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イヴ視点15
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ユーリを俺の傍にずっと置いていくにはどうすればいいのか、ずっと考えている。
恋人同士という肩書きがあれば一緒にいてくれる?ユーリが望むなら結婚でも構わない。
でも、やっぱり肩書きは肩書き以外のなにものでもない。
ユーリの気持ちまで手に入らない。
ユーリの中に俺の想いを染み込ませる事は簡単だが、気持ちまでは操れない。
俺の圧でユーリを頷かせる事は出来ても、ユーリ自身が俺の傍に居たいと思わないと意味はない。
ユーリに舐められた腕が熱く疼いて、そこに爪を立てる。
爪が皮膚に食い込み、血が流れていくのを眺める。
ユーリの舌が俺の体を這っていた、幼少期の頃に感じたあの感覚が蘇る。
欲しい、ユーリの全てが…ほしくてほしくて…俺の中の力が暴れている。
床に映る影もザワザワと揺らいでいて、凶悪な姿に変わる。
それはまるで、大きな口を開けてユーリを飲み込もうとしているようだ。
俺の瞳も赤くなり、手で目を覆ってしゃがみ込む。
ユーリの中、もっといたかったな…出来る事ならずっと中にいたい。
ユーリを感じていたい、ユーリしかいらない…俺にとってユーリは…
「イヴさん、上がりました……ってどうしたんですかその傷!!」
「……ユーリ」
風呂上がりで、肌が少し赤くなっているユーリがいた。
相変わらず美味しそうだな、ユーリの肌は…舌舐めずりする。
ユーリは俺の腕が怪我をしているから慌てていた。
棚に向かって走っていこうとするから、ユーリの腕を掴んで止めた。
棚の上に救急箱が見えた、さっきも持っていたから救急箱で手当てをするつもりなのだろう。
ユーリがいるのに、そんなものに頼らないで…またあの時みたいに…
「舐めて」
「…え?」
「舐めて」
「…い、イヴさんがいいなら」
ユーリは血を舐める事には抵抗がないようで、舌を出して恐る恐る舐めていた。
無理矢理させているようだが、最初にしたのはユーリだ…俺にはユーリがどんな薬よりも効果がある。
あの時も俺の血を舐めとってくれた、俺にとってあの記憶が俺の全てだった。
傷口からユーリの唾液が入ってきて、血と混ざり合っている。
俺の体の中の治癒能力もあり、すぐに傷口は塞がった。
ユーリは自分より立場が上の相手ならこうして舐めたり、体を許したりするのか?
そんな事をさせる奴がいたら、俺がソイツの存在を消してやる。
ユーリがそうされたという記憶ごと……ユーリの目を閉じ込めてしまえば俺しか頼らないし俺しか見ないのに…
「ユーリは優しいから、他の奴にも舐めたりしてた?」
「そんな事してません!舐めるのは気持ち悪いかなって思ったから…誰にも」
気持ち悪いなんて一瞬でも思った事はないが、ユーリがそう思ってくれて良かった。
俺だけにしてくれたんだと思うと、さらに特別に感じる。
性処理は…ないな、ユーリは誰ともしていなかったし…
ユーリが口を離すと「ずっと俺だけにしてね」と言った。
キョトンとした顔をしていたが、俺が微笑むとユーリはよく分からないまま頷いていた。
ユーリは手紙を書くと言って、机に向かい合っていて俺はユーリの後ろに立つ。
ユーリがどんな手紙を書くのか気になった、帰りたいとか書かないか見るためだ。
こっそり見る必要はない、堂々と後ろから覗き込む。
ユーリにやましいところがないなら、きっと見せてくれる。
自分の事を書いているユーリの真剣な眼差しを見つめて、紙を見る。
俺もこんなに真剣に考えて書いた手紙がほしいな……勿論ユーリのだけ…
恋人同士という肩書きがあれば一緒にいてくれる?ユーリが望むなら結婚でも構わない。
でも、やっぱり肩書きは肩書き以外のなにものでもない。
ユーリの気持ちまで手に入らない。
ユーリの中に俺の想いを染み込ませる事は簡単だが、気持ちまでは操れない。
俺の圧でユーリを頷かせる事は出来ても、ユーリ自身が俺の傍に居たいと思わないと意味はない。
ユーリに舐められた腕が熱く疼いて、そこに爪を立てる。
爪が皮膚に食い込み、血が流れていくのを眺める。
ユーリの舌が俺の体を這っていた、幼少期の頃に感じたあの感覚が蘇る。
欲しい、ユーリの全てが…ほしくてほしくて…俺の中の力が暴れている。
床に映る影もザワザワと揺らいでいて、凶悪な姿に変わる。
それはまるで、大きな口を開けてユーリを飲み込もうとしているようだ。
俺の瞳も赤くなり、手で目を覆ってしゃがみ込む。
ユーリの中、もっといたかったな…出来る事ならずっと中にいたい。
ユーリを感じていたい、ユーリしかいらない…俺にとってユーリは…
「イヴさん、上がりました……ってどうしたんですかその傷!!」
「……ユーリ」
風呂上がりで、肌が少し赤くなっているユーリがいた。
相変わらず美味しそうだな、ユーリの肌は…舌舐めずりする。
ユーリは俺の腕が怪我をしているから慌てていた。
棚に向かって走っていこうとするから、ユーリの腕を掴んで止めた。
棚の上に救急箱が見えた、さっきも持っていたから救急箱で手当てをするつもりなのだろう。
ユーリがいるのに、そんなものに頼らないで…またあの時みたいに…
「舐めて」
「…え?」
「舐めて」
「…い、イヴさんがいいなら」
ユーリは血を舐める事には抵抗がないようで、舌を出して恐る恐る舐めていた。
無理矢理させているようだが、最初にしたのはユーリだ…俺にはユーリがどんな薬よりも効果がある。
あの時も俺の血を舐めとってくれた、俺にとってあの記憶が俺の全てだった。
傷口からユーリの唾液が入ってきて、血と混ざり合っている。
俺の体の中の治癒能力もあり、すぐに傷口は塞がった。
ユーリは自分より立場が上の相手ならこうして舐めたり、体を許したりするのか?
そんな事をさせる奴がいたら、俺がソイツの存在を消してやる。
ユーリがそうされたという記憶ごと……ユーリの目を閉じ込めてしまえば俺しか頼らないし俺しか見ないのに…
「ユーリは優しいから、他の奴にも舐めたりしてた?」
「そんな事してません!舐めるのは気持ち悪いかなって思ったから…誰にも」
気持ち悪いなんて一瞬でも思った事はないが、ユーリがそう思ってくれて良かった。
俺だけにしてくれたんだと思うと、さらに特別に感じる。
性処理は…ないな、ユーリは誰ともしていなかったし…
ユーリが口を離すと「ずっと俺だけにしてね」と言った。
キョトンとした顔をしていたが、俺が微笑むとユーリはよく分からないまま頷いていた。
ユーリは手紙を書くと言って、机に向かい合っていて俺はユーリの後ろに立つ。
ユーリがどんな手紙を書くのか気になった、帰りたいとか書かないか見るためだ。
こっそり見る必要はない、堂々と後ろから覗き込む。
ユーリにやましいところがないなら、きっと見せてくれる。
自分の事を書いているユーリの真剣な眼差しを見つめて、紙を見る。
俺もこんなに真剣に考えて書いた手紙がほしいな……勿論ユーリのだけ…
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