【電子書籍化決定!】生産性厨が異世界で国造り~授けられた能力は手から何でも出せる能力でした~

天樹 一翔

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ポセイドンの力Ⅱ

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「いいだろう。余の力を其方に託そう。受け取るがいい」

 ポセイドンはそう言って、俺が触れたものと同じエネルギー体を差し出してきた。俺はそれをポセイドンから受け取った。

 改めて思う。凄いエネルギーだ。例えようの無い膨大なエネルギー量だ。

「ポセイドンは神の中でも相当な実力者だ。そのエネルギーの集合体は、超新星爆発くらいのエネルギー量がある」

「――ちょっと何言ってるか分からない」

 話がぶっ飛びすぎてついていけなかったがブラフマーは更に意味の分からない事を言い始めた。

「ええい!」と言った後にブラフマーはこう続けた。

「この世界がある宇宙を生み出したのは私、ヴィシュヌ、シヴァの三人だ。つまり神の力とは宇宙に存在するエネルギーと何ら変わらないのだ。神の中でも強さの序列があるが、ポセイドンはそのなかでもトップクラスの実力者。坊主に渡す力でさそれほどのエネルギー量があるという訳だが――」

 ブラフマーはそう言いながらポセイドンを見た。

「それにしても膨大なエネルギーだな。まさか既に覚醒している状態では?」

「私の力をそのまま渡していますからね」

「やっぱり。ポセイドンの力をほぼそのまま使えるみたいだ。有難く受け取れ」

 と、言われたが話があまりにもぶっ飛び過ぎててよく分からなくなっていた。

 数秒考えて気付くことがあった。そうだ。光の速さで移動できるんだ。つまり宇宙に存在するモノと比較できるのだと――。何なら光以上の速さで動くことができるしな。

「ぼさっとしてないで、さっさと自分の身体に入れろ。そのエネルギー体を心臓にめがけてそのまま取り入れるイメージだ」

 ブラフマーの指示通り、俺はポセイドンの力を体内に取り込んだ。

 その瞬間だった。自分でも信じられない程力がみなぎってきた。湯水のように湧き上がるこのエネルギーは、今なら何でも出来そうな気がする! っていう状態だ。そして特に驚きなのが、MP量が飛躍的に上がった事だ。マーズベルでMP量が多いミクちゃんとデアを優に超えてしまっている。

「其方に与えた力は海内無双ポセイドン。海を――と、言うより水を自在に操る事ができる。また、余が所有している三叉の矛トライデントで、地震や嵐を引き起こすことができる。三叉の矛トライデントを出現させる方法はイメージをするだけ。創造主ザ・クリエイターと同じ要領でやればいい。地震や嵐の破壊力もイメージ通りに放つことができる。他の能力としては、水の中であれば如何なる妨害があっても自在に動くことができる。海の上、また海の中であれば瞬間移動も可能だ」

「出来る事めちゃくちゃ多いな――」

「海の中であれば、ポセイドンの右に出る者はいない。海中戦闘なら力が飛躍的に上がるぞ」

 そうブラフマーが付け加えた。

「あくまで海の中だけだよな?」

「そうだ。流石に破壊神シヴァのようにいつでも発動できる訳では無いがな」

 ブラフマーの説明の後、ポセイドンが口を開く。

「他には海洋生物と話す事も可能だ。三叉の矛トライデントを持ちながら海の中にいれば、それだけで海洋生物は其方の命令に従う。あとは変身能力もある。魔物であれば姿を変える事ができる。但し、人間に変身する事ができないから覚えておくように。固有の技に関しては慣れれば分かってくると思う。ブラフマー様の力と相性も良いから、力を掛け合わせて是非活用してほしい」

「パッシブスキルとユニークスキルは手に入れている。あとはアクティブスキルとアルティメットスキルだけを入手すればいい」

「ユニークスキルだけで言うと、最大限って事でいいんだよな?」

「そういう事だ」

 ブラフマーは俺の質問に深く頷いた。

「また、困った時は海神獣ケートスを呼ぶといい。戦闘値7,000程の余の大切なしもべだ」

「7,000!? ランベリオンと同じくらいじゃないか」

 俺がそう驚いていると、ポセイドンは首を傾げていた。

「ランベリオン? それはどんな人物だ?」

「人物じゃなくてジェネラル・ワイバーンです。飛竜の王です」

「――それは驚いた。飛竜ワイバーンでそこまでの戦闘値があるとは――」

「私のほうが驚きですよ。7,000の魔物が自在に扱えるなんて」

「それもそうだな」

 と、ポセイドンの口角は少し吊り上がっていた。

「説明はこのくらいだ。何か不明点はあるか?」

 ポセイドンは俺にそう問いかけてきた。不明点――俺が気になるのは地震や嵐を起こせるって言っていたけど、果たしてどれほどの威力があるのか? という素朴な疑問だった。

「水を自在に扱えるとはどのよう自在に扱えるのでしょうか? また、地震や嵐はどれほどの威力なのでしょうか?」

「ふむ。威力に関しての質問だな。水に関しては思った事が全て実現する。渦潮を巻き起こす事も、高さ100mの津波を起こす事も可能だ。嵐に関しては余が出現させた嵐で時速2,000km程の風速がある嵐を巻き起こした事がある。地震についてはいくらだったか――」

 ポセイドンが考えているところ、ブラフマーが付け加えた。

「坊主がきた世界の言葉で表現するなら、震度7のマグニチュード10ってところだ」

 驚いた――。特に時速2,000km程の風速って何!? 凄すぎて想像できないけど? 軽く地球破壊できるじゃん――。その規模なら地球より大きい嵐になるのかな? いずれにしろ桁外れにも程があるだろ!

「それがもしかして常時発動出来たり――」

「その通りだ」

 そうポセイドンは頷いた。なんだろう。頭が痛くなってきた。嬉しい感情より怖い感情が勝ってる。
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