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第1章
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最近は夜になると、駿壱が理菜が眠るまで傍にいてくれるようになった。
幼い頃、よくしてくれたように。
──まだ、夜が怖い。
──寝れない。
寝れないから駿壱が理菜にいろんな話をする。
自分のこと。
一樹のこと。
良樹のこと。
他にも学校のことも話す。
駿壱の声は安心する。ケンカをすると負けてしまうけど、やっぱり駿壱は理菜にとって大切な兄なんだって実感していた。
「リナ。お前、もう寝ろ」
今日もずっと傍にいてくれて、話をしてくれていた。その話に耳を傾けていた。
今日は特に眠れないでいた。
駿壱が傍にいても眠ることが出来ない。
そういう時は、寝たフリをする時がある。
スースーと寝息を立てるフリをして、それを確認した駿壱が、安心して部屋を出て行く。
自分の部屋に戻るのかなって思ったら、階段を降りて行くのが分かった。
そして玄関を開けて、バイクのエンジン音が聞こえる。
「出かけたんだ……」
目を開けるとそう呟いた。
ここ最近、本当に駿壱は常に理菜の傍にいた。学校まで送って、夕方は理菜を家まで迎えに来て、夜0時前には家に戻ってくる。
そして理菜が寝るまで傍にいて、百合との時間を取れないでいるのを知っていた。
それが申し訳ないなって気にさせていた。
家の中には理菜ひとり。最近、母親は家にいない。
仕事が忙しいのか、事務所で寝泊まりすることが多かった。それはいつものことだから、理菜は気にしなかった。
だけど、静かな家の中にひとりは結構ツラい。
寂しさが込み上げて来る。
『寝れねーって時は電話して来い』
そう言った良樹の言葉を思い出した。理菜は枕元に置いてあったスマホを取り、電話をかけた。
トゥルル……。
呼び出し音が耳に痛い。
今の時刻は午前2時。
本来ならみんな寝静まっている時間だ。だから出ないかもしれないという思いがあった。
理菜はスマホを耳にしたまま、そう思っていた。
『……はい』
不機嫌な声が聞こえた。
『誰?』
「……あ……、リナ」
あたしはそう言うと、電話の相手は『どうした?』
と優しい声を出す。
『リナ?』
「うん…。ちょっと、寝れない…」
『シュンイチは?』
「多分、出かけた」
『あの野郎…』
良樹が怒ってるのを感じた。
「でも、いつもあたしの傍にいてくれてるから……。お兄ちゃんの時間、取っちゃってるし……」
そう言う理菜に良樹は『そんな問題じゃねー』と言う。
『なぁ』
良樹は目が覚めてきたらしく、理菜に言う。
『今、家ひとりか?』
「うん。ママはいない」
『アイツ、なに考えてるんだ……』
良樹は言葉を吐き出すように言った。
『平気か?』
「なに」
『ひとりで』
「………」
『なんだよ、その沈黙』
「……分かんない」
実際、そうだった。ひとりでも平気だって思ってた。でも、理菜は分からない。
ひとりの時間が多い。
でも、やっぱりひとりは寂しくて痛い。
『そっち、行くか?』
スマホの向こうから声が聞こえてくる。
「大丈夫。それにお兄ちゃん帰って来たらケンカになるよ」
『いくらなんでも人ん家でケンカするかよ』
「お兄ちゃんは関係ないと思う」
『そっか』
そう言った良樹は笑っていた。その声がなんだか落ち着く。
良樹はそんなに口数多い方じゃない。だけど、こういう時はずっと話してくれている。
他愛もない話す。それが嬉しく思った。
◆◆◆◆◆
「行って来い」
朝、駿壱に背中を押されて校門を潜る。後ろを振り返ると、そこに駿壱は立ってこっちを見ていた。
そんな駿壱の行動にため息を吐き、理菜は教室へ向かう。
最近の駿壱の行動は、過保護に近いものがある。
こうやって学校に入って行くのを確認してから、自分の学校へ向かう。理菜を心配しているのか、監視しているのか。その両方なのか。
でもずっとあたしの傍にいるのは、ストレスにもなるらしく、夜中に家を出る。
家の中は理菜ひとりになる。誰かに頼ることは出来ない理菜は、ひとりになってしまうのだ。
ひとりってことが、理菜の心の奥に痛みを作る。
(あたし、ここにいていいの……?)
