14 / 101
第1章 ゴブリン討伐編
第14話 ゴブリンキングとの対決
しおりを挟む
ミミはゴブリンジェネラルが、防御に使った大斧ごと殴りを入れる。
それにより、まるで爆発音かのような衝撃音が響き渡った。
その衝撃でジェネラルが、数メートルぐらい後ろに吹っ飛ぶ。
すごいな。ジェネラルも驚いた顔をしている。
彼女は一体、どんな身体の強さをしているのだろうか。
「ちいっ! 非力な人間が、我ら上位種に向かって」
「上位種? 生き物に上も下も無い。ミミが教えてやる!」
「ほざけ!」
ジェネラルは、大斧をミミに向かって上から振りかざす。
ミミをそれを避けずに……なんと! 片手で受け止めた。
その足元の地面の岩場には、その衝撃でヒビが入っていた。
「バ、バカな……」
ミミはニヤリと笑い。
「これが非力な人間の力!」
そう言って、強烈のボディブローを入ると、ジェネラルの巨体が浮き上がった。
更に次々と追撃を加える。
ミミの一撃一撃はいずれも、ジェネラルのその巨体の質量を無視したかのように、その巨体を軽々とぶっ飛ばす。
ミミもきっと虐げられた人々を見て、感じるものがあったのだろう。
その攻撃からは、気迫が感じられた。
ソーニャの方は目にも止まらぬ速さで、両手短剣でジェネラルに切りつけを行っている。
いずれも致命傷にはなっていないが、そのスピードにジェネラルは対応できていないようだ。
「羽虫のようにチョロチョロと鬱陶しい! 圧倒的なパワーの前には、スピードなど無価値だ!」
「あらそうですか? それでは価値のない攻撃の連撃をどうぞ」
ジェネラルは大斧を振り下ろし、その都度地面を打ち付け、強烈な衝撃音を響かせるが、ソーニャには一切当たらず。
ジェネラルの攻撃の最中にもソーニャの連撃は続き。
ソーニャのその凄まじい攻撃スピードは、その両手に持った黒のダガーの黒の残光が、ジェネラルの体から血潮を上げながら、煌めいているようにも見えた。
ジェネラルの足元には、いつしか血溜まりができていく。
「うふふ。力だけのでくの坊が、謝るなら今のうちですよぉ」
「ぐぞーー!」
その後。ミミとソーニャ。
二人の攻撃に遂に耐えられなくなった、二体のジェネラルはその巨体が、ズドーンと地面に倒れ込んだ。
ただのゴブリンも俺が片付け、残りは数匹。
奴らはもう逃げ腰だった。
その時だった。ギィーっと奥の穴の扉が開いていく。
「なんじゃジェネラルの奴ら、やられてしまっとるではないか」
奥の穴から出てきた巨体のゴブリンは、そう口にする。
その体は、ジェネラルよりも更に大きいだろう。
保有している魔力量と、その威圧感からも分かる。
間違いない、こいつがゴブリンキングだ。
ゴブリンキングが、右手に持つはハルバード(斧槍)。
だが左手には、十字架のような物を手にして、そこに人が張り付けられているようだ。
張り付けられている人物は、満身創痍の状態のようだ。生きているのか?
そのような状態だからおそらく、ソーニャの生命探査にも、反応がなかったのだろう。
ふと俺は、張り付けられている人物に、見覚えがある事に気づく。
「カルカスか?」
俺が、そう問いかけるとゴブリンキングは、嬉しそうににぃっと笑みを浮かべ、カルカスの首を引っこ抜き放り投げた。
「冒険者仲間か? こいつには苦痛という苦痛を、与えてやったぞ! そしてお前らは、結局仲間を助けられない訳だ! グゥワーハッハッハ!!」
実に嬉しそうに、ゴブリンキングは笑い声を上げている。
人の悔しさや、憎しみといった感情が心地よいのであろう。
邪悪な奴だ。
俺はそのカルカスの転がった首に、少し目を向け、すぐにそらした。
酷い……クズだったが、そこまでの仕打ちを受けるべきだったとは思えなかった。
それにしても、もしかしたら俺たちより前に、討伐に来た冒険者PTって暁の旅団だろうか?
聞いていた鬼畜の所業も、奴らならやりかねない。
まあそうであっても今は関係ない。
目の前のゴブリンキングに集中しなくては。
ジェネラルよりも強いSランクの敵。
俺がそんな事を考えていると、ミミとソーニャの二人が飛び出し、ゴブリンキングに先手を打ちに行く。
まずミミが正拳突きを、ゴブリンキングの胸部に向かって放つ。
正拳がゴブリンキングに当たった瞬間に、まるで小さな爆発が起きたような衝撃音が響きわたった。
が、ゴブリンキングは片手で、なんのこともないようにミミの拳を受け止めていた。
ジェネラルには効いた攻撃も、キングには効かないのか?
続けてキングの死角からソーニャが、両手短剣のダガーを持って斬りかかった。
目にも止まらぬ速さで、両手短剣での斬り込みを行っていくが――
キングは、それを全て片手の人差し指で防いでいる。
ミミも、ソーニャと併せて二人がかりで攻撃を行っていくが、キングはそれをすべて、片手で軽々とさばいていく。
「ふん、ジェネラルを倒したと期待していたが、こんなものか」
キングはそういうとハルバード(斧槍)を振りかざした。
まずい!
(瞬神)
瞬時に俺はミミとソーニャ、キングとの間に身を踊らせる。
ぎりぎりのタイミングで、ハルバードの攻撃を剣で受け止め、その衝撃で火花が散らされた。
「下がって!」
ミミとソーニャは俺の指示で後方へと下がった。
攻撃が通じない以上、仕方ない。
鍔迫り合いの状態から、俺も一旦距離を取る。
その時、俺の脳裏に。
街道のゴブリンの襲撃を受けた家族。
ゴブリンの集落にいた、焦燥仕切った人々。
なぶり殺しにされ、山積みされた死体の数々が浮かぶ。
ここで俺達が負ければ周辺の村々は壊滅し、地獄をみるだろう。
ミミとソーニャは慰み者にされ、俺はなぶり殺される。
絶対に負ける訳にはいかない!
全身の血が沸騰するように精神が高揚する。
「うお゙お゙お゙お゙お゙ッ!」
咆哮を上げながら、俺はゴブリンキングに踊りかかった。
(瞬神)
片手剣を上段から振り下ろし、一閃。キングは瞬神のスピードには、反応できておらずクリティカルヒットした。
キングの身につけた鎧は、火花を上げながらも俺の剣で切り裂かれたが、肝心のそのキングの肉体は無傷のようだ。
なんなんだこいつの体は?
「スピードは速いようだが、そんな攻撃、かゆいかゆい。我にとって鎧など装飾のようなもの。肉体の方が、鎧より強度が高いのだからなあ!」
そういうとキングはハルバードを振り上げ、俺に向けて振り下ろす。
俺は剣でハルバードの攻撃軌道をずらす。
そうして振り下ろされたハルバードは、凄まじい衝撃音とともに地面に深い穴をうがった。
(瞬神)
再度今度は水平に剣を一閃。
瞬神のスピードを更に高めた一撃だった。
どうだ!……と思ったが、またキングの体には傷一つ入っていない。
「はっはっはっ! かゆい! かゆいわー!」
キングは、今度はハルバードの斧の反対の尖った槍部分を、俺に向かって連続してついてくる。
俺はそれを危なげなくかわした。
瞬神のスピードを更に上げる事はできる。
しかし、それをやると、今度は自身の剣がそのスピードに耐えられずに、破壊される可能性があった。
俺が躊躇していると、地面に散乱したゴブリンの死体と、そしてそのゴブリンどもが使用していた、片手剣が目に止まった。
そうか……
(瞬神)
瞬神のスピードを更に上げる。
初撃と同じように、上段からの振り下ろしで斬撃を与えるが――
今度はスピードを上げたことにより、爆発音のような衝撃音と共に俺の剣は砕け散った。
と同時に、キングの体からは真っ赤な鮮血がほとばしる。
俺の頬へもその血潮は飛び散った。
「ぐッ、ぐわぁッ! バカな?……人間ごときが我の体に傷を入れるだとッ!?」
俺は破壊された剣を捨て、ゴブリンが使っていた剣を拾い、にやりとキングに向かって微笑んだ。
「ぐぞぁーーッ!!」
そう言ってキングはハルバードを振りかぶるが、遅い!
