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第二話 天使と悪魔
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ベッドに横たわり、口をあけながら天井を眺めた。見知った天井だ。
あー早く仕事に行かなきゃなー
朝ごはんは何食べようかなー
明日は何しようかなー
どうでもいいことを頭の中で反復していた。
それで中身をいっぱいに詰め込んで現実逃避しないと、どうにかなりそうだったからだ。
エアーガンじゃない。
小学生のころ、エアーガンで遊んでいた俺にはわかる。
あんなに重たくはない。
確かに少し高価なエアーガンは、ガスが入っていて少し本格的なものもある。
それでもおもちゃの域を超えない。
今ではもっと大きいショットガンやアサルトライフル型のエアーガンもあるらしい
サバゲーが流行っているし、秋葉原でみたことがある。
でも
あれは違う。
持った瞬間に伝わる鉄の重厚感。
手首に力をいれないと上がらない位の重さ。
命を奪える
においがした
そんな気がした。
一体どうなっているのか・・・。
あらゆる可能性を模索してみたが、何が何だか考えるだけ無駄だと悟った。
扉の先の暗闇に踏み込む勇気もなかった。
というより、足がその先に進んでいかないんだ。
寝室から身動きが取れないまま、何分経っただろう・・・・。
もう一時間くらいぼーっとしている気がする。
いっそのこと寝てやろうと、両腕を枕の下にいれた。
そのとき
”こつん”
ん?なんだ?枕の下に何かある?
手に触れた硬い何かを引っ張り出した。
お!こんなところにあったのか!
今度は見覚えのあるスマホが出てきた。
良かったっと少し安堵した。
いじろうとした途端に、ブーブーとスマホが鳴り出した。
あ、やば、会社からかな?っと思ったが
知らない相手からのビデオ通話だった。
え?ビデオ通話??しかも・・・だれだこれ?「TENMA」?
てんま?そんな知り合いいないし、登録してあったか??
恐る恐る電話に出てみた。
「あ、やっと繋がった。もしも~し」
「け、遅いんだよ。さっさとしないと始められねぇーだろが」
スマホの画面越しに、着ぐるみ?ぬいぐるみ?みたいな二人が映っていた。
一人は豚のようななりした天使っぽい羽が生えてるやつで
もう一人は、ネズミの容姿で悪魔の黒い翼がある。
「な、なんだ・・・こいつら?」
スマホの画面みて動揺した。
人間ではない、動物?でもない奇妙な生き物が動き話しかけてきている。
「いやいや、それではここでのルールを説明するよ。一度しか言わないからよーく聞いてね」
「けっ、そんなの聞かなくても解るんだよ。端折って通話切っちまえよ」
訳も解らず、話しが進められそうになった。
「あえ?ちょっと待ってくださいよ!ルールの説明?一体どうゆうことですか?ここは俺ん家じゃないんですか?」
焦ってしまったのか、こんな生物相手に敬語を使ってしまった。
「いやねー、そうだよねー。混乱するのも無理はないよねー。でもね、大丈夫。ルールさえ頭に入っていれば、君なら大丈夫!」
「けっ、何を根拠に言ってるんだ。そんなわけないだろ!こんな頭の悪い奴は一回でさよならだ」
「えー、そんなことないよー。君は本当に意地悪だなー」
「けっ、まぁどうでもいいけどな」
二人で和気あいあいと話している。友達か何かか?そんなことは今どうでも良かった。
「おいおい、いいから説明してくれ!なんだよこれ、お前たちは誰だ?それにあの暗闇はなんなんだよ!」
苛立ちを隠しきれずに咄嗟に出た敬語も、すでに崩壊している。
「落ち着いて落ち着いて。大丈夫だよ。それはこれから順番に解っていくことだからね。お兄さんは、頭をフルに使って乗り越えていかなきゃダメなんだ」
「けけ、とんだ臆病者だ。こんなんじゃ勝てねーな」
「勝てない・・・?なにをする気なんだ?」
「お兄さんにはね。これからある試練に参加してもらいます」
何を言っているんだこいつらは・・・。
試練?現実味がなさ過ぎて、逆にどんどん冷静になっていく自分がいた。
「なんだよ試練って?」
「け、試練は試練だ。そう難しいもんじゃない」
「そう。ルールは簡単。お兄さんは【密告】もしくは【暗殺】を行うだけ!最後まで残ったチームの勝利っていうシンプルかつ、エキゾチックなゲームさ」
【密告】・・・?
【暗殺】?
ふと脳裏によぎる。あの黒い鉄の塊。
体に流れる血が一気に覚めていくような感覚に陥った。
「いやー、そんなに難しくないよ!それを実行するためのアイテムは、もうすでに持っているはずだからね。それに一番大切なのは、道具なんかよりも頭さ」
「け、頭なんかいらねって話しだぜ。頭突きでもするのかってんだ」
二匹の話を聞いているようで聞いていなかった。
理解するのに頭が追いついていなかったからだ。
「ここから先は、大丈夫。みんなに会えるから。それでは、健闘をお祈りするよ」
「けけ、強いて言うなら【暗殺】がお勧めだからな!何も考えず引き金を引いちまいな!」
「え?あえ、ちょっとまー」
その直後に、スッとスマホの画面からいなくなった。
そして、通話終了後にスマホの画面に映ったのは
”あなたは 4 ”
というメッセージだ。
4?え?どういうことだ・・・・。
訳のわからない状況が、一段とややこしくなった。
落ち着け。状況を整理しなきゃ。一体何が起こっているのかを・・・・。
そう思っていたのも束の間。
閉まっていたはずのドアが、ひとりでに開きだした。
え?
音もなく動き始めたドアの先に広がるのは、見慣れたダイニングではなく。
見たことのない、コンクリートの壁だ。
唾を飲み込み、ゆっくりと顔を出した。
その先に広がるのは左右に伸びた廊下だった。
コンクリートのうちっぱなしの壁が湾曲するように伸びている。
まるでどこかのホテルの一室から出てきたときの光景だ。
そんな広い部屋に済んだ覚えはない・・・・。
そう思って、冷静にドアを閉めた。
あー早く仕事に行かなきゃなー
朝ごはんは何食べようかなー
明日は何しようかなー
どうでもいいことを頭の中で反復していた。
それで中身をいっぱいに詰め込んで現実逃避しないと、どうにかなりそうだったからだ。
エアーガンじゃない。
小学生のころ、エアーガンで遊んでいた俺にはわかる。
あんなに重たくはない。
確かに少し高価なエアーガンは、ガスが入っていて少し本格的なものもある。
それでもおもちゃの域を超えない。
今ではもっと大きいショットガンやアサルトライフル型のエアーガンもあるらしい
サバゲーが流行っているし、秋葉原でみたことがある。
でも
あれは違う。
持った瞬間に伝わる鉄の重厚感。
手首に力をいれないと上がらない位の重さ。
命を奪える
においがした
そんな気がした。
一体どうなっているのか・・・。
あらゆる可能性を模索してみたが、何が何だか考えるだけ無駄だと悟った。
扉の先の暗闇に踏み込む勇気もなかった。
というより、足がその先に進んでいかないんだ。
寝室から身動きが取れないまま、何分経っただろう・・・・。
もう一時間くらいぼーっとしている気がする。
いっそのこと寝てやろうと、両腕を枕の下にいれた。
そのとき
”こつん”
ん?なんだ?枕の下に何かある?
手に触れた硬い何かを引っ張り出した。
お!こんなところにあったのか!
今度は見覚えのあるスマホが出てきた。
良かったっと少し安堵した。
いじろうとした途端に、ブーブーとスマホが鳴り出した。
あ、やば、会社からかな?っと思ったが
知らない相手からのビデオ通話だった。
え?ビデオ通話??しかも・・・だれだこれ?「TENMA」?
てんま?そんな知り合いいないし、登録してあったか??
恐る恐る電話に出てみた。
「あ、やっと繋がった。もしも~し」
「け、遅いんだよ。さっさとしないと始められねぇーだろが」
スマホの画面越しに、着ぐるみ?ぬいぐるみ?みたいな二人が映っていた。
一人は豚のようななりした天使っぽい羽が生えてるやつで
もう一人は、ネズミの容姿で悪魔の黒い翼がある。
「な、なんだ・・・こいつら?」
スマホの画面みて動揺した。
人間ではない、動物?でもない奇妙な生き物が動き話しかけてきている。
「いやいや、それではここでのルールを説明するよ。一度しか言わないからよーく聞いてね」
「けっ、そんなの聞かなくても解るんだよ。端折って通話切っちまえよ」
訳も解らず、話しが進められそうになった。
「あえ?ちょっと待ってくださいよ!ルールの説明?一体どうゆうことですか?ここは俺ん家じゃないんですか?」
焦ってしまったのか、こんな生物相手に敬語を使ってしまった。
「いやねー、そうだよねー。混乱するのも無理はないよねー。でもね、大丈夫。ルールさえ頭に入っていれば、君なら大丈夫!」
「けっ、何を根拠に言ってるんだ。そんなわけないだろ!こんな頭の悪い奴は一回でさよならだ」
「えー、そんなことないよー。君は本当に意地悪だなー」
「けっ、まぁどうでもいいけどな」
二人で和気あいあいと話している。友達か何かか?そんなことは今どうでも良かった。
「おいおい、いいから説明してくれ!なんだよこれ、お前たちは誰だ?それにあの暗闇はなんなんだよ!」
苛立ちを隠しきれずに咄嗟に出た敬語も、すでに崩壊している。
「落ち着いて落ち着いて。大丈夫だよ。それはこれから順番に解っていくことだからね。お兄さんは、頭をフルに使って乗り越えていかなきゃダメなんだ」
「けけ、とんだ臆病者だ。こんなんじゃ勝てねーな」
「勝てない・・・?なにをする気なんだ?」
「お兄さんにはね。これからある試練に参加してもらいます」
何を言っているんだこいつらは・・・。
試練?現実味がなさ過ぎて、逆にどんどん冷静になっていく自分がいた。
「なんだよ試練って?」
「け、試練は試練だ。そう難しいもんじゃない」
「そう。ルールは簡単。お兄さんは【密告】もしくは【暗殺】を行うだけ!最後まで残ったチームの勝利っていうシンプルかつ、エキゾチックなゲームさ」
【密告】・・・?
【暗殺】?
ふと脳裏によぎる。あの黒い鉄の塊。
体に流れる血が一気に覚めていくような感覚に陥った。
「いやー、そんなに難しくないよ!それを実行するためのアイテムは、もうすでに持っているはずだからね。それに一番大切なのは、道具なんかよりも頭さ」
「け、頭なんかいらねって話しだぜ。頭突きでもするのかってんだ」
二匹の話を聞いているようで聞いていなかった。
理解するのに頭が追いついていなかったからだ。
「ここから先は、大丈夫。みんなに会えるから。それでは、健闘をお祈りするよ」
「けけ、強いて言うなら【暗殺】がお勧めだからな!何も考えず引き金を引いちまいな!」
「え?あえ、ちょっとまー」
その直後に、スッとスマホの画面からいなくなった。
そして、通話終了後にスマホの画面に映ったのは
”あなたは 4 ”
というメッセージだ。
4?え?どういうことだ・・・・。
訳のわからない状況が、一段とややこしくなった。
落ち着け。状況を整理しなきゃ。一体何が起こっているのかを・・・・。
そう思っていたのも束の間。
閉まっていたはずのドアが、ひとりでに開きだした。
え?
音もなく動き始めたドアの先に広がるのは、見慣れたダイニングではなく。
見たことのない、コンクリートの壁だ。
唾を飲み込み、ゆっくりと顔を出した。
その先に広がるのは左右に伸びた廊下だった。
コンクリートのうちっぱなしの壁が湾曲するように伸びている。
まるでどこかのホテルの一室から出てきたときの光景だ。
そんな広い部屋に済んだ覚えはない・・・・。
そう思って、冷静にドアを閉めた。
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