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〈7/31〉
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〈7/31〉
この日、朝食の配膳ミスをしてしまい、
「配膳車に(検品時のマニュアル)貼ってあるのに、何で間違えるかなぁ。コレはダメだよ。」
と、上司Hに1度も配膳ミスした事が無い人みたいな調子で、長々と上から口調で注意された。相変わらず自分を棚に上げた言いっぷりだ。
私も大先輩の同僚も、上司Hのこの態度がずっと気に入らなかった。まぁ、全従業員(上司S・Tを含む)顔色が変わるのを見ているので、誰一人として気に入っちゃいないのはよく知っているのだが。
年輩の同僚に対してもこの調子だから、それは腹が立ってもおかしくない。
動画でも撮って、第三者にお見せしたいくらいだ。
そして昼休憩時、私がインシデントに記入し、同僚に確認してもらってから上司Hに提出。しかし書き漏らしがあって再記入した。
その時、上司Hが愚痴の混じった指摘をまたしてきた。
大体の内容はこうだった。
「栄養科長が厳しい。」
「次気をつけるでは済まない。」
「(私)さんしか書いてない。(同僚)も参加して。」
その後は悩んでいるような顔をして、
「改善法を考えるのが面倒くさい。」
「改善法を見つけなくては。」
と、[改善法改善法]とずっと言って、普段こっちが意見しても否定しかしない癖して、こうして息詰まった時は意見を求めてくる調子のいい上司H。
「そういえば指さし確認してなかった。」
と告げ、私はインシデントに追加記入した。あまりにしつこくうるさいので、これで話がおさまればいいと思い、口にしたのだが、
「(同僚)さんも、指さし確認ね。」
と、事務所にいる暇があっても配膳前の検品チェックにいつからか来なくなった人(上司Hもチェック時に見落として配膳ミスを引き起こし、おそらく保身のためにやめた)が、エラそうに放った余計な一言で、
「分かってるっ。」
と大先輩の同僚はカチンときて、苛立ちながら返事をした。
上司Hは、この後も私に対してかなりしつこく圧をかけてきた。つまり、それだけ暇だったのだ。
昼休憩が終わり、私が病棟から厨房へ配膳車2台を下ろして、残渣チェック(各患者が食事をどれだけ残しているかのチェック)を終えたの見計らって上司Hが再び突っかかってきた。
てゆーか、残渣チェックは本来あなたの仕事では?でもまぁその辺ウロウロされて、また配膳車ぶつけられたとか濡れ衣を着せられたら損するのは私か。
内容は、まず監査前の清掃。私の掃除が行き届いてないせいで、上司Hが残業して清掃し直したらしい。←厨房の事は自分に関係ないのなら、自分より下の店長に動いてもらえばいい話。
先程の昼休憩中にも、
「(清掃チェック表に)ただ〇をつければいいわけじゃない。」
と上司Hから言われたので、
「清掃したからチェック表に〇を付けてるし、やったのにやってないような言い方されるのは不本意。」(←気に入らないなら毎回清掃していいですよと付け加えたかった)
と返した。
「(冷蔵庫内の)お盆を取り替えてないし、魚や肉を入れるバットも洗ってない。」
と言い返してきたので、
「お盆は洗って拭いてアルコールして、バットも洗った。その後汚れたんでしょ。」
お盆は、厨房には患者や職員の食事等病棟へあげる時に使う物ばかりなので、洗浄してあるとしても、衛生面上どうかと思い、厨房と病棟で使用するお盆を区別しているため、取り替えずに洗浄して同じお盆を冷蔵庫に使用している。
バットは、冷蔵庫で魚や肉を自然解凍するためにあるので、しょっ中魚や肉が入った袋から液体・血が漏れ出てバットに付着する。
いくら洗っても、その後お盆の上に調味料やトロミ剤等をこぼせば汚れるし、バットは毎日魚か肉が入っているから液漏れする。監査前だけじゃなく、いつも見ていればそんなの分かるはずだ。
[アレはやってない]、[いややった]といった平行線なやり取りが続いた。珍しく上司Hの話は逸れていかなかったが、最終的に、
