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「ガチャ祭りを行う」
「さすがユータね」
「さすがです、ユータ様」
「さすがはご主人様です」
ガチャとはいえ出てくるものは魔法で作られるのでガチャの機器は飾りのようなものだ。
いちいち中身の補充なんて面倒なことはしなくて済むようにした。
まあ大勢が押し寄せると物理的に制約があるものだと足りなくなるのは明らかだからな。
それにチートがしにくくなるしな。
「転移ゲートも解放するからまた犯罪者候補が押し寄せてくるぞ。痴漢には気をつけろよ」
「わかったわ、ユータ」
「ユータ様以外には触れさせません」
「私のおっぱいなら問題ありません」
おいロレイエ、男は大きくても小さくても中途半端でも欲情する奴はいるから油断するなよ?
相変わらずロレイエは常識がないな。
まあいい加減そろそろ学習してほしいところだけど育ちが育ちだから難しいのかもしれないな。
まあいいけどな。
「よし、転移ゲート制限解除。ガチャ祭りの始まりだ!」

「これはなんだ?」
人にものを尋ねる態度が失礼な奴は地獄送りだ。
どの地獄に送られるかは運次第だ。
ガチャ運に期待しろ。
まあ地獄確定ガチャだからどこに行っても苦しむだろう。
やれやれ、死んで反省できるといいけど、あんな性格が地獄に行ったくらいで治るのだろうか?
まあそこまで俺が気にしてやる義理もないな。
「すみません、これは何なのでしょうか?」
おっぱいの大きな女性だったので丁寧に対応しよう。
「これはガチャで何が出るかは運次第。今なら特別に無料で引けるぞ」
「そうですか。ではお願いします」
「ではこのハンドルを回せ。俺に祈るといい結果になりやすいぞ」
「では…」
おっぱいの大きな女性が心の中で俺に祈ったことを察した。
よろしい、ならば大当たりにしてやろう。
「これは…?」
「大当たりだな。おっぱいが大きくなる加護だな。夜寝ている間に1サイズ大きくなるぞ」
「すごいわ!こんなの奇跡だわ!ユータ様に祈りを!ユータ様に感謝を!」
なかなかの心掛けなので1サイズといわず2サイズアップにしておこう。
これがきっかけとなって人が殺到するようになった。
「お前ら、ガチャは1回金貨10枚だ」
まあ普段からダンジョンで稼いでいる奴なら楽勝だろう。
俺に祈っている奴らも楽勝だ。
つまりガチャを回せる時点で俺の加護を得る資格があるということ。
まあ当たりばかりになるのは仕方ないな。
「おう、俺もやってみるぜ。金貨10枚でいいのか?ほらよ」
だがこんな横暴な男も金さえあればガチャを回すことはできる。
まあ俺が操作するからハズレにするけどな。
「当たりが出てこいオラァ!」
急に空から槍が降ってきて男が串刺しになった。
「激レアだな。槍が降ってくるなんて初めて見たぞ」
まあ俺に対して敬意を示さないのだから当然だな。
こうしてガチャ祭りは盛り上がりを見せた。
ガチャのゴミは回収ボックスに放り込んで処分完了だ。
そういえばゴミは元からゴミだったな。
まあゴミだからいいか。

「ユータ様、わたしもガチャを引いていいでしょうか?」
「いいぞ」
ミツナだから特別な物にしてやろう。
「では…偉大なるユータ様の寵愛を受ける私が日頃の感謝とユータ様の愛情とユータ様への愛情とユータ様が愛するおっぱいに感謝し永遠の愛を誓います」
空から金色に輝く俺の巨大神像が降臨する。
落下速度制御の魔法を使っているのでゆっくりだ。
街中に着地すると被害が出るかもしれないので街の外にしておく。
「すげぇ」
「あれが…神」
「偉大なるユータ様の奇跡!ユータパンツ万歳!」
「ユータパンツの街は永遠だ!」
「この奇跡を目の当たりにできたことをユータ様に感謝します」
「俺の運が吸われちまったな…」
おい、敬意のない奴は地獄送りだぞ?
さっさと地獄送りにしたし来世があるかは運次第だ。
まあ反省するくらいならそもそも不敬なんてあり得ないから永遠に地獄で苦しめばいい。
運が良ければいろいろな苦しみを味わえるだろう。
「よし、これで街の新たなシンボルができたな」
「さすがユータね」
「さすがです、ユータ様」
「さすがはご主人様です」
これで崇める対象ができたから偶像崇拝もしやすくなるな。
本物の神である俺はこの街にずっといるとは限らない。
この世界にはまだまだ俺の助けを待っている人がまだいるからな。
「俺がユータだ!」
「ユータ神万歳!」
「ユータ神様のおかげで今日もシチューが美味い!」
「ユータ様万歳!ユータ神様万歳!ユータパンツ万歳!」
こうして祭りは盛り上がって終わりを迎えようとしていた。
だがな、愚かにもこの盛り上がりを苦々しく思っている奴らがいた。
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