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死闘続発★ホモら共存編

ガレと一緒に剣術の練習!

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『愛ノ形』を終えた後も魔法の練習を繰り返し、結構な数の便利な魔法が使えるようになった。

「これで自分の身ぐらいは自分で守れるな! ガレ、教えてくれてありがとう! 狐さん達も、ありがとうございます!」

「練習したくなったらいつでも言えよ。実験台にでもなんでもなってやるから」

「わぁい!!」

気が付けば太陽は真上に来ていて、狐さんを抱き抱えてもふもふしながら食堂に向かう。
そこでサンドイッチをもぐもぐしていると、部下の人が言いにくそうな顔をして入ってきて、ガレになにやら耳打ち…。
仕事のお話かな? 働く大人は大変だね…。

「………チッ。面倒だな…。………良い、俺が行く」

「えっ。でもお頭はコージさんと…」

「じゃあてめェらで解決出来んのかよ? …2時間で終わらせてやるから案内しろ」

「は、はい!」

やっぱり仕事のお話だったみたいだ。
眉間にシワをおもいっきり寄せてため息を吐き、ガレが俺を抱き締めた。

「ごめんな、ちょっと野暮用が出来たから出てくる。すぐに戻ってくるから、昼寝でもしていてくれ」

「うん、俺昼寝大好き! 頑張ってなぁ」

ちょっと寂しい気がしなくもないけど、お仕事なら仕方がない。『絶対防御』を張って、送り出してやろう!

「俺の嫁に来たら3食昼寝付きの生活が送れるぜ? 夜には気持ち良いことも出来る」

「うっ…! ゆ、誘惑すんな!! ほら、さっさと行ってさっさと帰って来い!」

ケラケラ笑うガレの背中を押して送り出し、残りのサンドイッチを狐さん達ともぐもぐ。
良い感じの気温、良い感じの気候、良い感じの時間に俺はすぐにうとうとしてきて、ガレと俺の部屋に移動してすぐにすやすや。

俺は今、ステータスの『偽装』に加え、ガレの『絶対防御』に魔力をガンガン使っている。さっきは最上級魔法や上級魔法など、魔力を大量消費する魔法をぶっ放し続けたから、ちょっと疲れていたのだ。
俺が今日1日で使った魔力の総量は、全人類の魔力を合わせても敵わない程に大量なのだ。
だからお昼寝は仕方がない。俺はお子様じゃない…。


「すぴぃ……すぴすぴ…」

すやすやぐうぐう夢の中。

夢の中、俺は花だった。
綺麗な白い花で、日当たりの良い村の近くの草原に生えていた。
自分でも不思議に思うぐらい、毎日が楽しくて幸せで、ゆらゆら揺れていた。

たまに俺を採ろうとする人が現れては、村の人達が追い払ってくれた。
嵐が来たら、村の人達が総出で俺を守ってくれた。
日照りが続けば、自分達の貴重な飲み水を、俺に分けてくれた。

俺、村の人達が、一部の心無い人達に『花に執心の狂人共』って言われてたの、知ってた。
なのに、止められなかった。村の人達の家に火を着けるその人達を、俺、止められなかった。
火に包まれる村と、たくさんの悲鳴。ひどい火傷を負っててでも、引っこ抜かれかけた俺を守ってくれた。

悲しくて悲しくて仕方がなかった。辛くて痛くて苦しくて、俺を守ってくれたその人と一緒に、ただ見てることしか出来なかった。

悪魔さんが来てくれた。その後すぐに精霊さんが来てくれて、一瞬で村の火を消してくれた。天使さんもやって来てくれて、傷付いた人達や、死んでしまった人達を治して生き返らせてくれた。

たまに遊びに来てくれていた悪魔さん、精霊さん、天使さんだった。

いつの間に捕まえたのか、悪魔さんが火を着けた人達を村の人達に引き渡した。俺の見えない所に連れて行かれたので、どうなったのかは分からないけど、それ相応の報いは受けたみたいだった。
天使さんには、俺の千切れた根っこや葉っぱを治してもらった。痛くなくなって、嬉しかった。

みんなが無事に戻ってきてくれたこと、嬉しくて安心して、いつも以上に揺れていたら、精霊さんが俺の言いたいことを村の人達に伝えてくれた。
村の人達も喜んで、いっぱい愛でてくれた。

その村と土地には、悪魔と精霊と天使の加護が付いて、今はもう、幻と言われている。



俺の幸せな、昔話。





「ただいまコージ。…何驚いた顔してんだよ。変な夢でも見たか?」

「……花の記憶…とか……、……メルヘン脳かよ………」

「は?」




********************





「第1回ガレによる剣術伝授~!」

「いぇ~い!」

ノリノリで始まった剣術の授業。
ガレってマジでノリが良い。テンションが上がった時、一緒に謎ダンス踊ってくれるもん。

授業は屋敷の中央にある中庭で行う。
屋敷は『ロ』みたいな形になっていてな、正面以外の周辺は全部庭なんだ! ほんとでっけぇ屋敷だよな!
んで、中央の中庭もそれなりに広くて、テニスコート2個分ぐらいある。
木陰では狐さんとミゲルさんがこっちを見ていて、ある程度ガレの型に慣れてきたら、聖騎士の経験があるミゲルさんとも剣を合わせてみるって。