「別に責めてるわけじゃないんです。」
ホントかよとツッコミを入れたくなるような言い回しをずっとしてきた後に言われ、
「責めてるようにしか聞こえない。」
と、いい加減しつこいし、こちとら仕事中でいつまでも聞いてやれるほど暇じゃないので、少し苛立ちながら私は返した。すると、
「何で私が責められなきゃいけない?」
「私の仕事じゃないのに清掃してあげたんだから、感謝されるべきであって
責められる筋合いはない。」
「私は掃除当番に入ってないのに。」
上司Hは声を裏返して捲し立ててきた。
「そうだね。(掃除当番)1個も入ってないね。」
と返して、時間の無駄なので洗浄作業に取りかかった。
[掃除当番に入ってないのに]じゃなくて、自分で外したんでしょ。物は言いようだわ。
洗浄作業中も、上司Hはまだ私の背後でブツブツと言っている。そんなに暇なら、人件費無駄だから、掃除下手な私の代わりに残業して掃除したなら、その分早く帰ればいいのに。
内容はこうだった。
「栄養士は、厨房内の作業・職務に従事してはいけない。」
なら店長に残業してもらえばよかったのでは?しかもあなたはただの栄養士ってだけじゃなく上司様ですよね?行き届いてないところがあれば、店長に指示するか、しないなら自分が動くのは当然のことでは?こっちは殆ど毎日食事箋や食札のチェック管理を皆でカバーしてるっていうのに。
そっちが厨房内作業に従事しちゃいけないなら、栄養士の仕事厨房に振らないでくださーい。
「以前(私)さん[故意にやったことじゃない]って言ってましたけど、故意にやった方がまだマシです。何故なら理解した上でやっているから。罪にはなるけど。」
話が変わり、次は以前ミスした時の私の言い分についてだ。何で今更掘り起こしてきたのか不明だが、それよりもとんでもない発言にビックリして、私の頭は真っ白になった。
「店長の上司Tさんですら、栄養士が[それダメ]と言ったら、[はい]と言って従うしかないんです。」
なら[それダメ]って言わなきゃね~。ずーっと前から言い処山ほどあったのに、かなりスルーしてますけど?あなたが止めないからかなりやりたい放題やってるじゃん。
今だって、明日仕込みする分の食材堂々と刻んでますけど?いいのかコレは?[目ぇ見えてます?](←上司Hが年輩従業員に放った言葉)
ちゃんと指摘して従わせてから言って下さいよ。説得力0だよ~管理栄養士様~。
「栄養士は偉大な力を持ってるんですよね~?上司Tさん。」
と楽しそうに上司Tに向かって語りかけていたが、上司Tから何の返答も無かった。
そのうち満足したのか上司Hは去っていき、やっと私は解放された。
しばらくすると、上司Hが再び現れて、私に読ませるために書類をテーブルに置いて去っていった。洗浄作業を済ませてから、書類を確認してみると、[病院規定]を刷りだしたもので、1部にわざわざラインを施してあった。
{第3条:調理師は栄養士の指揮の下、栄養士を補佐し、給食全般の調理を行う。}
明らかなマウンティングに、思わず吹き出してしまったが、頭の中はストレスMAXでグチャグチャだった。
[病院規定]なんてものじたい初めてお目にかかったが、こんな物をわざわざ振りかざして、[この偉大な力を持った私に従いなさい]的アピールをするしか部下を従わせられない上司Hが、とても哀れで残念に思えた。
そんなもの振りかざさなくても理解しているし、私だけと言わず皆が上司Hの補佐をしている事に全く気づいてないのか。
それに、[栄養士は調理業務に従事しちゃいけない]なんて、あるのか無いのか分からない決まり事をわざわざ吹聴してふんぞり返って、余裕ぶっこいて仕事している栄養士が常駐する施設はそうそう無い。栄養士・調理師・調理補助、皆が協力し合って働かなきゃ間に合わない程、他の施設は忙しいというのに・・・恥ずかしくないのだろうか。
[偉大な力]というのは、ただ管理栄養士という資格を持ち合わせた人ではなくて、全ての業務を一通り実践して、オールマイティにこなせる力を持ち合わせた管理栄養士の事を言うんだと思うぞ?
