両親が勇者と魔王だなんて知らない〜平民だからと理不尽に追放されましたが当然ざまぁします〜

コレゼン

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第3章 暗黒世界編

第37話 水竜の討伐

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 港町エスポワールについて、俺たちが最初に向かったのは、渡航船だった。

「すいません」

 渡航船が停泊しているそのすぐ近くに小屋があり、そこで受付をしている女性に話しかける。

「はい、なんでしょう」
「ラグーン大陸に渡りたいんですが、次の便はいつになりますか?」

 女性は低い声のトーンで答えた。

「申し訳ありませんが、現在近海で水竜が凶暴化している状況で、次のラグーン大陸への渡航の目処はたっておりません」

 じゃあ、あの冒険者たちが言っていたのは、やはりガセではない情報だったという事か。

「なるほど、後、渡航費用っていくらくらいになりますか?」
「ラグーン大陸までですと、一般料金でお一人様銀貨10枚となります」

 思ったよりも安い。
 俺は受付のお姉さんに礼をいい、そのまま宿に向かう。
 どうやらしばらく滞在する事になりそうだ。



「これみたいですね」

 宿から直行した冒険者ギルドの依頼ボードからソーニャが見つけて言う。
 最上段の中央、一番目立つ位置にその依頼は張り出されてあった。


 ▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽

 水竜の討伐

 依頼難易度:SS
 請負可能討伐ランク:B~

 近海の竜神、水竜が凶暴化して漁や渡航を妨げている為の討伐依頼。
 複数人構成である程度、請負人数が揃った所で討伐を行う予定。

 △△△△△△△△△△△△△


 難易度SSとは……。
 初めて見る依頼難易度だ。
 竜神ということは神を相手にするという事か。
 はっきり言って受けたくない依頼だけど、討伐しないと渡航できないというのであればしょうがないか。

 依頼受諾をすると討伐予定日は明日の正午という事だった。
 タイミング的に丁度よかったみたいだ。
 俺たちはその日は旅の疲れもあるのでゆっくりして明日に備える事にした。



「おう、お前らもこの依頼受けたんだな」

 槍を担いだバーボンが声をかけてきた。
 傍らにはヤックルもいる。
 水竜の討伐の為に用意された船。
 その船上にはおよそ20名ほどの冒険者たちが集められている。

 そこへ白髪をした少し小太りで体格のいい男性が現れた。
 比較的高価そうな服装をしている。貴族の人だろうか。
 船上でも少し高台になっている所にいき、そこの手すりを隔ててみんなに話しかけた。

「みなさん、本日は水竜の討伐にお集まり頂き、誠にありがとうございます。私、港町エスポワールにて町長をしています、トーマスといいます。これから皆さんにはこの船で討伐に行って頂きます。腕利きが集まってくれたようなので問題はないとは思いますが、くれぐれもお気をつけ下さい。船はこの後すぐに出港します。それではご武運を願っております」

 そう言い一礼すると、町長は船から降りていった。

「いかりをあげろー!」

 船長が合図を出し、出港かと思ったその時。

「水竜を討伐しないで!」

 少女が突然、討伐船に飛び込んできた。
 髪は青色でショートカットにしている。
 年の頃は8から10才くらいだろうか。

「な、なんだこのガキ、危ないから船から降りろ!」

 船員が強引に少女をかかえて船からおろそうとするが。

「いやぁーーー!! 水竜はおかしくなってるだけなのー!」

 なんだ? 少女は必死に抵抗している。
 この子は何か知っているのだろうか?
 俺たちは顔を見合わせ、船員に抱えられつまみ出されようとしているその子に駆け寄る。

「お嬢ちゃん、水竜の事、何か知ってるの?」

 ソーニャが中腰になって少女に問いかける。

「水竜は闇の力によって正気を失ってるだけなの」
「て、適当に言ってるだけだろこのガキ、放り出してやる!」
「まあ、待って! どうしてそう思うの?」
「……黒い小人さんが来たと思ったらおかしくなって……」

