25 / 51
キラキラ君はショタ属性
しおりを挟む
キラキラ君はこんなところで何していたのかな?と思ったけど、再び『みー』という鳴き声で気が付いた。彼はしゃがみこんで猫の胴に白い布を巻き付けていたのだ。白い布がところどころ赤く汚れている。
「にゃんこ。いたい」
うっ。キラキラ美少年のうるうる攻撃……!!
どうやら、怪我をして弱った猫を見つけて、包帯代わりに布を巻こうとしていたみたいだけど、不器用なのか上手く巻けない様だ。結び目がゆるゆるだ。
……うう。どうしようかなあ。せっかくこれまで内緒にしてきたのになあ。実家じゃ家族が怪我した時だって我慢したんだけど。まあ、あの人達田舎の脳筋なんで、怪我くらい唾つけとけとかいうタイプだったけど。実際唾つけて治してたし。
「ちょっとどいてもらってもいい?」
猫も軽い怪我だったら自分で舐めて治すけどね。この弱々しい声からすると、ちょっとヤバそうかも。まあ、ランクス王子にはバレてるし、キラキラ君はきっと黙っててくれるだろう、うん。
私がなにをしたいのか、わかった訳では無いようだがキラキラ君は素直に私に場所を明け渡した。そっと猫に手を翳し、聖魔法を発動させる。あー、よく考えたら生き物に使ったの初めてかもしれないなあ。いつも植物にしか使ってなかったから。
「すごい」
私の魔法レベルじゃ傷を塞ぐくらいで精一杯なんどけど、この世界には獣医って存在がないし、そもそも猫なんてそこらじゅうに居るから一匹や二匹、死のうが増えようがって感じなんで、わざわざ怪我した猫を治療しようなんて人なんて居ないしね。
「まあ、こんなもんかな。っていうか、これ以上の治療は私には無理なんで。傷口は塞いだけど、流れた血は戻せないから、あとは体力勝負かな。世話するつもりなら、暖かくして、水分とらせてあげてね。食べれそうなら栄養のあるものあげてね。わかる?」
こくり、とキラキラ君が頷く。ぐ、ぐはあ……あ、頭撫でたい……歳は私と同年代の筈なのに、妙にショタ臭を感じるわ……恐ろしい子……
えーと、確かゲームでは、とある伯爵令嬢が薬物による乱痴気の末に、父親が何処の誰のともわからない双子の子供を生んだ、って設定だったかな?醜聞にしかならないので生まれてすぐから幽閉されてたんだっけ?なんで殺されなかったかといえば、まあぶっちゃけストックらしい。その伯爵家は令嬢の兄が継いでたんだけど、その兄の子供…娘は魔力を持ってなかったから。貴族にとって魔力はステータスみたいなもんで、持ってる方がアドバンテージとれるらしい。将来娘が家を継いだ時の胤にしようとしていたようだ。うーむ、お貴族様怖い。
ただ、一番の悲劇は双子が真逆の属性持ちだったことだ。顔立ちは二人そっくりなのに、兄が光、弟は闇属性だった。ストックは一人あれば、ってことで黒目黒髪の弟は気味悪がられて相当酷い虐待を受けたらしい。その結果命の危険を感じたネクラ君の魔力が暴走して伯爵家の館が倒壊、二人は助け出されたという設定だったと思う。
「にゃんこ。いたい」
うっ。キラキラ美少年のうるうる攻撃……!!
どうやら、怪我をして弱った猫を見つけて、包帯代わりに布を巻こうとしていたみたいだけど、不器用なのか上手く巻けない様だ。結び目がゆるゆるだ。
……うう。どうしようかなあ。せっかくこれまで内緒にしてきたのになあ。実家じゃ家族が怪我した時だって我慢したんだけど。まあ、あの人達田舎の脳筋なんで、怪我くらい唾つけとけとかいうタイプだったけど。実際唾つけて治してたし。
「ちょっとどいてもらってもいい?」
猫も軽い怪我だったら自分で舐めて治すけどね。この弱々しい声からすると、ちょっとヤバそうかも。まあ、ランクス王子にはバレてるし、キラキラ君はきっと黙っててくれるだろう、うん。