俺は瞬神を連続使用し、次々とゴブリンの剣を使い潰して、キングへ攻撃を加えていく。
断続的な爆裂音と同時に、ゴブリンキングの血潮が次々と吹き荒れる。
ミミやソーニャにはその連続攻撃はあまりに速すぎて、剣の円弧に煌めく閃光と吹き出す鮮血、そして爆裂音が聞こえるのみだった。
ポタポタと地面に、俺からの攻撃によって負った血を落とすキング。
最早、虫の息でフラフラの状態だった。
キングは何かブツブツと一人で呟いている。
俺はトドメを入れるか、と思ったその時。
キングはハルバードを掲げたと思ったら、そのハルバードに雷が落ちる。
しまった! 魔法詠唱をしていたのか。
「雷槍!」
キングはそういうと、雷を帯びたハルバードを振り回す。
それによって、無数の雷撃が俺に襲い掛かってきた。
刹那なとも言えるような時の中で、俺はまるで無数の竜のように襲いかかってくるその雷撃を、瞬神により次々とかわした。
キングはその俺の様を、驚愕の表情でみとめ――
「化物め……」
その言葉の後、俺の最後の剣撃が凄まじい音を響かせて決まった。
ゴブリンキングは、そのまま地面に崩れ落ちる。
ふーっと、俺はそのまま地面にヘタリこむ。
ここまでの脳が焼ききれるかのような、瞬神の連続使用は始めてだった。
流石に疲れた。
「ランスー!」
「ランス様!!」
そこにミミとソーニャがやってきて、俺に抱きつく。
「うう゛ーーっ! よかっだですー」
涙を浮かべながら、二人は強く俺に抱きついてきた。
二人とも弱みを見せなかったが、かなりのプレッシャーがあったのだろう。
こうしてゴブリンたちの討伐は成功したのだった。
それにより、まるで爆発音かのような衝撃音が響き渡った。
その衝撃でジェネラルが、数メートルぐらい後ろに吹っ飛ぶ。
すごいな。ジェネラルも驚いた顔をしている。
彼女は一体、どんな身体の強さをしているのだろうか。
「ちいっ! 非力な人間が、我ら上位種に向かって」
「上位種? 生き物に上も下も無い。ミミが教えてやる!」
「ほざけ!」
ジェネラルは、大斧をミミに向かって上から振りかざす。
ミミをそれを避けずに……なんと! 片手で受け止めた。
その足元の地面の岩場には、その衝撃でヒビが入っていた。
「バ、バカな……」
ミミはニヤリと笑い。
「これが非力な人間の力!」
そう言って、強烈のボディブローを入ると、ジェネラルの巨体が浮き上がった。
更に次々と追撃を加える。
ミミの一撃一撃はいずれも、ジェネラルのその巨体の質量を無視したかのように、その巨体を軽々とぶっ飛ばす。
ミミもきっと虐げられた人々を見て、感じるものがあったのだろう。
その攻撃からは、気迫が感じられた。
ソーニャの方は目にも止まらぬ速さで、両手短剣でジェネラルに切りつけを行っている。
いずれも致命傷にはなっていないが、そのスピードにジェネラルは対応できていないようだ。
「羽虫のようにチョロチョロと鬱陶しい! 圧倒的なパワーの前には、スピードなど無価値だ!」
「あらそうですか? それでは価値のない攻撃の連撃をどうぞ」
ジェネラルは大斧を振り下ろし、その都度地面を打ち付け、強烈な衝撃音を響かせるが、ソーニャには一切当たらず。
ジェネラルの攻撃の最中にもソーニャの連撃は続き。
ソーニャのその凄まじい攻撃スピードは、その両手に持った黒のダガーの黒の残光が、ジェネラルの体から血潮を上げながら、煌めいているようにも見えた。
ジェネラルの足元には、いつしか血溜まりができていく。
「うふふ。力だけのでくの坊が、謝るなら今のうちですよぉ」
「ぐぞーー!」
その後。ミミとソーニャ。
二人の攻撃に遂に耐えられなくなった、二体のジェネラルはその巨体が、ズドーンと地面に倒れ込んだ。
ただのゴブリンも俺が片付け、残りは数匹。
奴らはもう逃げ腰だった。
その時だった。ギィーっと奥の穴の扉が開いていく。
「なんじゃジェネラルの奴ら、やられてしまっとるではないか」
奥の穴から出てきた巨体のゴブリンは、そう口にする。
その体は、ジェネラルよりも更に大きいだろう。
保有している魔力量と、その威圧感からも分かる。
間違いない、こいつがゴブリンキングだ。
ゴブリンキングが、右手に持つはハルバード(斧槍)。
だが左手には、十字架のような物を手にして、そこに人が張り付けられているようだ。
張り付けられている人物は、満身創痍の状態のようだ。生きているのか?
