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あと一歩が遠いよ
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私の発言に、何か思うところがあるのか黙ってしまった貴族+王族の二人。うーん、沈黙が痛い。そんな中、おもーい空気を蹴破る存在が。
……なんでまだ待ってる人が居るんすか……?
「遅い!!」
「いや、私に言われても……」
荷馬車が一台増えた状態で、やっと王都の門までやって来たらまた一難。そこには煌びやかな馬車が人目をはばからず止まってましたとさ。なんでやねん!
ちょっぴり……いや、かなり嫌な予感を覚えながら近づくと、おもむろに馬車の扉が開き、中から一人の女性が現れた。……自分で馬車から降りれるんですねブランシュお嬢様。
そしてさっきの発言。私のせいじゃ無いもん。というか、なんでみんなバラバラに現れるんですか。いっぺんに来てくれれば遅れたりしないのに。
それにしてもお嬢様の格好は前世のアニメとかで見た女冒険者の格好かな。首がつまったアンダーに革鎧ぽいのを上から着て、下はパンツに膝当てを付け、ローブを羽織っている。流石にもも丸出しのミニスカとか、ビキニアーマーとか、チューブトップみたいに乳強調した服ではないね。破廉恥だよねあの格好。あんなに肌出して戦えるわけないじゃん、ちょっと転んだだけで擦り傷だらけ、っていったらファンタジーだよ!現実じゃないよ!男の夢だよ!って怒られたっけ。……というか、何と戦うつもりですかお嬢様……
「え、だ、だって旅装っていったらこういう格好じゃないの?」
私の格好をみて違和感に気付いたのか、急におどおどし始めるお嬢様。なんせ私の着ている服は、上はブラウスにチュニックでその上からバサッとケープを羽織って、下はスパッツぽいものを中に履いてるけど、足首まであるスカートに編み上げブーツだ。女性は足を見せちゃダメっていう貞操感があるからね。外から見た感じはどっからどう見ても田舎の村娘だと自信を持って言えるよ!誰も褒めてくんないけどね!
何せ農婦Aなんで戦闘始まったら真っ先に逃げ隠れるつもりなんで、鎧なんて邪魔以外の何物でもないしね。……そもそもお嬢様、自分で脱ぎ着出来るのかな?
「え?え、と?」
……さては形から入るタイプで後先考えてないな。前世がどうあれ、今世では着替えも自分で一切しないっていう侯爵家のお嬢様でしょ? どうすんのよ? 私は手伝わないわよ?
「勿論私が手取り足取り腰取りお手伝い致しますのでご心配無く」
「うわっ」
突然お嬢様の後ろから執事服の男が現れた。髪を綺麗に撫で付け、白手袋をしている見た目は典型的な執事だ。ポージングがキザったらしい。
「ヴァルター!! 馬鹿な事言わないの!!」
「馬鹿な事ではありません。お嬢様のお世話は旦那様より私が言いつかっておりますので」
きらーん、と歯が光る人初めて見たよ……この時代ホワイトニングとか無いのに真っ白な歯だなあ。それにしても、なんで侍女さんやメイドさんじゃなく侍従さん?
「ウチに旅に連れていける様なメイドがいなかったのよ……」
ああ、まあ一年近くかかる予定だし、侯爵家に仕えるような若い娘さん自体も良いとこのお嬢様だろうしね。身分と背景がハッキリしてて、能力もあるメイドを突然旅にとなると厳しいのかもね。……だとしても、私ならこの人みたいなのは連れてかないけどなあ。それこそ旅に出るのに執事服着てくる人が居ると思わなかったよ。
「わたくしだって思わなかったわよ……」
「というか、そもそもなんでお嬢様が居るんですか」
「今さら!」
なんとなく予想は付くけど、このお嬢様の場合斜め上をいきそうな気もするし。
……なんでまだ待ってる人が居るんすか……?
「遅い!!」
「いや、私に言われても……」
荷馬車が一台増えた状態で、やっと王都の門までやって来たらまた一難。そこには煌びやかな馬車が人目をはばからず止まってましたとさ。なんでやねん!
ちょっぴり……いや、かなり嫌な予感を覚えながら近づくと、おもむろに馬車の扉が開き、中から一人の女性が現れた。……自分で馬車から降りれるんですねブランシュお嬢様。
そしてさっきの発言。私のせいじゃ無いもん。というか、なんでみんなバラバラに現れるんですか。いっぺんに来てくれれば遅れたりしないのに。
それにしてもお嬢様の格好は前世のアニメとかで見た女冒険者の格好かな。首がつまったアンダーに革鎧ぽいのを上から着て、下はパンツに膝当てを付け、ローブを羽織っている。流石にもも丸出しのミニスカとか、ビキニアーマーとか、チューブトップみたいに乳強調した服ではないね。破廉恥だよねあの格好。あんなに肌出して戦えるわけないじゃん、ちょっと転んだだけで擦り傷だらけ、っていったらファンタジーだよ!現実じゃないよ!男の夢だよ!って怒られたっけ。……というか、何と戦うつもりですかお嬢様……
「え、だ、だって旅装っていったらこういう格好じゃないの?」
私の格好をみて違和感に気付いたのか、急におどおどし始めるお嬢様。なんせ私の着ている服は、上はブラウスにチュニックでその上からバサッとケープを羽織って、下はスパッツぽいものを中に履いてるけど、足首まであるスカートに編み上げブーツだ。女性は足を見せちゃダメっていう貞操感があるからね。外から見た感じはどっからどう見ても田舎の村娘だと自信を持って言えるよ!誰も褒めてくんないけどね!
何せ農婦Aなんで戦闘始まったら真っ先に逃げ隠れるつもりなんで、鎧なんて邪魔以外の何物でもないしね。……そもそもお嬢様、自分で脱ぎ着出来るのかな?
「え?え、と?」
……さては形から入るタイプで後先考えてないな。前世がどうあれ、今世では着替えも自分で一切しないっていう侯爵家のお嬢様でしょ? どうすんのよ? 私は手伝わないわよ?
「勿論私が手取り足取り腰取りお手伝い致しますのでご心配無く」
「うわっ」
突然お嬢様の後ろから執事服の男が現れた。髪を綺麗に撫で付け、白手袋をしている見た目は典型的な執事だ。ポージングがキザったらしい。
「ヴァルター!! 馬鹿な事言わないの!!」
「馬鹿な事ではありません。お嬢様のお世話は旦那様より私が言いつかっておりますので」
きらーん、と歯が光る人初めて見たよ……この時代ホワイトニングとか無いのに真っ白な歯だなあ。それにしても、なんで侍女さんやメイドさんじゃなく侍従さん?
「ウチに旅に連れていける様なメイドがいなかったのよ……」
ああ、まあ一年近くかかる予定だし、侯爵家に仕えるような若い娘さん自体も良いとこのお嬢様だろうしね。身分と背景がハッキリしてて、能力もあるメイドを突然旅にとなると厳しいのかもね。……だとしても、私ならこの人みたいなのは連れてかないけどなあ。それこそ旅に出るのに執事服着てくる人が居ると思わなかったよ。
「わたくしだって思わなかったわよ……」
「というか、そもそもなんでお嬢様が居るんですか」
「今さら!」
なんとなく予想は付くけど、このお嬢様の場合斜め上をいきそうな気もするし。
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