そして最後に地図という項目があった。
地図という項目を開くと、オブジェの地図と同じものが手元に表示された。
「これならなんの建物がどこにあるかすぐわかる! あとでアキラにも教えなきゃ」
私はその地図を頼りに道具を売っているお店を探した。
地図を頼りに歩くと、さっきの広場より少し狭いところに着いた。
真ん中には憩いの場のような噴水とベンチが置いてあり、それを囲むようにして様々なお店が並んでいる。
なんだか、野外ショッピングモール、という言葉が似合いそう。
全部のお店が同じような作りになっていて、統一感がある。
それと、密度のせいか、なんとなくこっちの方が人が多くいるようにも感じた。
「さあ! 道具屋道具屋!」
このまま真ん中のベンチに行ってのんびりしたい気持ちが出てきたのを抑えて、再び道具屋を探しに歩き出した。
並んでいるお店の右から2番目のところが道具屋だった。
外からこのシルベットの街に戻るよりも、道具屋を探す方がすっかり時間がかかってしまった。
茶色のドアをゆっくりと開ける。
すると目の前にウィンドウが表示された。
『いらっしゃいませ』
と、それだけが表示されている。
ふと前を見ると女の人が立っていた。
「いらっしゃいませ!」
一瞬プレイヤーだと思って固まってしまったが、NPCだと分かるとホッとした。
この女の人が店員さんなのかな?
私は昨日のメインクエストを進める時のことを思い出した。
こういう時は、話しかければ……
「あの、回復のアイテムが、欲しいんです」
「それならこちらになります!」
私の途切れ途切れの言葉に明るく返してくれた店員さんは、私をその場所まで案内してくれた。
「こちらが回復ポーション《小》になります!」
「あ、ありがとうございます!」
店員さんの明るさにつられて、少しだけ声が上ずった。
「それでは、失礼します!」
そう言って一礼すると、ゆっくりと私の前から離れていった。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。
海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。
ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。
「案外、本当に君以外いないかも」
「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」
「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」
そのドクターの甘さは手加減を知らない。
【登場人物】
末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。
恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる?
田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い?
【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【完結】日本で生まれたのに見た目はファンタジーな私!日本語しか喋れないんだけど、何か悪いの?~ピンク髪のヒロインはVRゲームの中で恋愛する~
黒幸
恋愛
旧々題『ピンク髪のヒロインは今日も不機嫌』
旧題『日本で生まれたのに見た目はプリンセスな私!日本語しか喋れないんだけど、何か悪いの?~ピンク髪のヒロインは電子の妖精の夢を見るか?~』
三度目の正直で今度のタイトルで決定です。
2022/1/15に本編は完結しました!
アリスは幼馴染のタケルと友達以上恋人未満の関係。
傍目には両想いにしか見えない二人の関係はもどかしいまま、一向に進まない。
彼女は想いを素直に口に出せない天邪鬼な性格。
そんな彼女はタケルが全て、分かってくれた上で自分と付き合ってくれていると信じて、疑っていない。
自分は恋物語のヒロインなのだと思い、日々を過ごしていた。
本編25話、後日談16話の構成となっています。
表紙はノーコピライトガール様のイラストをお借りしています。
月の後宮~孤高の皇帝の寵姫~
真木
恋愛
新皇帝セルヴィウスが即位の日に閨に引きずり込んだのは、まだ十三歳の皇妹セシルだった。大好きだった兄皇帝の突然の行為に混乱し、心を閉ざすセシル。それから十年後、セシルの心が見えないまま、セルヴィウスはある決断をすることになるのだが……。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
淡泊早漏王子と嫁き遅れ姫
梅乃なごみ
恋愛
小国の姫・リリィは婚約者の王子が超淡泊で早漏であることに悩んでいた。
それは好きでもない自分を義務感から抱いているからだと気付いたリリィは『超強力な精力剤』を王子に飲ませることに。
飲ませることには成功したものの、思っていたより効果がでてしまって……!?
※この作品は『すなもり共通プロット企画』参加作品であり、提供されたプロットで創作した作品です。
★他サイトからの転載てす★
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる