転生伯爵令嬢は電気洗濯機の夢を見るか

瀬織董李

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5.楽しい学校生活…目指して?

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 どちらにしろ本当にあまり関わり無かった。何故なら義兄は既に全寮制の学校に通ってるからだ。今日は義妹である私に会わせるために休みを利用してわざわざ呼び寄せたらしい。どうやらその所為で休みが潰れてお怒りなのだそうな。要らん事しなくても良かったのに。義兄が通ってる学校は貴族の子女が主に身分の上下に対する礼儀作法や集団コミュニケーションを学ぶのが目的なのだそうで、特に今年は王族と大貴族の子息が入学した関係で色々と大変なんだそうだ。

 二つ歳上の義兄は現在十五歳。寄宿学校は十五歳からで三年間。義兄はまだ入学したばかり。で、卒業と同時に成人だそうだ。て事は私が入学したら一年は被るのか。うわ物凄くイヤな予感。そうなると私の入学までの二年間は、学力とマナーの基礎取得に費やすしかないのか。非常にやる気が出ない。これならお布団や洗濯物干したりする方が気が楽だ。

 嘆いてても仕方ないので、父に頼んで家庭教師を手配してもらう。基本的な礼儀作法は母さんに教えて貰ったけど男爵家レベルだし、勉強に関してはからきしだ。幼児教育からだけど、二年で間に合うかなあ。

 幸いというか、女性はあまり学力は重視されないらしいので、何とかなるだろうと言われた。十三にもなって幼児教育からなんて馬鹿にされるかと思ったけど、平民の子を引き取って教育することは時々あるらしい。え、怖いな貴族。私みたいに血縁あるならわかるけど、全くの平民なら引き取ってどうするんだろう。それともガチで庶子だらけ? と聞いたら滅多なことを言うもんじゃないと怒られてしまった。

 それからは毎日午前中座学。昼休み挟んで午後からマナー講座。学校でもそんな感じらしい。マナーなんてそんなに覚えることあんの? と思ってたけど、あるんだなこれが。基本的な食事時のマナーとかはともかく、下級の家と同級の家、上級の家、そして王族に対して全て対応が違うんだそうだ。大体貴族の家に生まれた子供は、学校に入るまでは同級か下級に対するマナーを自宅で学び、成人までの間に学校でそれ以外の対応を学ぶとのこと。まあ、王族に対するマナーなんて自分から近づかなきゃ一生必要ない気がするけどね。

 そういう訳でこの二年間はひたすらマナーレッスンと勉強あとは時々ワルツの練習に邁進した。学校進学に必要な学力としては、一番は語学、次に自国の歴史。語学は自国含め最低三カ国語は必要らしい。男性は数学も必須だけど、女性は要らんそうだ。そこら辺男尊女卑だけど前世で割とガチで数字が苦手だったので助かった。代わりに女性は弦楽器の演奏が必要で困ったけど。なんで弦楽器必須かと言うと、お茶会の余興で皆演奏するんだそうな。うわ超面倒臭い。

 ピアノなんて前世の学校でふざけて猫踏んじゃったを弾いたことしかないし、当然バイオリンやハープなんて触った事すらない。取り敢えず叩けば音の出るピアノをちょこちょこ練習した。別にピアニストになる訳じゃないから、それなりでいいらしいし。ただ、毎回同じ曲だと馬鹿にされるから、レパートリーは多少必要らしいので、譜面覚える方が大変だったけど。ちなみにバイオリンも試してみたけど……アレは無理だ。破壊音しか出なかった。
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