495 / 597
最強の美女転生者の挑戦状Ⅴ
しおりを挟む
「ユニークスキルは使わないのかしら?」
デアからそう問いかけられたので俺は首を左右に振った。
「使ったらコピーされるんだろ?」
「どうかしら?」
そうデアは白を切った。デアからすれば俺の創造主を目撃したいはずだ。しかし、俺が使わない事にはデアも能力を真似できない筈。それに能力を使わなくても何とかなりそうだしな。
「お望み通りいくわよ」
デアはそう言って俺に冥覇斬の斬撃を何個も飛ばしてきた。冥覇斬もMPの消費量が多い筈なのに、デアが桁違いのMPを持っている事と、冥眼の抑制の効果のお陰で、冥覇斬が消費するMPなど、デアからすれば少量だった。何なら、悪の破壊光、燦爛の光線、龍の咆哮などのアクティブスキルよりも圧倒的に少ない消費量なんじゃないか?
俺はふうと深呼吸をして飛んでくる斬撃を、黒紅煉刀で全て弾き返した。
「またっ――! それに冥覇斬を弾くなんて常識外れだわ!」
デアはそう言って六芒星の黒い魔法陣を出現させ、禍々しい結界を展開させた。冥覇壁と呼ばれる防衛アクティブスキルだ。
「残念でした」
俺はデアの頭に向けて天を穿つ者を放った。これまた随分とMPを込めたもんだから、デアの上半身は吹き飛んだ。何気に初めて入れた一撃だ。
「どうだい? 天を穿つ者の一撃は」
俺がそう問いかけると上半身を瞬時に再生させて、ぜえぜえと息を切らしたデアの姿があった。
「やるわね。天を穿つ者で斬撃を無効化する未来が視えていたのに――」
「それは残念だったな」
俺がそう不敵な笑みを浮かべると、ミクちゃん、ランベリオン、アリシアは大いに盛り上がっていた。
「ナリユキ君凄い!」
「凄いぞナリユキ殿!」
「流石です! 完全無欠だと思っていた天衣無縫に対抗できています!」
「アリシアの言う通りだけど、ナリユキ君の戦闘センスもかなり凄いよ。普通、そんな簡単に未来を欺く事なんてできない。分かっていてもできないよ普通」
「その通りだな。流石マーズベルの主だ。我が会って来た転生者のなかでも頂点に立つ、強さと戦闘センス」
戦闘センス。そんなもんはカルベリアツリーのダンジョンで直ぐに磨き上げることができる。別に連続で成功したのはマグレだ。デアがいつ未来予知眼を発動して天衣無縫を発動しているかなんて分かってないからな。ここで心理学とか勉強していたら活かせたかもしれないけどな。スキルで言うなら魔眼を持っていたら変わっていたかも。未来予知眼が発動する際には、MPは消費しないものの、MPの流れが活性化する筈だからな。
「やっぱりこの勝負あれを使用するしかないか」
「そのアレってのは貴方の必殺技?」
「まあそんなところだ。俺が創造主だけではない事を証明してやるよ」
と、大口を叩いた割には俺の固有剣技スキル、無双神冥斬でファイナルフィニッシュを決める場面を作らないといけない。もっと言うなら、このスキルを使ってデアとの戦闘を終わらせることができるかどうか――。そう考えるともっとダメージを蓄積しないといけないな。
「今度は俺からいくぞ」
俺がそう言ってデアに斬りかかった時だった。俺は右薙ぎを繰り出そうとしたのに、左手に持つ天を穿つ者を放ちやがった。
「冥覇光」
デアはそう言って口から黒い稲妻を帯びた怪光線を放ってきた。当然俺は身動きが取れず直撃する事になる。
体は1秒も経たずに再生するのだが――。
「冥覇系のスキルを喰らうと、やたらと体力の消耗が激しいな」
「ナリユキ君。恐らくだけどデアちゃんはナリユキ君に対して-の邪気を攻撃に加えて戦っているよ」
ミクちゃんがそう俺に助言すると、デアの表情は歪んでいた。どうやらビンゴらしい。
「成程な。邪気を扱えるのか。+も使えるのか?」
「ええ。そうよ。気付かれたからには早めに決着をつけないとね。ウカウカしていられないわ」
デアはそう言って元の自分の姿に戻った。冥眼のスキルを全然使っていないのに本当にそれで良かったのだろうか?
