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第1話・解散
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後ろから見てると良く分かる。
このバンドのギターボーカルとキーボードは付き合ってる!
あーこのバンドも終わりかなぁ。
・・・・良かったんだけどなぁ。
バンドの解散の原因なんてほぼお金と色恋だからね。
次探すの面倒くさいなぁ。
と思ってると曲が終わった。ヤバッ最後の曲だったのかもしれないのに。
イベントが終わり、主催者さんに挨拶して恒例の飲み屋で打ち上げだ。
「君達付き合ってるでしょ」
私は乾杯直後に切り出した。
「ブハッ!!?」
「がはっ!!?」
おおよそ女子が出さない様な音でビールとカシオレを吐き出すギターボーカルとキーボード。
「な!?・・・何を言ってるんだい?」
カッコつけるなギターボーカル=紗夏。初手の反応でバレバレだろ。
「あーあーあのね!えっと!まだ!まだ手しか繋いでないから!」
だからなんだキーボード=春風。しかも手しかってなんだ、これからどこを繋がる気だ。
「春風。それもう言ってるよ・・・」
カシオレのグラスより頭をガクッと下げる紗夏。
「あーあーごめんー!」
「・・・いつから気付いてた?睡蓮」
ドラム=私、睡蓮は答える。
「いやまぁライブ中から2人で目配せしたり、ライブ始まる直前2人でコソコソ手握ったりしてたりとか。あとは」
「分かった!やめて!」
顔が真っ赤だ紗夏。ここまでのは初めて見た。
「まぁ他にも後ろから見てれば分かる事はあるわけよ」
「~~~~~!」
「あーあー」
今度は2人して顔真っ赤だ。これはこれで面白いな。
「柚花は気付いてた?」
さっきからトリカラに夢中なベース=柚花に聞いてみた。
「んーまぁんー別に?」
どっちだよ!
まぁ良いけど。柚花は良い意味でマイペース。夢は世界一のベーシストになるって小学生の様な夢を本気で叶えようとしてるヤツ。
「で、このバンドをいつ解散するかって話だけど」
私は本題を切り出す。
「解散!?」
「あー何で!?」
「え、だってバンドの内の色恋なんて解散原因の一番じゃん」
「それは三角関係とかギスった時だろ!?まさか睡蓮、アンタ春風の事を・・・!?」
「違うわ」
「じゃあ私か!」
「もっと違うわ!」
「あーじゃあ解散しなくても良いんじゃない?」
そういう事じゃないんだよ春風。色恋は人間関係だけじゃなくて・・・・。
「私も解散には賛成」
柚花が言う。
「柚花」
「柚花ちゃん・・・」
「何で?柚花」
私は聞く。意外だったから。柚花がここまでハッキリ言うなんて。
「2人が付き合うとかは全然良いけど、それが演奏に支障が出てるんだ。睡蓮が言った目配せとか、私は本気でやってる。だから曲に集中出来ない人とはやっていけない」
「え、でもでも、私はーこの4人でやっていきたいよー、いっぱい辛い事とか楽しい事とか思い出もあるしー!」
それはそう。そこは私も同意だけど。
「・・・・分かった。解散しよう」
「紗夏ちゃん!!」
その後春風は店を出るまでずっと泣いていた。
紗夏は俯いて自分の罪を悔いる様に春風を慰めていた。
店を出て、紗夏と春風と別れた。
これでこの2人とも最期か。
紗夏は頭を下げ、ごめんと一言。
初めて聞いたよ紗夏の謝罪。
強気で男っぽくてリーダー気質でいつもバンド引っ張っていってくれた。
あの紗夏が謝るなんて・・・・。
柚花との駅までの帰り道。
「や、ごめんね。急に解散とか」
「別に私も賛成したし。トドメ刺したのは私だしね」
「トドメって・・・まぁそうかな」
柚花の表情は変わらない。
バツの悪さとか後悔とかはないらしい。
「さてどうしようかこれから。新メンバー募集する??」
「ううん。ちょうど良い機会だから私海外行ってくる」
「は??」
海外?海外って外国??
「なんで?」
「バンドは私はモーメントが最高だと思ってるから。これ以上はない、だから世界一になる為には海外で勉強しようと思って」
「・・・そっか」
「ごめん」
「何で謝るの。応援してる」
「ありがとう」
柚花と別れて1人になった。
モーメントは嫌いじゃなかったよ。むしろ好き。
自分で言うのも何だけど地下の初ライブとか路上とか色々伝説があったんだよ(良い意味でも悪い意味でも)
初めて音が合ったあのライブは今でも思い出せる。最高だった。
楽しかったなぁ。
今はフリーのドラマー。さて本当にどうしよう。
柚花は本気で世界一のベーシストを目指してる。その為に恋人も切ったくらいだ。
あの時はなんて言うか、うん。
紗夏と春風は音より恋を。柚花は恋より音を。
じゃあ私は?
音かな。だから解散したんだけど。
それからあてなく歩く。
コンココン。スティックでガードレールを叩いて歩く。
夜中の2時。
明日バイトあったっけ?
気付くとさっきまでライブしてた店の前。
あてなく歩いてたつもりなんだけどなぁ。
ここから始まって、ここで終わった。
さて、帰るか!
自分から終わらせといていつまでも未練がましくしてちゃダメだよね~。
私が店に背を向けると声が飛んでくる。
「あのっ!!」
振り向くと1人の女性。
小柄でピンクの頭で右の目の下に星マーク?