偉大な力なんて、上司Tもそんな言葉で上司Hを持ち上げるだけ持ち上げといて、いざ同意を求められたら返答しないなんて、酷いヤツだ。しかし30代にもなってそんな下らないヨイショに浮かれる方も浮かれる方か。
この日、朝食の配膳ミスをしてしまい、
「配膳車に(検品時のマニュアル)貼ってあるのに、何で間違えるかなぁ。コレはダメだよ。」
と、上司Hに1度も配膳ミスした事が無い人みたいな調子で、長々と上から口調で注意された。相変わらず自分を棚に上げた言いっぷりだ。
私も大先輩の同僚も、上司Hのこの態度がずっと気に入らなかった。まぁ、全従業員(上司S・Tを含む)顔色が変わるのを見ているので、誰一人として気に入っちゃいないのはよく知っているのだが。
年輩の同僚に対してもこの調子だから、それは腹が立ってもおかしくない。
動画でも撮って、第三者にお見せしたいくらいだ。
そして昼休憩時、私がインシデントに記入し、同僚に確認してもらってから上司Hに提出。しかし書き漏らしがあって再記入した。
その時、上司Hが愚痴の混じった指摘をまたしてきた。
大体の内容はこうだった。
「栄養科長が厳しい。」
「次気をつけるでは済まない。」
「(私)さんしか書いてない。(同僚)も参加して。」
その後は悩んでいるような顔をして、
「改善法を考えるのが面倒くさい。」
「改善法を見つけなくては。」
と、[改善法改善法]とずっと言って、普段こっちが意見しても否定しかしない癖して、こうして息詰まった時は意見を求めてくる調子のいい上司H。
「そういえば指さし確認してなかった。」
と告げ、私はインシデントに追加記入した。あまりにしつこくうるさいので、これで話がおさまればいいと思い、口にしたのだが、
「(同僚)さんも、指さし確認ね。」
と、事務所にいる暇があっても配膳前の検品チェックにいつからか来なくなった人(上司Hもチェック時に見落として配膳ミスを引き起こし、おそらく保身のためにやめた)が、エラそうに放った余計な一言で、
「分かってるっ。」
と大先輩の同僚はカチンときて、苛立ちながら返事をした。
上司Hは、この後も私に対してかなりしつこく圧をかけてきた。つまり、それだけ暇だったのだ。
昼休憩が終わり、私が病棟から厨房へ配膳車2台を下ろして、残渣チェック(各患者が食事をどれだけ残しているかのチェック)を終えたの見計らって上司Hが再び突っかかってきた。
てゆーか、残渣チェックは本来あなたの仕事では?でもまぁその辺ウロウロされて、また配膳車ぶつけられたとか濡れ衣を着せられたら損するのは私か。
内容は、まず監査前の清掃。私の掃除が行き届いてないせいで、上司Hが残業して清掃し直したらしい。←厨房の事は自分に関係ないのなら、自分より下の店長に動いてもらえばいい話。
先程の昼休憩中にも、
「(清掃チェック表に)ただ〇をつければいいわけじゃない。」
と上司Hから言われたので、
「清掃したからチェック表に〇を付けてるし、やったのにやってないような言い方されるのは不本意。」(←気に入らないなら毎回清掃していいですよと付け加えたかった)
と返した。
「(冷蔵庫内の)お盆を取り替えてないし、魚や肉を入れるバットも洗ってない。」
と言い返してきたので、
「お盆は洗って拭いてアルコールして、バットも洗った。その後汚れたんでしょ。」
お盆は、厨房には患者や職員の食事等病棟へあげる時に使う物ばかりなので、洗浄してあるとしても、衛生面上どうかと思い、厨房と病棟で使用するお盆を区別しているため、取り替えずに洗浄して同じお盆を冷蔵庫に使用している。
バットは、冷蔵庫で魚や肉を自然解凍するためにあるので、しょっ中魚や肉が入った袋から液体・血が漏れ出てバットに付着する。
いくら洗っても、その後お盆の上に調味料やトロミ剤等をこぼせば汚れるし、バットは毎日魚か肉が入っているから液漏れする。監査前だけじゃなく、いつも見ていればそんなの分かるはずだ。
[アレはやってない]、[いややった]といった平行線なやり取りが続いた。珍しく上司Hの話は逸れていかなかったが、最終的に、
「別に責めてるわけじゃないんです。」
ホントかよとツッコミを入れたくなるような言い回しをずっとしてきた後に言われ、
「責めてるようにしか聞こえない。」
と、いい加減しつこいし、こちとら仕事中でいつまでも聞いてやれるほど暇じゃないので、少し苛立ちながら私は返した。すると、
「何で私が責められなきゃいけない?」
「私の仕事じゃないのに清掃してあげたんだから、感謝されるべきであって
責められる筋合いはない。」
「私は掃除当番に入ってないのに。」
上司Hは声を裏返して捲し立ててきた。
「そうだね。(掃除当番)1個も入ってないね。」
と返して、時間の無駄なので洗浄作業に取りかかった。
[掃除当番に入ってないのに]じゃなくて、自分で外したんでしょ。物は言いようだわ。
洗浄作業中も、上司Hはまだ私の背後でブツブツと言っている。そんなに暇なら、人件費無駄だから、掃除下手な私の代わりに残業して掃除したなら、その分早く帰ればいいのに。
内容はこうだった。
「栄養士は、厨房内の作業・職務に従事してはいけない。」
なら店長に残業してもらえばよかったのでは?しかもあなたはただの栄養士ってだけじゃなく上司様ですよね?行き届いてないところがあれば、店長に指示するか、しないなら自分が動くのは当然のことでは?こっちは殆ど毎日食事箋や食札のチェック管理を皆でカバーしてるっていうのに。
そっちが厨房内作業に従事しちゃいけないなら、栄養士の仕事厨房に振らないでくださーい。
「以前(私)さん[故意にやったことじゃない]って言ってましたけど、故意にやった方がまだマシです。何故なら理解した上でやっているから。罪にはなるけど。」
話が変わり、次は以前ミスした時の私の言い分についてだ。何で今更掘り起こしてきたのか不明だが、それよりもとんでもない発言にビックリして、私の頭は真っ白になった。
「店長の上司Tさんですら、栄養士が[それダメ]と言ったら、[はい]と言って従うしかないんです。」
なら[それダメ]って言わなきゃね~。ずーっと前から言い処山ほどあったのに、かなりスルーしてますけど?あなたが止めないからかなりやりたい放題やってるじゃん。
今だって、明日仕込みする分の食材堂々と刻んでますけど?いいのかコレは?[目ぇ見えてます?](←上司Hが年輩従業員に放った言葉)
ちゃんと指摘して従わせてから言って下さいよ。説得力0だよ~管理栄養士様~。
「栄養士は偉大な力を持ってるんですよね~?上司Tさん。」
と楽しそうに上司Tに向かって語りかけていたが、上司Tから何の返答も無かった。
そのうち満足したのか上司Hは去っていき、やっと私は解放された。
しばらくすると、上司Hが再び現れて、私に読ませるために書類をテーブルに置いて去っていった。洗浄作業を済ませてから、書類を確認してみると、[病院規定]を刷りだしたもので、1部にわざわざラインを施してあった。
{第3条:調理師は栄養士の指揮の下、栄養士を補佐し、給食全般の調理を行う。}
明らかなマウンティングに、思わず吹き出してしまったが、頭の中はストレスMAXでグチャグチャだった。
[病院規定]なんてものじたい初めてお目にかかったが、こんな物をわざわざ振りかざして、[この偉大な力を持った私に従いなさい]的アピールをするしか部下を従わせられない上司Hが、とても哀れで残念に思えた。
そんなもの振りかざさなくても理解しているし、私だけと言わず皆が上司Hの補佐をしている事に全く気づいてないのか。
それに、[栄養士は調理業務に従事しちゃいけない]なんて、あるのか無いのか分からない決まり事をわざわざ吹聴してふんぞり返って、余裕ぶっこいて仕事している栄養士が常駐する施設はそうそう無い。栄養士・調理師・調理補助、皆が協力し合って働かなきゃ間に合わない程、他の施設は忙しいというのに・・・恥ずかしくないのだろうか。
[偉大な力]というのは、ただ管理栄養士という資格を持ち合わせた人ではなくて、全ての業務を一通り実践して、オールマイティにこなせる力を持ち合わせた管理栄養士の事を言うんだと思うぞ?
偉大な力なんて、上司Tもそんな言葉で上司Hを持ち上げるだけ持ち上げといて、いざ同意を求められたら返答しないなんて、酷いヤツだ。しかし30代にもなってそんな下らないヨイショに浮かれる方も浮かれる方か。
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