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友人として 1

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 それから数日、俺はいつも通りののんびりとした生活を送っていた。

 あれから三郷とも連絡をとっていない。

 俺から会おうとか言うのも違う気がして、メッセージも送ることができなかったし、向こうから来ることもなかった。

 あれから1週間くらいたって、俺は再び母さんに頼まれて買い物に出ていた。

 土曜日の夕方。

 まさかもう一度その顔を見るとは思わなかった。

 遠くからしか見たことがないが、多分、あれは三郷の旦那だ。

 背が高くて、顔だってそこそこイケてる。

 三郷と並んだら美男美女夫婦って感じ。

 ってか待て?

 俺、ずっと三郷って呼んでるけど、よく考えたら結婚して苗字変わってるのかな?

 メッセージの名前は「茜」になっているので、現在の苗字はわからなかった。

 今度聞いてみようかな、とか考えていたら、その旦那がずかずかと俺に近づいてきた。

「二宮拓真さん、ですか?」

「え、あ、そうですが、何か──」

「もう妻には近づかないでください」

 俺が言い終わるよりも早く、言い放たれた。

「あなたが妻の同級生だったことは知っています。アルバムを見せてもらいました。名前も顔も、その時に覚えまして、それでもしかしたらと声をかけました。
ですがそれらは全て過去のことです。今さら、妻とあなたが関わりを持つ必要はありません。
妻とも話をして、連絡先も消させました」

 俺が口を挟む余裕もないくらいに淡々と訳のわからないことを話された。

 もう妻と関わるな?

 連絡先は消させた?

「ちょっと待ってください」

 怒りをグッと抑えて、なんとか敬語で言う。

「それを、それで、彼女はいいと言ったんですか?」

 その旦那は呆れて俺から目を離すもすぐに向き直して、そして一瞬、口角を上げて。

「当たり前じゃないですか。妻が私の言うことを聞かなかったことはありません」

 それだけ言って、歩き去った。

 俺はしばらくその場から動けなかった。

 ……狂ってやがる。

 当たってほしくなかった。

 違ってほしかった。

 ドス黒い笑みを浮かべた旦那の顔が頭から離れない。

 三郷にあんな顔させるやつ、一緒にいちゃダメだろ──!

 俺は外に出て必死で三郷に連絡をした。

 繋がるわけ、ないか。

 連絡先を消させたって言ってたもんな。

 それから俺は駅でずっと三郷を待ち伏せすることを考えたが、今日はあいにくの土曜日。

 三郷は平日だけ働いていると言っていたので、駅では会えないだろう。

 今すぐどうにかしてやりたい。

 でも、焦るだけじゃダメだ。

 今は大人しく買い物をして帰ると決めて、スーパーに戻った。

 買ったものを母さんに渡して、すぐ自室に篭る。

『友達 DV』

 あんなに毎日ゲームをしていたパソコンを久々に開いて、馬鹿正直にそのまま検索をかけた。
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