「まずは基本の構えな。基本的に構えは両手。魔法を使いながら、とかだったりすると片手で構える事もあるが、コージみたいな魔法特化型、別名『ひょろひょろ』は両手じゃなきゃまともに剣を振るえねェ」

「別名『ひょろひょろ』って…言わなくたって良いだろ!」

「ははっ、悪い悪い。ほら、これが初心者冒険者用の剣だ。それなりに安価だが、切れ味も悪い」

ガレがそう言って手渡してきた剣。RPGじゃ、3番目の村とかで手に入るような一般的な剣だ。

ルークさん、リイサスさんと一緒に行った初クエスト、ゴブリンの討伐でも剣は振るったけど、あれは魔法メインの人が使う軽量化された剣で、本物の剣は結構重い。

まぁ鉄の塊なんだし、当たり前なんだけど。

「ぐぬぬ…」

「剣先が自分の頭の位置に届くぐらい、持ち上げろ。キツかったら身体強化魔法を使っても構わん。…よし、良いぞ。そのまま10秒キープ!」

「ふぉぉぉぉ………!! 腕がぁぁぁぁ…!!」

ガレの奴、鬼畜かって思ったけど、こっちの世界の人はこれが普通なんだよな…。明日絶対筋肉痛だよ……。

「9、10…。よし下げて良いぞ。んじゃ、次は俺が適当に打ち込むから、剣を使って防げ。あっ、『絶対防御』は必ず張れよ!?」

「おう! 勿論だぜ! って、えぇ!? いきなり攻防!? 振り方とかは…」

「何事も経験だ。100回聞くより1回やった方が身体も覚える」

そりゃそうだけど…。正直こえぇ…。
だってガレが俺に剣を向けてくるんだぞ? レベル83のガレが。
結界を張ってたとしても頭ん中は恐怖一色。
ガレが珍しく剣を両手で持つのは、俺に『見て盗め』って言ってる…っぽい…けど……。

「…………怖いか、コージ。やめるか?」

「え…」

「コージが剣を扱えなくても、俺や熊野郎共が守るから別に問題はない。コージは平和で技術の進んだ国にいたんだろ? 出来なくても無理はねェよ。誰も責めねェ。…だから、怖かったらやめて良いんだぜ」

「…………………」

優しく微笑むガレ。
本気でそう言ってくれているんだって分かって、辛くなった。

甘やかしてもらっているって自覚はある。
リイサスさんの家に無償で住まわせてもらって、本当は試験を受けなきゃいけない所を、ルークさんにお願いしてギルドに入れてもらって、凄腕のワーナーさんの料理を毎日無料で食べさせてもらってる。
最近じゃ、自分の生計を立てなきゃいけない筈のジャックさんとロイに、低レベルのクエストまで付き合ってもらっちゃっていて。
今は大規模な組織のトップで忙しいガレに、剣を教えてもらっている。

なのに俺はこんな簡単な事すら出来ないなんて。

自分のダメダメさにズーンと凹んでいると、察したらしいガレが『部屋でキスの練習でもするか?』って、落ち込む俺から話題を逸らそうとしてくれている。


…………なんだよ俺……、ダサすぎじゃん…。


「いい…。やる」

「!! ……無理しなくて良いんだぞ?」

「いや、やる! 今んとこ俺、何にも出来ないからせめて強くなる!!」

自分のワガママで忙しいガレを引っ張って来て、やっぱり出来ませんとかかっこ悪すぎ!! そんなの、俺のなけなしのプライドが許さない!!

「…ふ、ふふ…ふはははははは!! 偉いなコージ! よぉーしその意気だ!! じゃ、俺もビシバシチュッチュアンアンしていくからな!」

「チュッチュアンアンは余計だ」
















キィンッカァンッ

「よしっ、良いぞ! 良いぞコージ!! だいぶ防げるようになって来たな!」

「死ぬぅぅぅっ!! これいつか死んじゃうってぇぇぇぇ!!」

バキッガツンッ

「そうだ。さっき手紙が届いたんだがな、ギルドは未だに多忙で、ここに迎えが寄越せそうにないらしい。コージ1人で帰宅っつぅーのも俺らがヒヤヒヤすっからダメだしよ、俺が愛しのコージを他の男の元に送るっつぅーのも癪だから、もう一晩お泊まり確定だ!」

「え、」

「そーいう訳で日没までに俺に1度でも攻撃を当ててみろ! 出来なかったら今晩は抜かず10連発な★」

「~~~~~~~~~ッッッ!!? こんのスパルターーーーーーーーーッッッ!!!」






えぇ、しっかりと抜かず10連発出されましたがなにか?







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