「本気か。俺はもう十分なんだけど」
「私をこの姿にさせるのは貴方が最初で最後かもしれないわね」
「我、魔族における最大の力を発揮せん。我が道を阻む者総て破壊の対象となる金色の髪が白銀に染まりし時、あらゆる生物のエネルギーを我の力とせん」
今回このダンジョンに入り、知性・記憶の略奪と献上で魔族から、魔族語に関する情報も抜き取りまくっていた俺は、魔族語学が理解できるようになった。その為、魔真王発動時の詠唱の魔族語も理解できた訳だが――。
あらゆる生物のエネルギー? それってもしかして――。
「なっ!? 我のMP吸い取られたぞ!?」
「私のMPも吸い取られています!」
「私は大丈夫だけど――あれ? 何で大丈夫なの?」
「いや、何だその悪い冗談」
俺は思わず苦笑した。ランベリオンとアリシアのMPだけでなく、ダンジョンにいる魔物からもMPを少しずつもらっていやがる。色々な魔物のDNAが混ざった転生者らしい魔真王だけどこれは流石に――。
圧倒的なパワーを得た白銀の髪をした深紅の瞳を持つデアの姿が――。そして禍々しい邪気を放ちながら悠然と立っているその姿はまさに魔王そのもの。
「戦闘値13,000――。流石に強すぎるだろ」
「ここでさらに使うわ。龍族の強化スキル忘れてないかしら?」
「――まさか!?」
「そのまさかよ」
デアはニッと口角を吊り上げた。デアが発動しようとしているスキル――。それは龍族のみ扱える強化スキル。逆鱗だ。
デアからそう問いかけられたので俺は首を左右に振った。
「使ったらコピーされるんだろ?」
「どうかしら?」
そうデアは白を切った。デアからすれば俺の創造主を目撃したいはずだ。しかし、俺が使わない事にはデアも能力を真似できない筈。それに能力を使わなくても何とかなりそうだしな。
「お望み通りいくわよ」
デアはそう言って俺に冥覇斬の斬撃を何個も飛ばしてきた。冥覇斬もMPの消費量が多い筈なのに、デアが桁違いのMPを持っている事と、冥眼の抑制の効果のお陰で、冥覇斬が消費するMPなど、デアからすれば少量だった。何なら、悪の破壊光、燦爛の光線、龍の咆哮などのアクティブスキルよりも圧倒的に少ない消費量なんじゃないか?
俺はふうと深呼吸をして飛んでくる斬撃を、黒紅煉刀で全て弾き返した。
「またっ――! それに冥覇斬を弾くなんて常識外れだわ!」
デアはそう言って六芒星の黒い魔法陣を出現させ、禍々しい結界を展開させた。冥覇壁と呼ばれる防衛アクティブスキルだ。
「残念でした」
俺はデアの頭に向けて天を穿つ者を放った。これまた随分とMPを込めたもんだから、デアの上半身は吹き飛んだ。何気に初めて入れた一撃だ。
「どうだい? 天を穿つ者の一撃は」
俺がそう問いかけると上半身を瞬時に再生させて、ぜえぜえと息を切らしたデアの姿があった。
「やるわね。天を穿つ者で斬撃を無効化する未来が視えていたのに――」
「それは残念だったな」
俺がそう不敵な笑みを浮かべると、ミクちゃん、ランベリオン、アリシアは大いに盛り上がっていた。
「ナリユキ君凄い!」
「凄いぞナリユキ殿!」
「流石です! 完全無欠だと思っていた天衣無縫に対抗できています!」
「アリシアの言う通りだけど、ナリユキ君の戦闘センスもかなり凄いよ。普通、そんな簡単に未来を欺く事なんてできない。分かっていてもできないよ普通」
「その通りだな。流石マーズベルの主だ。我が会って来た転生者のなかでも頂点に立つ、強さと戦闘センス」
戦闘センス。そんなもんはカルベリアツリーのダンジョンで直ぐに磨き上げることができる。別に連続で成功したのはマグレだ。デアがいつ未来予知眼を発動して天衣無縫を発動しているかなんて分かってないからな。ここで心理学とか勉強していたら活かせたかもしれないけどな。スキルで言うなら魔眼を持っていたら変わっていたかも。未来予知眼が発動する際には、MPは消費しないものの、MPの流れが活性化する筈だからな。
「やっぱりこの勝負あれを使用するしかないか」
「そのアレってのは貴方の必殺技?」
