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死闘続発★ホモら共存編
てめぇらよくも俺のもふもふに…
しおりを挟む「腰…軋む……」
「ごっ、ごめ…!」
寝起き一番、腰がビキッた。そりゃあ、あんな体勢で4回もしたら当然なんだけど…。うーんギリ走れるかな…。
あ、寝起きと言えば…、何故かガレに超キスされた。ディープなやつを。理由を聞いてもまたキスしてくるだけで、ほんと酷い。通り掛かった狐さんが顔を真っ赤にして逃げちゃったじゃんか。朝もふのチャンスだったのに…。
「コージおはよう!!」
「あ、セキ。おはよー」
「良い朝だな!!」
「そーだなぁ」
確かに今日は、白い雲が所々ふわふわ浮いてる、気持ちの良い朝だ。空気も澄んでるし、活動するにはピッタリ!
「では番となろう!!」
「うーんどうしてその結論に至ったのかコージくんちょっと分かんない」
唐突だ。ガレとロイに怒る隙を与えないくらい唐突だ…。実際、2人とも目を白黒させてるし。
「清々しい朝には番契約を結ぶべきだろう?」
「俺は結ぶべきじゃないと思うなぁ」
「む、そ、そうか…」
結局、ガレもロイも怒るタイミングが掴めずに話は終わってしまい、2人とも不完全燃焼みたいな顔でもごもご。笑いそうになったけど、お仕置きちゅーされると思ったから頑張って堪えた。誰か褒めて。
「そうだ。なぁガレ! ここからギルドまで、あとどれくらい?」
「あ? あー…、……普通に歩けば3時間強ってとこだな」
「ほほう! じゃ、到着は昼前かぁ」
「到着前に飯食っとくか?」
「むむむ…、いや、ワーナーさんのご飯食べたいから、ギルドで食べる!」
「あぁ…、ドワーフのか」
思い出したように呟いたガレに、俺は『そうっ!』と頷いて見せた。
狩って取って焼いた即席料理も美味しいけど、やっぱりぼかぁワーナーさんの料理が好きだな~! うちのワーナー兄貴は世界1!
「…ワーナーは本当にスゴいから、嫉妬するとかそう言う次元じゃない」
ワーナーさんの話で眉間にシワを寄せていたガレに、ロイがボソッと言って、ガレがぴくっと反応。
「どういう事だ?」
「食えば分かる」
「そうそう、食えば分かる!」
俺とロイは顔を見合わせてニヤリ。あ、ロイは眉も口も動かさずに、目だけで笑ったぜ? ほんと、器用だよな。ポーカーとかそういった類いのゲームをやらせたら、スッゴく強そう。
でも…、確かにワーナーさんの料理は言葉で表せるものじゃない。ガレもセキも狐さん達も…、気に入ると思うんだけどなぁ…。
********************
「あ、見えた! あそこだ!」
森をスタスタ歩いていると、ギルドの屋根が見えてきた。
えっと…、10日ぶり、かな? やっと帰ってきたぞー!! わぁーい!!!
すたすた…たったったったったっ
「あっ、おい落ち着けコージ! 転ぶぞ!」
走り出した俺に向かって、ガレが注意するけど、気にしない。だってそんなベタな事があるわけないもんねー!
……あれ、今…即回収のフラグが立ったような…。
ガッズルッ
「ほぇっ!?」
「っコージ!」
うーん流石俺。フラグ1級建築士なだけあるな。あーこれ絶対転んだわ。俺だっせェ…。
ガシッ
衝撃に備えて目を瞑り、体中に力を入れた俺だったが…。
…………おや? 固くて冷たい土じゃない…。もっと柔らかくてぬくぬくな…。…………。…………くまみみ。
「ルークさん!!!!」
「コージくん!!!!!!」
ぎゅうううううううううっっっっっ
10日ぶりに見たルークさんは、頬は痩けてこそなかったけど、なんだか痩せたみたいだ。
抱き締めて抱き締められて、折れそうになる…。けど、どうでも良い。嬉しくて腰の痛みも苦しみも無限の彼方だ。
それに、くまみみに尻尾…。思う存分ぎゅーぎゅーするもんね! くまみみも触っちゃうもんね!!
さわさわぎゅーぎゅーさわさわぎゅーぎゅー
「コージくんコージくんコージくんコージくんコージくん…!! こんな…っ! こんな知らない男の匂いをたくさん着けて…!!!!」
「ルークさん…、ルークさん! んっ…!」
ルークさんが荒々しくキスをしてきて、その強引さにドキドキしながらも、俺は唇をそっと開いた。
ルークさんが息を飲むのが分かり、舌がずりゅんって侵入して俺の口内をねっとりと犯していく。
相変わらずおっきな舌だ…。俺の倍はあるんじゃねぇかな?
「ぷはっ、んんっ、んちゅ……」
もう離さないとばかりにきつーく俺を抱いて舌を絡ませてくるルークさん。
苦し気持ち良いという未知の快楽に頭ん中がとろーってしてきた時。……事件は起こった。
「超越せし闇の使徒よ…」
「!!?」
突然、俺の背後から、怒気に満ちた声が聞こえて…、しかも何かの魔法の詠唱を始めたっぽい。詠唱内容から言って…暗黒属性だなこれは。
慌てて振り返って見ると、ガレが恐い目でルークさんを睨み付けながら詠唱をしていた。
………って、ちょーーーーっ!!? 何やってんの!?
敵意丸出しなのはまだ分かる!! 言い合いとか殴り合いになるかもとは思ってたし、魔法を駆使して止める覚悟もしてた!! でも出会って5秒で攻撃って!! もっと広い心を持てや!!
「ガァァッ!!」
ヒュッバキンッ
殺意敵意に気付いたルークさんが瞬時に戦闘体勢に入って、俺を後ろに庇いながらガレに向かって突進する。対するガレは剣を投げ付け、時間を稼ぐ。ガレの投げた剣はルークさんに一直線にビュンッて飛んで、ルークさんは軽々と叩き落としたけど、剣に気を取られたその一瞬のうちに、ガレは木に飛び乗っていた。
これにおよそ2秒。
詠唱を終えたガレがルークさんに向かって黒い魔法を放つが、ルークさんはギリギリ回避に成功。でも、頬にちょっと掠れたみたいで、漫画とかアニメでよくある、頬の切り傷から血がタラーって感じになっちゃってる。
チッと舌打ちをしながらガレが木の上でた、短刀? を懐から取り出して、ルークさんに襲いかかる。
ガレの方がレベルは上だけど、ルークさんは物理属性の熊さん。ヤバいって思ったけど…、……あれ……互角だ…。
ガッキィンッバキッドスッドゥルルルル
ひぇぇ……って、はっ!! 止めなきゃ!!!
狐さんめっちゃ怯えちゃってるし、セキめっちゃ面白そうに眺めてる! 笑ってる余裕あるなら止めろやアンタ!!
「待って待ってストップ! まずは話し合おう! ガレも、ルークさんも!! ねっ?」
「下がっていたまえコージくん!! 今このハイエナを始末する!!!」
「そんなハイエナの養分になってくれてありがとよクソ熊!!!」
「グオォォォォォ!!!」
わー余計に激化したー!! 2人とも俺の話ちゃんと聞けよ!! 俺の為に争わないで!!!
えっとえっと、なんとか止める方法…。あ、木の根っこで足止め…、いや、引きちぎられるか。木も傷付いちゃうし、ダメだな…。
メリメリメリッ…ガスッパキンッドゥゥンッ
ひ、被害が拡大してるぅ…! …あっ狐さん!!? 危ないっっっ!!!!
ブォンッ
「ぴゃーーっ!!?」
「狐さぁん!!」
「っコナー!!」
俺が結界を張るより早く、流れ弾…じゃなかった。流れ魔法が狐さんに飛んで、足に、当たった。
『ぎゅっ…!』ともふもふ顔を歪めて呻く狐さんに、すぐに狐さんを抱き上げて避難するミゲルさん。まったく気にしていないガレとルークさん。
俺、血が滲んだもふもふを見て、ぷっちんプリリン。
「いい加減にしろやお前ら!!」
ドーーーーンッ!!!
「がっ!!!?」
「かはっ…!!!」
自然属性最上級魔法、『重力操作』。
詠唱は超長くてカタカナ多用なんだけど、俺はチート貰っちゃったから一瞬で発動出来る。
効果は…、まぁ字面で大体分かるだろ。
で、俺は今それをルークさんとガレに向かって使った。
……でも、加減が上手く出来なくて…。……2人共、頭を地面に打ち付けて………。
どっ、どうしよう魔法解いても2人共動かない!! どうしようどうしようどうしよう!!!
********************
はぁい(* ̄∇ ̄)ノ
メルです。
ねぇ聞いてくださいよ本日23日でこの作品一周年ですよ。
始めた頃はここまで続くなんて想像もしていませんでした。
ありがとうございます!!
ほんっとうにありがとうございます!!!
そして更新バラバラでごめんなさい!!!
これからもよろしくお願いします!!!!
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