そのような状態だからおそらく、ソーニャの生命探査にも、反応がなかったのだろう。
ふと俺は、張り付けられている人物に、見覚えがある事に気づく。
「カルカスか?」
俺が、そう問いかけるとゴブリンキングは、嬉しそうににぃっと笑みを浮かべ、カルカスの首を引っこ抜き放り投げた。
「冒険者仲間か? こいつには苦痛という苦痛を、与えてやったぞ! そしてお前らは、結局仲間を助けられない訳だ! グゥワーハッハッハ!!」
実に嬉しそうに、ゴブリンキングは笑い声を上げている。
人の悔しさや、憎しみといった感情が心地よいのであろう。
邪悪な奴だ。
俺はそのカルカスの転がった首に、少し目を向け、すぐにそらした。
酷い……クズだったが、そこまでの仕打ちを受けるべきだったとは思えなかった。
それにしても、もしかしたら俺たちより前に、討伐に来た冒険者PTって暁の旅団だろうか?
聞いていた鬼畜の所業も、奴らならやりかねない。
まあそうであっても今は関係ない。
目の前のゴブリンキングに集中しなくては。
ジェネラルよりも強いSランクの敵。
俺がそんな事を考えていると、ミミとソーニャの二人が飛び出し、ゴブリンキングに先手を打ちに行く。
まずミミが正拳突きを、ゴブリンキングの胸部に向かって放つ。
正拳がゴブリンキングに当たった瞬間に、まるで小さな爆発が起きたような衝撃音が響きわたった。
が、ゴブリンキングは片手で、なんのこともないようにミミの拳を受け止めていた。
ジェネラルには効いた攻撃も、キングには効かないのか?
続けてキングの死角からソーニャが、両手短剣のダガーを持って斬りかかった。
目にも止まらぬ速さで、両手短剣での斬り込みを行っていくが――
キングは、それを全て片手の人差し指で防いでいる。
ミミも、ソーニャと併せて二人がかりで攻撃を行っていくが、キングはそれをすべて、片手で軽々とさばいていく。
「ふん、ジェネラルを倒したと期待していたが、こんなものか」
キングはそういうとハルバード(斧槍)を振りかざした。
まずい!
(瞬神)
瞬時に俺はミミとソーニャ、キングとの間に身を踊らせる。
ぎりぎりのタイミングで、ハルバードの攻撃を剣で受け止め、その衝撃で火花が散らされた。
「下がって!」
ミミとソーニャは俺の指示で後方へと下がった。
攻撃が通じない以上、仕方ない。
鍔迫り合いの状態から、俺も一旦距離を取る。
その時、俺の脳裏に。
街道のゴブリンの襲撃を受けた家族。
ゴブリンの集落にいた、焦燥仕切った人々。
なぶり殺しにされ、山積みされた死体の数々が浮かぶ。
ここで俺達が負ければ周辺の村々は壊滅し、地獄をみるだろう。
ミミとソーニャは慰み者にされ、俺はなぶり殺される。
絶対に負ける訳にはいかない!
全身の血が沸騰するように精神が高揚する。
「うお゙お゙お゙お゙お゙ッ!」
咆哮を上げながら、俺はゴブリンキングに踊りかかった。
(瞬神)
片手剣を上段から振り下ろし、一閃。キングは瞬神のスピードには、反応できておらずクリティカルヒットした。
キングの身につけた鎧は、火花を上げながらも俺の剣で切り裂かれたが、肝心のそのキングの肉体は無傷のようだ。
なんなんだこいつの体は?
