両親が勇者と魔王だなんて知らない〜平民だからと理不尽に追放されましたが当然ざまぁします〜

コレゼン

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第5章 地下都市編

第91話 無限魔力

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「ん? ランス……貴様、新たなスキルを習得したな……?」
「誰だお前は?」

 見たことのない魔族だった。
 なぜ俺が新スキルを習得した事を知っているんだ?

「我は邪神エストール様よ。……ふむ、貴様の相手をしてやってもいいが、そのスキルだと若干でも消耗する可能性があるな……仕上げの儀式の前にそれは避けたい。ヒルデガルド!」
「はっ!」
「お前がこいつらの相手をしろ。ああ、お前の従者も呼び寄せてやる。後はランドルフとランスの仲間もな。それで役者が揃うだろう。舞台は整った。後は終局へ向けてそれぞれの演者がその役目を果たすのみだ」
「逃げるのか……?」
「ははっ! じゃあ、頼んだぞヒルデガルド」

 エストールがパチンという指を弾いて小気味よい音をさせると、後方に巨大な扉が出現したのと同時に、ミミ、ソーニャ、ランドルフ、エリーに少女の従者といった面々がそこの空間に降り立った。
 ミミたちが突然の召喚に驚き、辺りをキョロキョロと見渡しているその後方で、エストールは巨大な扉を開いてその奥へと消えていった。

「ランス、ここは?」
「ここはおそらく邪神の空間、神域だ」
「邪神?」
「ああ、今あの扉の奥に消えていった魔族がそうだ」
「……奴が」

 ミミとソーニャ。
 彼女たちはランドルフとエリーとやり合った手傷を全身に負っていてボロボロのようにも見える。
 だがまだその目は闘志に溢れていた。

「俺はヒルデガルドをやる。その間、ランドルフたちを任せていいか?」
「当然、あいつぶっ飛ばす」
「お任せください」

 ランドルフはその姿を魔族のそれへと変態させており、おそらく以前よりかなりの力をつけているのだろう。
 ミミたちの傷ついた様子に任せるのは荷が重い気もするが、ヒルデガルドを瞬殺してランドルフたちの戦いに加勢する腹づもりだった。

「じゃあ……」

 俺はヒルデガルドとその従者。
 ミミとソーニャはランドルフとエリーとそれぞれ向き合う。

「神の御前。食事を楽しむのはいいけど、節度は守って頂戴ね」
「「かしこまりました」」

 ヒルデガルドは付けていた黒のガーゼの手袋を外し、その瞳を真紅に変えて戦闘態勢に入る。
 ミミとソーニャもそれぞれランドルフたちへと踊りかかった。

『ライトニングワールド/光速世界』

 世界が暗黒へと変わり、周りのすべての動作がスローモーションになる。
 俺は妖精王の剣を引き抜き、ヒルデガルドの従者二人とヒルデガルドを次々と切り刻む。
 彼女たちはこの世界のスピードには当然ついてこれていない。
 彼女たちの絶命が確信となる状態まで切り刻んだ後で――

 通常世界と戻り、最早ただの肉片と化していたヒルデガルドの従者たちは、バラバラと鮮血とともにその肉塊が辺りに崩れ落ちる。
 そしてヒルデガルドの方も――ただの肉塊と化していたはずが切り口同士が結合し、そしてほんの数秒で元のその姿へと戻った。

「なっ……それで死なないのか……?」

 ニィっとヒルデガルドは世界を歪ませるような邪悪な笑みを浮かべる。

「私は吸血鬼の真祖。世界で最も不死身に近い存在よ。例え地獄の劫火に焼かれようとも私を殺すことはできんわ」

 ヒルデガルドは両手を横に構えるとエネルギー弾をそれぞれふた球現出させ――

「くらえ! はっ!!」

 その掛け声とともにそのエネルギー弾は俺に迫るが俺はそれを飛んで躱す。
 着弾と同時にエネルギー弾は凄まじい轟音を響かせるが、ヒルデガルトは一瞬で俺の方まで移動してきており、俺に次々と攻撃を加える。
 突き、水平払いに蹴りが繰り出されそれを防御するが――脇腹がへし折れた音と強烈な痛みとが襲い来る。

『ライトニングワールド/光速世界』

 俺は無音の絶対支配の世界をまた構成する。
 自身にヒールをかけて傷を癒やした後にまたヒルデガルドを切り刻む。
 今度はもっと入念に、回数をかけて。
 これ以上は無駄だと思えるほどまでに切り刻んだ後に通常世界へと戻る。

「………………」

 その体から鮮血がほとばしったのはほんの一瞬。
 ヒルデガルドはすぐにその体を修復させて、元の姿へと戻る。

「無駄無駄無駄無駄ーーーッ!! 私は不死身といったろう!? さあ、その勇者と魔王の血を味あわせておくれ。一体どんな味がするのかなあ?」
「俺が……そうである事をお前は知っているのか?」
「ああ、知っているよ。吸血鬼たちのネットワーク、アサシン教団の情報網。世界にそれなりの強者が現れた時には邪神柄ストール様を初め、我々に情報が寄せられるようになっているからねえ」
「お前のような外道には一滴たりとも血は渡さん!」
「可愛いねえ。勇者と魔王の息子と言っても、お前は所詮人間。脆い脆い人間だ。次は50%くらいの力を出そうかね。直ぐに壊れるんじゃないよ」

 ダッっと一足で俺との距離をヒルデガルドは縮めると、また中断の蹴り、次には上段肩付近に蹴り、の後に顔面に向けて直拳っと次々に攻撃をしてきた。
 俺はその攻撃をいずれも防ぐが、威力が強すぎて防御しきれず、体のあちこちが折られ、ひび割れ、激痛が走る。

『ライトニングワールド/光速世界』

 俺はまたヒーリングにより、自身が負ったダメージを回復する。
 絶対支配の世界で俺は考える。この世界の構成は消耗が激しい為、あまり長時間の展開はできない。
 このままだとジリ貧、そのうち俺の魔力が枯渇して殺られるのは目に見えている。
 なんとかしなければ敗北してしまう。
 ヒルデガルドの超回復をどうするか?
 炎はどうだろう?
 生半可な炎ではダメだ。一瞬で消しくずにできるほどの豪火でなければ。
 それを無限に循環させるような……。
 それは魔力がいくらあっても足りない。
 無理なのか? ヒルデガルドに勝つのは?
 バティストの涙が脳裏に過る。

瞬神しゅんしん

 俺は光速世界で更に瞬神を使い、時間を圧縮する。
 負けるわけにはいかない、絶対に。
 考える……考える……必死に考える……。
 やはり炎か? でも必要魔力が足りない……。
 考える……考える……考える……。
 俺は極限まで圧縮された時間軸の中で打開策を必死に探った。


 通常世界に戻った時、ヒルデガルドは無傷の状態だった。
 ライトニングワールドの世界にいたのは一瞬にも満たないような圧縮された時の中ではあったが、ヒルデガルドはそこから戻った事を察知して――

「よしよし、そろそろ身の程を知り、私には勝てないことを悟ったか? 不死身の私に無用な攻撃を与えないというのは懸命じゃ。結局は無駄になるからな。さあ、その鮮血を私におくれ」

 ヒルデガルドはゆっくりと俺に向かって歩いてくる。
 俺は下を俯いていたその顔を上げ――

『インフィニティパワー/無限魔力』

 を発動し、先程つないだどこかのチャンネルから無限魔力の供給を受ける。そして――

『インフェルノ/灼熱火炎地獄』

 灼熱の炎の塊がヒルデガルドへと到達する。

「なんじゃ? 今度は火魔法か? 地獄の劫火でも私は殺せんと教えてやったであろうが」

 余裕の表情でヒルデガルドはその炎の攻撃を受ける。
 こいつには痛覚というものが存在しないのであろうか?
 炎はヒルデガルドを焼くが――焼かれたそばから高速に回復しているようで、ヒルデガルドのその姿かたちは炎に包まれても変わらない。

「さてと、後はお前の魔力が尽きるのを待つだけじゃ。これで絶対に勝てないことが分かるじゃろうから、後は抵抗せずに食事をさせてくれよ」

 ヒルデガルドはまだ余裕の笑みを崩さない。
 俺はインフェルノに渡る魔力の量を少し増やす。
 炎は更に火力を増す。俺は更に増やす。
 最初は赤色だった炎が徐々にその火力を強めるにつれて赤から黄色、そして白色へと変わっていく。
 炎が白になった段階でヒルデガルドはその姿かたちを正確に保てなくなってくる。

「ほう、大した魔力量じゃの。だか、そろそろ限界じゃろう。人間は超えて、魔族の魔王であってもこれ以上はもう限界のはずじゃ」

 俺はインフェルノに渡る魔力の量を更に増やす。
 その魔力供給が異常な量に達している事は周囲も気づく。
 インフェルノは異常な魔力量により、その炎の熱だけでなく、不気味な波動を発するようになっていたからだ。
 炎はついには白色から紺碧の青へとその色を変え、その頃にはヒルデガルドは完全にその姿形を保てなくなっていた。

「ば……ば……、馬鹿な……こんな魔力量は……エストール様であっても……まさか貴様、理りと繋がりおったのか? 神ですら到達が難しいその境地に……?」

 ゆらゆらと実体を保てなくなったヒルデガルドが青色の炎の中で揺らめいている。
 元に戻り、また溶けるようにグニャグニャと溶解しというのを繰り返し、次に実体に戻ったその時、

「ソーニャっ!!」

 と大声で叫んだ後にヒルデガルドのその左手をかろうじて掲げ、そしてその手でグーの拳を作った。
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