 ソーニャがそう問いかけると少女は下を俯き小さな声でそういった。
 黒い小人さん? …………もしかすると、闇の小人の事か?
 俺には少女が適当な嘘をついているようには見えなかった。
 ソーニャも同感のようで、俺と目が合うとうなずいて。

「お嬢ちゃんお名前は?」
「……リーシャ」
「お父さんとお母さんは?」
「お母さんはいない。お父さんは今はいない。お願い! 私も一緒に連れて行って!」

 少女は真剣な表情で俺たちの目を見据えて懇願してくる。
 俺はふーっと小さくため息をして。

「……連れて行こう。この子は俺が守る」

 危険な水竜の討伐。
 本来なら連れて行くべきではないが、判断の理由は直感だった。
 いざとなったら浮遊術と瞬神しゅんしんを使い戦線離脱すればいい。
 この子にはきっと何かある。

「この子は私たちが面倒みますから、同船させて下さい」
「まあ、あんたらが責任持てるっていうんならいいけど……全くしょうがねえなあ」

 リーシャはソーニャに懐いたようで、ソーニャの腰辺りにくっつきその服をギュッと握っていた。

「出港だあーー!」

 船長のその大きな掛け声により、船の帆が広げられ討伐への船路を進めることとなった。



「おそらく、この辺りのはずだが……」

 船は出発した港町がぼんやりと見える距離まで進んでいる。
 船長や船員は辺りの水面を確認していた。

「商船や渡航船が襲われたのはいずれもこの辺りだ。しばらく待ってみよう」

 船長がそういった後、船上には静かな波の音と微かに船が軋む音のみが響いている。
 冒険者たちはそれぞれが戦闘態勢に入りつつ、辺りを警戒していた。
 海はしずかで魚が水面を跳ねる事もない。

 リーシャは船の端から海を見下ろしてその様子をじっと観察している。
 しばらくの時が経った時。

「…………来る!」

 リーシャがそう言うと船の前方方向から海をかきわけ何かが迫ってきているのが見えた。

「来るぞ!」

 俺は大きな声でみんなに知らせる。
 みんなそれぞれ自身の獲物を構えて臨戦体勢に入る。

 大きな水しぶきを上げて水面から現れた水竜。
 水竜のその巨体により発生した波によって船舶が少し揺れる。
 水竜のその瞳は真っ赤で美しい青の鱗の表皮に所々、黒い斑点のようなものが出ていた。

「古きよりこの近海の守護神たる水竜ミストラーゼ様よ静まり給え! 何故に我々人間を攻撃するのか! その理由をおき……」
「グルゥオオオオオーーッ!」

 水竜は冒険者の代表が話しかけている途中で咆哮を上げたと思ったら、船に向かってその口から凄まじい勢いで、水を吐き出して攻撃してくる。
 問答無用という事か。

『『『プロテクトシールド』』』

 事前の打ち合わせ通り、複数の冒険者の魔術師により船にシールドが貼られる。
 水撃はシールドに弾かれ激しい衝撃音が辺りにこだまする。
 たかが水での攻撃だが、その水圧の高さにより件の商船などは、真っ二つにされたものもあるらしかった。

 シールドは一部ひび割れ破壊されている。
 二重三重と貼られている為、こちらに攻撃は届いていないが……二重目も一部ひび割れだした。

「ダメ! このままだと持たない!」

 シールド魔法を構成している魔術師たちが悲鳴を上げる。

 そんな時、気がつくと船首にリーシャが立っていた。
 目を離したすきにいつの間にかそちらに行ってしまっていたようだ。
 危ない! 俺はすぐさま駆け寄るが――

「お父さん止めて! 正気に戻って!」

 リーシャは船を庇うように両腕を広げて言った。

 お父さん!?
 どういう事だ? じゃあ彼女は……

 リーシャの呼びかけが届いたのか、水竜はその攻撃を止めて頭を抱えだした。
 うめき声を上げて何か苦しんでいるようだ。

「ランス、もしかしたら水竜は闇系の一種の呪い、または、洗脳にかかっているのかもしれません」

 水竜のその姿を見て取ったソーニャが言う。
 確かにそう言われて見るとそうかもしれない。

「という事は……パーフェクトヒールが効く?」
「はい、やってみます!」

『パーフェクトヒール!』

 無数の光の粒が水竜を包み込む。
 すると水竜のうめき声は段々と強くなっていった。
 やはり効いているようだ。

『『パーフェクトヒール!!』』

 その様子を確認した聖魔法が使える別の魔術師も参戦してきた。
 まばゆい光が水竜を包み込む。

「グゥギャオォオオーーー!!」

 水竜が苦しそうに咆哮を上げたと思ったら、水竜のその体から黒い蒸気のような物が立ち昇るようになる。
 立ち上ってくるその黒い蒸気は段々と薄くなり、それとともに水竜のうめき声も次第に小さくなって、いつしかぐったりと海へと沈みこんでいった。

「お、おい、大丈夫か……?」

 船上では冒険者たちがざわざわと不安の声を上げている。
 相手は神だ。浄化魔法でまさか対象を殺したという事はないだろうが……。

「お父さん!」

 そう言うとリーシャは海に飛び込んでいった。

 …………随分と長い時間浮き上がってこない。
 もしかして溺れてと思ったその時。

 大きな水しぶきを上げて再度水竜が現れた。
 すると今度は小さな水竜が傍らにいる。
 水竜の真っ赤だった目は青い目に変わり、身体中にあった黒い斑点は消え去っていた。

「人間たちよ、世話をかけた。闇の力によって正気を失っていた我をよく救ってくれた」

 水竜のその言葉におおーーっと船上の人々から歓声が上がる。
 よかった浄化は成功したみたいだった。

「助かったのはリーシャちゃんのおかげですよ!」

 ソーニャが呼びかける。

「ああ、我が娘もよくやってくれた。ありがとうリーシャよ」

 水竜は優しい眼差しをリーシャに向けたと思ったら、その頭をリーシャの頭にひっつけて親愛の情を示した。
 そして再度俺たちの方へと向き合い宣言した。

「近海の守護神ミストラーゼの名において、近海の汚れし海を浄化する!」

 そうミストラーゼが言うと、凄まじい目も開けていられないような強烈な光が発せられた。
 その光はどこか温かくもあり、不快感を感じる事はない。
 その光が十数秒ほど続いた後…………目を開けると、真っ黒だったその海は元の透き通る青へと戻っていた。

「おおーやったぞー!」
「海が戻ったー! これでまた漁もできるー」
「守護神に栄光あれー!!」
「闇に光が打ち勝ったんだー」

 空にはまだ黒雲は立ち込めているが、その美しい青の展望は人々に希望を抱かせるのに十分なものだった。

「それでは人間たちよ、我らはこの辺りで去るが、この近海については我の守護がまた戻ったので、また渡航や漁しても大丈夫であろう。世話になったな……」

 そういうと水竜たちは徐々にその姿を海の底へと沈めていった。



 討伐をしたわけではないがSSランクの依頼は成功。
 冒険者のヤックルやバーボンたちが宴を開いている中。

「もう行っちまうのか?」
「ああ、次の便が1ヶ月くらい後になるっていうんでね。なるべく早くラグーン大陸に渡りたいから」
「そうか、気をつけてな! また会ったらよろしく頼むぜ!」
「ああ、こっちこそ、じゃあ!」

 俺たちの乗っている渡航船は出港し、大海原を走り出す。
 港に滞留していた船も次々と船出に乗り出している。
 早速、漁を行っている小舟も散見された。

 船がしばらく進んだ時。

「「キューーーーーーッ」」

 大海原の遠くの水面から二つの竜の顔が浮き上がり、そしてその二頭は船にも届く鳴き声を上げた。
 その鳴き声はまるで「ありがとう」と言っているかのように俺には聞こえた。
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