【電子書籍化決定!】生産性厨が異世界で国造り~授けられた能力は手から何でも出せる能力でした~

天樹 一翔

文字の大きさ
上 下
509 / 597

地上に降臨する魔王ルシファーⅣ

しおりを挟む
「嘘じゃないさ。俺は創造神ブラフマーと会ってそう聞いているからな」

「成程――ユニークスキルは覚醒に近づいている訳だな」

「覚醒の仕方分からんけどな。アンタは覚醒しているんだろ? 英雄ノ神インドラ

「魔界でも私の能力をユニークスキルを知っているのは、パイモンとベリアルくらいだと言うのに――ステータスが視られるのは調子が狂うな。そうだ。ユニークスキルは覚醒している。堕天ノ王ルシファー英雄ノ神インドラの両方ともな」

「まあそれで覚醒していなかったら、覚醒後どれだけ強くなるのか想像もできない」

「それもそうだ。それで? 他に情報は無いのか?」

 ルシファーが俺にそう問いかけてきた。神のユニークスキルを持っていると知りたくなるのが宿命なのだろうか? ルシファーはこの話題に関して興味津々だ。

「デアが言うには維持神ヴィシュヌのユニークスキルを持っているらしい」

 俺がそう言うとルシファーは納得したような表情を浮かべた。

「成程。それで神々をユニークスキルに変換させて自分のユニークスキルにしたのか。石版の謎が解けたな」

維持神ヴィシュヌの効果を知っているのか?」

「ああ。しかし噂で聞いた程度だ。色々と効果はあるらしいが、その中の一つに触れた対象者をユニークスキルへと変換させてしまうという効果がある。もし本当に維持神ヴィシュヌを所有しているのであれば、至上神ゼウス万物神アルカナ天地神アースをユニークスキルに変換させて、三人の争いを止めたというのは納得がいく。維持神と呼ぶに相応しいな」

「成程。でもそれだと色々なユニークスキルを持っていそうだな。石版にはミロクがスキルを人々に与えたらしいし」

「今、考えても仕方ないだろう。黒龍がいつ出て来ても可笑しくは無い。対策を講じるべきだ」

「常時千里眼オラクルアイを使って視ているから大丈夫だ。出て来ても瞬時に黒龍ニゲルのところへ転移テレポートできるし」

「勝算はあるのか?」

「以前と比べたらな。ミクちゃんがいるから前よりか大分有利に進めることができると思う」

「あの小娘の事か。あの子がいては我々魔族を含めて、邪気を持っている者は全て無力化されるからな。天敵だ」

「俺と戦う前に戦ったら?」

「断る」

 ルシファーはキッパリとそう答えた。露骨に嫌そうな顔をしている。それほど、ミクちゃんの闇払やみばらいのスキルは厄介なのだろうか。俺は邪気を扱える訳では無いしな。そしてずっと気になっていたことがある。

「魔族って邪気を無くすことはできないのか?」

「抑制する事はできるが、0にする事はできない。言わば魔族の特性のようなものだ。闇払やみばらいはそれを逆手に取ったパッシブスキルだ」

「成程。お気の毒に」

「貴様、首を刎ねられたいのか?」

「残念だけど俺にはアンタが持っているスキルじゃ攻撃手段はないぞ」

黒絶斬こくぜつざんなら斬れる」

「――そうだった」

 俺は思わず冷や汗をかいた。別には死にはしないけど、体力を大幅に削られる事には違いないしな。ったく、斬ったという結果を残すって効果が強すぎるんだよな。この世界のスキルの関係なんて後出しジャンケンみたいな感じだし。

 こんな感じでしばらくルシファーと話をしているときだった。

「来たな」

「ああ。強いパワーを感じる。近いな」

 とうとう――。

「おい! 直ぐに戦闘準備だ! パイモンも飯を食べている暇はないぞ!」

 俺がそう怒号を散らす勢いで言ったもんだから、パイモンが食べたお皿を片付けている従者サーヴァントの一人がお皿を割っていた。パイモンに関しては「うるさいな~。ご飯の最中だ」と眉間に皺を寄せて不機嫌な表情になっていた。しかし、そんな事を言っている場合ではないのだ。

黒龍ニゲルが現れた場所はマーズベル山脈の上空だ! 一体いつの間にあんなところに――俺は今すぐ行ってくる!」

 俺は幹部全員に国民を守るように指示を出した。そして国民は幹部の指示に従いながらマーズベル森林の中へと非難をしてもらう。

「いいだろう。私は後で向かおう」

「ああ。ミクちゃん、アスモデウスさん行くぞ!」

 料理を提供していたミクちゃん。パイモンと一緒に料理を食べていたアスモデウスさんの三人で、転移テレポートをして黒龍ニゲルがいるマーズベル山脈の上空1,000m地点へと移動した。

 するとそこには人型化ヒューマノイド姿の黒龍ニゲルが待っていた。

「おいおい。いくら俺の事が好きだからってマーズベルに来ることは無いだろ」

「悪い冗談だ。あの時確実に殺した筈だがまさか生きているとは思っていなかった。だからナリユキのパワーを感じ取ったからマーズベルまで出迎えに来てやったわけだ」

「成程な。それあまり嬉しくないんだけど」

 俺が苦笑をしながらそう呟くと黒龍ニゲルは悪戯な笑みを浮かべていた。

「それにしても随分とパワーアップをしたようだな。小娘。Z級になったのか?」

「そうよ! この前のようにはいかない!」

 ミクちゃんはそう言ってレイピアの刃先を黒龍ニゲルに向けた。Z級になって相当な自信がついたようだな。

「そしてアスモデウスか。随分と楽しめそうだな。それにもうすぐだ」

 黒龍ニゲルがそう言った瞬間に現れたのは青龍リオさんだった。

「まさかマーズベルに来るとはな。ここなら余も本領発揮を出せそうだ」

 青龍リオさんがそう呟くと黒龍ニゲルは満足気な笑みを浮かべていた。

「世界を守りたければ俺様を全力で殺しに来い!」

 黒龍ニゲルはそう言ってエネルギーを解放した。以前にも増してさらに強大な邪気――。それこそルシファーの比では無い。

「これはマズいな」

 これが今の本音だ。ルシファー加わってやっとトントンにならない。そう思わされる程圧倒的なパワーと邪気だ。本音を言うとデアにも参加してほしい。
 
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

おっさんなのに異世界召喚されたらしいので適当に生きてみることにした

高鉢 健太
ファンタジー
 ふと気づけば見知らぬ石造りの建物の中に居た。どうやら召喚によって異世界転移させられたらしかった。  ラノベでよくある展開に、俺は呆れたね。  もし、あと20年早ければ喜んだかもしれん。だが、アラフォーだぞ?こんなおっさんを召喚させて何をやらせる気だ。  とは思ったが、召喚した連中は俺に生贄の美少女を差し出してくれるらしいじゃないか、その役得を存分に味わいながら異世界の冒険を楽しんでやろう!

転生令嬢の食いしん坊万罪!

ねこたま本店
ファンタジー
   訳も分からないまま命を落とし、訳の分からない神様の手によって、別の世界の公爵令嬢・プリムローズとして転生した、美味しい物好きな元ヤンアラサー女は、自分に無関心なバカ父が後妻に迎えた、典型的なシンデレラ系継母と、我が儘で性格の悪い妹にイビられたり、事故物件王太子の中継ぎ婚約者にされたりつつも、しぶとく図太く生きていた。  そんなある日、プリムローズは王侯貴族の子女が6~10歳の間に受ける『スキル鑑定の儀』の際、邪悪とされる大罪系スキルの所有者であると判定されてしまう。  プリムローズはその日のうちに、同じ判定を受けた唯一の友人、美少女と見まごうばかりの気弱な第二王子・リトス共々捕えられた挙句、国境近くの山中に捨てられてしまうのだった。  しかし、中身が元ヤンアラサー女の図太い少女は諦めない。  プリムローズは時に気弱な友の手を引き、時に引いたその手を勢い余ってブン回しながらも、邪悪と断じられたスキルを駆使して生き残りを図っていく。  これは、図太くて口の悪い、ちょっと(?)食いしん坊な転生令嬢が、自分なりの幸せを自分の力で掴み取るまでの物語。  こちらの作品は、2023年12月28日から、カクヨム様でも掲載を開始しました。  今後、カクヨム様掲載用にほんのちょっとだけ内容を手直しし、1話ごとの文章量を増やす事でトータルの話数を減らした改訂版を、1日に2回のペースで投稿していく予定です。多量の加筆修正はしておりませんが、もしよろしければ、カクヨム版の方もご笑覧下さい。 ※作者が適当にでっち上げた、完全ご都合主義的世界です。細かいツッコミはご遠慮頂ければ幸いです。もし、目に余るような誤字脱字を発見された際には、コメント欄などで優しく教えてやって下さい。 ※検討の結果、「ざまぁ要素あり」タグを追加しました。

冷遇された第七皇子はいずれぎゃふんと言わせたい! 赤ちゃんの頃から努力していたらいつの間にか世界最強の魔法使いになっていました

taki210
ファンタジー
旧題:娼婦の子供と冷遇された第七皇子、赤ちゃんの頃から努力していたらいつの間にか世界最強の魔法使いになっていた件 『穢らわしい娼婦の子供』 『ロクに魔法も使えない出来損ない』 『皇帝になれない無能皇子』 皇帝ガレスと娼婦ソーニャの間に生まれた第七皇子ルクスは、魔力が少ないからという理由で無能皇子と呼ばれ冷遇されていた。 だが実はルクスの中身は転生者であり、自分と母親の身を守るために、ルクスは魔法を極めることに。 毎日人知れず死に物狂いの努力を続けた結果、ルクスの体内魔力量は拡張されていき、魔法の威力もどんどん向上していき…… 『なんだあの威力の魔法は…?』 『モンスターの群れをたった一人で壊滅させただと…?』 『どうやってあの年齢であの強さを手に入れたんだ…?』 『あいつを無能皇子と呼んだ奴はとんだ大間抜けだ…』 そして気がつけば周囲を畏怖させてしまうほどの魔法使いの逸材へと成長していたのだった。

あなたがそう望んだから

まる
ファンタジー
「ちょっとアンタ!アンタよ!!アデライス・オールテア!」 思わず不快さに顔が歪みそうになり、慌てて扇で顔を隠す。 確か彼女は…最近編入してきたという男爵家の庶子の娘だったかしら。 喚き散らす娘が望んだのでその通りにしてあげましたわ。 ○○○○○○○○○○ 誤字脱字ご容赦下さい。もし電波な転生者に貴族の令嬢が絡まれたら。攻略対象と思われてる男性もガッチリ貴族思考だったらと考えて書いてみました。ゆっくりペースになりそうですがよろしければ是非。 閲覧、しおり、お気に入りの登録ありがとうございました(*´ω`*) 何となくねっとりじわじわな感じになっていたらいいのにと思ったのですがどうなんでしょうね?

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する

高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。 手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。

異世界転生してしまったがさすがにこれはおかしい

増月ヒラナ
ファンタジー
不慮の事故により死んだ主人公 神田玲。 目覚めたら見知らぬ光景が広がっていた 3歳になるころ、母に催促されステータスを確認したところ いくらなんでもこれはおかしいだろ!

スライムと異世界冒険〜追い出されたが実は強かった

Miiya
ファンタジー
学校に一人で残ってた時、突然光りだし、目を開けたら、王宮にいた。どうやら異世界召喚されたらしい。けど鑑定結果で俺は『成長』 『テイム』しかなく、弱いと追い出されたが、実はこれが神クラスだった。そんな彼、多田真司が森で出会ったスライムと旅するお話。 *ちょっとネタばれ 水が大好きなスライム、シンジの世話好きなスライム、建築もしてしまうスライム、小さいけど鉱石仕分けたり探索もするスライム、寝るのが大好きな白いスライム等多種多様で個性的なスライム達も登場!! *11月にHOTランキング一位獲得しました。 *なるべく毎日投稿ですが日によって変わってきますのでご了承ください。一話2000~2500で投稿しています。 *パソコンからの投稿をメインに切り替えました。ですので字体が違ったり点が変わったりしてますがご了承ください。

放置された公爵令嬢が幸せになるまで

こうじ
ファンタジー
アイネス・カンラダは物心ついた時から家族に放置されていた。両親の顔も知らないし兄や妹がいる事は知っているが顔も話した事もない。ずっと離れで暮らし自分の事は自分でやっている。そんな日々を過ごしていた彼女が幸せになる話。

処理中です...