「まあそんなところだ。俺が創造主だけではない事を証明してやるよ」
と、大口を叩いた割には俺の固有剣技スキル、無双神冥斬でファイナルフィニッシュを決める場面を作らないといけない。もっと言うなら、このスキルを使ってデアとの戦闘を終わらせることができるかどうか――。そう考えるともっとダメージを蓄積しないといけないな。
「今度は俺からいくぞ」
俺がそう言ってデアに斬りかかった時だった。俺は右薙ぎを繰り出そうとしたのに、左手に持つ天を穿つ者を放ちやがった。
「冥覇光」
デアはそう言って口から黒い稲妻を帯びた怪光線を放ってきた。当然俺は身動きが取れず直撃する事になる。
体は1秒も経たずに再生するのだが――。
「冥覇系のスキルを喰らうと、やたらと体力の消耗が激しいな」
「ナリユキ君。恐らくだけどデアちゃんはナリユキ君に対して-の邪気を攻撃に加えて戦っているよ」
ミクちゃんがそう俺に助言すると、デアの表情は歪んでいた。どうやらビンゴらしい。
「成程な。邪気を扱えるのか。+も使えるのか?」
「ええ。そうよ。気付かれたからには早めに決着をつけないとね。ウカウカしていられないわ」
デアはそう言って元の自分の姿に戻った。冥眼のスキルを全然使っていないのに本当にそれで良かったのだろうか?
「本気か。俺はもう十分なんだけど」
「私をこの姿にさせるのは貴方が最初で最後かもしれないわね」
「我、魔族における最大の力を発揮せん。我が道を阻む者総て破壊の対象となる金色の髪が白銀に染まりし時、あらゆる生物のエネルギーを我の力とせん」
今回このダンジョンに入り、知性・記憶の略奪と献上で魔族から、魔族語に関する情報も抜き取りまくっていた俺は、魔族語学が理解できるようになった。その為、魔真王発動時の詠唱の魔族語も理解できた訳だが――。
あらゆる生物のエネルギー? それってもしかして――。
「なっ!? 我のMP吸い取られたぞ!?」
「私のMPも吸い取られています!」
「私は大丈夫だけど――あれ? 何で大丈夫なの?」
「いや、何だその悪い冗談」
俺は思わず苦笑した。ランベリオンとアリシアのMPだけでなく、ダンジョンにいる魔物からもMPを少しずつもらっていやがる。色々な魔物のDNAが混ざった転生者らしい魔真王だけどこれは流石に――。
圧倒的なパワーを得た白銀の髪をした深紅の瞳を持つデアの姿が――。そして禍々しい邪気を放ちながら悠然と立っているその姿はまさに魔王そのもの。
「戦闘値13,000――。流石に強すぎるだろ」
「ここでさらに使うわ。龍族の強化スキル忘れてないかしら?」
「――まさか!?」
「そのまさかよ」
デアはニッと口角を吊り上げた。デアが発動しようとしているスキル――。それは龍族のみ扱える強化スキル。逆鱗だ。
0
お気に入りに追加
345
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
孤児による孤児のための孤児院経営!!! 異世界に転生したけど能力がわかりませんでした
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕の名前はフィル
異世界に転生できたんだけど何も能力がないと思っていて7歳まで路上で暮らしてた
なぜか両親の記憶がなくて何とか生きてきたけど、とうとう能力についてわかることになった
孤児として暮らしていたため孤児の苦しみがわかったので孤児院を作ることから始めます
さあ、チートの時間だ
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
冷遇された第七皇子はいずれぎゃふんと言わせたい! 赤ちゃんの頃から努力していたらいつの間にか世界最強の魔法使いになっていました
taki210
ファンタジー
旧題:娼婦の子供と冷遇された第七皇子、赤ちゃんの頃から努力していたらいつの間にか世界最強の魔法使いになっていた件
『穢らわしい娼婦の子供』
『ロクに魔法も使えない出来損ない』
『皇帝になれない無能皇子』
皇帝ガレスと娼婦ソーニャの間に生まれた第七皇子ルクスは、魔力が少ないからという理由で無能皇子と呼ばれ冷遇されていた。
だが実はルクスの中身は転生者であり、自分と母親の身を守るために、ルクスは魔法を極めることに。
毎日人知れず死に物狂いの努力を続けた結果、ルクスの体内魔力量は拡張されていき、魔法の威力もどんどん向上していき……
『なんだあの威力の魔法は…?』
『モンスターの群れをたった一人で壊滅させただと…?』
『どうやってあの年齢であの強さを手に入れたんだ…?』
『あいつを無能皇子と呼んだ奴はとんだ大間抜けだ…』
そして気がつけば周囲を畏怖させてしまうほどの魔法使いの逸材へと成長していたのだった。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
異世界に転生したので幸せに暮らします、多分
かのこkanoko
ファンタジー
物心ついたら、異世界に転生していた事を思い出した。
前世の分も幸せに暮らします!
平成30年3月26日完結しました。
番外編、書くかもです。
5月9日、番外編追加しました。
小説家になろう様でも公開してます。
エブリスタ様でも公開してます。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
他国から来た王妃ですが、冷遇? 私にとっては厚遇すぎます!
七辻ゆゆ
ファンタジー
人質同然でやってきたというのに、出されるご飯は母国より美味しいし、嫌味な上司もいないから掃除洗濯毎日楽しいのですが!?
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
あなたがそう望んだから
まる
ファンタジー
「ちょっとアンタ!アンタよ!!アデライス・オールテア!」
思わず不快さに顔が歪みそうになり、慌てて扇で顔を隠す。
確か彼女は…最近編入してきたという男爵家の庶子の娘だったかしら。
喚き散らす娘が望んだのでその通りにしてあげましたわ。
○○○○○○○○○○
誤字脱字ご容赦下さい。もし電波な転生者に貴族の令嬢が絡まれたら。攻略対象と思われてる男性もガッチリ貴族思考だったらと考えて書いてみました。ゆっくりペースになりそうですがよろしければ是非。
閲覧、しおり、お気に入りの登録ありがとうございました(*´ω`*)
何となくねっとりじわじわな感じになっていたらいいのにと思ったのですがどうなんでしょうね?
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する
高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。
手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
スライムと異世界冒険〜追い出されたが実は強かった
Miiya
ファンタジー
学校に一人で残ってた時、突然光りだし、目を開けたら、王宮にいた。どうやら異世界召喚されたらしい。けど鑑定結果で俺は『成長』 『テイム』しかなく、弱いと追い出されたが、実はこれが神クラスだった。そんな彼、多田真司が森で出会ったスライムと旅するお話。
*ちょっとネタばれ
水が大好きなスライム、シンジの世話好きなスライム、建築もしてしまうスライム、小さいけど鉱石仕分けたり探索もするスライム、寝るのが大好きな白いスライム等多種多様で個性的なスライム達も登場!!
*11月にHOTランキング一位獲得しました。
*なるべく毎日投稿ですが日によって変わってきますのでご了承ください。一話2000~2500で投稿しています。
*パソコンからの投稿をメインに切り替えました。ですので字体が違ったり点が変わったりしてますがご了承ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる