552 / 597
神の訓練Ⅲ
しおりを挟む
ブラフマーが消えろと命じたのか海と雷の攻撃は止んだ。ただ、俺は服がびしょ濡れな上に雷の攻撃のせいで服がボロボロになっていた。
俺が床に手をつきぜえぜえと息を切らしていると――。
「なんだ? 攻撃してこないのか?」
とブラフマーが煽ってきた。
「銃にこだわる必要がないな」
俺は手から黒紅煉刀を出現させた。
「刀で来るか」
「あんまり得意じゃなかったけど、黒龍との戦いで刀も相当得意になったからな。ほら、帯刀って名字に随分と相応しくなっただろ?」
「確かに」
ブラフマーはそう言って笑みを浮かべた。俺はそれと同時にブラフマーに斬りこんだ。
ブラフマーは一瞬驚いたものの、ブラフマーの首元を捉えていた俺の一刀を右手で防いだ。右手には何やら黒い鉄のグローブをしていた。
「銃より刀の方が速いじゃないか。流石の私も驚いたぞ」
「何だよそのグローブ。ただのグローブじゃないだろ」
「ああ。これか? これはヤールングレイプルと言ってな。雷神トールの所有物だ。これがまた強くてな――」
そう淡々と語り出すブラフマー。神の所有物まで出せるって本当に何でもありだな。
「喋ってられるのも今のうちだ」
俺が一度刀を鞘に納める動作を行った。本物の黒紅煉刀ではないから鞘ないけど、このアクティブスキルを発動するにはこの動作が必要。
「くるか」
俺が何の攻撃をするのか当然ながら分かっているようだ。
「無双神冥斬」
俺がそう叫ぶと俺のなかで最強クラスの刀スキルが発動した。
「ほお――なかなか凄い技だな」
「本物は圧巻ですね」
インドラもメーティスもそう讃えてくれた。しかし手応えは全く無い。
「こっちだ」
後ろからブラフマーの声が聞こえたかと思えば背中に蹴りを入れられて前方に吹き飛ばされた。
「避けたのか――!?」
後ろを振り向くと不敵な笑みを浮かべて「流石の私も無双神冥斬を喰らってしまっては結構なダメージを負うからな~」と一言。
だからと言って軽々と避けられると困るんだけど。
「くそ~。あくまで創造主の覚醒させる為の修行だもんな」
「そうだ。別にアクティブスキルをどんどん発動しても良いがそれだとこの修行の意味は無いからな」
「もっと早く――」
俺はブラフマーの懐に入るなり創造主で多種多様な武器を出現させて連続攻撃を行った。拳銃、アサルトライフル、サブマシンガン、刀、剣などなど。ありとあらゆる武器を出現させた。
「なかなかやるな」
そう言いながらも俺の攻撃を避けたりガードをしたりなど、あらゆる手法を使ってブラフマーは俺の攻撃を対処していた。ここで一つ違和感を覚える。俺の攻撃に対してあまりにも的確な処理――。
まるで俯瞰して見ているかのような動きだ。
「まるで俺の攻撃を他から見ているみたいだな。俺と全く同じなら手から出す動作は必要だし――一体どこから出しているんだ?」
俺がそう問いかけると、ブラフマーは口角を吊り上げた。
「勘がいいな。流石だな。しかし一体どのようにしているのか分からないよな?」
「あいにくな」
辺りを見渡しても、この場にいるのはブラフマーとインドラとメーティスだけ――。
「メーティスが創造神を使っている可能性は!?」
俺がそう問いかけるとブラフマーは手を叩いて笑っていた。
「それは無い。メーティスは創造神を使えないからな。しかし発想は非常に近いぞ」
「発想は近い――。じゃあ創造神を使っているのは別にいるって事か――」
俺がブツブツとそう呟きながら考えていると、ブラフマーは容赦無くAA-12を構えて発砲してきた。こんな事を言うのも何だが、自分以外の人が俺が普段使っているあらゆる武器を使ってくるのは少し不気味だ。それにスキル――と言うか能力は俺の上位互換。まるで未来の自分と戦っているみたいだ。
「他のユニークスキルを使えばもう少しマシに戦う事ができるのにな」
ブラフマーがそう呟いたので俺は「あんなり変わらないと思う」と返しながら、俺もAA-12を発砲した。まあ当たらなかったけど。
「どんどんいくぞ!」
ブラフマーはそう言って二丁拳銃を構えた。
その弾丸の威力は出鱈目なもので、一撃一撃が俺の神撃天波と何ら変わりない。勿論俺は避けるので精一杯だった。
