24 / 63
まさかの再会 3章
5話 こ、怖い!
しおりを挟む
こんにちは!
僕は、ジル。ジャスティン・カルキールです。
僕は、小さい頃から側近として育てられてきました。
なので、大体の作法はできると思います。
平民なのですが、平民の中でも結構裕福だったので、側近となることができました。
僕が、ハルク様の側近となる時、旦那様から、お願いがありました。
一つは、ハルク様についての報告です。
二つは、「ちょっと変わってるかもしれないけど、よろしく!」と言うことです。
一つめのは分かるけれど、二つめは分かりません。
見た目は、子供なのに美形で、それ以外は普通です。
なので、一つめのお願いもかねて、観察です!
…剣の凄さなどには驚きましたが、それ以外はふつうでした。
今日は、書庫へと行きました。
絵本でも読むのかな?と思っていたら難しそうな本が並んでいるところへときました。
僕でも読めない単語が多いです。
ハルク様に大丈夫かと聞くと、貴族なら当然といわれました。
そうなのかな?と思ったけれど、そうなのでしょう。
でも、僕は出来ません
そして、内容も難しそうな本を嬉々として読み始めた。
す、すごい。
普通なら、こういう本はいやいやだ。
僕は、愛用のメモに書いた。
ハルク様は、天才っと!
ふと、前を見ると、ハルク様が見ていた。
というか、睨んでいた。
どうしたのかな?などと思っていると…
「ねえ、何してるの?」
と、問われた。
聞いたこともないような声だった。
旦那様や奥様と喋っているときのような声ではなかった。
え?メモ書いてるだけだよね!!
こ、怖い!!なんなんだ!
反射的に体が強張る。
「メモ、書いてたよね?何書いてた?」
「え、えと、その〜」
声が上手く出ない。
こんな感覚は初めてだった。
うろたえていると、ハルク様が来た。
「ねえ、まさか父さんとかに伝えるつもりじゃないよね」
「え!つ、伝えるように言われているので…」
「だったら、適当に言っといてくれる?」
「え??」
な、何を言っているんだ!
少し拍子抜けした。
でも、だめだ。
「は、ハルク様!それは…」
「いいから。ね?」
ハルク様は、僕の声に被せるように言ってきた。
悪魔のような顔で…。
「は、はい…」
なんとかそう答えると、
「オッケー!じゃあお願いね!」
手のひらを返したように爽やかな笑みで言った。
「は、はい」
僕は少々引き気味に答えた。
どうして?
まず、その質問だった。
満足そうに読み直し始めたハルク様を呼び止めた。
「ハルク様!なぜ、伝えてはいけないのですか?」
ハルク様は、いやそ〜うな顔でこちらを見た。
そして、
「あ〜もう!」
大声で叫んだ。
へ?
「調子狂うから敬語やめろ!あと、ハルク様とかもやめて!ハルクでいい!」
「へ?」
声がもれた。
さっきとも、両親の前とも、まったく違った雰囲気だったからだ。
「あ、あの…「分かった?」えっと…クセになっているので…」
「マジか…」
遅かったか…といいながら頭を抱えた。
「あ、あの…大丈夫?ですか?」
「大丈夫じゃねえ」
ですよね~ってどうしよう…。
よ〜し!こうなったら!
「あ、あの!ハ、ハルク。こ、これでいいかな?」
そう言うと、ハルクがスッと立って…
「やればできるじゃん」
とまた爽やかな笑みで言われた。
「二人の時だけでいいからそれでよろしくな!」
とまで言われた…。
もういっそ開き直って!
「うん!」
「…て言うわけでもうメモするのも、見るのも、父さんに伝えるのも無しな!」
「だから、なんで!」
「え?そりゃー…」
話の続きをまった。
「遊びにくいからだろ?」
え?だったら、そのためだけに?
僕は、項垂れた。
…というか、こういう人だったのか…
____________________________________________________________________________________________________
最後までお読みいただきありがとうございました
前回同様、誤字•脱字などがあれば感想を通じてお知らせください。
これからもよろしくお願いいたします。
僕は、ジル。ジャスティン・カルキールです。
僕は、小さい頃から側近として育てられてきました。
なので、大体の作法はできると思います。
平民なのですが、平民の中でも結構裕福だったので、側近となることができました。
僕が、ハルク様の側近となる時、旦那様から、お願いがありました。
一つは、ハルク様についての報告です。
二つは、「ちょっと変わってるかもしれないけど、よろしく!」と言うことです。
一つめのは分かるけれど、二つめは分かりません。
見た目は、子供なのに美形で、それ以外は普通です。
なので、一つめのお願いもかねて、観察です!
…剣の凄さなどには驚きましたが、それ以外はふつうでした。
今日は、書庫へと行きました。
絵本でも読むのかな?と思っていたら難しそうな本が並んでいるところへときました。
僕でも読めない単語が多いです。
ハルク様に大丈夫かと聞くと、貴族なら当然といわれました。
そうなのかな?と思ったけれど、そうなのでしょう。
でも、僕は出来ません
そして、内容も難しそうな本を嬉々として読み始めた。
す、すごい。
普通なら、こういう本はいやいやだ。
僕は、愛用のメモに書いた。
ハルク様は、天才っと!
