異世界転移したんだけど周りが全員過保護なホモだった件

メル

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死闘続発★ホモら共存編

紳士の皆様には申し訳ないが

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ギルドの広場。屈強な冒険者達が酒を煽る午後19時頃。
俺はワーナーさん特製、ビッグモーのレアステーキをリイサスさん、ルークさん、ジャックさん、ロイと共にむしゃむしゃしていた。

「うめ~~~~~~~!!」

「んふふ、コージくん、ほっぺにソースが付いてるよ?」

リイサスさんが教えてくれても、時すでにお寿司。ルークさんにペロリと舐め取られ、ぷくぅとほっぺたを膨らませたら、こう……、片手で両頬をぶにぃってされて…。

「ぷふっ」

ほっぺたに詰まっていた空気が吹き出してしまい、笑う4人(1人無表情)にプンスカ怒りながら俺は再度ステーキをもぎゅもぎゅ。うめぇ。

ジャックさんもロイも楽しそうなんだけど、リイサスさんとルークさんは更に楽しそうだし嬉しそうだ。
多分、俺がリイサスさんの家に引き続き滞在する事が決まったからだと思うけど…。

「そうだコージくん。ゴーレムの討伐クエスト、達成報告はしてきたのかい?」

「んぐっ! やべ! 忘れてた!!」

ストーンゴーレムの一件で、色々ゴタゴタしてたんだよ…。
だって、金貨1000枚の取引だぞ? 今、俺のアイテムボックスに入っているんだぞ?
家を買う資金にしようと思ったけど、正式にリイサスさんの家に住む事が決まったから、一千万円もの使い道が分からない…。
食費や家賃として差し出した金貨は受け取って貰えなかったし、ここら辺には買い物出来るような場所も無いし…。
街まではちょっと遠いから、1人じゃ行けない。
かと言ってリイサスさん達に案内して貰うのも……。みんな忙しそうだしさ。
やっぱり貯金かなぁ…。

「コージくんは今、レベル17だったかね?」

「あ、はい。ストーンゴーレムを倒して、13上がりました」

「スゲーなストーンゴーレムの経験値…」

「それを倒すコージも凄い。ギルドでは噂になってる」

ジャックさんはただただストーンゴーレムのスゴさに半ば脱力してて、ロイは俺がギルドで噂になっている事を教えてくれた。

「もうみんなコージの凄さとかはある程度知ってるつもりだったけど、F級冒険者がストーンゴーレムを倒したなんて前代未聞だから…。それなりに盛り上がってるっぽい」

っひー! 恥ずかしーーっ!!
異世界転生とかって、主人公が大物を倒した後、無自覚にギルドに解体を依頼して周りから『すげぇー!』って尊敬される展開多かったけれども…。
………あの主人公達、毎回こんなに恥ずかしい思いしてたの!? 待って! 尊敬の眼差しとか羞恥で耐えられる気がしない!! 異世界系の主人公マジ鋼のメンタル!!

「うむ、コージくんの実力が全員に知れ渡った事だろう。という事で、コージくんの冒険者ランクをギルドマスター権限でC級まで引き上げようと思う」

「マジすか!!」

あっ、なんか前に、レベル10になったらC級にどうのこうのってルークさん言ってた気がする!
C級……C級って事は…! B級クエストまで受けられるのか! 採集、討伐、捕獲、調査、護衛…!! スッゲー! いっぱいあるぅ~!!

「勿論、この場にいる誰か、もしくは盗賊頭か古龍殿らと共に行って貰うが、一先ず明日は私の執務室に直行して欲しい。出来れば、朝方から」

「へ?」

「…ポーションが、まだ不足気味なのだ。指名依頼扱いになるので、当然報酬は支払うが…。協力してはくれないだろうか?」

あー…! そう言えばそんな事、前に言ってたな…。ポーション不足で値上がりしまくり。ギルド専属の自然属性の人、探してたんだっけ?

「了解っす! じゃあ明日はルークさんと一緒にギルドに来る事に…?」

「うむ!!」

わはぁ! 嬉しそうにくまみみがぴこぴこ!! もふぅ~! もふもふしたい~!!

「ぐ、俺も一緒だからな!」

お? リイサスさん、仲間外れにされてイヤイヤですか? まぁ誰だって仲間外れはイヤイヤですよね。俺は全然構いませんよ! ウェルカム!!




「ごちそーさまでした!!」

「おーコージ、綺麗に食べてくれたんだな!」

「ワーナーさんの料理ですもん! 絶対残しません!」

「んひひ、嬉しい事言ってくれるな!」

頬を染め、素敵な笑顔で照れ照れ笑うワーナーさんマジ癒し。
ぎゅって抱き付いたら更に顔が真っ赤になって、ちょっと震えながら『んへぁぁぁぁぁ……』って変な鳴き声を発した。ケモミミ無いはずなのに可愛い…。ドワーフなのにぃ…!

「帰ったぞコージ! む!? 何故ワーナーに抱き付いているのだ!」

「あ、セキ。お帰り。ずっと思ってたんだけど、毎日どこに行ってるんだ? つか、夜はどこで寝てるんだ?」

ギルドの扉から入って来たのは、ツンツン赤髪のセキ。セキを認識した冒険者さん達がススス…と道を開けていて、やっぱ序列入りって怖いもんなんだなーって再認識した。

「日中は鍛練をしておるぞ!! コージを守る為に、今のままではまだ足りぬからな! 夜は適当だ!!」

「…守ってくれんのは嬉しいけどさ、一体どんな鍛練を…?」

「基本的には攻撃魔法以外の魔法の練習だ! このような森で俺が攻撃魔法を使えば、あっという間に大炎上だからな!」

ですよね~。セキ、魔法は火炎魔法をメインに使ってるっぽいし、森でする訳にはいかないよね~。

「あと数日でセイとオウも帰って来るようだ! それまでに、2人きりになれる時間を設けて欲しいのだが!!」

「え? 良いけど…、なんで?」

「コージとセックs「言わせません!!」むぅ…、ダメか」

「なんで良いと思ったの? ねぇなんで良いと思ったの? 逆に? 逆にってやつ?」

「いや…、コージはルーク、ジャック、ガレ、カイル、ロイと体を重ねたのだろう? ガレに関してはもう何度も。俺もコージと重なりたいのだ! あやつらが帰ってくる前に!」

「…………とりあえず保留」


直球ですねセキさん。悔しいのは分かるけど。

ちょっと考えたら分かると思うけど、俺が自分の意志でセッセするなんて、出来ないんだよな。
『無理矢理迫られた』って言い訳が通じるシチュエーションじゃなきゃ、俺は体を許さない。
何故なら、1人に許可を出すと他のヤンデレが怖いから。
更に言うと、俺はみんなが大好きだ。恋愛的な意味じゃなくてな?
だから、誰かを選ぶ事によって誰かとの交流が途絶えるってのは1番避けたい。

え? ワガママ? 爛れてる?
ふんっ、何とでも言え。ヤンデレに監禁されるよりはマシだ!! それに、ここは一夫多妻や一妻多夫が認められている世界だ! 複数の人と関係を持つのだって、普通なんだからなっ!

「…………ふむ!!! コージの立場はなんとなく把握した!! 紳士は損をするな!!」

まったくだよ。セックス出来るのがレ◯プに走っちゃうような奴らだけだなんて。紳士にはご褒美キスか、よしよしぐらいしかしてあげられない。
実際にカイルが紳士系だったからな。俺に『抱かせて』って言ってきたから、『無理矢理じゃないとダメー』ってやんわり伝えて、カイルは実行。無事に体を重ねた。

「コージが行為そのものに嫌悪感を抱いている訳でないのなら、俺は紳士を捨てるぞ!!」

「お好きにどうぞー」

抱かれる事に抵抗はないし、気持ち良いこと大好き! ただしホモではない。理想はふたなり。おっぱい。




********************





「おはようございまーす!」

「おう、おはようコージ!」

「おぉ、おはようコージくん! そうか、ポーションを作ってくれるんだったな」

翌朝のギルド。時刻は早朝6時。
ワーナーさんは朝早くからクエストに行く冒険者さんや、職員の人達のために。ジャックさんはヒュドラ関連の仕事の後始末とやらをするために、こんな時間からいるらしい。
はたらく大人は大変だね。

ルークさんと別れてワーナーさん、ジャックさんと軽く世間話していると、リイサスさんが薬草の束が入ったカゴを持って、ルークさんの執務室……、ギルドマスターの部屋に案内された。

ダークブラウンの高級感漂う木製の扉を開けると、あっちこっちに積まれた書類と、可愛い小物類。その真ん中に大量のガラス瓶が置かれたローテーブルとソファがあった。
たぶん、そこで作業するんだろうな。
高く積まれた書類の奥に、くまみみがぴこぴこしている。

「一度俺が作ってみせるから、その通りに作ってみてくれ」

「はい!」

この俺とリイサスさんのやり取りに、ルークさんが書類の奥からぬぅっと顔を出した。書類を倒さないようにのっそのっそと近付いてきて、俺をテーブルまでエスコート。

ルークさんと一緒にリイサスさんが薬草を作る様子をまじまじ…。

ふむふむ、薬草の葉っぱをゴリゴリして水入れて根っこをきざんで茎をすりおろして全部混ぜて魔力を注入して瓶に移して………、思ったより簡単そうね。

そして出来上がったのは『初級ポーションE-』。これを自然魔法師が作ると、BとかAとかが出来るんだって。


よーっし。コージくん、ギルドマスターに見守られながら、初ポーション作り、始めちゃいますか!!





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