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《8/28》
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《8/28》※今回は番外編(私の話ではないので)
この日の早朝、先輩調理師の◎◎さんが退職届を置いて職場を去った。
◎◎さんは、私よりも前から上司2人から攻撃を受けていた。
上司Hは、◎◎さんが仕込みをした際、蟻みたいな字で記された献立表の項目を見落としてしまった時、
[目ぇ見えてます?]
などと言ったり、嫌がらせを受けて精神的に疲労困憊の中、ミスをしてしまった◎◎さんに、
[今日疲れてます?]
[(ある作業を)1時間もかけてやってるから早番大変なのかなぁ?と思って。](←実際そんなにかかってない)
そんな前置きをしてから、本題のミスの話をはじめ、その後、
[歳だから大変そう~。]
というセリフを[歳だから]を強調して繰り返すなど、定年を過ぎた人に無配慮な言葉をかけまくっていた。
上司Tは、就業中常に◎◎さんを見張っていて、自分の持ち場である仕込み用の流し台から、◎◎さんがいる数メートル離れた調理場へ(その逆もあり)、跳んできて小言のような注意をして戻るといった行動と、黙って早番のシフトを減らすという嫌がらせを。
そんな事を上司2人は◎◎さんに対してしょっ中していた。
何故知っているかというと、当時◎◎さんとは仕事上の引き継ぎのために、メールや電話で情報を共有していたから。最初は仕事の引き継ぎがメインだったが、上司2人が入社してからは彼らから受けた被害がメインとなっていた。
上司2人のおかげで、8月に入ってから◎◎さんはストレスで精神的疲労が溜まってしまっていた。
退職のきっかけは[8/16](内容は伏せる)にあり、その夜から体調を崩して出勤出来なくなってしまった。
すぐに上司Tに◎◎さんは病欠の連絡を入れた。その際上司Tは、
[分かりました。お大事に。]
と淡々と答えたらしい。
私はそのメールを読んで、上司Tがどんな声で答えたか手に取るように分かった。全く血の通わない人形か機械が音として言葉を発しているような、魂が抜けた声だ。[お大事に]という音を発しているだけで、そこに労りは微塵も感じない。
出勤時の挨拶も、人と目を合わさず、通り過がりついでに挨拶という音を出して更衣室へ吸いこまれるように去って行く。
これまでの嫌がらせ+[8/16]のせいで、胃痛・嘔吐・不眠といった症状に悩まされ続け、本日[8/28]◎◎さんは退職届けを提出した。
その前日[8/27]の昼休憩時、厨房の電話が鳴った。この日は、私と大先輩の同僚、そして上司Tがいた。
上司Tが電話を取り、私達のいる目の前で応対した。それ程長いやり取りはなく、
「分かりました。」
と例の淡々とした応対をして上司Tは電話を切った。そして、
「◎◎さん、明日も休むそうです。」
と上司Tは答えた。
その日の夜、◎◎さんからメールが入り、昼休憩時の電話で、[明日以降も病欠したいと言ったら了解もらったため、退職の事も一緒に伝えていた]ことが判明。
上司Tは、退職すると本人から直接聞いたにも関わらず、◎◎さんを引き止める言葉もかけず、[分かりました]とすんなり退職を受け入れたのだ。
[思ったとおりあっさりOKした]と◎◎さんは書いていた。
その上、その場に居合わせていた、ずっと◎◎さんと長く働いてきた大先輩の同僚には、[明日も休む]事しか伝えなかった。
今日は味方(上司H)がいないし、引き止めもせずに電話を切った事で、我々から非難されるであろう事を予測して敢えて伏せたのだろう。
その後、上司Hにも退職の話がいっただろうが、上司Hも◎◎さんと連絡をとり説得するような事は無かったようだ。
つまり、上司2人とも相手を退職へ追い込むつもりで、集中的かつ意図的に1人の従業員に対して2人で嫌がらせを続けてきたという事だ。
私は、約40年生きてきて、こんな最低なやり口で人を陥れる人間に出会ったのは初めてだった。
皆誰しも長所も短所も持ち合わせて生きている。
自分の欠点を棚に上げて、本来なら部下の職務に関する欠点を指摘するだけでなく、フォローして補うべき立場の人間が、誰にでもいずれ訪れる[老い]を吊し上げ、相手が嫌がっているのを無視して、追い込むだけ追い込んで放置した。しかも、2人がかりで。こんなのは、ただのイジメでしかない。
[歳だから大変そう~]というか、いい歳して目上に大変意地の悪い圧を晒して追い詰めてんのはどこのどいつだ?上司Hに関しては、退職へ追い込んだ従業員はこれで何人目だろうか。[スキルアップしたい]なんて、以前言っていたが、一体何のスキルアップを遂げているのだろう?この人は。
私なりに、◎◎さんを引き止めたくて説得を試みたが、本人の意志は固かった。復帰しても、また彼らから攻撃を受けて体を壊す事になりかねないので、体を壊してまで働く価値がある職場では無いので、あまり無理は言えなかった。
現在どんな生活をされているか不明だが、◎◎さんがどうか幸せに暮らしていますように。
そして、上司2人がそれぞれ定年を迎える頃、自分より若い上司から同じように複数でイビられればいいと、我ながら私も意地の悪いことを、密かに祈っている。
この日の早朝、先輩調理師の◎◎さんが退職届を置いて職場を去った。
◎◎さんは、私よりも前から上司2人から攻撃を受けていた。
上司Hは、◎◎さんが仕込みをした際、蟻みたいな字で記された献立表の項目を見落としてしまった時、
[目ぇ見えてます?]