ふと、前を見ると、ハルク様が見ていた。
というか、睨んでいた。
どうしたのかな?などと思っていると…
「ねえ、何してるの?」
と、問われた。
聞いたこともないような声だった。
旦那様や奥様と喋っているときのような声ではなかった。
え?メモ書いてるだけだよね!!
こ、怖い!!なんなんだ!
反射的に体が強張る。
「メモ、書いてたよね?何書いてた?」
「え、えと、その〜」
声が上手く出ない。
こんな感覚は初めてだった。
うろたえていると、ハルク様が来た。
「ねえ、まさか父さんとかに伝えるつもりじゃないよね」
「え!つ、伝えるように言われているので…」
「だったら、適当に言っといてくれる?」
「え??」
な、何を言っているんだ!
少し拍子抜けした。
でも、だめだ。
「は、ハルク様!それは…」
「いいから。ね?」
ハルク様は、僕の声に被せるように言ってきた。
悪魔のような顔で…。
「は、はい…」
なんとかそう答えると、
「オッケー!じゃあお願いね!」
手のひらを返したように爽やかな笑みで言った。
「は、はい」
僕は少々引き気味に答えた。
どうして?
まず、その質問だった。
満足そうに読み直し始めたハルク様を呼び止めた。
「ハルク様!なぜ、伝えてはいけないのですか?」
ハルク様は、いやそ〜うな顔でこちらを見た。
そして、
「あ〜もう!」
大声で叫んだ。
へ?
「調子狂うから敬語やめろ!あと、ハルク様とかもやめて!ハルクでいい!」
「へ?」
声がもれた。
さっきとも、両親の前とも、まったく違った雰囲気だったからだ。
「あ、あの…「分かった?」えっと…クセになっているので…」
「マジか…」
遅かったか…といいながら頭を抱えた。
「あ、あの…大丈夫?ですか?」
「大丈夫じゃねえ」
ですよね~ってどうしよう…。
よ〜し!こうなったら!
「あ、あの!ハ、ハルク。こ、これでいいかな?」
そう言うと、ハルクがスッと立って…
「やればできるじゃん」
とまた爽やかな笑みで言われた。
「二人の時だけでいいからそれでよろしくな!」
とまで言われた…。
もういっそ開き直って!
「うん!」
「…て言うわけでもうメモするのも、見るのも、父さんに伝えるのも無しな!」
「だから、なんで!」
「え?そりゃー…」
話の続きをまった。
「遊びにくいからだろ?」
え?だったら、そのためだけに?
僕は、項垂れた。
…というか、こういう人だったのか…
____________________________________________________________________________________________________
最後までお読みいただきありがとうございました
前回同様、誤字•脱字などがあれば感想を通じてお知らせください。
これからもよろしくお願いいたします。
0
お気に入りに追加
114
あなたにおすすめの小説
乙女ゲームの断罪イベントが終わった世界で転生したモブは何を思う
ひなクラゲ
ファンタジー
ここは乙女ゲームの世界
悪役令嬢の断罪イベントも終わり、無事にエンディングを迎えたのだろう…
主人公と王子の幸せそうな笑顔で…
でも転生者であるモブは思う
きっとこのまま幸福なまま終わる筈がないと…
【完結】王女様の暇つぶしに私を巻き込まないでください
むとうみつき
ファンタジー
暇を持て余した王女殿下が、自らの婚約者候補達にゲームの提案。
「勉強しか興味のない、あのガリ勉女を恋に落としなさい!」
それって私のことだよね?!
そんな王女様の話しをうっかり聞いてしまっていた、ガリ勉女シェリル。
でもシェリルには必死で勉強する理由があって…。
長編です。
よろしくお願いします。
カクヨムにも投稿しています。
メインをはれない私は、普通に令嬢やってます
かぜかおる
ファンタジー
ヒロインが引き取られてきたことで、自分がラノベの悪役令嬢だったことに気が付いたシルヴェール
けど、メインをはれるだけの実力はないや・・・
だから、この世界での普通の令嬢になります!
↑本文と大分テンションの違う説明になってます・・・
魔道具作ってたら断罪回避できてたわw
かぜかおる
ファンタジー
転生して魔法があったからそっちを楽しんで生きてます!
って、あれまあ私悪役令嬢だったんですか(笑)
フワッと設定、ざまあなし、落ちなし、軽〜く読んでくださいな。
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
義母に毒を盛られて前世の記憶を取り戻し覚醒しました、貴男は義妹と仲良くすればいいわ。
克全
ファンタジー
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
11月9日「カクヨム」恋愛日間ランキング15位
11月11日「カクヨム」恋愛週間ランキング22位
11月11日「カクヨム」恋愛月間ランキング71位
11月4日「小説家になろう」恋愛異世界転生/転移恋愛日間78位
異世界転生雑学無双譚 〜転生したのにスキルとか貰えなかったのですが〜
芍薬甘草湯
ファンタジー
エドガーはマルディア王国王都の五爵家の三男坊。幼い頃から神童天才と評されていたが七歳で前世の知識に目覚め、図書館に引き篭もる事に。
そして時は流れて十二歳になったエドガー。祝福の儀にてスキルを得られなかったエドガーは流刑者の村へ追放となるのだった。
【カクヨムにも投稿してます】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる