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第1章
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あれから毎日のように零士からメッセージが届く。それは本当になんでもないようなこたさとばかり。朝だったら《おはよう》と入ってくるし、夜だったら《眠いよー》ときたり、昼だったら《まだ昼メシ食ってねー》だったり。
本当になんでもない、どうでもいいようなことばかり。あの告白に対してのことは一切触れてこない。そのことが余計に考えさせられる。早く答えを出さないといけないのではないかと思う。
(このままではいけないよね)
柚子はスマホをじっと見て考えていた。でもなんて答えたらいいのか分からない。零士を好きなのかどうかも分からない。
「どうしよう……。分からない」
ベッドに転がるとメッセージが入る。メッセージの相手は湊だった。
《零士が気にしてる》
零士が柚子のことを気にして湊に話をしたのだろう。湊からそんなメッセージがきたのだった。
《何か聞いた?》
《聞いた》
《どうすればいい?》
そのやり取りの間、柚子は不安で押し潰されそうになっていた。こんな思いは初めてで、どうしたらいいのか。誰かに助けて貰いたかった。
《柚子。零士のこと好きだろ》
そのメッセージに胸が苦しくなる。自覚していなかった柚子は湊の言葉にはっとする。
(好き……?)
そうなのかもしれないと、湊の言葉に漸く自覚する。
どうにもならなくて苦しくて。封印していた思いが湊の言葉で解放された。そんな感じだった。
堪らなくなり、湊の番号を押す。すぐに湊はその電話に出た。
「お兄ちゃ……」
胸がぎゅっとなる思いで言葉にならない。涙を堪えてても自然と流れ出る。
『柚子。柚子、聞いてるか。お前は多分、最初っからアイツに会った瞬間にアイツに惚れてたんだよ。でもお前そんな経験ないだろ。気付くのに遅くなった』
「でも……、私、零士さんの何も知らない。それに会ったばかりだよ」
『そんなの、関係ないだろ。人を好きになるのに時間は関係ない。だろ?』
湊の言葉が身体の中に入り込んでくる。時間は関係ない。人を好きになるのに理由はないのと同じように時間も関係ない。
「……好きになっていいの?」
『いいんだよ。好きになったって』
「お兄ちゃん……っ」
ぐずっと鼻を啜る。湊はいつだって柚子のことを考えてる。一番の理解者なのかもしれない。
『零士にちゃんと言いな』
「でも……」
恥ずかしくて言えない。そんな柚子を分かってる湊。いつもだったら湊は柚子の手助けをする。でもこればっかりはそうしない。
『ちゃんと自分で言うんだよ』
「……うん」
スマホを握りしめて頷いた。
湊との電話を切った後、スマホを見ていた。映し出されていたのは『零』と登録されたアドレス。番号を押すのを何度も躊躇っていた。
(会いたい……。声が聞きたい……)
そう思った瞬間、柚子の指が通話ボタンに触れていた。
本当になんでもない、どうでもいいようなことばかり。あの告白に対してのことは一切触れてこない。そのことが余計に考えさせられる。早く答えを出さないといけないのではないかと思う。
(このままではいけないよね)
柚子はスマホをじっと見て考えていた。でもなんて答えたらいいのか分からない。零士を好きなのかどうかも分からない。
「どうしよう……。分からない」
ベッドに転がるとメッセージが入る。メッセージの相手は湊だった。
《零士が気にしてる》
零士が柚子のことを気にして湊に話をしたのだろう。湊からそんなメッセージがきたのだった。
《何か聞いた?》
《聞いた》
《どうすればいい?》
そのやり取りの間、柚子は不安で押し潰されそうになっていた。こんな思いは初めてで、どうしたらいいのか。誰かに助けて貰いたかった。
《柚子。零士のこと好きだろ》
そのメッセージに胸が苦しくなる。自覚していなかった柚子は湊の言葉にはっとする。
(好き……?)
そうなのかもしれないと、湊の言葉に漸く自覚する。
どうにもならなくて苦しくて。封印していた思いが湊の言葉で解放された。そんな感じだった。
堪らなくなり、湊の番号を押す。すぐに湊はその電話に出た。
「お兄ちゃ……」
胸がぎゅっとなる思いで言葉にならない。涙を堪えてても自然と流れ出る。
『柚子。柚子、聞いてるか。お前は多分、最初っからアイツに会った瞬間にアイツに惚れてたんだよ。でもお前そんな経験ないだろ。気付くのに遅くなった』
「でも……、私、零士さんの何も知らない。それに会ったばかりだよ」
『そんなの、関係ないだろ。人を好きになるのに時間は関係ない。だろ?』
湊の言葉が身体の中に入り込んでくる。時間は関係ない。人を好きになるのに理由はないのと同じように時間も関係ない。
「……好きになっていいの?」
『いいんだよ。好きになったって』
「お兄ちゃん……っ」
ぐずっと鼻を啜る。湊はいつだって柚子のことを考えてる。一番の理解者なのかもしれない。
『零士にちゃんと言いな』
「でも……」
恥ずかしくて言えない。そんな柚子を分かってる湊。いつもだったら湊は柚子の手助けをする。でもこればっかりはそうしない。
『ちゃんと自分で言うんだよ』
「……うん」
スマホを握りしめて頷いた。
湊との電話を切った後、スマホを見ていた。映し出されていたのは『零』と登録されたアドレス。番号を押すのを何度も躊躇っていた。
(会いたい……。声が聞きたい……)
そう思った瞬間、柚子の指が通話ボタンに触れていた。
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