痛みを持った理菜が、普通の生活に戻れるとは思えなかった。
学校では先生に呼び出される。授業は殆ど寝て過ごし、屋上でサボって、放課後は3年の先輩に呼び出されて暴行される。それが今の理菜の学校生活。
理菜は学校でもひとりだと思うことが多かった。
「コウ。あたし、帰るね」
3時間目が終わると席を立ち、浩介に告げる。授業中、寝ていた浩介はこっちに視線だけを向けて、眠そうな顔をしていた。
「……お前、帰るの?」
「うん。アキにも言っておいて」
そのまま眠そうにしている浩介を置いて、教室を出る。廊下に出ると、こっちを見てくる同級生たち。
好奇の目を向けてくる。
理菜はそんな目を潜り抜けて、昇降口に向かった。昇降口では、3年たちがこっちを睨んでいた。
待ち構えていたらしい。
「秋月。顔、貸しな」
案の定、お決まりの言葉を告げられる。その言葉に理菜はため息を吐く。
そのため息が先輩たちの怒りのボルテージを上げたらしく、いきなり掴みかかって来た。
「逃げませんから、手を離してくれません?」
理菜は妙に冷静だった。自分の下駄箱に行き、上履きから外履きに履き替えて先輩たちを見る。
「さ。行きましょ」
気にも留めていない理菜に睨みながら、先輩たちは理菜の腕を掴んだ。そしてこれもまたお決まりのコースで、体育館裏に連れて来られた。
先輩たちに連れて来られた体育館裏。その場所には他にも先輩たちが数人いた。
「秋月。呼び出されたワケ、分かってんだろーな」
女子の先輩に混じっていた男子の先輩。
こいつらは学校でも有名なヤンキーたちだった。先生たちが手を焼いているメンバーだった。
学校には平気で酒くさいままやって来たり、大人しい女子を使われていない教室に連れ込んではセックスしてると、噂になっている。
女子の先輩も男子の先輩とやってることは変わらない。
そんな先輩たちを心底軽蔑している。
理菜は男子の先輩を睨んで、何も言わない。
何を言うつもりはない。言いたくないし、話したくもない。
「秋月」
低い声で呼ばれたかと思ったら、女子の先輩に髪を引っ張られ、体育館の外壁に叩きつけられた。
叩きつけられた頬がジンジンと痛む。その状態のまま、後ろから蹴りを入れられて背中に激痛が走った。
理菜は蹴った先輩を睨みつけて、髪を掴んだままの先輩の手を掴んだ。
その手に力を入れて、相手のお腹に蹴りを入れた。
その拍子に地面に転んだ先輩は、理菜をじっと見ていた。そしてその状況を見ていた他の先輩たちが、一斉に理菜に飛び掛って来た。
◆◆◆◆◆
気付いた時、理菜は見覚えのある倉庫にいた。まだ頭が覚醒出来ていないのか、どうしてここにいるのか分からないままだった。
ゆっくりと身体を起すと身体中激痛を走った。
ガチャッ。
部屋のドアが開き、良樹が入って来た。
「起きたか」
理菜が寝ていたソファーの前にしゃがみ込み、顔を覗く。
「顔にも痣、出来てんな」
そう言って、手にした濡れたタオルをあたしの顔に押し当てる。
「少し冷やしてろ。腫れてんだよ」
痣になったその箇所は、腫れていて痛い。身体中にも痣が出来ているのは、痛みで分かっていた。
(でもなんでここに……?)