私がなにをしたいのか、わかった訳では無いようだがキラキラ君は素直に私に場所を明け渡した。そっと猫に手を翳し、聖魔法を発動させる。あー、よく考えたら生き物に使ったの初めてかもしれないなあ。いつも植物にしか使ってなかったから。
「すごい」
私の魔法レベルじゃ傷を塞ぐくらいで精一杯なんどけど、この世界には獣医って存在がないし、そもそも猫なんてそこらじゅうに居るから一匹や二匹、死のうが増えようがって感じなんで、わざわざ怪我した猫を治療しようなんて人なんて居ないしね。
「まあ、こんなもんかな。っていうか、これ以上の治療は私には無理なんで。傷口は塞いだけど、流れた血は戻せないから、あとは体力勝負かな。世話するつもりなら、暖かくして、水分とらせてあげてね。食べれそうなら栄養のあるものあげてね。わかる?」
こくり、とキラキラ君が頷く。ぐ、ぐはあ……あ、頭撫でたい……歳は私と同年代の筈なのに、妙にショタ臭を感じるわ……恐ろしい子……
えーと、確かゲームでは、とある伯爵令嬢が薬物による乱痴気の末に、父親が何処の誰のともわからない双子の子供を生んだ、って設定だったかな?醜聞にしかならないので生まれてすぐから幽閉されてたんだっけ?なんで殺されなかったかといえば、まあぶっちゃけストックらしい。その伯爵家は令嬢の兄が継いでたんだけど、その兄の子供…娘は魔力を持ってなかったから。貴族にとって魔力はステータスみたいなもんで、持ってる方がアドバンテージとれるらしい。将来娘が家を継いだ時の胤にしようとしていたようだ。うーむ、お貴族様怖い。
ただ、一番の悲劇は双子が真逆の属性持ちだったことだ。顔立ちは二人そっくりなのに、兄が光、弟は闇属性だった。ストックは一人あれば、ってことで黒目黒髪の弟は気味悪がられて相当酷い虐待を受けたらしい。その結果命の危険を感じたネクラ君の魔力が暴走して伯爵家の館が倒壊、二人は助け出されたという設定だったと思う。
1
お気に入りに追加
788
あなたにおすすめの小説
異世界王女に転生したけど、貧乏生活から脱出できるのか
片上尚
ファンタジー
海の事故で命を落とした山田陽子は、女神ロミア様に頼まれて魔法がある世界のとある国、ファルメディアの第三王女アリスティアに転生!
悠々自適の贅沢王女生活やイケメン王子との結婚、もしくは現代知識で無双チートを夢見て目覚めてみると、待っていたのは3食草粥生活でした…
アリスティアは現代知識を使って自国を豊かにできるのか?
痩せっぽっちの王女様奮闘記。
間違い召喚! 追い出されたけど上位互換スキルでらくらく生活
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕は20歳独身、名は小日向 連(こひなた れん)うだつの上がらないダメ男だ
ひょんなことから異世界に召喚されてしまいました。
間違いで召喚された為にステータスは最初見えない状態だったけどネットのネタバレ防止のように背景をぼかせば見えるようになりました。
多分不具合だとおもう。
召喚した女と王様っぽいのは何も持っていないと言って僕をポイ捨て、なんて世界だ。それも元の世界には戻せないらしい、というか戻さないみたいだ。
そんな僕はこの世界で苦労すると思ったら大間違い、王シリーズのスキルでウハウハ、製作で人助け生活していきます
◇
四巻が販売されました!
今日から四巻の範囲がレンタルとなります
書籍化に伴い一部ウェブ版と違う箇所がございます
追加場面もあります
よろしくお願いします!
一応191話で終わりとなります
最後まで見ていただきありがとうございました
コミカライズもスタートしています
毎月最初の金曜日に更新です
お楽しみください!

強制力がなくなった世界に残されたものは
りりん
ファンタジー
一人の令嬢が処刑によってこの世を去った
令嬢を虐げていた者達、処刑に狂喜乱舞した者達、そして最愛の娘であったはずの令嬢を冷たく切り捨てた家族達
世界の強制力が解けたその瞬間、その世界はどうなるのか
その世界を狂わせたものは

プラス的 異世界の過ごし方
seo
ファンタジー
日本で普通に働いていたわたしは、気がつくと異世界のもうすぐ5歳の幼女だった。田舎の山小屋みたいなところに引っ越してきた。そこがおさめる領地らしい。伯爵令嬢らしいのだが、わたしの多少の知識で知る貴族とはかなり違う。あれ、ひょっとして、うちって貧乏なの? まあ、家族が仲良しみたいだし、楽しければいっか。
呑気で細かいことは気にしない、めんどくさがりズボラ女子が、神様から授けられるギフト「+」に助けられながら、楽しんで生活していきます。
乙女ゲーの脇役家族ということには気づかずに……。
#不定期更新 #物語の進み具合のんびり
#カクヨムさんでも掲載しています

この度異世界に転生して貴族に生まれ変わりました
okiraku
ファンタジー
地球世界の日本の一般国民の息子に生まれた藤堂晴馬は、生まれつきのエスパーで透視能力者だった。彼は親から独立してアパートを借りて住みながら某有名国立大学にかよっていた。4年生の時、酔っ払いの無免許運転の車にはねられこの世を去り、異世界アールディアのバリアス王国貴族の子として転生した。幸せで平和な人生を今世で歩むかに見えたが、国内は王族派と貴族派、中立派に分かれそれに国王が王位継承者を定めぬまま重い病に倒れ王子たちによる王位継承争いが起こり国内は不安定な状態となった。そのため貴族間で領地争いが起こり転生した晴馬の家もまきこまれ領地を失うこととなるが、もともと転生者である晴馬は逞しく生き家族を支えて生き抜くのであった。

世の中は意外と魔術で何とかなる
ものまねの実
ファンタジー
新しい人生が唐突に始まった男が一人。目覚めた場所は人のいない森の中の廃村。生きるのに精一杯で、大層な目標もない。しかしある日の出会いから物語は動き出す。
神様の土下座・謝罪もない、スキル特典もレベル制もない、転生トラックもそれほど走ってない。突然の転生に戸惑うも、前世での経験があるおかげで図太く生きられる。生きるのに『隠してたけど実は最強』も『パーティから追放されたから復讐する』とかの設定も必要ない。人はただ明日を目指して歩くだけで十分なんだ。
『王道とは歩むものではなく、その隣にある少しずれた道を歩くためのガイドにするくらいが丁度いい』
平凡な生き方をしているつもりが、結局騒ぎを起こしてしまう男の冒険譚。困ったときの魔術頼み!大丈夫、俺上手に魔術使えますから。※主人公は結構ズルをします。正々堂々がお好きな方はご注意ください。

野草から始まる異世界スローライフ
深月カナメ
ファンタジー
花、植物に癒されたキャンプ場からの帰り、事故にあい異世界に転生。気付けば子供の姿で、名前はエルバという。
私ーーエルバはスクスク育ち。
ある日、ふれた薬草の名前、効能が頭の中に聞こえた。
(このスキル使える)
エルバはみたこともない植物をもとめ、魔法のある世界で優しい両親も恵まれ、私の第二の人生はいま異世界ではじまった。
エブリスタ様にて掲載中です。
表紙は表紙メーカー様をお借りいたしました。
プロローグ〜78話までを第一章として、誤字脱字を直したものに変えました。
物語は変わっておりません。
一応、誤字脱字、文章などを直したはずですが、まだまだあると思います。見直しながら第二章を進めたいと思っております。
よろしくお願いします。
能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?
火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…?
24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる