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俺が家を持たないのは旅をしているからだ。
この街の滞在も長期になってきたし、俺の街になったし、思い切って家を持つのもいいだろう。
「さすがユータね。私との愛の巣ね」
「さすがです、ユータ様。立派なお城にしましょう」
「さすがはご主人様です。ご主人様に負けないよう大きなものにしましょう」
「さすがですわ、ユータ様。どうかこの代官の館をお使いください」
おいフランソワーズ、何か勘違いしていないか?
この館はもう俺の物だろ?
しかもお古を俺に使えというのか?
「まあ奴隷になったばかりだから少しくらいのミスなら許してやろう」
「申し訳ありません、ユータ様。寛大な処置、ありがとうございます」
まあ俺としては許してやってもいいけど他の人がそうは思わないようだ。
「ユータに失礼なことをしたのだから深く反省しなさい」
「ユータ様はこんなみすぼらしい館なんてまるで不釣り合いです」
「ご主人様がこの程度の大きさなはずがありません。もっと丈夫で長く使えるものでないと嘘になってしまいます」
確かに俺のは大きいし丈夫だし長持ちする。
フランソワーズにもよく教え込んでやらないとな。
「まあいいだろう。それよりも俺にふさわしい建物にするぞ」
まずは街を拡張する。
市街地に新市街地を作り代官の館の付近の建物を転移魔法で移動させる。
「空き地ができたので次は代官の館をリフォームする」
代官の館を派手に爆破した。
「さすがユータね。代官の館がゴミのようだったわ」
「さすがです、ユータ様。これでお城を建てる場所ができました」
「さすがはご主人様です。見事な爆破魔法でした」
「さすがですわ、ユータ様。粗大ごみの処理、お見事でした」
残念だな、これは爆破魔法ではない。
代官の館破壊魔法だ。
俺オリジナルの魔法だから誰も知らなくて当然だ。
まあいい。
「俺の城だからシャンボール城よりも立派にしよう。色は黒塗りで。屋上にヘリポートも設置だ」
俺は魔法で空を飛べるからヘリコプターなんかは不要だ。
将来的にワイバーンを飼うかもしれないから発着場を用意しておけば安心だ。
物干し竿も用意しておくから洗濯物も干せるぞ。
まあ俺は洗浄魔法も乾燥魔法も使えるから関係ないけど将来俺の城で働くメイドたちのことを考えればこれくらい当然だ。
「城の周囲にはトレントを呼び出して設置する。不審者は死ぬことになるだろう」
まあ忍び込もうとするような輩には手ぬるいかもしれないけど俺は寛大だから実力次第で生き延びられるようにしておく。
「他に足りないものがあれば指摘してくれ。欲しいものがあれば要望を聞くぞ」
まあ聞くだけ聞いてやろう。
無茶な提案やふざけた提案は却下するからな。
「流しそうめん用の設備を作れば世界最長ね」
いいだろう。
城の周囲にそうめん用のスライダーを設置した。
衛生面を考えて殺菌消毒防汚防塵防臭防カビ防犯精神攻撃耐性麻痺無効カーブで減速魔法を付与しておいた。
それと自動洗浄機能もつけておこう。
水も自動的に生成するぞ。
「ユータ様のために衣装部屋が必要です」
そうだな、みんなに着せる衣装を保管する部屋が必要だ。
コスプレ衣装だろうが何だろうがありとあらゆる服を揃えておこう。
まあこれで夜も刺激的になるな。
「ご主人様の活躍を記した資料室も必要かと思います」
確かにそうだな。
まあこの世界に来てからの活躍だけでいいか。
予選出場とか激励賞では俺に相応しくないからな。
俺に相応しくない記録を残す必要はない。
「ユータ様の寵愛を受けるための部屋は大きくないと相応しくありません」
まあ確かにそうだよな。
よし、1フロアまるごとそういった用途のための部屋にしよう。
「そう俺が言うとでも思ったか?」
3フロアくらいないと足りないだろう。
城が5階建てだとするとまあこれくらいでいいか。
各階の移動のために転移陣を用意しよう。
俺とハーレム要員用のフロアへは許可のない人間は転移できないようになっている。
緊急用の階段も用意したらどうしても用があるなら階段を利用してもらう。
「まあこんな感じでいいか。ユータ城生成魔法」
まあ魔法で楽勝だ。
「さすがユータね」
「さすがです、ユータ様」
「さすがはご主人様です」
「さすがですわ、ユータ様」
まあな。
「内装や家具は後で揃えよう。まずは新築祝いで流しそうめんだな」
「さすがユータね。この世界で最初の流しそうめんね」
「さすがです、ユータ様。こうやって素晴らしい城と文化を教示するとはさすがですユータ様」
「さすがはご主人様です。まさに神です」
「さすがですわ、ユータ様。みすぼらしかった代官の館が恥ずかしいです。ユータ様の奴隷になれた喜び、言葉にできません」
まあな。
この後無茶苦茶流しそうめんした。
夜はコスプレさせた。
まあいろいろと変化があって盛り上がったと思う。
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