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力を開放する黒龍Ⅳ
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魔真王を発動したアスモデウスさんはそれはもう強かった。
「俺達傍観しているだけだな」
「そうだね。私が入るとアスモデウスさんの攻撃無力化してしまうし」
ミクちゃんは闇払いがあるせいで下手に動く事ができない。
「ほう。なかなかやるなアスモデウスの奴」
ルシファーも感心しているだけで動こうとはしていなかった。アスモデウスさんと青龍さんで十分なんじゃ? そう思える程に隙が無かった。
「共鳴があるなら、ナリユキ君とルシファーさんが攻撃をして、私が後方支援しようか?」
「そうしてくれると助かる。いくぞナリユキ」
「しれっと俺に命令するのね。まあ全然OKだけど。じゃあミクちゃんお願い!」
「ほいさ!」
ミクちゃんの軽い返事が聞けた後、俺とルシファーも応戦する事になった。アスモデウスさんの共鳴のお陰で皆の行動が手に取るように分かる。
「神冥連斬」
無双神冥斬まではいかないが、混戦のこの中から避けられまいと発動したこの刀系アクティブスキルは、1秒間で100刀の連撃を繰り出すアクティブスキル。効果時間は約5秒。つまり無双神冥斬の1/10の連撃となる。
流石の黒龍も全て受けきる事はできなかったようだが、不服な事に奴の傷は直ぐに癒える。どう考えても以前より回復と修復のスピードが桁違いに早くなっている。
「ナリユキ! 色々と考えている暇はないぞ!」
そう黒龍は叫びながら俺にカウンターをしてきた。刀を振りかぶったと思えば、黒龍は空いている左拳を使って俺の顎にアッパーで一撃を入れてきた。
アッパーを入れた俺は100m程上空へ舞い上げられてしまった。
黒龍が持っている神理の効果でお互いの効果を打ち消し合うという残念な結果だ。要は俺もダメージを受けてしまい、久しぶりに痛いという感覚に襲われた。
「黒滅龍炎渦!」
黒滅の周囲に黒炎の渦が現れて、青龍さんとアスモデウスさんとルシファーを焼き尽くした。それは三人を一瞬で消し炭にするには十分な火力だった。100m程上空に舞い上げられた俺でも肌が溶けそうになる程の熱風が襲ってきたくらいだ。
黒龍がアクティブスキルを発動してから、僅か0.001秒で黒炎の渦が出現して三人は反応できなかった。共鳴の効果など黒龍の前では無駄なのかもしれない。
ミクちゃんは黒龍の攻撃を受けてそのまま地面へ叩きつけられた三人に駆け寄り、女神の加護を発動。呼吸すらもままならない状態から三人は一気に回復して生還した。体力も傷も元通り。全身真っ黒こげになっていたのが嘘みたいだ。
「流石巫女の力を持つ小娘だな」
「遠慮ねえなお前」
「あれでも手加減をしていたのだぞ?」
「冗談キツイぜ」
コイツは神理を持っているせいで俺が熱無効を持っていても全く意味がない。だから、あれだけ離れているのにも関わらずできるだけ遠くへ逃げたいという気持ちが強かった。恐るべき黒龍――。
「俺様の黒炎は魔王ベリアルをも凌ぐ。どんなスキルを積んでいようと俺様の前では無力だ」
「流石火力特化で最強の龍族だな」
「少し違うな。火力特化と言っても防御スキルが無い訳では無いからな」
「――確かに」
ステータスを視る限り、黒龍にはいくつかの防御スキルを持っていた。その全てが黒炎が関係しているので、防御と攻撃を同時に行う防御アクティブスキルだ。まあ言ってしまえば攻撃は最大の防御! っやつだな。ふざけるな! 強すぎるんだよ! そもそもこいつの場合、攻撃のアクティブスキルを防御に使ったりするけど――さっきの黒滅龍炎渦のように――。
「どうしたナリユキ。かかって来ないのか?」
黒龍はそう挑発をしてきた。今の攻撃で俺が攻めあぐねているのを分かっているくせに。
「ん? 黒龍がかかってきたらどうだ?」
挑発には挑発をってやつだ。
「いいだろう」
黒龍はそう言い残した瞬間に消えた。けれども黒龍が来るのは死の領域で直ぐに分かる。あとは反応すればいいだけだ。
俺は黒龍の刀を左手に持ち替えた天を穿つ者で受け止めて、創造主で出現させた短機関銃のH&K MP5で黒龍の腹部をフルオートで撃ち尽くした。装弾数32発全て撃ち尽くすと、銃撃系の強化がかかりまくった俺の攻撃は、流石に効いたようで腹部を止血していた。そんな事をしなくても自動で再生するのに――と思ったがそれほどダメージを受けたようだ。
「やはり転生者の創造主は厄介だな。次から次へと見たことがない武器が出てくる」
「だろ?」
俺はそう言いながらH&K MP5を消して黒紅煉刀で黒龍の左肩から袈裟斬りを行った。
しかし黒龍は俺の攻撃を受けたままで終る筈がなかった。俺の視覚から突如として現れた黒龍の黒刀。
そう思っていたのも束の間。俺は自身の右肩から鮮血が噴き出ていた。もはやスプリンクラーのように――。
「いってえ……」
俺は思わずそう声を漏らした。しかしこのまま攻撃を止めていい筈が無い。どうせすぐに自分の身体は元通りになる――。
俺は左手に持っている天を穿つ者にMPを込めた。それも割と大量に。
すると天を穿つ者の銃身が神々しく光っていた。そして――。