「スピードは速いようだが、そんな攻撃、かゆいかゆい。我にとって鎧など装飾のようなもの。肉体の方が、鎧より強度が高いのだからなあ!」
そういうとキングはハルバードを振り上げ、俺に向けて振り下ろす。
俺は剣でハルバードの攻撃軌道をずらす。
そうして振り下ろされたハルバードは、凄まじい衝撃音とともに地面に深い穴をうがった。
(瞬神)
再度今度は水平に剣を一閃。
瞬神のスピードを更に高めた一撃だった。
どうだ!……と思ったが、またキングの体には傷一つ入っていない。
「はっはっはっ! かゆい! かゆいわー!」
キングは、今度はハルバードの斧の反対の尖った槍部分を、俺に向かって連続してついてくる。
俺はそれを危なげなくかわした。
瞬神のスピードを更に上げる事はできる。
しかし、それをやると、今度は自身の剣がそのスピードに耐えられずに、破壊される可能性があった。
俺が躊躇していると、地面に散乱したゴブリンの死体と、そしてそのゴブリンどもが使用していた、片手剣が目に止まった。
そうか……
(瞬神)
瞬神のスピードを更に上げる。
初撃と同じように、上段からの振り下ろしで斬撃を与えるが――
今度はスピードを上げたことにより、爆発音のような衝撃音と共に俺の剣は砕け散った。
と同時に、キングの体からは真っ赤な鮮血がほとばしる。
俺の頬へもその血潮は飛び散った。
「ぐッ、ぐわぁッ! バカな?……人間ごときが我の体に傷を入れるだとッ!?」
俺は破壊された剣を捨て、ゴブリンが使っていた剣を拾い、にやりとキングに向かって微笑んだ。
「ぐぞぁーーッ!!」
そう言ってキングはハルバードを振りかぶるが、遅い!
俺は瞬神を連続使用し、次々とゴブリンの剣を使い潰して、キングへ攻撃を加えていく。
断続的な爆裂音と同時に、ゴブリンキングの血潮が次々と吹き荒れる。
ミミやソーニャにはその連続攻撃はあまりに速すぎて、剣の円弧に煌めく閃光と吹き出す鮮血、そして爆裂音が聞こえるのみだった。
ポタポタと地面に、俺からの攻撃によって負った血を落とすキング。
最早、虫の息でフラフラの状態だった。
キングは何かブツブツと一人で呟いている。
俺はトドメを入れるか、と思ったその時。
キングはハルバードを掲げたと思ったら、そのハルバードに雷が落ちる。
しまった! 魔法詠唱をしていたのか。
「雷槍!」
キングはそういうと、雷を帯びたハルバードを振り回す。
それによって、無数の雷撃が俺に襲い掛かってきた。
刹那なとも言えるような時の中で、俺はまるで無数の竜のように襲いかかってくるその雷撃を、瞬神により次々とかわした。
キングはその俺の様を、驚愕の表情でみとめ――
「化物め……」
その言葉の後、俺の最後の剣撃が凄まじい音を響かせて決まった。
ゴブリンキングは、そのまま地面に崩れ落ちる。
ふーっと、俺はそのまま地面にヘタリこむ。
ここまでの脳が焼ききれるかのような、瞬神の連続使用は始めてだった。
流石に疲れた。
「ランスー!」
「ランス様!!」
そこにミミとソーニャがやってきて、俺に抱きつく。
「うう゛ーーっ! よかっだですー」
涙を浮かべながら、二人は強く俺に抱きついてきた。
二人とも弱みを見せなかったが、かなりのプレッシャーがあったのだろう。
こうしてゴブリンたちの討伐は成功したのだった。
0
お気に入りに追加
1,510
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
治療院の聖者様 ~パーティーを追放されたけど、俺は治療院の仕事で忙しいので今さら戻ってこいと言われてももう遅いです~
大山 たろう
ファンタジー
「ロード、君はこのパーティーに相応しくない」
唐突に主人公:ロードはパーティーを追放された。
そして生計を立てるために、ロードは治療院で働くことになった。
「なんで無詠唱でそれだけの回復ができるの!」
「これぐらいできないと怒鳴られましたから......」
一方、ロードが追放されたパーティーは、だんだんと崩壊していくのだった。
これは、一人の少年が幸せを送り、幸せを探す話である。
※小説家になろう様でも連載しております。
2021/02/12日、完結しました。
「専門職に劣るからいらない」とパーティから追放された万能勇者、教育係として新人と組んだらヤベェ奴らだった。俺を追放した連中は自滅してるもよう
138ネコ@書籍化&コミカライズしました
ファンタジー
「近接は戦士に劣って、魔法は魔法使いに劣って、回復は回復術師に劣る勇者とか、居ても邪魔なだけだ」
パーティを組んでBランク冒険者になったアンリ。
彼は世界でも稀有なる才能である、全てのスキルを使う事が出来るユニークスキル「オールラウンダー」の持ち主である。
彼は「オールラウンダー」を持つ者だけがなれる、全てのスキルに適性を持つ「勇者」職についていた。
あらゆるスキルを使いこなしていた彼だが、専門職に劣っているという理由でパーティを追放されてしまう。
元パーティメンバーから装備を奪われ、「アイツはパーティの金を盗んだ」と悪評を流された事により、誰も彼を受け入れてくれなかった。
孤児であるアンリは帰る場所などなく、途方にくれているとギルド職員から新人の教官になる提案をされる。
「誰も組んでくれないなら、新人を育て上げてパーティを組んだ方が良いかもな」
アンリには夢があった。かつて災害で家族を失い、自らも死ぬ寸前の所を助けてくれた冒険者に礼を言うという夢。
しかし助けてくれた冒険者が居る場所は、Sランク冒険者しか踏み入ることが許されない危険な土地。夢を叶えるためにはSランクになる必要があった。
誰もパーティを組んでくれないのなら、多少遠回りになるが、育て上げた新人とパーティを組みSランクを目指そう。
そう思い提案を受け、新人とパーティを組み心機一転を図るアンリ。だが彼の元に来た新人は。
モンスターに追いかけ回されて泣き出すタンク。
拳に攻撃魔法を乗せて戦う殴りマジシャン。
ケガに対して、気合いで治せと無茶振りをする体育会系ヒーラー。
どいつもこいつも一癖も二癖もある問題児に頭を抱えるアンリだが、彼は持ち前の万能っぷりで次々と問題を解決し、仲間たちとSランクを目指してランクを上げていった。
彼が新人教育に頭を抱える一方で、彼を追放したパーティは段々とパーティ崩壊の道を辿ることになる。彼らは気付いていなかった、アンリが近接、遠距離、補助、“それ以外”の全てを1人でこなしてくれていた事に。
※ 人間、エルフ、獣人等の複数ヒロインのハーレム物です。
※ 小説家になろうさんでも投稿しております。面白いと感じたらそちらもブクマや評価をしていただけると励みになります。
※ イラストはどろねみ先生に描いて頂きました。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
【二章開始】『事務員はいらない』と実家からも騎士団からも追放された書記は『命名』で生み出した最強家族とのんびり暮らしたい
斑目 ごたく
ファンタジー
「この騎士団に、事務員はいらない。ユーリ、お前はクビだ」リグリア王国最強の騎士団と呼ばれた黒葬騎士団。そこで自らのスキル「書記」を生かして事務仕事に勤しんでいたユーリは、そう言われ騎士団を追放される。
さらに彼は「四大貴族」と呼ばれるほどの名門貴族であった実家からも勘当されたのだった。
失意のまま乗合馬車に飛び乗ったユーリが辿り着いたのは、最果ての街キッパゲルラ。
彼はそこで自らのスキル「書記」を生かすことで、無自覚なまま成功を手にする。
そして彼のスキル「書記」には、新たな能力「命名」が目覚めていた。
彼はその能力「命名」で二人の獣耳美少女、「ネロ」と「プティ」を生み出す。
そして彼女達が見つけ出した伝説の聖剣「エクスカリバー」を「命名」したユーリはその三人の家族と共に賑やかに暮らしていく。
やがて事務員としての仕事欲しさから領主に雇われた彼は、大好きな事務仕事に全力に勤しんでいた。それがとんでもない騒動を巻き起こすとは知らずに。
これは事務仕事が大好きな余りそのチートスキルで無自覚に無双するユーリと、彼が生み出した最強の家族が世界を「書き換えて」いく物語。
火・木・土曜日20:10、定期更新中。
この作品は「小説家になろう」様にも投稿されています。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
大器晩成エンチャンター~Sランク冒険者パーティから追放されてしまったが、追放後の成長度合いが凄くて世界最強になる
遠野紫
ファンタジー
「な、なんでだよ……今まで一緒に頑張って来たろ……?」
「頑張って来たのは俺たちだよ……お前はお荷物だ。サザン、お前にはパーティから抜けてもらう」
S級冒険者パーティのエンチャンターであるサザンは或る時、パーティリーダーから追放を言い渡されてしまう。
村の仲良し四人で結成したパーティだったが、サザンだけはなぜか実力が伸びなかったのだ。他のメンバーに追いつくために日々努力を重ねたサザンだったが結局報われることは無く追放されてしまった。
しかしサザンはレアスキル『大器晩成』を持っていたため、ある時突然その強さが解放されたのだった。
とてつもない成長率を手にしたサザンの最強エンチャンターへの道が今始まる。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
八百長試合を引き受けていたが、もう必要ないと言われたので圧勝させてもらいます
海夏世もみじ
ファンタジー
月一に開催されるリーヴェ王国最強決定大会。そこに毎回登場するアッシュという少年は、金をもらう代わりに対戦相手にわざと負けるという、いわゆる「八百長試合」をしていた。
だが次の大会が目前となったある日、もうお前は必要ないと言われてしまう。八百長が必要ないなら本気を出してもいい。
彼は手加減をやめ、“本当の力”を解放する。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
復讐完遂者は吸収スキルを駆使して成り上がる 〜さあ、自分を裏切った初恋の相手へ復讐を始めよう〜
サイダーボウイ
ファンタジー
「気安く私の名前を呼ばないで! そうやってこれまでも私に付きまとって……ずっと鬱陶しかったのよ!」
孤児院出身のナードは、初恋の相手セシリアからそう吐き捨てられ、パーティーを追放されてしまう。
淡い恋心を粉々に打ち砕かれたナードは失意のどん底に。
だが、ナードには、病弱な妹ノエルの生活費を稼ぐために、冒険者を続けなければならないという理由があった。
1人決死の覚悟でダンジョンに挑むナード。
スライム相手に死にかけるも、その最中、ユニークスキル【アブソープション】が覚醒する。
それは、敵のLPを吸収できるという世界の掟すらも変えてしまうスキルだった。
それからナードは毎日ダンジョンへ入り、敵のLPを吸収し続けた。
増やしたLPを消費して、魔法やスキルを習得しつつ、ナードはどんどん強くなっていく。
一方その頃、セシリアのパーティーでは仲間割れが起こっていた。
冒険者ギルドでの評判も地に落ち、セシリアは徐々に追いつめられていくことに……。
これは、やがて勇者と呼ばれる青年が、チートスキルを駆使して最強へと成り上がり、自分を裏切った初恋の相手に復讐を果たすまでの物語である。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
クラス転移して授かった外れスキルの『無能』が理由で召喚国から奈落ダンジョンへ追放されたが、実は無能は最強のチートスキルでした
コレゼン
ファンタジー
小日向 悠(コヒナタ ユウ)は、クラスメイトと一緒に異世界召喚に巻き込まれる。
クラスメイトの幾人かは勇者に剣聖、賢者に聖女というレアスキルを授かるが一方、ユウが授かったのはなんと外れスキルの無能だった。
召喚国の責任者の女性は、役立たずで戦力外のユウを奈落というダンジョンへゴミとして廃棄処分すると告げる。
理不尽に奈落へと追放したクラスメイトと召喚者たちに対して、ユウは復讐を誓う。
ユウは奈落で無能というスキルが実は『すべてを無にする』、最強のチートスキルだということを知り、奈落の規格外の魔物たちを無能によって倒し、規格外の強さを身につけていく。
これは、理不尽に追放された青年が最強のチートスキルを手に入れて、復讐を果たし、世界と己を救う物語である。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
勇者パーティー追放された解呪師、お迎えの死神少女とうっかりキスして最強の力に覚醒!? この力で10年前、僕のすべてを奪った犯人へ復讐します。
カズマ・ユキヒロ
ファンタジー
解呪師マモル・フジタニは追放された。
伝説の武器の封印を解いたあとで、勇者パーティーに裏切られて。
深い傷と毒で、死を待つばかりとなったマモル。
しかし。
お迎えにきた死神少女との『うっかりキス』が、マモルを変えた。
伝説の武器の封印を解いたとき、体内に取り込んでいた『いにしえの勇者パーティー』の力。
その無敵の力が異種族異性とのキスで覚醒、最強となったのだ。
一方で。
愚かな勇者たちは、魔王に呪いを受けてしまう。
死へのタイムリミットまでは、あと72時間。
マモル追放をなげいても、もう遅かった。
マモルは、手にした最強の『力』を使い。
人助けや、死神助けをしながら。
10年前、己のすべてを奪った犯人への復讐を目指す。
これは、過去の復讐に燃える男が。
死神少女とともに、失ったはずの幼なじみや妹を取り戻しながら。
結果的に世界を救ってしまう、そんな物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる