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第3章
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「──……ず。柚子!」
名前を呼ばれてはっと目を覚ます。顔を上げるとそこに大好きな人が立っていた。
「全く、こんなところでぇ……寝て。風邪引く。冷房も……つけないで。暑さにやられるぞぉ……」
「あ……」
まだぼうとしている頭の中を整理しながら起き上がると、温かい腕が柚子を包み込んだ。
「ただいまぁ……」
「……おかえりなさい」
零士の背中に手を回してここにいることを確認した。優しくて温かい。零士がここにいると。
零士からはアルコールの匂いがした。
「お酒、飲んだの?」
「飲まされたぁ。だから……、優樹菜が運転して帰ってきたんだよぉ……」
よく見ると零士の頬は赤く染まっていて、話す言葉も少し酔ってるのが分かる。
「優樹菜さんは?」
「タクシー呼んでぇ……戻ったぁ……。他のやつらの、送迎もぉ……するんじゃぁ…ないかなぁ」
お酒の強い筈の零士だが、相当飲んで来たのだろう。言葉の端々にそれが伝わる。
「待たせてわりぃ……」
時計を見るともう23時を回っている。
「なかなかぁ……、抜けれなくてぇ」
「うん」
REIJIのまま帰ってきたからか、ステージから降りた状態のままそこにいるみたいだった。
「……零士……さん」
零士に触れると、身体中が満たされる思いだった。
「今日……、かっこよかったよ」
そう言うと零士は照れたように「ありがとう」と答えた。
柚子の隣に座り、じっと見つめる。
「珍しいね、こういう色」
「あ……。芽依の、幼馴染みの従姉妹のお姉さんに貰ったの。……へん?」
上目遣いで零士を見る柚子が可愛くて顔が緩む。
「似合ってる……よ」
「ほんと?」
「ああ……」
本当に似合ってる。黒だからか、いつもより大人っぽくて、零士は柚子を直視出来ない。
「零士さん?」
誰にも見せたくないくらい、閉じ込めておきたいくらい、柚子は可愛くて仕方ない。そんな感情を隠すように顔を背ける零士に不思議そうな顔をする。
「零士さん」
「……あんま、そういう格好、すん……なよ」
「え」
「他の男がぁ、お前を見るだろぉ……」
それ以上、言葉が続かなくそっぽを向いたまま。零士の言葉の意味がよく理解出来てない柚子はキョトンとしていた。
「襲いたく……、なる……」
そう言うとキスをした。
◇◇◇◇◇
「……んっ。……あっ、ん……ッ」
リビングに響く声。その声が自分が発してることに恥ずかしくなる。
唇が首筋を這い、がっしりとした腕は柚子をしっかりと抱きしめてる。
「ちゅっ……ちゅ……ッ!」
と恥ずかしい音を立ててる零士の唇が、だんだんと下へ降りてくる。両手は柚子の背中に回り、ファスナーを下ろしていた。
「れ……いじさん……」
ファスナーが下りきると、肩を隠している布地を下ろす。そのままワンピースは脱がされていく。
「あ……、あ……っ!」
下着の隙間から白い素肌を出す零士。胸の膨らみの中心に触れると身体がピクンと反応する。
「零士さ……っ!私……、私……ッ」
それ以上なにも言えないくらい、零士の唇に翻弄されている。
零士の唇の動きが柚子が触れて欲しいところへと動く。
「はぁ……はぁ……っ」
「……はぁ、はぁ……!」
ふたりの声は重なり合い、互いを求め出す。
「零士さ……ぁん」
恥ずかしくて思わず顔を隠す。零士の手がそれを許さないとでもいうように、柚子の手を掴む。
「顔ぉ……、隠すな……」
色っぽさを出す零士に抗うことは出来なかった。力強い零士の腕を振り払うことなんて出来ずに、ただ零士に全てを預けるしかない。
何度も何度も、零士の唇は身体中を駆け巡る。零士の温かい手が身体中に触れる。触れる度に身体をピクンと震わせる柚子に零士は囁く。
「可愛い……」
「……れい……じさ……」
名前を言い終わらないうちに零士は唇を重ねる。何度も何度も唇を重ね、自分の欲求を満たそうとしている。
「は……ぁ……、れ、いじ……さん……」
柚子の瞳は艶っぽくなっていき、その瞳を見ていると零士は理性を保てなくなっていた。
太腿に触れた手は滑るように秘部へと移動する。
「やっ……、ダ……メっ!……待っ……!」
懇願する柚子を無視するように自分の欲望を晴らすように指を入れていく。
「ダ……っ、あ……、やっ……ぁ!」
指を抜いた後、中にゆっくり入っていく。
激しくなっていく動きに柚子は耐えられなく零士にしがみつく。
「待っ……て。一回……、やめて……、やっ……ぁ……」
やっとの思いで零士の目を見てそう言う。だが零士は柚子の唇に吸い付くようにキスをした。
「待てねぇ……よ……」
かなり酔っているのか、自分の欲望を吐き出しているだけ。
「はぁ……はぁ……」
零士の吐息が耳元で聞こえる。
「零士さん……」
呼ばれた零士は柚子を抱き上げた。そのまま歩き出して寝室へと向かった。
「零士……さん?」
柚子の声は聞こえているのか聞こえてないのか。答えずにベッドに柚子を下ろすと、ベッド近くの棚に置いてあるエアコンのスイッチを入れた。
そして再び、柚子を抱いた。
「柚子……ぅ」
最後に果てた時はふたり共、動く気力がなくそのまま眠りについた。
名前を呼ばれてはっと目を覚ます。顔を上げるとそこに大好きな人が立っていた。
「全く、こんなところでぇ……寝て。風邪引く。冷房も……つけないで。暑さにやられるぞぉ……」
「あ……」
まだぼうとしている頭の中を整理しながら起き上がると、温かい腕が柚子を包み込んだ。
「ただいまぁ……」
「……おかえりなさい」
零士の背中に手を回してここにいることを確認した。優しくて温かい。零士がここにいると。
零士からはアルコールの匂いがした。
「お酒、飲んだの?」
「飲まされたぁ。だから……、優樹菜が運転して帰ってきたんだよぉ……」
よく見ると零士の頬は赤く染まっていて、話す言葉も少し酔ってるのが分かる。
「優樹菜さんは?」
「タクシー呼んでぇ……戻ったぁ……。他のやつらの、送迎もぉ……するんじゃぁ…ないかなぁ」
お酒の強い筈の零士だが、相当飲んで来たのだろう。言葉の端々にそれが伝わる。
「待たせてわりぃ……」
時計を見るともう23時を回っている。
「なかなかぁ……、抜けれなくてぇ」
「うん」
REIJIのまま帰ってきたからか、ステージから降りた状態のままそこにいるみたいだった。
「……零士……さん」
零士に触れると、身体中が満たされる思いだった。
「今日……、かっこよかったよ」
そう言うと零士は照れたように「ありがとう」と答えた。
柚子の隣に座り、じっと見つめる。
「珍しいね、こういう色」
「あ……。芽依の、幼馴染みの従姉妹のお姉さんに貰ったの。……へん?」
上目遣いで零士を見る柚子が可愛くて顔が緩む。
「似合ってる……よ」
「ほんと?」
「ああ……」
本当に似合ってる。黒だからか、いつもより大人っぽくて、零士は柚子を直視出来ない。
「零士さん?」
誰にも見せたくないくらい、閉じ込めておきたいくらい、柚子は可愛くて仕方ない。そんな感情を隠すように顔を背ける零士に不思議そうな顔をする。
「零士さん」
「……あんま、そういう格好、すん……なよ」
「え」
「他の男がぁ、お前を見るだろぉ……」
それ以上、言葉が続かなくそっぽを向いたまま。零士の言葉の意味がよく理解出来てない柚子はキョトンとしていた。
「襲いたく……、なる……」
そう言うとキスをした。
◇◇◇◇◇
「……んっ。……あっ、ん……ッ」
リビングに響く声。その声が自分が発してることに恥ずかしくなる。
唇が首筋を這い、がっしりとした腕は柚子をしっかりと抱きしめてる。
「ちゅっ……ちゅ……ッ!」
と恥ずかしい音を立ててる零士の唇が、だんだんと下へ降りてくる。両手は柚子の背中に回り、ファスナーを下ろしていた。
「れ……いじさん……」
ファスナーが下りきると、肩を隠している布地を下ろす。そのままワンピースは脱がされていく。
「あ……、あ……っ!」
下着の隙間から白い素肌を出す零士。胸の膨らみの中心に触れると身体がピクンと反応する。
「零士さ……っ!私……、私……ッ」
それ以上なにも言えないくらい、零士の唇に翻弄されている。
零士の唇の動きが柚子が触れて欲しいところへと動く。
「はぁ……はぁ……っ」
「……はぁ、はぁ……!」
ふたりの声は重なり合い、互いを求め出す。
「零士さ……ぁん」
恥ずかしくて思わず顔を隠す。零士の手がそれを許さないとでもいうように、柚子の手を掴む。
「顔ぉ……、隠すな……」
色っぽさを出す零士に抗うことは出来なかった。力強い零士の腕を振り払うことなんて出来ずに、ただ零士に全てを預けるしかない。
何度も何度も、零士の唇は身体中を駆け巡る。零士の温かい手が身体中に触れる。触れる度に身体をピクンと震わせる柚子に零士は囁く。
「可愛い……」
「……れい……じさ……」
名前を言い終わらないうちに零士は唇を重ねる。何度も何度も唇を重ね、自分の欲求を満たそうとしている。
「は……ぁ……、れ、いじ……さん……」
柚子の瞳は艶っぽくなっていき、その瞳を見ていると零士は理性を保てなくなっていた。
太腿に触れた手は滑るように秘部へと移動する。
「やっ……、ダ……メっ!……待っ……!」
懇願する柚子を無視するように自分の欲望を晴らすように指を入れていく。
「ダ……っ、あ……、やっ……ぁ!」
指を抜いた後、中にゆっくり入っていく。
激しくなっていく動きに柚子は耐えられなく零士にしがみつく。
「待っ……て。一回……、やめて……、やっ……ぁ……」
やっとの思いで零士の目を見てそう言う。だが零士は柚子の唇に吸い付くようにキスをした。
「待てねぇ……よ……」
かなり酔っているのか、自分の欲望を吐き出しているだけ。
「はぁ……はぁ……」
零士の吐息が耳元で聞こえる。
「零士さん……」
呼ばれた零士は柚子を抱き上げた。そのまま歩き出して寝室へと向かった。
「零士……さん?」
柚子の声は聞こえているのか聞こえてないのか。答えずにベッドに柚子を下ろすと、ベッド近くの棚に置いてあるエアコンのスイッチを入れた。
そして再び、柚子を抱いた。
「柚子……ぅ」
最後に果てた時はふたり共、動く気力がなくそのまま眠りについた。
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