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神の訓練Ⅱ
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「さあ。攻撃を続けてみろ」
「言われなくてもやってやるよ」
俺はブラフマーの後ろに回り込みデザートイーグルで狙いを定めた。そして発砲。しかし突如現れた鉄の壁に再び阻まれる。
「明らかに速い――」
俺がそう呟くとブラフマーは鉄の壁を消して不敵な笑みを浮かべていた。
俺は黒龍との戦いを終えて、神格化のように銃や刀のパッシブスキルが統合されて、銃王と刀王というパッシブスキルを習得している。勿論、銃王の中には弾丸を光の速度で発射する事ができる光速弾のパッシブスキルも含まれている訳だが、俺が撃つ光の速さの弾丸より、ブラフマーが出現させる物体の出現のほうが圧倒的に速い訳だ。
「信じられねえ――」
それに違和感を一つ覚えた。ブラフマーは俺と同じように手をかざして物体を出現させているのか?
そもそもの話だ。ブラフマーは立っているだけ。手を動かしているようには思えなかった。
「くそ、分からない事が多すぎる」
「どうした?」
と、まるで俺を遊んでいるかのようなブラフマー。
「私に一撃すら与える事ができなければ、ミロクやウィズダムには到底勝てないぞ」
「分かってるさ」
結構強くなったと思ったのに一撃を入れるというのがこれほど困難だとは夢にも思わなかった。まずは動作無しでどこからともなく俺の攻撃を防ぐモノが現れる謎を解明しないとな。
「果たして気付くだろうか」
インドラがそうポロっと口に出した。メーティスは「どうでしょうか?」と笑みを浮かべていた。気付くだろうか? というコメントは何らかの仕掛けがあるのに違いない。ブラフマーの動きに集中しよう。
「今度は私からいくぞ」
ブラフマーはそう言って笑みを浮かべていた。しかし、攻撃は――。
俺がそれに気づいたのは不審な影が突如頭上に現れたからだ。俺の頭上10m程から現れたのは無数のナイフ。半径500mの広範囲攻撃だった。
「あぶねえ」
「遅いぞ」
火薬のニオイと共に俺の肩から下が吹き飛んだ。別に痛くないし一瞬で再生したから問題ないけど、通常であれば致命傷を負う? いや、死んでいたかもしれない一撃を与えられたのだ。
「痛みを与えるのは流石に可哀想だからな」
と、言ってブラフマーは自分より巨大な銃を地面に立てていた。こんな銃――俺は見たことが無い。まるで巨大な槍のような銃だ。
「何? その銃?」
「パントガンという銃だ。知らないのか? そっちの世界で水鳥を捕獲する為に使われていたらしいぞ」
「嘘だろ。ほぼ大砲じゃねえか」
「そうだろ? こんなものがあれば水鳥なんか一網打尽だ」
と得意気に話すブラフマーだったが、一番の驚きは銃などの知識もあることだ。
「こんなものも出せるぞ?」
ブラフマーはいきなり何かを投げてきた。天眼で物体の正体が分かった頃には俺はもう避ける事ができなかった為顔を手で覆って防いだ。直撃した瞬間に俺は爆炎に包み込まれた。
「くそ……なかなか攻撃できない。まさかC4を投げてくるとは――」
「坊主を見守っていて、面白い武器を多く見てきたからな。この武器もお手軽な割には相当な威力がある」
とブラフマーはC4を気に入っているようだった。
「ブラフマー。それ、因みにだけど俺達の世界では人を一人倒すためにある武器じゃなくて、家とかビルのフロアを吹き飛ばしたりするやつだからな」
「――だろうな」
と軽いブラフマー。本当に同じZ級で良かったなと心底思う。まともに戦っていたら命がいくつあっても足りない。
「攻撃は最大の防御なり」
「それ俺のところのことわざ!」
とツッコミを入れると同時に無数のスペツナズナイフを発射してきた。出現させる動作が無いというメリットを最大限に生かして次々と攻撃を仕掛けてくるブラフマー。
俺はしばらくの間ブラフマーの多彩な攻撃に苦戦を虐げられていた。
「流石にあの餓鬼も爺には勝てないか」
「まあ私よりかは強いですよ? ナリユキ君は」
「メーティスは神なのに弱すぎるんだ」
「仕方ないじゃないですか。私は戦闘タイプじゃないんですよ?」
「――戯言だな」
「あ! 今面倒くさい女だなって思ったでしょ? いけませんよ。そんなにツンツンしていたらと~」
と、メーティスとインドラは何かじゃれ合っていた。感覚的にはメーティスがお姉ちゃんで、インドラが弟のような感覚。インドラって英雄神だから結構イケてる青年やイケてるオジさんのイメージがあったけど意外とそうでもないんだな。
「どんどんかかってこい」
と高笑いをしながらブラフマーは炎の玉をバシバシと投げてきた。しかもその大きさは直径10m程の炎だ。黒いか黒くないかの違いで黒滅龍炎弾と何ら変わりないのが性質悪い。
「黒龍の技ってもしかして?」
「私が黒龍をこの世に解き放ったからな!」
と自慢気に話すブラフマーだった。この感じだと青龍さんが使う技もブラフマーがベースだな――。
「坊主も分かっているだろ? このスキルは知識があるほど選択の幅が広がる無限の可能性を秘めた能力。神である私が坊主より物を知らないなんて事はない」
ブラフマーがそう言った瞬間、突如俺を包み込んだ荒波。いきなりこの空間で海を出しやがった。
「これは少しは痛い筈だぞ?」
俺が荒波に飲まれているなか、さらなる追い打ちブラフマーがかけてきた。海に雷が落ちたようだ。海の中が光り始めたと思えば、俺は全身痺れながら焼けるような痛みを覚えた。
勿論分かっていたけどこれらは全て本物だ。海水の味がするし、水圧も半端ないので動きが重たくなる。俺が動きが鈍くなるくらいだ。水深1000m以上の水深設定しているに違いない。
これが創造神ブラフマー。
「言われなくてもやってやるよ」
俺はブラフマーの後ろに回り込みデザートイーグルで狙いを定めた。そして発砲。しかし突如現れた鉄の壁に再び阻まれる。
「明らかに速い――」
俺がそう呟くとブラフマーは鉄の壁を消して不敵な笑みを浮かべていた。
俺は黒龍との戦いを終えて、神格化のように銃や刀のパッシブスキルが統合されて、銃王と刀王というパッシブスキルを習得している。勿論、銃王の中には弾丸を光の速度で発射する事ができる光速弾のパッシブスキルも含まれている訳だが、俺が撃つ光の速さの弾丸より、ブラフマーが出現させる物体の出現のほうが圧倒的に速い訳だ。
「信じられねえ――」
それに違和感を一つ覚えた。ブラフマーは俺と同じように手をかざして物体を出現させているのか?
そもそもの話だ。ブラフマーは立っているだけ。手を動かしているようには思えなかった。
「くそ、分からない事が多すぎる」
「どうした?」
と、まるで俺を遊んでいるかのようなブラフマー。
「私に一撃すら与える事ができなければ、ミロクやウィズダムには到底勝てないぞ」
「分かってるさ」
結構強くなったと思ったのに一撃を入れるというのがこれほど困難だとは夢にも思わなかった。まずは動作無しでどこからともなく俺の攻撃を防ぐモノが現れる謎を解明しないとな。
「果たして気付くだろうか」
インドラがそうポロっと口に出した。メーティスは「どうでしょうか?」と笑みを浮かべていた。気付くだろうか? というコメントは何らかの仕掛けがあるのに違いない。ブラフマーの動きに集中しよう。
「今度は私からいくぞ」
ブラフマーはそう言って笑みを浮かべていた。しかし、攻撃は――。
俺がそれに気づいたのは不審な影が突如頭上に現れたからだ。俺の頭上10m程から現れたのは無数のナイフ。半径500mの広範囲攻撃だった。
「あぶねえ」
「遅いぞ」
火薬のニオイと共に俺の肩から下が吹き飛んだ。別に痛くないし一瞬で再生したから問題ないけど、通常であれば致命傷を負う? いや、死んでいたかもしれない一撃を与えられたのだ。
「痛みを与えるのは流石に可哀想だからな」
と、言ってブラフマーは自分より巨大な銃を地面に立てていた。こんな銃――俺は見たことが無い。まるで巨大な槍のような銃だ。
「何? その銃?」
「パントガンという銃だ。知らないのか? そっちの世界で水鳥を捕獲する為に使われていたらしいぞ」
「嘘だろ。ほぼ大砲じゃねえか」
「そうだろ? こんなものがあれば水鳥なんか一網打尽だ」
と得意気に話すブラフマーだったが、一番の驚きは銃などの知識もあることだ。
「こんなものも出せるぞ?」
ブラフマーはいきなり何かを投げてきた。天眼で物体の正体が分かった頃には俺はもう避ける事ができなかった為顔を手で覆って防いだ。直撃した瞬間に俺は爆炎に包み込まれた。
「くそ……なかなか攻撃できない。まさかC4を投げてくるとは――」
「坊主を見守っていて、面白い武器を多く見てきたからな。この武器もお手軽な割には相当な威力がある」
とブラフマーはC4を気に入っているようだった。
「ブラフマー。それ、因みにだけど俺達の世界では人を一人倒すためにある武器じゃなくて、家とかビルのフロアを吹き飛ばしたりするやつだからな」
「――だろうな」
と軽いブラフマー。本当に同じZ級で良かったなと心底思う。まともに戦っていたら命がいくつあっても足りない。
「攻撃は最大の防御なり」
「それ俺のところのことわざ!」
とツッコミを入れると同時に無数のスペツナズナイフを発射してきた。出現させる動作が無いというメリットを最大限に生かして次々と攻撃を仕掛けてくるブラフマー。
俺はしばらくの間ブラフマーの多彩な攻撃に苦戦を虐げられていた。
「流石にあの餓鬼も爺には勝てないか」
「まあ私よりかは強いですよ? ナリユキ君は」
「メーティスは神なのに弱すぎるんだ」
「仕方ないじゃないですか。私は戦闘タイプじゃないんですよ?」
「――戯言だな」
「あ! 今面倒くさい女だなって思ったでしょ? いけませんよ。そんなにツンツンしていたらと~」
と、メーティスとインドラは何かじゃれ合っていた。感覚的にはメーティスがお姉ちゃんで、インドラが弟のような感覚。インドラって英雄神だから結構イケてる青年やイケてるオジさんのイメージがあったけど意外とそうでもないんだな。
「どんどんかかってこい」
と高笑いをしながらブラフマーは炎の玉をバシバシと投げてきた。しかもその大きさは直径10m程の炎だ。黒いか黒くないかの違いで黒滅龍炎弾と何ら変わりないのが性質悪い。
「黒龍の技ってもしかして?」
「私が黒龍をこの世に解き放ったからな!」
と自慢気に話すブラフマーだった。この感じだと青龍さんが使う技もブラフマーがベースだな――。
「坊主も分かっているだろ? このスキルは知識があるほど選択の幅が広がる無限の可能性を秘めた能力。神である私が坊主より物を知らないなんて事はない」
ブラフマーがそう言った瞬間、突如俺を包み込んだ荒波。いきなりこの空間で海を出しやがった。
「これは少しは痛い筈だぞ?」
俺が荒波に飲まれているなか、さらなる追い打ちブラフマーがかけてきた。海に雷が落ちたようだ。海の中が光り始めたと思えば、俺は全身痺れながら焼けるような痛みを覚えた。
勿論分かっていたけどこれらは全て本物だ。海水の味がするし、水圧も半端ないので動きが重たくなる。俺が動きが鈍くなるくらいだ。水深1000m以上の水深設定しているに違いない。
これが創造神ブラフマー。
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