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3人目のZ級Ⅱ
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「ナリユキ様。ご無事で何よりです」
そう言って真っ先に出迎えてくれたのはベリトだった。
「ありがとう。と、言うかいつも一番だよな」
「ナリユキ様の気配は瞬時に感じ取れますので」
「――凄いな」
屋敷に戻ってきて真っ先に迎えてくれたベリト。その次は屋敷からワラワラと従者達が迎えてくれた。
「お帰りさないませナリユキ様。ミク様、ランベリオン様、アリシア様もご無事で何よりです」
二人声を揃えてそう述べたのはミーシャとメイだった。メイはすっかりメイドになってしまってオジサンは嬉しい。メイド服似合ってるぞ。
「へえ。凄い屋敷ね。手から何でも出せるって便利ね」
デアはそう言うと天衣無縫で俺に変身するなり、創造主で風船を飛ばして遊んでいた。
「な――ナリユキ様が二人!?」
従者達も驚いているが、ベリトも「何と!?」と驚いていた。まあそりゃあそうだ。
「で、これで不要だと思ったら消せるのよね?」
「ああ。頭のなかで不要と念じるだけでいい」
「こうね」
デアはそう言って上空20m地点前後まで飛んでいる5つの風船を消した。
「ナリユキ様。この者は何者でしょうか?」
「ああ。俺とミクちゃんと同じ転生者で、カルベリアツリーのダンジョンの1,000層のボスだ。天衣無縫というユニークスキルで、戦闘したことがある人物に変身し、その人物の能力を全て使える。また、10秒以内の未来を捻じ曲げることができる。まあ未来を捻じ曲げるというより、その対象者の行動を捻じ曲げるっていう方が正しいかな?」
「その通りね」
「名前はデアだ。ほら挨拶」
俺がそう言うとデアはベリトと従者達に一礼をした。「デアと申します。宜しくお願いします」と意外と丁寧な挨拶だった。
「それとミク様も凄いパワーを感じるのですが、それ以上のパワーをデア殿から感じ取れるのですが」
「デアもZ級だからな。あとミクちゃんもZ級になったぞ」
俺がそう言うとベリトも従者達も鳩が豆鉄砲を食ったような表情をしていた。驚きすぎだろ。
「世界を滅ぼせる力を持つ者がマーズベルに三人も……夢を見ているようです」
「た……たまげた」
ミーシャなんてそう言って腰を抜かして地面に尻餅をついている。そしてメイは口をパクパクさせている。
「まあ寒いから入ろうぜ。デアはコーヒー好きか?」
「ええ。頂くわ。ただ、こんなに悠長にしていて大丈夫なの?」
「俺とミクちゃんは一瞬で黒龍のところへ行ける。黒龍が動き出したら直ぐに行けばいい話さ」
「成程ね。千里眼で確認できた瞬間に移動するって事ね」
「そういう事。こっちからわざわざ迎え撃つ必要が無いしな。棲み処が分かればいいけど見当もつかない状態はお手上げだよ」
「確かにそうね」
俺達は会話をしながらカフェルームへと向かった。そこでくつろいでいたのはマカロフ卿とメリーザだった。まあいつも通りと言えばいつも通りだな。
「お帰りナリユキ閣下。ミク嬢。それにランベリオンとアリシア」
「ついでにみたいな感じで言うなよ」
「同感です」
ランベリオンとアリシアがそう拗ねると、マカロフ卿は「何の事やら」と茶化した後、コーヒーを口へ運んだ。
「もしかしてあの人も転生者?」
デアの質問に俺は頷いた。
「その通りだ。よく分かったな」
「転生者はどことなく雰囲気が違うのよ。それよりナリユキとマカロフは敵同士だったみたいね。S級でも強い部類ではあるし、マーズベルにはいい戦力が揃っているようね」
「裏切るに裏切れないさ」
マカロフ卿はそう言ってニッと笑みを浮かべた。アンタもう裏切る気0%の癖によく言うよ。
「それよりミク嬢相当腕を上げたな。とうとうZ級になれたのか?」
「勿論!」
「それは良かったな。閣下としても満足だろう? 心配で仕方ないもんな?」
と、悪戯な笑みを見せてきたので「ほっとけ」とあしらった。
「私より強い人物が三人もいるとはな」
「我を忘れていないか?」
「お前くらいならやりようでいくらでも勝てる」
マカロフ卿がそう呟くとランベリオンは不服そうな表情を見せていた。
「いいだろう。今度手合わせというこうじゃないか」
「望むところだ。貴様の刀と私のスペツナズナイフ。どちらが強いかな」
「我の刀に決まっておるだろう――て、武器で勝負する気か?」
「さあな。メリーザもミク嬢もいるから互いに死なん限りギリギリの戦いができる。まあ死んでも蘇生があるが、それはミク嬢に申し訳ないからな」
「それもそうだ。いいだろう。黒龍が動かねば、明日決闘をしよう」
「いくらでもかかって来い。ドラゴン野郎」
何故かランベリオンとマカロフ卿が明日決闘する事に――。まあいいけど。
「デア。とりあえずマーズベルを探索してみるか?」
「そうね」
そうして俺とミクちゃんは、地風竜を使ってデアを案内する事にした。地風竜を操るのは勿論ノアだ。