理解が追い付いていかない理菜。そんな理菜の腕には包帯がまかれていた。
「アキだよ」
理菜が疑問に思ってることが分かったのか、良樹は静かに言った。
「お前が3年のヤツらにヤられてるの見てて。お前のとこに行ったんだと。で、アキがお前のとこに着いた時には、もう3年のヤツらはいなくて、お前の携帯から俺のとこに電話かかってきた」
「……そう……なんだ」
「お前、学校で何してんだ」
「……何も」
「お前の学校の先輩ってやつらは、俺の後輩だ」
理菜の顔を見たままそう話す良樹。
「今度なにかやられたら俺の名前出せ。何もして来なくなるから」
その言葉に理菜は首を横に振った。
「何で?」
嫌だという思いが、理菜の中に渦巻く。
確かに良樹の名前を言えば、理菜に何かしてくる奴らはいなくなるだろう。だが、理菜はそれが嫌だった。
それに気付いていないのか、良樹は怪訝な顔をして見ている。
「リナ」
良樹の視線から目を逸らし、かけられていたブランケットを握り締めながら言った。
「守られるの、イヤ」
それは中学に上がってから強く感じていたことだった。いつも駿壱に守られてきた理菜は、いつも申し訳ない気持ちでいっぱっいだった。
そのくらい駿壱はいつも理菜の傍にいた。
──誰にも守られないようになりたい。
だけど、それは不可能なのかもしれない。力がない理菜は、いつも誰かに守られてる。
今も、こうして良樹に助けられてる。
──何度目だろう。
──ヨシキさんに助けられたの。
そう考えては、悔しいのと嬉しいのとでいっぱいになる。
ドカッと、理菜の隣に座って頭に手を置く良樹は何も言わない。ただ、そこにそうしていてくれてるだけ。
優しい空気が部屋に包まれていく。
その雰囲気飲まれていって、安心しきっていた。
「リナ」
暫く黙っていた良樹が、名前を呼んだ。
良樹の顔を見て、そのまま話すのを待った。
「お前、守られたくねーって言うけど。それでもお前は守られる方なんだよ」
少し声が低い良樹。でもその声は優しい。
目を見ると、いつものあの冷たい目じゃなくい。
そんな良樹の目線にドキっとした。
「俺がお前を守ってやる」
そう部屋の中に声が響いた。
幼い頃、よくしてくれたように。
──まだ、夜が怖い。
──寝れない。
寝れないから駿壱が理菜にいろんな話をする。
自分のこと。
一樹のこと。
良樹のこと。
他にも学校のことも話す。
駿壱の声は安心する。ケンカをすると負けてしまうけど、やっぱり駿壱は理菜にとって大切な兄なんだって実感していた。
「リナ。お前、もう寝ろ」
今日もずっと傍にいてくれて、話をしてくれていた。その話に耳を傾けていた。
今日は特に眠れないでいた。
駿壱が傍にいても眠ることが出来ない。
そういう時は、寝たフリをする時がある。
スースーと寝息を立てるフリをして、それを確認した駿壱が、安心して部屋を出て行く。
自分の部屋に戻るのかなって思ったら、階段を降りて行くのが分かった。
そして玄関を開けて、バイクのエンジン音が聞こえる。
「出かけたんだ……」
目を開けるとそう呟いた。
ここ最近、本当に駿壱は常に理菜の傍にいた。学校まで送って、夕方は理菜を家まで迎えに来て、夜0時前には家に戻ってくる。
そして理菜が寝るまで傍にいて、百合との時間を取れないでいるのを知っていた。
それが申し訳ないなって気にさせていた。
家の中には理菜ひとり。最近、母親は家にいない。
仕事が忙しいのか、事務所で寝泊まりすることが多かった。それはいつものことだから、理菜は気にしなかった。
だけど、静かな家の中にひとりは結構ツラい。
寂しさが込み上げて来る。
『寝れねーって時は電話して来い』
そう言った良樹の言葉を思い出した。理菜は枕元に置いてあったスマホを取り、電話をかけた。
トゥルル……。
呼び出し音が耳に痛い。
今の時刻は午前2時。