などと言ったり、嫌がらせを受けて精神的に疲労困憊の中、ミスをしてしまった◎◎さんに、
[今日疲れてます?]
[(ある作業を)1時間もかけてやってるから早番大変なのかなぁ?と思って。](←実際そんなにかかってない)
そんな前置きをしてから、本題のミスの話をはじめ、その後、
[歳だから大変そう~。]
というセリフを[歳だから]を強調して繰り返すなど、定年を過ぎた人に無配慮な言葉をかけまくっていた。
上司Tは、就業中常に◎◎さんを見張っていて、自分の持ち場である仕込み用の流し台から、◎◎さんがいる数メートル離れた調理場へ(その逆もあり)、跳んできて小言のような注意をして戻るといった行動と、黙って早番のシフトを減らすという嫌がらせを。
そんな事を上司2人は◎◎さんに対してしょっ中していた。
何故知っているかというと、当時◎◎さんとは仕事上の引き継ぎのために、メールや電話で情報を共有していたから。最初は仕事の引き継ぎがメインだったが、上司2人が入社してからは彼らから受けた被害がメインとなっていた。
上司2人のおかげで、8月に入ってから◎◎さんはストレスで精神的疲労が溜まってしまっていた。
退職のきっかけは[8/16](内容は伏せる)にあり、その夜から体調を崩して出勤出来なくなってしまった。
すぐに上司Tに◎◎さんは病欠の連絡を入れた。その際上司Tは、
[分かりました。お大事に。]
と淡々と答えたらしい。
私はそのメールを読んで、上司Tがどんな声で答えたか手に取るように分かった。全く血の通わない人形か機械が音として言葉を発しているような、魂が抜けた声だ。[お大事に]という音を発しているだけで、そこに労りは微塵も感じない。
出勤時の挨拶も、人と目を合わさず、通り過がりついでに挨拶という音を出して更衣室へ吸いこまれるように去って行く。
これまでの嫌がらせ+[8/16]のせいで、胃痛・嘔吐・不眠といった症状に悩まされ続け、本日[8/28]◎◎さんは退職届けを提出した。
その前日[8/27]の昼休憩時、厨房の電話が鳴った。この日は、私と大先輩の同僚、そして上司Tがいた。
上司Tが電話を取り、私達のいる目の前で応対した。それ程長いやり取りはなく、
「分かりました。」
と例の淡々とした応対をして上司Tは電話を切った。そして、
「◎◎さん、明日も休むそうです。」
と上司Tは答えた。
その日の夜、◎◎さんからメールが入り、昼休憩時の電話で、[明日以降も病欠したいと言ったら了解もらったため、退職の事も一緒に伝えていた]ことが判明。
上司Tは、退職すると本人から直接聞いたにも関わらず、◎◎さんを引き止める言葉もかけず、[分かりました]とすんなり退職を受け入れたのだ。
[思ったとおりあっさりOKした]と◎◎さんは書いていた。
その上、その場に居合わせていた、ずっと◎◎さんと長く働いてきた大先輩の同僚には、[明日も休む]事しか伝えなかった。
今日は味方(上司H)がいないし、引き止めもせずに電話を切った事で、我々から非難されるであろう事を予測して敢えて伏せたのだろう。
その後、上司Hにも退職の話がいっただろうが、上司Hも◎◎さんと連絡をとり説得するような事は無かったようだ。
つまり、上司2人とも相手を退職へ追い込むつもりで、集中的かつ意図的に1人の従業員に対して2人で嫌がらせを続けてきたという事だ。
私は、約40年生きてきて、こんな最低なやり口で人を陥れる人間に出会ったのは初めてだった。
皆誰しも長所も短所も持ち合わせて生きている。
自分の欠点を棚に上げて、本来なら部下の職務に関する欠点を指摘するだけでなく、フォローして補うべき立場の人間が、誰にでもいずれ訪れる[老い]を吊し上げ、相手が嫌がっているのを無視して、追い込むだけ追い込んで放置した。しかも、2人がかりで。こんなのは、ただのイジメでしかない。
[歳だから大変そう~]というか、いい歳して目上に大変意地の悪い圧を晒して追い詰めてんのはどこのどいつだ?上司Hに関しては、退職へ追い込んだ従業員はこれで何人目だろうか。[スキルアップしたい]なんて、以前言っていたが、一体何のスキルアップを遂げているのだろう?この人は。
私なりに、◎◎さんを引き止めたくて説得を試みたが、本人の意志は固かった。復帰しても、また彼らから攻撃を受けて体を壊す事になりかねないので、体を壊してまで働く価値がある職場では無いので、あまり無理は言えなかった。
現在どんな生活をされているか不明だが、◎◎さんがどうか幸せに暮らしていますように。
そして、上司2人がそれぞれ定年を迎える頃、自分より若い上司から同じように複数でイビられればいいと、我ながら私も意地の悪いことを、密かに祈っている。
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