「知らなかったよ。1,000層のボスが転生者だったなんて」
「私は貴方達の事は知っているけどね。」
そう言って真っ先に出迎えてくれたのはベリトだった。
「ありがとう。と、言うかいつも一番だよな」
「ナリユキ様の気配は瞬時に感じ取れますので」
「――凄いな」
屋敷に戻ってきて真っ先に迎えてくれたベリト。その次は屋敷からワラワラと従者達が迎えてくれた。
「お帰りさないませナリユキ様。ミク様、ランベリオン様、アリシア様もご無事で何よりです」
二人声を揃えてそう述べたのはミーシャとメイだった。メイはすっかりメイドになってしまってオジサンは嬉しい。メイド服似合ってるぞ。
「へえ。凄い屋敷ね。手から何でも出せるって便利ね」
デアはそう言うと天衣無縫で俺に変身するなり、創造主で風船を飛ばして遊んでいた。
「な――ナリユキ様が二人!?」
従者達も驚いているが、ベリトも「何と!?」と驚いていた。まあそりゃあそうだ。
「で、これで不要だと思ったら消せるのよね?」
「ああ。頭のなかで不要と念じるだけでいい」
「こうね」
デアはそう言って上空20m地点前後まで飛んでいる5つの風船を消した。
「ナリユキ様。この者は何者でしょうか?」
「ああ。俺とミクちゃんと同じ転生者で、カルベリアツリーのダンジョンの1,000層のボスだ。天衣無縫というユニークスキルで、戦闘したことがある人物に変身し、その人物の能力を全て使える。また、10秒以内の未来を捻じ曲げることができる。まあ未来を捻じ曲げるというより、その対象者の行動を捻じ曲げるっていう方が正しいかな?」
「その通りね」
「名前はデアだ。ほら挨拶」
俺がそう言うとデアはベリトと従者達に一礼をした。「デアと申します。宜しくお願いします」と意外と丁寧な挨拶だった。
「それとミク様も凄いパワーを感じるのですが、それ以上のパワーをデア殿から感じ取れるのですが」
「デアもZ級だからな。あとミクちゃんもZ級になったぞ」
俺がそう言うとベリトも従者達も鳩が豆鉄砲を食ったような表情をしていた。驚きすぎだろ。
「世界を滅ぼせる力を持つ者がマーズベルに三人も……夢を見ているようです」
「た……たまげた」
ミーシャなんてそう言って腰を抜かして地面に尻餅をついている。そしてメイは口をパクパクさせている。
「まあ寒いから入ろうぜ。デアはコーヒー好きか?」
「ええ。頂くわ。ただ、こんなに悠長にしていて大丈夫なの?」
「俺とミクちゃんは一瞬で黒龍のところへ行ける。黒龍が動き出したら直ぐに行けばいい話さ」
「成程ね。千里眼で確認できた瞬間に移動するって事ね」
「そういう事。こっちからわざわざ迎え撃つ必要が無いしな。棲み処が分かればいいけど見当もつかない状態はお手上げだよ」
「確かにそうね」
俺達は会話をしながらカフェルームへと向かった。そこでくつろいでいたのはマカロフ卿とメリーザだった。まあいつも通りと言えばいつも通りだな。
「お帰りナリユキ閣下。ミク嬢。それにランベリオンとアリシア」
「ついでにみたいな感じで言うなよ」
「同感です」
ランベリオンとアリシアがそう拗ねると、マカロフ卿は「何の事やら」と茶化した後、コーヒーを口へ運んだ。
「もしかしてあの人も転生者?」
デアの質問に俺は頷いた。
「その通りだ。よく分かったな」
「転生者はどことなく雰囲気が違うのよ。それよりナリユキとマカロフは敵同士だったみたいね。S級でも強い部類ではあるし、マーズベルにはいい戦力が揃っているようね」
「裏切るに裏切れないさ」
マカロフ卿はそう言ってニッと笑みを浮かべた。アンタもう裏切る気0%の癖によく言うよ。
「それよりミク嬢相当腕を上げたな。とうとうZ級になれたのか?」
「勿論!」
「それは良かったな。閣下としても満足だろう? 心配で仕方ないもんな?」
と、悪戯な笑みを見せてきたので「ほっとけ」とあしらった。
「私より強い人物が三人もいるとはな」
「我を忘れていないか?」
「お前くらいならやりようでいくらでも勝てる」
マカロフ卿がそう呟くとランベリオンは不服そうな表情を見せていた。
「いいだろう。今度手合わせというこうじゃないか」
「望むところだ。貴様の刀と私のスペツナズナイフ。どちらが強いかな」
「我の刀に決まっておるだろう――て、武器で勝負する気か?」
「さあな。メリーザもミク嬢もいるから互いに死なん限りギリギリの戦いができる。まあ死んでも蘇生があるが、それはミク嬢に申し訳ないからな」
「それもそうだ。いいだろう。黒龍が動かねば、明日決闘をしよう」
「いくらでもかかって来い。ドラゴン野郎」
何故かランベリオンとマカロフ卿が明日決闘する事に――。まあいいけど。
「デア。とりあえずマーズベルを探索してみるか?」
「そうね」
そうして俺とミクちゃんは、地風竜を使ってデアを案内する事にした。地風竜を操るのは勿論ノアだ。
「知らなかったよ。1,000層のボスが転生者だったなんて」
「私は貴方達の事は知っているけどね。」
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