本来ならみんな寝静まっている時間だ。だから出ないかもしれないという思いがあった。
理菜はスマホを耳にしたまま、そう思っていた。
『……はい』
不機嫌な声が聞こえた。
『誰?』
「……あ……、リナ」
あたしはそう言うと、電話の相手は『どうした?』
と優しい声を出す。
『リナ?』
「うん…。ちょっと、寝れない…」
『シュンイチは?』
「多分、出かけた」
『あの野郎…』
良樹が怒ってるのを感じた。
「でも、いつもあたしの傍にいてくれてるから……。お兄ちゃんの時間、取っちゃってるし……」
そう言う理菜に良樹は『そんな問題じゃねー』と言う。
『なぁ』
良樹は目が覚めてきたらしく、理菜に言う。
『今、家ひとりか?』
「うん。ママはいない」
『アイツ、なに考えてるんだ……』
良樹は言葉を吐き出すように言った。
『平気か?』
「なに」
『ひとりで』
「………」
『なんだよ、その沈黙』
「……分かんない」
実際、そうだった。ひとりでも平気だって思ってた。でも、理菜は分からない。
ひとりの時間が多い。
でも、やっぱりひとりは寂しくて痛い。
『そっち、行くか?』
スマホの向こうから声が聞こえてくる。
「大丈夫。それにお兄ちゃん帰って来たらケンカになるよ」
『いくらなんでも人ん家でケンカするかよ』
「お兄ちゃんは関係ないと思う」
『そっか』
そう言った良樹は笑っていた。その声がなんだか落ち着く。
良樹はそんなに口数多い方じゃない。だけど、こういう時はずっと話してくれている。
他愛もない話す。それが嬉しく思った。
◆◆◆◆◆
「行って来い」
朝、駿壱に背中を押されて校門を潜る。後ろを振り返ると、そこに駿壱は立ってこっちを見ていた。
そんな駿壱の行動にため息を吐き、理菜は教室へ向かう。
最近の駿壱の行動は、過保護に近いものがある。
こうやって学校に入って行くのを確認してから、自分の学校へ向かう。理菜を心配しているのか、監視しているのか。その両方なのか。
でもずっとあたしの傍にいるのは、ストレスにもなるらしく、夜中に家を出る。
家の中は理菜ひとりになる。誰かに頼ることは出来ない理菜は、ひとりになってしまうのだ。
ひとりってことが、理菜の心の奥に痛みを作る。
(あたし、ここにいていいの……?)
痛みを持った理菜が、普通の生活に戻れるとは思えなかった。
学校では先生に呼び出される。授業は殆ど寝て過ごし、屋上でサボって、放課後は3年の先輩に呼び出されて暴行される。それが今の理菜の学校生活。
理菜は学校でもひとりだと思うことが多かった。
「コウ。あたし、帰るね」
3時間目が終わると席を立ち、浩介に告げる。授業中、寝ていた浩介はこっちに視線だけを向けて、眠そうな顔をしていた。
「……お前、帰るの?」
「うん。アキにも言っておいて」
そのまま眠そうにしている浩介を置いて、教室を出る。廊下に出ると、こっちを見てくる同級生たち。
好奇の目を向けてくる。
理菜はそんな目を潜り抜けて、昇降口に向かった。昇降口では、3年たちがこっちを睨んでいた。
待ち構えていたらしい。
「秋月。顔、貸しな」
案の定、お決まりの言葉を告げられる。その言葉に理菜はため息を吐く。
そのため息が先輩たちの怒りのボルテージを上げたらしく、いきなり掴みかかって来た。
「逃げませんから、手を離してくれません?」
理菜は妙に冷静だった。自分の下駄箱に行き、上履きから外履きに履き替えて先輩たちを見る。
「さ。行きましょ」
気にも留めていない理菜に睨みながら、先輩たちは理菜の腕を掴んだ。そしてこれもまたお決まりのコースで、体育館裏に連れて来られた。
先輩たちに連れて来られた体育館裏。その場所には他にも先輩たちが数人いた。
「秋月。呼び出されたワケ、分かってんだろーな」
女子の先輩に混じっていた男子の先輩。
こいつらは学校でも有名なヤンキーたちだった。先生たちが手を焼いているメンバーだった。
学校には平気で酒くさいままやって来たり、大人しい女子を使われていない教室に連れ込んではセックスしてると、噂になっている。
女子の先輩も男子の先輩とやってることは変わらない。
そんな先輩たちを心底軽蔑している。
理菜は男子の先輩を睨んで、何も言わない。
何を言うつもりはない。言いたくないし、話したくもない。
「秋月」
低い声で呼ばれたかと思ったら、女子の先輩に髪を引っ張られ、体育館の外壁に叩きつけられた。
叩きつけられた頬がジンジンと痛む。その状態のまま、後ろから蹴りを入れられて背中に激痛が走った。
理菜は蹴った先輩を睨みつけて、髪を掴んだままの先輩の手を掴んだ。
その手に力を入れて、相手のお腹に蹴りを入れた。
その拍子に地面に転んだ先輩は、理菜をじっと見ていた。そしてその状況を見ていた他の先輩たちが、一斉に理菜に飛び掛って来た。
◆◆◆◆◆
気付いた時、理菜は見覚えのある倉庫にいた。まだ頭が覚醒出来ていないのか、どうしてここにいるのか分からないままだった。
ゆっくりと身体を起すと身体中激痛を走った。
ガチャッ。
部屋のドアが開き、良樹が入って来た。
「起きたか」
理菜が寝ていたソファーの前にしゃがみ込み、顔を覗く。
「顔にも痣、出来てんな」
そう言って、手にした濡れたタオルをあたしの顔に押し当てる。
「少し冷やしてろ。腫れてんだよ」
痣になったその箇所は、腫れていて痛い。身体中にも痣が出来ているのは、痛みで分かっていた。
(でもなんでここに……?)
理解が追い付いていかない理菜。そんな理菜の腕には包帯がまかれていた。
「アキだよ」
理菜が疑問に思ってることが分かったのか、良樹は静かに言った。
「お前が3年のヤツらにヤられてるの見てて。お前のとこに行ったんだと。で、アキがお前のとこに着いた時には、もう3年のヤツらはいなくて、お前の携帯から俺のとこに電話かかってきた」
「……そう……なんだ」
「お前、学校で何してんだ」
「……何も」
「お前の学校の先輩ってやつらは、俺の後輩だ」
理菜の顔を見たままそう話す良樹。
「今度なにかやられたら俺の名前出せ。何もして来なくなるから」
その言葉に理菜は首を横に振った。
「何で?」
嫌だという思いが、理菜の中に渦巻く。
確かに良樹の名前を言えば、理菜に何かしてくる奴らはいなくなるだろう。だが、理菜はそれが嫌だった。
それに気付いていないのか、良樹は怪訝な顔をして見ている。
「リナ」
良樹の視線から目を逸らし、かけられていたブランケットを握り締めながら言った。
「守られるの、イヤ」
それは中学に上がってから強く感じていたことだった。いつも駿壱に守られてきた理菜は、いつも申し訳ない気持ちでいっぱっいだった。
そのくらい駿壱はいつも理菜の傍にいた。
──誰にも守られないようになりたい。
だけど、それは不可能なのかもしれない。力がない理菜は、いつも誰かに守られてる。
今も、こうして良樹に助けられてる。
──何度目だろう。
──ヨシキさんに助けられたの。
そう考えては、悔しいのと嬉しいのとでいっぱいになる。
ドカッと、理菜の隣に座って頭に手を置く良樹は何も言わない。ただ、そこにそうしていてくれてるだけ。
優しい空気が部屋に包まれていく。
その雰囲気飲まれていって、安心しきっていた。
「リナ」
暫く黙っていた良樹が、名前を呼んだ。
良樹の顔を見て、そのまま話すのを待った。
「お前、守られたくねーって言うけど。それでもお前は守られる方なんだよ」
少し声が低い良樹。でもその声は優しい。
目を見ると、いつものあの冷たい目じゃなくい。
そんな良樹の目線にドキっとした。
「俺がお前を守ってやる」
そう部屋の中に声が響いた。
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