「ふざけるな! 何で昔の神が俺以上に銃スキルが豊富なんだよ!」
「スキルじゃない! ただの力だ!」
と言って高笑いをしながら連続で広範囲のエネルギー銃弾を放ってくる。本当にいい加減にしてほしい。
「あの爺、餓鬼を相手に楽しんでいやるがな」
「まあ普段戦う事がないですもんね」
「――俺はいつもからかわれているだけだからな」
「インドラでは相手になりませんからね」
「ふざけるな! 俺の方があの餓鬼より全然強いわ!」
「はいはい。そうですね~」
とメーティスにあしらわれているインドラ。ここまでくるとちょっと可哀想だな――。
それにしても――。
ブラフマーがどのように能力を出しているのか分からない以上、知性・記憶の略奪と献上で正体を暴くしかないが、それをするくらいなら一撃を入れたほうがいいしな――。
いや――。ブラフマーのソレがもし特性ならば俺がブラフマーの特性を会得できるチャンスかもしれない。まずは、近付いてブラフマーに知性・記憶の略奪と献上を使用する。これが一番スキルの覚醒とアクティブスキル、アルティメットスキル、特性を会得できる近道だ。
「よし――」
俺は両頬をパシッと叩くと、ブラフマーは「何か企んでいるな?」と問いかけきた。
「その通りだ」
俺が床に手をつきぜえぜえと息を切らしていると――。
「なんだ? 攻撃してこないのか?」
とブラフマーが煽ってきた。
「銃にこだわる必要がないな」
俺は手から黒紅煉刀を出現させた。
「刀で来るか」
「あんまり得意じゃなかったけど、黒龍との戦いで刀も相当得意になったからな。ほら、帯刀って名字に随分と相応しくなっただろ?」
「確かに」
ブラフマーはそう言って笑みを浮かべた。俺はそれと同時にブラフマーに斬りこんだ。
ブラフマーは一瞬驚いたものの、ブラフマーの首元を捉えていた俺の一刀を右手で防いだ。右手には何やら黒い鉄のグローブをしていた。
「銃より刀の方が速いじゃないか。流石の私も驚いたぞ」
「何だよそのグローブ。ただのグローブじゃないだろ」
「ああ。これか? これはヤールングレイプルと言ってな。雷神トールの所有物だ。これがまた強くてな――」
そう淡々と語り出すブラフマー。神の所有物まで出せるって本当に何でもありだな。
「喋ってられるのも今のうちだ」
俺が一度刀を鞘に納める動作を行った。本物の黒紅煉刀ではないから鞘ないけど、このアクティブスキルを発動するにはこの動作が必要。
「くるか」
俺が何の攻撃をするのか当然ながら分かっているようだ。
「無双神冥斬」
俺がそう叫ぶと俺のなかで最強クラスの刀スキルが発動した。
「ほお――なかなか凄い技だな」
「本物は圧巻ですね」
インドラもメーティスもそう讃えてくれた。しかし手応えは全く無い。
「こっちだ」
後ろからブラフマーの声が聞こえたかと思えば背中に蹴りを入れられて前方に吹き飛ばされた。
「避けたのか――!?」
後ろを振り向くと不敵な笑みを浮かべて「流石の私も無双神冥斬を喰らってしまっては結構なダメージを負うからな~」と一言。
だからと言って軽々と避けられると困るんだけど。
「くそ~。あくまで創造主の覚醒させる為の修行だもんな」
「そうだ。別にアクティブスキルをどんどん発動しても良いがそれだとこの修行の意味は無いからな」
「もっと早く――」
俺はブラフマーの懐に入るなり創造主で多種多様な武器を出現させて連続攻撃を行った。拳銃、アサルトライフル、サブマシンガン、刀、剣などなど。ありとあらゆる武器を出現させた。
「なかなかやるな」
そう言いながらも俺の攻撃を避けたりガードをしたりなど、あらゆる手法を使ってブラフマーは俺の攻撃を対処していた。ここで一つ違和感を覚える。俺の攻撃に対してあまりにも的確な処理――。
まるで俯瞰して見ているかのような動きだ。
「まるで俺の攻撃を他から見ているみたいだな。俺と全く同じなら手から出す動作は必要だし――一体どこから出しているんだ?」
俺がそう問いかけると、ブラフマーは口角を吊り上げた。
「勘がいいな。流石だな。しかし一体どのようにしているのか分からないよな?」
「あいにくな」
