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第3章
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あれから何度も何度も柚子の中に入り、何度も何度も果てたふたりは、お互いを抱きあって眠っていた。
「……ん」
柚子が寝返りを打つ度に、零士は自分の方へ抱き寄せて離さない。
愛しそうに大切に抱き寄せる。
「柚子……」
「ん」
「可愛い」
そう言われる度に恥ずかしさで顔を隠す。何度言われても恥ずかしい。
「柚子」
引き寄せ柚子の耳たぶを軽く噛む。
「れ……っ」
自分の方へ向かせキスをする。
「可愛い」
「もう……っ」
頭を撫でる零士にぴったりとくっ付く柚子。離れるのが惜しいくらいに離れない。
「ヤバいな……」
「ん?」
「もう一回したい」
「え」
そう言うと首筋を舐める。
「……ダ、ダメ!」
「ダメなの?」
「……ん」
「身体、キツイ?」
こくんと頷く。
ふっと笑ってもう一度ぎゅっと抱きしめ、瞼を閉じた。零士の瞼が閉じたのを見て柚子ももう一度瞼を閉じた。
◇◇◇◇◇
ピンポーン!ピンポーン!
呼び鈴が鳴り響く。
その音に目が覚めた零士はゆっくり起き上がる。
裸のままインターフォンのモニターを見る。
「湊」
モニターに映っていたのは湊だった。
寝惚けたまま、玄関を開ける。
「お前なぁ……」
ため息を吐く湊の顔は少し怒ってるようだった。
「ヤったんかよ」
「うるせぇよ」
「柚子は?」
「寝てる」
「お前も寝てたんだろ」
「眠い……」
「零士」
廊下を歩き、リビングまで来ると湊は寝室のドアを開ける。
「柚子」
頭まで布団にくるまった柚子に声かける。
「起きろ。帰るぞ」
湊の声にうっすらと目を開けた柚子は、のろのろと起き上がる。
裸のままの自分を見て「あ……」と呟いた。
身体がダルいと感じるのは昨夜の行為のせい。零士は大切に大切に柚子を抱いた。それに答えるように抱かれた柚子は、身体の痛みより幸福感を感じている。
「着替えろ」
湊は柚子の素肌を見ても動じないように努めていた。
「零士、お前も仕事だろ」
リビングのソファーに座って柚子が寝室から出てくるのを待った。
◇◇◇◇◇
湊が迎えに来て、湊に起こされた柚子。
身体が思うように動かない。
(身体がダルい……)
昨夜の行為のせい。零士が何度も柚子を求めてきた。柚子も零士を求めてた。
お互いがお互いを欲しいと感じて行為をしたけど、柚子と零士には差があった。
柚子は身体が上手く動けなくなるくらいなのに、零士はケロッとしてる。
ゆっくりと着替え、髪を整えて寝室を出ようとドアノブに手をかける。
そこにはまだ寝惚けてる零士が湊に小言を言われていた。
「お前なぁ……。頼むから柚子をもっと大事にしてくれ」
「してるよぉ……」
眠そうな声で答える零士に湊は「してねぇ」と反論する。
(何を話してるんだろう)
柚子は話の内容が分からなかった。
「会う度にヤってんじゃねぇーよ」
ドカッとソファーを蹴る。
「仕様がねぇだろ……」
「何が」
「柚子を抱いてると欲情する」
「お前なぁ。俺の妹だぞ」
その声は怒りと呆れとイライラといろんな感情を含んでいた。
「惚れてんだからいいだろ」
「惚れてたらもっと大事にしてくれ」
「大事にしてるよ」
「ほんとかよ?」
疑う湊に零士は笑う。
そんな会話をしてるからなかなかドドアを開けられない。
「本当に、頼むよ」
湊の言葉でふたりの話は終わったらしい。
漸くドアを開けることが出来た。
「じゃ柚子。帰るぞ」
頷いて、湊と一緒にマンションを出ていこうとする。
「柚子」
玄関まで行くと零士が声をかける。
「また連絡する」
「うん」
離れたくない思いを引きずって湊と一瞬にマンションを出る。
車に乗り込むと、湊が柚子に言った。
「零士にも言ってんだけどさ、本当に気を付けろよ」
「なに」
「まだ高校生だ。母親になるのにはまだ早いからな。気を付けろ。それと、零士と付き合ってるって世間に知られないようにしろ。大変なことになるだろうから」
こくんと頷いて車のシートベルトをした。それを確認して湊は車を走らせた。
「……ん」
柚子が寝返りを打つ度に、零士は自分の方へ抱き寄せて離さない。
愛しそうに大切に抱き寄せる。
「柚子……」
「ん」
「可愛い」
そう言われる度に恥ずかしさで顔を隠す。何度言われても恥ずかしい。
「柚子」
引き寄せ柚子の耳たぶを軽く噛む。
「れ……っ」
自分の方へ向かせキスをする。
「可愛い」
「もう……っ」
頭を撫でる零士にぴったりとくっ付く柚子。離れるのが惜しいくらいに離れない。
「ヤバいな……」
「ん?」
「もう一回したい」
「え」
そう言うと首筋を舐める。
「……ダ、ダメ!」
「ダメなの?」
「……ん」
「身体、キツイ?」
こくんと頷く。
ふっと笑ってもう一度ぎゅっと抱きしめ、瞼を閉じた。零士の瞼が閉じたのを見て柚子ももう一度瞼を閉じた。
◇◇◇◇◇
ピンポーン!ピンポーン!
呼び鈴が鳴り響く。
その音に目が覚めた零士はゆっくり起き上がる。
裸のままインターフォンのモニターを見る。
「湊」
モニターに映っていたのは湊だった。
寝惚けたまま、玄関を開ける。
「お前なぁ……」
ため息を吐く湊の顔は少し怒ってるようだった。
「ヤったんかよ」
「うるせぇよ」
「柚子は?」
「寝てる」
「お前も寝てたんだろ」
「眠い……」
「零士」
廊下を歩き、リビングまで来ると湊は寝室のドアを開ける。
「柚子」
頭まで布団にくるまった柚子に声かける。
「起きろ。帰るぞ」
湊の声にうっすらと目を開けた柚子は、のろのろと起き上がる。
裸のままの自分を見て「あ……」と呟いた。
身体がダルいと感じるのは昨夜の行為のせい。零士は大切に大切に柚子を抱いた。それに答えるように抱かれた柚子は、身体の痛みより幸福感を感じている。
「着替えろ」
湊は柚子の素肌を見ても動じないように努めていた。
「零士、お前も仕事だろ」
リビングのソファーに座って柚子が寝室から出てくるのを待った。
◇◇◇◇◇
湊が迎えに来て、湊に起こされた柚子。
身体が思うように動かない。
(身体がダルい……)
昨夜の行為のせい。零士が何度も柚子を求めてきた。柚子も零士を求めてた。
お互いがお互いを欲しいと感じて行為をしたけど、柚子と零士には差があった。
柚子は身体が上手く動けなくなるくらいなのに、零士はケロッとしてる。
ゆっくりと着替え、髪を整えて寝室を出ようとドアノブに手をかける。
そこにはまだ寝惚けてる零士が湊に小言を言われていた。
「お前なぁ……。頼むから柚子をもっと大事にしてくれ」
「してるよぉ……」
眠そうな声で答える零士に湊は「してねぇ」と反論する。
(何を話してるんだろう)
柚子は話の内容が分からなかった。
「会う度にヤってんじゃねぇーよ」
ドカッとソファーを蹴る。
「仕様がねぇだろ……」
「何が」
「柚子を抱いてると欲情する」
「お前なぁ。俺の妹だぞ」
その声は怒りと呆れとイライラといろんな感情を含んでいた。
「惚れてんだからいいだろ」
「惚れてたらもっと大事にしてくれ」
「大事にしてるよ」
「ほんとかよ?」
疑う湊に零士は笑う。
そんな会話をしてるからなかなかドドアを開けられない。
「本当に、頼むよ」
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漸くドアを開けることが出来た。
「じゃ柚子。帰るぞ」
頷いて、湊と一緒にマンションを出ていこうとする。
「柚子」
玄関まで行くと零士が声をかける。
「また連絡する」
「うん」
離れたくない思いを引きずって湊と一瞬にマンションを出る。
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「零士にも言ってんだけどさ、本当に気を付けろよ」
「なに」
「まだ高校生だ。母親になるのにはまだ早いからな。気を付けろ。それと、零士と付き合ってるって世間に知られないようにしろ。大変なことになるだろうから」
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