ユータ漫遊記 ～異世界を旅しながら世直ししてやろう～

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今度は人間の多い場所に近い場所へ転移した。
「今度は狙い通りだな。予想外の展開を期待していた読者には申し訳ない」
「あれは大きな街ね。ユータパンツの街よりも大きいわね」
まあ街の大きさで負けても俺はデカいからそっちで負けることはないだろう。
「ユータ様への悪意を感じますね。あんな街、滅ぼしてしまったほうがよろしいのでは？」
まあ俺の威光が届かないところだってある。
だから旅をして世の中を良くしているんじゃないか。
「さすがはご主人様です。あんなゴミの掃きだめにも慈悲を与えるとは」
まあ更生するチャンスを与えるだけはやらないとな。
無慈悲に理不尽に人を殺すはずがないじゃないか。
「ここはアーク王国の首都、アークキャピタルですわね」
そんな国の名前だったのか。
今まで一度も聞いたことがなかったぞ。
まあ知らなくても問題なかったから問題ないな。
「入場待ちの列か。仕方ないから並ぶぞ」
入場待ちの長い列に並んだ。
「これだけ列が長いのは街が人気なのか非効率な業務をしているかのどちらかだな」
まあ待つのもいいだろう。
ユータパンツの街だと人々が気を利かせて道を空けるから並ぶ経験なんてできないからな。
俺は寛大だからこれくらい待ってやる。
とはいえ暇なので暇つぶしを考えた。
「金貨投げをする。勝ち負けはないから遠くまで飛ばしてみろ」
俺は金貨生成で金貨を大量に作りみんなで投げた。
「金だ！金が空を飛んでいる！」
「うひょー！俺の金だぁ！」
列が崩壊し人々が金に殺到した。
こうなるから遠くへ投げたかったんだ。
まあ俺の投げた金貨は山の向こうまで飛んでいったから回収不能だろう。
みんなが投げた中ではロレイエが一番飛ばしていたな。
最下位はフランソワーズ。
まあお嬢様は金貨を投げる機会なんてなかっただろうからな。
まあ勝ち負けはなしと宣言していたので純粋に楽しめればいい。
子供の頃に遊べなかった分を取り戻すといいぞ。
「列が空いたから詰めるぞ」
こうして順番待ちの時間が大幅に短縮された。
「…そう考えていたときが俺にもあった」
入場をチェックする兵士まで金貨目指して殺到していた。
噂を聞いた住民が街の中から出てきて入ることができなくなった。
やれやれ、こんなはした金で秩序が崩壊するとは民度の低い街だな。
これが王都の住民の質か？
つまりアーク王国の民度はこの程度ということ。
「貧乏で浅ましい住民は被害者だ。こんな為政の被害者だ」
だから俺が救ってやらないとな。
「金貨無限生成、頻度毎分5枚、発生地点上空、初速と方向はランダム」
これで空から金貨が降ってくるようになった。
どこに降ってくるかはランダムだから誰でもチャンスはある。
そうだ、低確率で金貨が爆発するようにしよう。
運が悪い欲張りは死ぬ。
まあそれくらいのリスクがないと抑止力がなくて人々が堕落するからな。
「相変わらず人が中から出てくるから入れないじゃないか」
まあそこまで俺たちの入場を阻むのならこちらにも考えがある。
「ユータトンネル！」
街を囲む外壁に穴を空けた。
ここならまだ人々が気付いていないから出入りできるな。
まあ入場料代わりに金貨をばらまいたし支払いは不要だろう。
せっかくだから穴の影響で崩落しないよう強化しておく。
これで安全に出入りできるな。
まったく余計な手間ばかりかかるな。

「やっと街に入れたわね。随分時間がかかったわ」
リンが疲れたような顔でいった。
まあ俺が抱いてやらないからストレスも溜まるのだろう。
「これが王都ですか。随分汚いところですね」
まあミツナの意見には同意だ。
ここは貧民街か？
「エルフの集落よりも立派ですね」
奴隷扱いのロレイエがまともな場所に住めたとは思えない。
ここは王都の中でも貧民街だと思うから比較対象を間違えているぞ。
「臭くて汚い場所ですわ。ユータ様、このような場所にいては汚れてしまいます。早く移動しましょう」
まあフランソワーズの言い分ももっともだ。
でもな、俺が問題を解決してやらないと貧民の暮らしが改善しないじゃないか。
「消臭、除菌、殺菌、洗浄、浄霊、防虫、精神汚染解除、性欲抑制、感情欠落、ベータエンドルフィン分泌増加、殺人衝動抑制、禁酒、禁煙」
これで人々も少しはまともな暮らしができるだろう。
だが幸せで文化的な暮らしには金が必要だ。
「建材変更、黄金」
粗末な建物が黄金でできた建物に生まれ変わった。
黄金に囲まれて幸せに生きるか黄金を売って生活費にするか好きに選べばいい。
盗まれないように気をつけろよ？
「ちょっと疲れたな」
魔力は問題なくても対象が多すぎだった。
貧民相手に施すためとはいえ俺はがんばりすぎだな。
「さすがユータね。豚に真珠ね」
「さすがです、ユータ様。これで貧民もユータ様に少しは感謝するでしょう」
「さすがはご主人様です。お見事でした」
「さすがですわ、ユータ様。宿でお休みになられては？」
まあ休んで運動したいところだな。
よし、一番いい宿をとろう。
こうして狭い部屋で無茶苦茶運動した。
まあ俺の城に比べれば狭く貧乏くさいのは仕方ない。
「壁紙変更、金箔」
これで輝く壁になったな。
これはサービスだから遠慮するなよ。