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学校の設立Ⅰ
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俺は学校が嫌いだった。と言うより勉強が嫌いだった。よく大人が勉強はしっかりとしておけ。いい大学に出ていい会社で勤めなさい。と誰もが一度は親に言われた事があるだろう。
だから、その反発心なのだろうか。俺は昔から漫画やアニメ、ゲームなどと言った娯楽を楽しみ、勉強なんてあまりしてこなかった。勉強が楽しいと思い始めたのは社会人になってからだ。
ロクに勉強してこなかった俺は特にいい大学に入学した訳ではなかったので、就職活動もなかなか困難なものだった。今のようにコミュニケーション能力も、傾聴力も、交渉力もあった訳では無い。社会人で営業になり泥臭い努力を積み重ねて、ようやくそこそこのレベルになっただけ。
勉強――もっと言えば知識とは財産。できなかった事ができるようになる為の過程でもある。誰しもこの分野について知りたいという欲はある筈なんだ。けれども学校でする勉強が嫌いな人が多い。それは何故か? 自分がしたいと思ってするのではなく、目的も無く無理やり物事を覚えさせられているからに過ぎない。学校の勉強するくらいならソクラテスやニーチェを読んでいる方がずっと面白い――なんて変人もいるかもしれない。いや、多分一学年に一人くらいはいると思う。
大人達は勉強をする意味を掘り下げて教えてくれる人があまりにも少ない。
俺が思うに、学校の勉強をしっかりする意味は職業や職場の選択肢が広がるからだと思う。もっと言うならば、今後どのようにして生きたいか? という人生計画の一部だ。
そもそも生きたくないと思う人は、まず楽しいと思う事や没頭する事を見つけよう。無気力な状態が続いても、何か継続をしていれば、それを見てくれる人がいて、貴方を認めてくれる人が必ずいるよ? その人を見つけることができたら、きっと生きてみようって気持ちが溢れ出てくるんだけど、普通に生きたいと思う人は、お金持ちになりたいのか? 趣味を充実させたいのか? 格好いい大人になりたいのか? まあ、色々と理想の働き方がある。
例えば、定時で帰れて新卒で年収350万円以上を貰おうとしよう。するとある程度高学歴でなければならない。ましてやこの年収を新卒で貰おうとすると、上場企業レベルの会社に勤めることが必須になる。一般的には学歴と地頭の良さはある程度比例してくるので、高学歴な人ほど受け答えがしっかりていてコミュニケーション能力が高い傾向にある。その上、分析力や課題解決能力も高いので、社会人にとっての必須スキルが高い。いわゆる優秀な人材になれる訳だ。なので学歴フィルターというものが存在する。良い大学に出ているから一度会って話してみよう――となる訳だし、ある程度の文章力がないと書類選考で落とされる。
倍率の高い会社なら、募集要項には大卒以上と書かれている事が殆ど。高卒、短大、専門卒は一度社会人経験を積んで回り道しないといけない。つまり、企業を選ぶ側ではなく選ばれる側になる。勉強をしていないと茨の道を進むことになり、社会人一年目で苦しい思いをする事になる。
普通の人は馬車馬のように働きたくない。残業ばかりで過労が続くとアマミヤのように自殺を選択する人もいる。アマミヤの場合は世間で言う良い会社に勤めていたので、これはこれで別問題になる訳だが、辛い思いをする確率が高い中小企業を選ぶくらいなら、学生の頃から勉強をしっかりして、世間で言う大企業の良い会社に勤めた方がいい。職業を選択できる立場にあるというのはそれほど素晴らしい事だ。
つまり、初めての職場というのはそれほど今後の人生を大きく左右する選択となる。選ぶのではなく選ぶ立場になる為、勉強は必要不可欠。
そして教える側は情熱を持たないといけない。俺がデアの提案でやる気が出たのは、学校を設立して勉学に励んでもらう事により、皆により豊かな人生を送ってもらうため。何よりマーズベルの生産性を向上させるためだ。この学校がもし他国にも評判が届けば、世界中の人が集まり、優秀な人間が輩出できて世界がより発展していく。
そう思うとまずはリリアンから近く、魔物が少ないマーズベル森林の土地を開拓する事にした。黒紅煉刀の斬撃で木々を伐採し、10,000坪程の敷地面積を確保した。つまり俺の屋敷の敷地面積と同じくらいだ。
次に学校を建てる。どうせなら通うのがワクワクする立派な学校が良い。美術館のような外観? 水族館のような外観? いや違う。この世界では転生者がいる。どの世界にも異次元さを放つ建造物はあるんだ。
「よし」
ベースは木造建築に。やぐらの屋根で屋根の塗装はメリハリをつけるために黒色にしよう。そして地上高10m程の2階建てにする事に決めた。建造物のイメージは山形県にあるショウナイホテル スイデンテラスだ。一度行ってみたいと思って結局行けてなかったからな~。イメージは検索した画像の情報しかないけど。
そのイメージ通りにするならば、田園に浮かぶホテルだから、水に囲まれた学校になるけど、安全面を考えると水に浮かぶ学校ってのは危険だ――。だからここは学校内に結界を張り、その結界内に入った瞬間に水の上に学校に視える幻を見せればいい訳だ。ただ、普通にやっていたら、ただの建造物からいきなり水に浮かぶ学校になってしまい、ワクワク感が損なわれる。だから、マーズベル森林の木々をブラインドにして、歩いていたら水の上に浮かぶ学校が現れるというのが理想だ。また、結界を張る事によって防犯にもなるので一石二鳥。あとはこの強力な結界と幻惑を創り出せる人物――。
だから、その反発心なのだろうか。俺は昔から漫画やアニメ、ゲームなどと言った娯楽を楽しみ、勉強なんてあまりしてこなかった。勉強が楽しいと思い始めたのは社会人になってからだ。
ロクに勉強してこなかった俺は特にいい大学に入学した訳ではなかったので、就職活動もなかなか困難なものだった。今のようにコミュニケーション能力も、傾聴力も、交渉力もあった訳では無い。社会人で営業になり泥臭い努力を積み重ねて、ようやくそこそこのレベルになっただけ。
勉強――もっと言えば知識とは財産。できなかった事ができるようになる為の過程でもある。誰しもこの分野について知りたいという欲はある筈なんだ。けれども学校でする勉強が嫌いな人が多い。それは何故か? 自分がしたいと思ってするのではなく、目的も無く無理やり物事を覚えさせられているからに過ぎない。学校の勉強するくらいならソクラテスやニーチェを読んでいる方がずっと面白い――なんて変人もいるかもしれない。いや、多分一学年に一人くらいはいると思う。
大人達は勉強をする意味を掘り下げて教えてくれる人があまりにも少ない。
俺が思うに、学校の勉強をしっかりする意味は職業や職場の選択肢が広がるからだと思う。もっと言うならば、今後どのようにして生きたいか? という人生計画の一部だ。
そもそも生きたくないと思う人は、まず楽しいと思う事や没頭する事を見つけよう。無気力な状態が続いても、何か継続をしていれば、それを見てくれる人がいて、貴方を認めてくれる人が必ずいるよ? その人を見つけることができたら、きっと生きてみようって気持ちが溢れ出てくるんだけど、普通に生きたいと思う人は、お金持ちになりたいのか? 趣味を充実させたいのか? 格好いい大人になりたいのか? まあ、色々と理想の働き方がある。
例えば、定時で帰れて新卒で年収350万円以上を貰おうとしよう。するとある程度高学歴でなければならない。ましてやこの年収を新卒で貰おうとすると、上場企業レベルの会社に勤めることが必須になる。一般的には学歴と地頭の良さはある程度比例してくるので、高学歴な人ほど受け答えがしっかりていてコミュニケーション能力が高い傾向にある。その上、分析力や課題解決能力も高いので、社会人にとっての必須スキルが高い。いわゆる優秀な人材になれる訳だ。なので学歴フィルターというものが存在する。良い大学に出ているから一度会って話してみよう――となる訳だし、ある程度の文章力がないと書類選考で落とされる。
倍率の高い会社なら、募集要項には大卒以上と書かれている事が殆ど。高卒、短大、専門卒は一度社会人経験を積んで回り道しないといけない。つまり、企業を選ぶ側ではなく選ばれる側になる。勉強をしていないと茨の道を進むことになり、社会人一年目で苦しい思いをする事になる。
普通の人は馬車馬のように働きたくない。残業ばかりで過労が続くとアマミヤのように自殺を選択する人もいる。アマミヤの場合は世間で言う良い会社に勤めていたので、これはこれで別問題になる訳だが、辛い思いをする確率が高い中小企業を選ぶくらいなら、学生の頃から勉強をしっかりして、世間で言う大企業の良い会社に勤めた方がいい。職業を選択できる立場にあるというのはそれほど素晴らしい事だ。
つまり、初めての職場というのはそれほど今後の人生を大きく左右する選択となる。選ぶのではなく選ぶ立場になる為、勉強は必要不可欠。
そして教える側は情熱を持たないといけない。俺がデアの提案でやる気が出たのは、学校を設立して勉学に励んでもらう事により、皆により豊かな人生を送ってもらうため。何よりマーズベルの生産性を向上させるためだ。この学校がもし他国にも評判が届けば、世界中の人が集まり、優秀な人間が輩出できて世界がより発展していく。
そう思うとまずはリリアンから近く、魔物が少ないマーズベル森林の土地を開拓する事にした。黒紅煉刀の斬撃で木々を伐採し、10,000坪程の敷地面積を確保した。つまり俺の屋敷の敷地面積と同じくらいだ。
次に学校を建てる。どうせなら通うのがワクワクする立派な学校が良い。美術館のような外観? 水族館のような外観? いや違う。この世界では転生者がいる。どの世界にも異次元さを放つ建造物はあるんだ。
「よし」
ベースは木造建築に。やぐらの屋根で屋根の塗装はメリハリをつけるために黒色にしよう。そして地上高10m程の2階建てにする事に決めた。建造物のイメージは山形県にあるショウナイホテル スイデンテラスだ。一度行ってみたいと思って結局行けてなかったからな~。イメージは検索した画像の情報しかないけど。
そのイメージ通りにするならば、田園に浮かぶホテルだから、水に囲まれた学校になるけど、安全面を考えると水に浮かぶ学校ってのは危険だ――。だからここは学校内に結界を張り、その結界内に入った瞬間に水の上に学校に視える幻を見せればいい訳だ。ただ、普通にやっていたら、ただの建造物からいきなり水に浮かぶ学校になってしまい、ワクワク感が損なわれる。だから、マーズベル森林の木々をブラインドにして、歩いていたら水の上に浮かぶ学校が現れるというのが理想だ。また、結界を張る事によって防犯にもなるので一石二鳥。あとはこの強力な結界と幻惑を創り出せる人物――。
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