ダボっとした服、男物かな。
「えー何でしょう?」
「モーメントのドラムの睡蓮さんですよね!?」
「はい・・・」
「大好きです!!ボクをこ、殺してください!!」
「はぁ!!?」
このバンドのギターボーカルとキーボードは付き合ってる!
あーこのバンドも終わりかなぁ。
・・・・良かったんだけどなぁ。
バンドの解散の原因なんてほぼお金と色恋だからね。
次探すの面倒くさいなぁ。
と思ってると曲が終わった。ヤバッ最後の曲だったのかもしれないのに。
イベントが終わり、主催者さんに挨拶して恒例の飲み屋で打ち上げだ。
「君達付き合ってるでしょ」
私は乾杯直後に切り出した。
「ブハッ!!?」
「がはっ!!?」
おおよそ女子が出さない様な音でビールとカシオレを吐き出すギターボーカルとキーボード。
「な!?・・・何を言ってるんだい?」
カッコつけるなギターボーカル=紗夏。初手の反応でバレバレだろ。
「あーあーあのね!えっと!まだ!まだ手しか繋いでないから!」
だからなんだキーボード=春風。しかも手しかってなんだ、これからどこを繋がる気だ。
「春風。それもう言ってるよ・・・」
カシオレのグラスより頭をガクッと下げる紗夏。
「あーあーごめんー!」
「・・・いつから気付いてた?睡蓮」
ドラム=私、睡蓮は答える。
「いやまぁライブ中から2人で目配せしたり、ライブ始まる直前2人でコソコソ手握ったりしてたりとか。あとは」
「分かった!やめて!」
顔が真っ赤だ紗夏。ここまでのは初めて見た。
「まぁ他にも後ろから見てれば分かる事はあるわけよ」
「~~~~~!」
「あーあー」
今度は2人して顔真っ赤だ。これはこれで面白いな。
「柚花は気付いてた?」
さっきからトリカラに夢中なベース=柚花に聞いてみた。
「んーまぁんー別に?」
どっちだよ!
まぁ良いけど。柚花は良い意味でマイペース。夢は世界一のベーシストになるって小学生の様な夢を本気で叶えようとしてるヤツ。
「で、このバンドをいつ解散するかって話だけど」
私は本題を切り出す。
「解散!?」
「あー何で!?」
「え、だってバンドの内の色恋なんて解散原因の一番じゃん」
「それは三角関係とかギスった時だろ!?まさか睡蓮、アンタ春風の事を・・・!?」
「違うわ」
「じゃあ私か!」
「もっと違うわ!」
「あーじゃあ解散しなくても良いんじゃない?」
そういう事じゃないんだよ春風。色恋は人間関係だけじゃなくて・・・・。
「私も解散には賛成」
柚花が言う。
「柚花」
「柚花ちゃん・・・」
「何で?柚花」
私は聞く。意外だったから。柚花がここまでハッキリ言うなんて。
「2人が付き合うとかは全然良いけど、それが演奏に支障が出てるんだ。睡蓮が言った目配せとか、私は本気でやってる。だから曲に集中出来ない人とはやっていけない」
「え、でもでも、私はーこの4人でやっていきたいよー、いっぱい辛い事とか楽しい事とか思い出もあるしー!」
それはそう。そこは私も同意だけど。
「・・・・分かった。解散しよう」
「紗夏ちゃん!!」
その後春風は店を出るまでずっと泣いていた。
紗夏は俯いて自分の罪を悔いる様に春風を慰めていた。
店を出て、紗夏と春風と別れた。
これでこの2人とも最期か。
紗夏は頭を下げ、ごめんと一言。
初めて聞いたよ紗夏の謝罪。
強気で男っぽくてリーダー気質でいつもバンド引っ張っていってくれた。
あの紗夏が謝るなんて・・・・。
柚花との駅までの帰り道。
「や、ごめんね。急に解散とか」
「別に私も賛成したし。トドメ刺したのは私だしね」
「トドメって・・・まぁそうかな」
柚花の表情は変わらない。
バツの悪さとか後悔とかはないらしい。
「さてどうしようかこれから。新メンバー募集する??」
「ううん。ちょうど良い機会だから私海外行ってくる」
「は??」
海外?海外って外国??
「なんで?」
「バンドは私はモーメントが最高だと思ってるから。これ以上はない、だから世界一になる為には海外で勉強しようと思って」
「・・・そっか」
「ごめん」
「何で謝るの。応援してる」
「ありがとう」
柚花と別れて1人になった。
モーメントは嫌いじゃなかったよ。むしろ好き。
自分で言うのも何だけど地下の初ライブとか路上とか色々伝説があったんだよ(良い意味でも悪い意味でも)
初めて音が合ったあのライブは今でも思い出せる。最高だった。
楽しかったなぁ。
今はフリーのドラマー。さて本当にどうしよう。
柚花は本気で世界一のベーシストを目指してる。その為に恋人も切ったくらいだ。
あの時はなんて言うか、うん。
紗夏と春風は音より恋を。柚花は恋より音を。
じゃあ私は?
音かな。だから解散したんだけど。
それからあてなく歩く。
コンココン。スティックでガードレールを叩いて歩く。
夜中の2時。
明日バイトあったっけ?
気付くとさっきまでライブしてた店の前。
あてなく歩いてたつもりなんだけどなぁ。
ここから始まって、ここで終わった。
さて、帰るか!
自分から終わらせといていつまでも未練がましくしてちゃダメだよね~。
私が店に背を向けると声が飛んでくる。
「あのっ!!」
振り向くと1人の女性。
小柄でピンクの頭で右の目の下に星マーク?
ダボっとした服、男物かな。
「えー何でしょう?」
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