天を穿つ者では今までに見たことが無い程の極大なエネルギー波が黒龍に襲いかかった。
アクティブスキル名は、神撃天波――らしい。
「俺達傍観しているだけだな」
「そうだね。私が入るとアスモデウスさんの攻撃無力化してしまうし」
ミクちゃんは闇払いがあるせいで下手に動く事ができない。
「ほう。なかなかやるなアスモデウスの奴」
ルシファーも感心しているだけで動こうとはしていなかった。アスモデウスさんと青龍さんで十分なんじゃ? そう思える程に隙が無かった。
「共鳴があるなら、ナリユキ君とルシファーさんが攻撃をして、私が後方支援しようか?」
「そうしてくれると助かる。いくぞナリユキ」
「しれっと俺に命令するのね。まあ全然OKだけど。じゃあミクちゃんお願い!」
「ほいさ!」
ミクちゃんの軽い返事が聞けた後、俺とルシファーも応戦する事になった。アスモデウスさんの共鳴のお陰で皆の行動が手に取るように分かる。
「神冥連斬」
無双神冥斬まではいかないが、混戦のこの中から避けられまいと発動したこの刀系アクティブスキルは、1秒間で100刀の連撃を繰り出すアクティブスキル。効果時間は約5秒。つまり無双神冥斬の1/10の連撃となる。
流石の黒龍も全て受けきる事はできなかったようだが、不服な事に奴の傷は直ぐに癒える。どう考えても以前より回復と修復のスピードが桁違いに早くなっている。
「ナリユキ! 色々と考えている暇はないぞ!」
そう黒龍は叫びながら俺にカウンターをしてきた。刀を振りかぶったと思えば、黒龍は空いている左拳を使って俺の顎にアッパーで一撃を入れてきた。
アッパーを入れた俺は100m程上空へ舞い上げられてしまった。
黒龍が持っている神理の効果でお互いの効果を打ち消し合うという残念な結果だ。要は俺もダメージを受けてしまい、久しぶりに痛いという感覚に襲われた。
「黒滅龍炎渦!」
黒滅の周囲に黒炎の渦が現れて、青龍さんとアスモデウスさんとルシファーを焼き尽くした。それは三人を一瞬で消し炭にするには十分な火力だった。100m程上空に舞い上げられた俺でも肌が溶けそうになる程の熱風が襲ってきたくらいだ。
黒龍がアクティブスキルを発動してから、僅か0.001秒で黒炎の渦が出現して三人は反応できなかった。共鳴の効果など黒龍の前では無駄なのかもしれない。
ミクちゃんは黒龍の攻撃を受けてそのまま地面へ叩きつけられた三人に駆け寄り、女神の加護を発動。呼吸すらもままならない状態から三人は一気に回復して生還した。体力も傷も元通り。全身真っ黒こげになっていたのが嘘みたいだ。
「流石巫女の力を持つ小娘だな」
「遠慮ねえなお前」
「あれでも手加減をしていたのだぞ?」
「冗談キツイぜ」
コイツは神理を持っているせいで俺が熱無効を持っていても全く意味がない。だから、あれだけ離れているのにも関わらずできるだけ遠くへ逃げたいという気持ちが強かった。恐るべき黒龍――。
「俺様の黒炎は魔王ベリアルをも凌ぐ。どんなスキルを積んでいようと俺様の前では無力だ」
「流石火力特化で最強の龍族だな」
「少し違うな。火力特化と言っても防御スキルが無い訳では無いからな」
「――確かに」
ステータスを視る限り、黒龍にはいくつかの防御スキルを持っていた。その全てが黒炎が関係しているので、防御と攻撃を同時に行う防御アクティブスキルだ。まあ言ってしまえば攻撃は最大の防御! っやつだな。ふざけるな! 強すぎるんだよ! そもそもこいつの場合、攻撃のアクティブスキルを防御に使ったりするけど――さっきの黒滅龍炎渦のように――。
「どうしたナリユキ。かかって来ないのか?」
黒龍はそう挑発をしてきた。今の攻撃で俺が攻めあぐねているのを分かっているくせに。
「ん? 黒龍がかかってきたらどうだ?」
挑発には挑発をってやつだ。
「いいだろう」
黒龍はそう言い残した瞬間に消えた。けれども黒龍が来るのは死の領域で直ぐに分かる。あとは反応すればいいだけだ。
俺は黒龍の刀を左手に持ち替えた天を穿つ者で受け止めて、創造主で出現させた短機関銃のH&K MP5で黒龍の腹部をフルオートで撃ち尽くした。装弾数32発全て撃ち尽くすと、銃撃系の強化がかかりまくった俺の攻撃は、流石に効いたようで腹部を止血していた。そんな事をしなくても自動で再生するのに――と思ったがそれほどダメージを受けたようだ。
「やはり転生者の創造主は厄介だな。次から次へと見たことがない武器が出てくる」
「だろ?」
俺はそう言いながらH&K MP5を消して黒紅煉刀で黒龍の左肩から袈裟斬りを行った。
しかし黒龍は俺の攻撃を受けたままで終る筈がなかった。俺の視覚から突如として現れた黒龍の黒刀。
そう思っていたのも束の間。俺は自身の右肩から鮮血が噴き出ていた。もはやスプリンクラーのように――。
「いってえ……」
俺は思わずそう声を漏らした。しかしこのまま攻撃を止めていい筈が無い。どうせすぐに自分の身体は元通りになる――。
俺は左手に持っている天を穿つ者にMPを込めた。それも割と大量に。
すると天を穿つ者の銃身が神々しく光っていた。そして――。
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