辺りを見渡しても、この場にいるのはブラフマーとインドラとメーティスだけ――。
「メーティスが創造神を使っている可能性は!?」
俺がそう問いかけるとブラフマーは手を叩いて笑っていた。
「それは無い。メーティスは創造神を使えないからな。しかし発想は非常に近いぞ」
「発想は近い――。じゃあ創造神を使っているのは別にいるって事か――」
俺がブツブツとそう呟きながら考えていると、ブラフマーは容赦無くAA-12を構えて発砲してきた。こんな事を言うのも何だが、自分以外の人が俺が普段使っているあらゆる武器を使ってくるのは少し不気味だ。それにスキル――と言うか能力は俺の上位互換。まるで未来の自分と戦っているみたいだ。
「他のユニークスキルを使えばもう少しマシに戦う事ができるのにな」
ブラフマーがそう呟いたので俺は「あんなり変わらないと思う」と返しながら、俺もAA-12を発砲した。まあ当たらなかったけど。
「どんどんいくぞ!」
ブラフマーはそう言って二丁拳銃を構えた。
その弾丸の威力は出鱈目なもので、一撃一撃が俺の神撃天波と何ら変わりない。勿論俺は避けるので精一杯だった。
「ふざけるな! 何で昔の神が俺以上に銃スキルが豊富なんだよ!」
「スキルじゃない! ただの力だ!」
と言って高笑いをしながら連続で広範囲のエネルギー銃弾を放ってくる。本当にいい加減にしてほしい。
「あの爺、餓鬼を相手に楽しんでいやるがな」
「まあ普段戦う事がないですもんね」
「――俺はいつもからかわれているだけだからな」
「インドラでは相手になりませんからね」
「ふざけるな! 俺の方があの餓鬼より全然強いわ!」
「はいはい。そうですね~」
とメーティスにあしらわれているインドラ。ここまでくるとちょっと可哀想だな――。
それにしても――。
ブラフマーがどのように能力を出しているのか分からない以上、知性・記憶の略奪と献上で正体を暴くしかないが、それをするくらいなら一撃を入れたほうがいいしな――。
いや――。ブラフマーのソレがもし特性ならば俺がブラフマーの特性を会得できるチャンスかもしれない。まずは、近付いてブラフマーに知性・記憶の略奪と献上を使用する。これが一番スキルの覚醒とアクティブスキル、アルティメットスキル、特性を会得できる近道だ。
「よし――」
俺は両頬をパシッと叩くと、ブラフマーは「何か企んでいるな?」と問いかけきた。
「その通りだ」
0
お気に入りに追加
345
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
治療院の聖者様 ~パーティーを追放されたけど、俺は治療院の仕事で忙しいので今さら戻ってこいと言われてももう遅いです~
大山 たろう
ファンタジー
「ロード、君はこのパーティーに相応しくない」
唐突に主人公:ロードはパーティーを追放された。
そして生計を立てるために、ロードは治療院で働くことになった。
「なんで無詠唱でそれだけの回復ができるの!」
「これぐらいできないと怒鳴られましたから......」
一方、ロードが追放されたパーティーは、だんだんと崩壊していくのだった。
これは、一人の少年が幸せを送り、幸せを探す話である。
※小説家になろう様でも連載しております。
2021/02/12日、完結しました。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
孤児による孤児のための孤児院経営!!! 異世界に転生したけど能力がわかりませんでした
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕の名前はフィル
異世界に転生できたんだけど何も能力がないと思っていて7歳まで路上で暮らしてた
なぜか両親の記憶がなくて何とか生きてきたけど、とうとう能力についてわかることになった
孤児として暮らしていたため孤児の苦しみがわかったので孤児院を作ることから始めます
さあ、チートの時間だ
冷遇された第七皇子はいずれぎゃふんと言わせたい! 赤ちゃんの頃から努力していたらいつの間にか世界最強の魔法使いになっていました
taki210
ファンタジー
旧題:娼婦の子供と冷遇された第七皇子、赤ちゃんの頃から努力していたらいつの間にか世界最強の魔法使いになっていた件
『穢らわしい娼婦の子供』
『ロクに魔法も使えない出来損ない』
『皇帝になれない無能皇子』
皇帝ガレスと娼婦ソーニャの間に生まれた第七皇子ルクスは、魔力が少ないからという理由で無能皇子と呼ばれ冷遇されていた。
だが実はルクスの中身は転生者であり、自分と母親の身を守るために、ルクスは魔法を極めることに。
毎日人知れず死に物狂いの努力を続けた結果、ルクスの体内魔力量は拡張されていき、魔法の威力もどんどん向上していき……
『なんだあの威力の魔法は…?』
『モンスターの群れをたった一人で壊滅させただと…?』
『どうやってあの年齢であの強さを手に入れたんだ…?』
『あいつを無能皇子と呼んだ奴はとんだ大間抜けだ…』
そして気がつけば周囲を畏怖させてしまうほどの魔法使いの逸材へと成長していたのだった。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
他国から来た王妃ですが、冷遇? 私にとっては厚遇すぎます!
七辻ゆゆ
ファンタジー
人質同然でやってきたというのに、出されるご飯は母国より美味しいし、嫌味な上司もいないから掃除洗濯毎日楽しいのですが!?
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
あなたがそう望んだから
まる
ファンタジー
「ちょっとアンタ!アンタよ!!アデライス・オールテア!」
思わず不快さに顔が歪みそうになり、慌てて扇で顔を隠す。
確か彼女は…最近編入してきたという男爵家の庶子の娘だったかしら。
喚き散らす娘が望んだのでその通りにしてあげましたわ。
○○○○○○○○○○
誤字脱字ご容赦下さい。もし電波な転生者に貴族の令嬢が絡まれたら。攻略対象と思われてる男性もガッチリ貴族思考だったらと考えて書いてみました。ゆっくりペースになりそうですがよろしければ是非。
閲覧、しおり、お気に入りの登録ありがとうございました(*´ω`*)
何となくねっとりじわじわな感じになっていたらいいのにと思ったのですがどうなんでしょうね?
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する
高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。
手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
スライムと異世界冒険〜追い出されたが実は強かった
Miiya
ファンタジー
学校に一人で残ってた時、突然光りだし、目を開けたら、王宮にいた。どうやら異世界召喚されたらしい。けど鑑定結果で俺は『成長』 『テイム』しかなく、弱いと追い出されたが、実はこれが神クラスだった。そんな彼、多田真司が森で出会ったスライムと旅するお話。
*ちょっとネタばれ
水が大好きなスライム、シンジの世話好きなスライム、建築もしてしまうスライム、小さいけど鉱石仕分けたり探索もするスライム、寝るのが大好きな白いスライム等多種多様で個性的なスライム達も登場!!
*11月にHOTランキング一位獲得しました。
*なるべく毎日投稿ですが日によって変わってきますのでご了承ください。一話2000~2500で投稿しています。
*パソコンからの投稿をメインに切り替えました。ですので字体が違ったり点が変わったりしてますがご了承ください。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
放置された公爵令嬢が幸せになるまで
こうじ
ファンタジー
アイネス・カンラダは物心ついた時から家族に放置されていた。両親の顔も知らないし兄や妹がいる事は知っているが顔も話した事もない。ずっと離れで暮らし自分の事は自分でやっている。そんな日々を過ごしていた彼女が幸せになる話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる