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「よし、あれ行こう!」
晴斗はかよの肩に手を置いて笑った。その先にはお化け屋敷。
かよが苦手なことを知っていて行こうとする。他の女性陣たちも嫌がっていてもドンドン突き進む晴斗に、平然とした顔をしている菜々美。
「菜々美は平気なの?」
「作り物だしね」
と言いつつも、菜々美も実は苦手。作り物と分かっていても内心は怖いのだ。
「どうした?」
振り返る翔に「大丈夫」と答えた。
お化け屋敷には男女ペアで入ろうとなった。かよは晴斗と。菜々美は翔と。他の面々もそれぞれペアとなって入った。かよたちが先頭になって入っていく。
かよは嫌がっていたが、入ろうと言い出しっぺの晴斗がグイグイと連れて行ったのだ。
(怖い……)
菜々美と翔の番になって入って行く。菜々美は平気だというようにしていたが、やっぱり怖くて翔の後ろに隠れるように歩いていく。
「あれ?もしかしてダメ?」
気付いた翔は菜々美の肩を抱いて歩いていく。
「大丈夫。おれがいるだろ」
耳元で囁かれても、怖いものは怖い。どこかでかよたちのキャーキャーいう声が響く。それが更に怖さを増す。
「翔……。ほんとに……私………」
涙目の菜々美が可愛いと思ってしまった翔は笑っていた。
「なんで笑ってるの……」
「可愛いから」
お化け屋敷でそんなことを言われても嬉しくないと思いつつ、何かを言うことが出来ない菜々美は翔にしがみついて歩いていた。
友人たちの後ろ姿を追いながら、怖さに耐えていた菜々美。そんな菜々美をやっぱり可愛いと思う翔は、菜々美に惚れ込んでしまっているのだろう。
お化け屋敷を出た女性陣たちは、本当に怖かったようで「もう、嫌っ!」と喚いていたり半泣きになっていたりした。
中には霊感がある人もいて「ホンモノいた……」と言って更にみんなをビビらせていた。
菜々美はというと、みんなのように怖いと言えなかったが、翔にはバレバレ。菜々美の手をしっかりと握って離さなかった。
「大丈夫?」
「ん……」
プイッと別の方を向いた菜々美が強がっているのを感じ取った。
「よし、じゃ次はあれな」
コーヒーカップへと向かう男性陣。
「ほら、女共。早くしろー」
「もうっ。少しは休憩させてー」
「いいじゃん。それともあっち行く?」
ジェットコースターを指す晴斗に呆れる女性陣。
「私、喉渇いたからー」
ひとりが言ったことで、時間を見た。
「もう昼じゃん」
「え、マジ?」
「メシ食おうか」
「売店あっちだったよー」
ゾロゾロと遊園地を歩く集団は、回りから見たらどんなメンバーに見えるのだろう。その中に菜々美がいることが不思議だった。
◇◇◇◇◇
「楽しかったー!」
夕方まで遊んで地元に戻ってきた。これから呑みに行こうとなって、居酒屋へ。
高校のメンバーとこうして遊んだりするのも悪くないと感じていた。
「気分転換になった?」
隣に座る翔は菜々美に言った。
「まぁ……ね」
「良かった。根詰めてると書けなくなるだろ」
(あ……。もしかして、私の為?)
翔を見た菜々美は、今回のこれは菜々美の為にみんなに声をかけたのだと気付いた。
「ありがとう」
そう言うと「ん?」と惚けた感じで返ってきた。
晴斗はかよの肩に手を置いて笑った。その先にはお化け屋敷。
かよが苦手なことを知っていて行こうとする。他の女性陣たちも嫌がっていてもドンドン突き進む晴斗に、平然とした顔をしている菜々美。
「菜々美は平気なの?」
「作り物だしね」
と言いつつも、菜々美も実は苦手。作り物と分かっていても内心は怖いのだ。
「どうした?」
振り返る翔に「大丈夫」と答えた。
お化け屋敷には男女ペアで入ろうとなった。かよは晴斗と。菜々美は翔と。他の面々もそれぞれペアとなって入った。かよたちが先頭になって入っていく。
かよは嫌がっていたが、入ろうと言い出しっぺの晴斗がグイグイと連れて行ったのだ。
(怖い……)
菜々美と翔の番になって入って行く。菜々美は平気だというようにしていたが、やっぱり怖くて翔の後ろに隠れるように歩いていく。
「あれ?もしかしてダメ?」
気付いた翔は菜々美の肩を抱いて歩いていく。
「大丈夫。おれがいるだろ」
耳元で囁かれても、怖いものは怖い。どこかでかよたちのキャーキャーいう声が響く。それが更に怖さを増す。
「翔……。ほんとに……私………」
涙目の菜々美が可愛いと思ってしまった翔は笑っていた。
「なんで笑ってるの……」
「可愛いから」
お化け屋敷でそんなことを言われても嬉しくないと思いつつ、何かを言うことが出来ない菜々美は翔にしがみついて歩いていた。
友人たちの後ろ姿を追いながら、怖さに耐えていた菜々美。そんな菜々美をやっぱり可愛いと思う翔は、菜々美に惚れ込んでしまっているのだろう。
お化け屋敷を出た女性陣たちは、本当に怖かったようで「もう、嫌っ!」と喚いていたり半泣きになっていたりした。
中には霊感がある人もいて「ホンモノいた……」と言って更にみんなをビビらせていた。
菜々美はというと、みんなのように怖いと言えなかったが、翔にはバレバレ。菜々美の手をしっかりと握って離さなかった。
「大丈夫?」
「ん……」
プイッと別の方を向いた菜々美が強がっているのを感じ取った。
「よし、じゃ次はあれな」
コーヒーカップへと向かう男性陣。
「ほら、女共。早くしろー」
「もうっ。少しは休憩させてー」
「いいじゃん。それともあっち行く?」
ジェットコースターを指す晴斗に呆れる女性陣。
「私、喉渇いたからー」
ひとりが言ったことで、時間を見た。
「もう昼じゃん」
「え、マジ?」
「メシ食おうか」
「売店あっちだったよー」
ゾロゾロと遊園地を歩く集団は、回りから見たらどんなメンバーに見えるのだろう。その中に菜々美がいることが不思議だった。
◇◇◇◇◇
「楽しかったー!」
夕方まで遊んで地元に戻ってきた。これから呑みに行こうとなって、居酒屋へ。
高校のメンバーとこうして遊んだりするのも悪くないと感じていた。
「気分転換になった?」
隣に座る翔は菜々美に言った。
「まぁ……ね」
「良かった。根詰めてると書けなくなるだろ」
(あ……。もしかして、私の為?)
翔を見た菜々美は、今回のこれは菜々美の為にみんなに声をかけたのだと気付いた。
「ありがとう」
そう言うと「ん?」と惚けた感じで返ってきた。
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