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いざ、ゾーク大迷宮Ⅲ
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「謎だ――」
「本当にマカロフ卿達は第3層までクリアしていたのか?」
「敵が普通にいたのは謎ですよね」
「妾は久しぶりに運動ができるから楽しんではおるが、少し時間を食ってしまったのう」
と、言うのも、第1層は電黒狼と3頭の雷黒狼。第2層はジェネラルワイバーン、アンデッド、雷黒狼、森妖精、闇森妖精、天使などの魔物と、雷黒狼と牛獣人の混合種であるディルザード。第3層は100頭を超えるディルザードのミニverであるディルビアと、飛竜のような翼を生やしたカメレオンのような顔を持つインベラーズ・ジュラが出現した。正直見た事が無い魔物ばかりだが、一番驚いたのはマカロフ卿達が倒した魔物が何故か再生しているという事だ。
「ここはカルベリアツリーと違って天然のダンジョンなんですよね?」
「そうらしいな。まあ、正直なところ地下世界に関しての知識は乏しいから何とも言えないが」
「そうなると、考えられるのはこれより先にいる魔物のユニークスキルと考えるのが妥当じゃろう――それかアクティブスキルじゃな。非常に稀じゃが魔物を召喚することができるアクティブスキルを使える個体がいる」
「――魔族とか?」
「まあそうじゃな。魔王ベリアルは炎の化身を召喚することができる」
「何か強そうだけど、俺やミクちゃんとの相性は悪そう」
「――確かに其方等はベリアルの天敵になりうるな。別に魔界に行って倒してくれても良いのじゃぞ? 奴はずっと魔界の頂点に君臨しており、時たま、地上を襲ってくる最悪な魔王じゃからのう」
「確かに、地上を襲ってくる魔王ってベリアルしか聞いたことが無い気が――」
「まあ征服欲が強い配下が多いから、どうしても地上を襲いたくなるのじゃ」
「魔族って迷惑な生き物だな」
「一部じゃ。一部。実際に地上に住んでいる魔族は迷惑をかける魔族は少ないじゃろ?」
「まあ確かにな」
俺とアスモデウスさんでそう喋っていると、青龍さんが「おい」と声をかけてきた。気持ちとしては「はい、何でしょう!?」って感じだけど――。
「扉を開けるぞ」
「そうだよ。できるだけ早く奥に進まないと」
「おう」
「確かにそうじゃな」
俺達4人は3層をクリアして少し休憩した後、少し傾斜になっている道を進んで第4層へと到達した。そして扉を開く――。
「これはなかなか面白い展開だな」
「アヌビスさんがいっぱいいるね」
「なかなかハードな層じゃの」
「冥魔族の群れか」
俺達の前に現れたのは大量の冥魔族。数はおよそ50頭。見た目がアヌビスのような魔物が50頭もういたら不気味でしかない。
「6,000か――今の俺達の相手ではないな」
「確かにそうだね」
「とは言っても戦闘値は相当高い部類じゃぞ? ここのダンジョンは何層まであるのじゃ?」
「――分からない」
「それは非常にマズイ気がするがとりあえず片付けるしか無いのう」
俺達が呑気にそう雑談をしていると、痺れを切らした冥魔族達が襲い掛かって来た。アヌビスが使用する直撃したら一撃で相手を殺すことができる冥光の安楽死は皆が皆、習得している訳ではないようだ。冥魔族の中でも膨大なMPを持っている個体が習得できるようで、50頭いる冥魔族の中でも、2頭しか冥光の安楽死を持っている個体はいなかった。そして、アヌビスを超える戦闘値を持っている冥魔族はいなかった。しかし、影を駆使して自在に移動できる冥影の移動と、死体を使ってあらゆるアクティブスキルやアルティメットスキルから自身の身を守ることができる冥壁の拒絶は全員が習得しているようだ。
そんな技を使われたら同じS級のミクちゃん、青龍さんアスモデウスさんは攻撃を防がれてしまう。故に冥魔族を殺さずに倒す方法が効率が良いという訳だ。
そう思い、俺は黒紅煉刀を。ミクちゃんはレイピアを。青龍さんは青龍偃月刀を。アスモデウスさんはユニークスキル、色欲支配を使用して冥魔族を蹂躙した。俺、ミクちゃん、青龍さんは習得したスキルは無いがアスモデウスさんだけは――。
「何じゃ? 冥光の安楽死、冥影の移動、冥壁の拒絶を入手したようじゃが――」
と、冥魔族が代表するアクティブスキル入手したようだ。冥魔族――と言うくらいだから、冥魔族も魔族の一種なんだろう。冥光系統のアクティブスキルを入手すること自体に違和感を抱くことは無いけど、洗脳に特化した戦い方をするアスモデウスさんが強力なアクティブスキルをGETした。これは今後の戦いでも非常に役立つ。
「凄いじゃないですか! おめでとうございます!」
と、笑顔でアクティブスキルの入手を喜んでいたのはミクちゃんだった。
「ありがとう。しかし長い間、新しいアクティブスキルを習得していなかったからか、いきなり3つも入手できると違和感があるのう」
「ダンジョンはレアなスキルをたくさん習得できる場所だからな~。来て正解だろ?」
「そうじゃな。よし! この調子で進むぞ!」
と、張り切って次の層の扉に向かって行くアスモデウスさん。何だかんだスキルを入手した事によって一番張り切っている。まあ、モチベーションが上がってくれてこっちとしては嬉しいけど。
「本当にマカロフ卿達は第3層までクリアしていたのか?」
「敵が普通にいたのは謎ですよね」
「妾は久しぶりに運動ができるから楽しんではおるが、少し時間を食ってしまったのう」
と、言うのも、第1層は電黒狼と3頭の雷黒狼。第2層はジェネラルワイバーン、アンデッド、雷黒狼、森妖精、闇森妖精、天使などの魔物と、雷黒狼と牛獣人の混合種であるディルザード。第3層は100頭を超えるディルザードのミニverであるディルビアと、飛竜のような翼を生やしたカメレオンのような顔を持つインベラーズ・ジュラが出現した。正直見た事が無い魔物ばかりだが、一番驚いたのはマカロフ卿達が倒した魔物が何故か再生しているという事だ。
「ここはカルベリアツリーと違って天然のダンジョンなんですよね?」
「そうらしいな。まあ、正直なところ地下世界に関しての知識は乏しいから何とも言えないが」
「そうなると、考えられるのはこれより先にいる魔物のユニークスキルと考えるのが妥当じゃろう――それかアクティブスキルじゃな。非常に稀じゃが魔物を召喚することができるアクティブスキルを使える個体がいる」
「――魔族とか?」
「まあそうじゃな。魔王ベリアルは炎の化身を召喚することができる」
「何か強そうだけど、俺やミクちゃんとの相性は悪そう」
「――確かに其方等はベリアルの天敵になりうるな。別に魔界に行って倒してくれても良いのじゃぞ? 奴はずっと魔界の頂点に君臨しており、時たま、地上を襲ってくる最悪な魔王じゃからのう」
「確かに、地上を襲ってくる魔王ってベリアルしか聞いたことが無い気が――」
「まあ征服欲が強い配下が多いから、どうしても地上を襲いたくなるのじゃ」
「魔族って迷惑な生き物だな」
「一部じゃ。一部。実際に地上に住んでいる魔族は迷惑をかける魔族は少ないじゃろ?」
「まあ確かにな」
俺とアスモデウスさんでそう喋っていると、青龍さんが「おい」と声をかけてきた。気持ちとしては「はい、何でしょう!?」って感じだけど――。
「扉を開けるぞ」
「そうだよ。できるだけ早く奥に進まないと」
「おう」
「確かにそうじゃな」
俺達4人は3層をクリアして少し休憩した後、少し傾斜になっている道を進んで第4層へと到達した。そして扉を開く――。
「これはなかなか面白い展開だな」
「アヌビスさんがいっぱいいるね」
「なかなかハードな層じゃの」
「冥魔族の群れか」
俺達の前に現れたのは大量の冥魔族。数はおよそ50頭。見た目がアヌビスのような魔物が50頭もういたら不気味でしかない。
「6,000か――今の俺達の相手ではないな」
「確かにそうだね」
「とは言っても戦闘値は相当高い部類じゃぞ? ここのダンジョンは何層まであるのじゃ?」
「――分からない」
「それは非常にマズイ気がするがとりあえず片付けるしか無いのう」
俺達が呑気にそう雑談をしていると、痺れを切らした冥魔族達が襲い掛かって来た。アヌビスが使用する直撃したら一撃で相手を殺すことができる冥光の安楽死は皆が皆、習得している訳ではないようだ。冥魔族の中でも膨大なMPを持っている個体が習得できるようで、50頭いる冥魔族の中でも、2頭しか冥光の安楽死を持っている個体はいなかった。そして、アヌビスを超える戦闘値を持っている冥魔族はいなかった。しかし、影を駆使して自在に移動できる冥影の移動と、死体を使ってあらゆるアクティブスキルやアルティメットスキルから自身の身を守ることができる冥壁の拒絶は全員が習得しているようだ。
そんな技を使われたら同じS級のミクちゃん、青龍さんアスモデウスさんは攻撃を防がれてしまう。故に冥魔族を殺さずに倒す方法が効率が良いという訳だ。
そう思い、俺は黒紅煉刀を。ミクちゃんはレイピアを。青龍さんは青龍偃月刀を。アスモデウスさんはユニークスキル、色欲支配を使用して冥魔族を蹂躙した。俺、ミクちゃん、青龍さんは習得したスキルは無いがアスモデウスさんだけは――。
「何じゃ? 冥光の安楽死、冥影の移動、冥壁の拒絶を入手したようじゃが――」
と、冥魔族が代表するアクティブスキル入手したようだ。冥魔族――と言うくらいだから、冥魔族も魔族の一種なんだろう。冥光系統のアクティブスキルを入手すること自体に違和感を抱くことは無いけど、洗脳に特化した戦い方をするアスモデウスさんが強力なアクティブスキルをGETした。これは今後の戦いでも非常に役立つ。
「凄いじゃないですか! おめでとうございます!」
と、笑顔でアクティブスキルの入手を喜んでいたのはミクちゃんだった。
「ありがとう。しかし長い間、新しいアクティブスキルを習得していなかったからか、いきなり3つも入手できると違和感があるのう」
「ダンジョンはレアなスキルをたくさん習得できる場所だからな~。来て正解だろ?」
「そうじゃな。よし! この調子で進むぞ!」
と、張り切って次の層の扉に向かって行くアスモデウスさん。何だかんだスキルを入手した事によって一番張り切っている。まあ、モチベーションが上がってくれてこっちとしては嬉しいけど。
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